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更新日:2026年10月15日

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大阪府歯科保険医協会 要望書

要望受理日 令和8年7月30日(木曜日)
団体名 大阪府歯科保険医協会
取りまとめ担当課 府民文化部府政情報室広報広聴課
表題 府民の受療権と歯科医療提供体制の充実等を求める要望書

 

要望書

2026年7月30日

大阪府知事
吉村 洋文 殿

大阪府歯科保険医協会
理事長

府民の受療権と歯科医療提供体制の充実等を求める要望書

応接項目

1.府民の受診環境の確保
国民健康保険制度や医療費助成制度について、府民の受療権を保障する観点から改善を求める。

  • (1)国保府内統一保険料制度を見直すこと。
    大阪府の国保料が全国最悪レベルである背景には統一化がある。市町村独自の減免など、保険料引き下げ努力ができなくなった、府が財政安定を優先した保険料算定を行っている、その結果基金は積み上がる一方で高い保険料が固定化されている。
    また府内で同一となっているのは保険料のみであり、医療提供体制には地域による格差が存在する。このような制度上の矛盾について、大阪府として、この制度設計が合理的であると考えるか。
  • (2)国保料を引き下げること。
    国保料引き下げには、府内の拠出金増額や市町村一般会計からの繰り入れの復活、独自減免制度の復元、保険料算定方式の見直し、国庫負担増などあらゆる方策を講じること。
  • (3)資格確認書を全員に交付すること
    マイナ保険証をめぐる受診時の資格確認トラブル・システムエラーはいまだにたびたび起こっている。暗証番号を忘れている人も多い。マイナ保険証の保有の有無や使用頻度、あるいは年齢に関係なく全員に資格確認書を職権交付すること。また、特別療養費制度上の資格確認書(従来の資格証明書)、保険料滞納に関わらず資格確認書を発行すること。
  • (4)医療費一部負担金減免制度を拡充すること。
    統一化以前から制度利用は多いとは言えなかったが、住民運動などにより利用されている自治体も存在していた。しかし、統一化以降、制度利用はほぼ皆無に近い状態となっている。経済的理由による受診抑制を防ぐため、制度の拡充を行うとともに、制度の周知と運用改善を図ること。
  • (5)乳幼児医療、ひとり親家庭医療、障がい者医療の対象者を抜本的に拡充し、窓口負担をなくすこと。合わせて老人医療費助成制度を復活させること。また、これらに加え妊産婦医療費助成を新設すること。
    前年度の懇談では「6歳以上は自治体の努力で助成されている」、「府は6歳未満をセーフティーネットとして助成している」、「500円の負担は応能負担として必要だ」という主旨の回答があったが、都道府県の助成も「就学前」は最低レベルである。努力している都道府県の財政力を見ても、他府県との比較において、大阪府のみ制度拡充が困難である合理的理由はない。

2.口腔保健政策の推進
生涯を通じた口腔健康の維持増進と健康格差の是正の観点から、歯科保健事業の充実を求める。

  • (1)成人歯科健診を、府民が身近な歯科医療機関で年間を通じて受診できる個別健診方式を基本とした受診しやすい体制整備を支援すること。また、成人歯科健診に加え、障害者や施設入所者、在宅療養者などへの健診機会も確保すること。
  • (2)学校歯科健診後調査の未受診対策はとられているか。学校歯科健診で「要受診と判定された児童・生徒が確実に受診できるよう、受診支援制度を整備すること。また、子どもの口腔における健康格差の是正に努めること。
  • (3)妊産婦歯科健診を拡充することで、受診者数および受診率が向上するよう市町村を支援すること。
    妊娠中はホルモンバランスの変化などにより歯周病やう蝕が進行しやすく、歯周病は早産・低出生体重児との関連も指摘されていることから、妊娠期の口腔健康管理は母子保健上極めて重要である。府内では各自治体が妊婦歯科健診を無料で実施しているものの、受診率は令和6年度実績で平均22%と低い。実施方法や受診環境にも市町村間で差がある。まずは集団方式を実施している市に対し、受診率向上の観点から個別方式への移行を市町村へ助言・支援すべきではないか。

3.歯科医療提供体制の整備、公衆衛生
この章では、府民が必要な歯科医療を安心して受けられる体制を維持・充実する観点から、病院歯科、障害者歯科、感染症対策等について要望する。

  • (1)医療費抑制を目的とした病床削減・病院再編を行わず、地域医療提供体制を維持・充実すること。とりわけ、病院歯科・歯科口腔外科については、周術期口腔機能管理、口腔がん、障害者歯科、救急歯科医療など高度・専門歯科医療を担う機能が後退することのないよう必要な体制を確保すること。
    大阪府では地域医療構想に基づく病床削減・病院再編が進められているが、協会は、医療費抑制を目的とした病床削減や病院再編は、地域医療提供体制を脆弱化させるものであり反対である。病院歯科・歯科口腔外科は、周術期口腔機能管理、口腔がん、顎顔面外傷、障害者歯科、救急歯科医療など、地域の高度・専門歯科医療を担う重要な役割を果たす。
  • (2)歯科口腔外科専門医・認定医の整備・府民への周知をすること。
    歯科口腔外科を実施している公的医療機関や、歯科口腔外科の認定医・専門医が配置されている医療機関を把握し、府民に分かりやすく周知すること。医療情報ネット(ナビィ)では、公私の別や認定医・専門医のクロス検索はできていない。
  • (3)地域歯科医療の提供体制を拡充すること。
    地域歯科診療支援病院および在宅療養支援歯科病院などが医療圏ごとに配置され、患者のニーズに応じた時間帯で受診できるよう支援し、整備を進めること。
  • (4)新興感染症が発生した際に、歯科治療にかかわる体制を医療圏ごとに整備すること。また、新興感染症に対応できる病床確保、人的配置、保健所職員の増員など、体制強化を図ること。
  • (5)障がい者(児)歯科について、対応する一次医療機関を把握し拡充するともに、入院下・全身管理下で歯科治療が受診できるよう高次医療機関との連携体制を整備すること。当会会員からは、障害者歯科の抜歯について、大学病院でも半年程度待機する事例があるとの実態が寄せられている。
  • (6)個人歯科技工所に対して、高度医療機器の取得を支える補助制度を創設するとともに、申請手続きの簡素化や申請支援窓口を創設すること。
  • (7)水道インフラの整備
    歯科医療機関が安心して水を使用できるよう、計画的な水道管の点検・補修を行い、その進捗状況を可視化すること。
  • (8)PFAS汚染の実態を把握するため、各市町村住民を対象とした血液検査および土壌調査の実施を支援すること。

4.歯科医院経営等への支援
物価高騰や感染症への対応など、歯科医療機関が地域医療を継続できる経営支援を求める。

  • (1)物価高騰については引き続き実態把握に努め、府独自の支援メニューも含めた医療機関支援を実施すること。
  • (2)支援金などの申請手続きはオンラインに限定せず、引き続き柔軟に対応すること。
  • (3)歯科医療機関に対する情報は府内すべての歯科医療機関にいきわたるよう徹底すること。
    国が補正予算で設けた医療機関に対する賃上げ支援では、対象が1.ベースアップ評価料届出医療機関に限定、2.遡って上乗せで賃上げを実施すること、体制が整わなければ3月中に一時金等として支払うことなど複雑な要件が示された。
    2.については周知期間が短く、現場の混乱を招いており、申請できなかった医療機関も散見する。制度の趣旨に応じて公平性を担保するため、プッシュ型の情報提供を要望したい。また、本事業では申請フォームが「行政オンラインサービス」に代わり、新たに「おおさか事業者ポータル」となっているが、こうした経緯についても何が変わるのかについて説明を求めたい。
  • (4)令和7年度物価高騰支援事業における歯科医療機関の申請率は。

5.審査・指導
指導・監査制度については、適正手続と被指導者の権利保障の徹底を求める。

  • (1)指導大綱に定められている「懇切丁寧」な指導を徹底すること。
    昨年、新規個別指導の際の技官の態度を理由に、診療が不能となり閉院した医療機関が出た。指導大綱に定められる「懇切丁寧」とはかけ離れた指導がされていることは、いうまでもない。技官の心証を害したら再指導になるのではとの理由などから抗弁できない雰囲気が醸し出されている。適切な指導が実施されるよう、強く求める。
  • (2)弁護士帯同や録音は国基準にすること。録音の申し出に対して同意書の提出を求めて取り下げるよう促すなど、指導大綱から逸脱する事例が大阪で起こっている。当該技官・事務官を厳正に処分するとともに再発防止策を示すこと。
    大阪府のベテランの事務官と技官が実施した新規個別指導において、要望内容の事件が近畿厚生局の調べで明らかになった。重く受け止め再発防止に努めるべきである。
  • (3)技官や事務官の質の向上に努めること。被指導者が相談できる苦情申し立ての窓口を担当課外に設けること。行政評価事務所など第三者機関からの勧告には誠実に対応すること。
    指導にあたる職員に対する教育の場を定期的にもち、人権の尊重をはじめ、犯罪捜査のごとき権限は与えられていないなどの法的位置づけ、および指導目的と趣旨を周知することが必要である。
    また、前述のとおり「技官の心証を害したら再指導になるのでは」との思いから、担当技官及び事務官には言えないことから苦情が表面化しにくいのが実状である。第三者機関が必要な所以である。
  • (4)保険医療機関に対する指導にあたっては、近畿厚生局との連携を前提にしつつも、選定委員会への積極的な参画と公正で民主的な運営のために独自性と主体性を持つこと。
    国保法に基づき個別指導する立場から、厚生局とは対等に指導現場で起こっている問題の改善に当たられたい。
  • (5)改定時集団指導は、質疑応答の機会を設けるなど、改定された内容が開業医にわかりやすいものとなるよう工夫すること。
    診療報酬改定後の集団指導には質疑・応答の機会がなく、実態として概要の伝達の場となっている。臨床現場に混乱が起こらないよう懇切丁寧な指導の場として位置付ける必要がある。
  • (6)立合い人の選択の自由を認めること。
    保険診療の質的向上及び適正化を図ることを達成するため、被指導者に指導時の助言や指摘が正確に伝わる必要がある。被指導者の理解を深めるためにも、立合い人を被指導者の自由選択とすること。

文書回答項目

府民の命と暮らしを守ることを府政の最優先課題とし、大型開発優先から医療・福祉・教育・防災を重視する府政への転換を求める。

1.大阪府政

  • (1)ギャンブル依存症や治安悪化など府民生活への影響が懸念されるIR・カジノ事業は中止すること。
  • (2)大阪市廃止を前提とした「大阪都構想」の3度目の住民投票は行わないこと。2020年まで2度にわたり大阪市民が示した民意を尊重するとともに、「大阪府基礎自治機能の充実及び強化に関する条例」による市町村合併や広域再編を上から押し付けないこと。
  • (3)IR・カジノや夢洲開発、なにわ筋線、大阪モノレール延伸など大型開発に多額の財政支出を行う一方で、子ども医療費助成、国民健康保険料負担軽減、医療機関への物価高騰対策など府民生活に直結する施策は立ち遅れている。大型開発優先から府民の命と暮らしを最優先する府政へと転換すること。
  • (4)保健所・保健センターの配置や有無、人員規模が感染症対策や災害時対応にどのような影響を与えたかを検証し、保健所等の施設・設備及び専門職を含む人員を拡充して、公衆衛生体制を強化すること。

2.口腔保健事業

  • (1)学校歯科健診で「要受診」と判定された児童・生徒の受診状況及び「口腔崩壊」の状態にある児童・生徒の実態を把握すること。児童・生徒が確実に治療を受けられるよう教育委員会や学校への援助を強めること。医療ネグレクトの早期発見と早期対応のために、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置を進めること。
  • (2)府下の全小中学校で給食後の歯みがきに取り組めるよう、自治体・小中学校へ必要な援助をすること。
  • (3)小中学校でのフッ化物洗口の取り組みを進めるため、「フッ化物洗口マニュアル」並びに「市町村教育委員会のためのフッ化物洗口導入の手引き」を策定すること。フッ化物応用事業に取り組む市町村への補助金制度を創設すること。
  • (4)「児童虐待チェックシート」を改定し、子どもの身体的特徴の項目に「多数の未処置う蝕がある」を、保護者・家庭の特徴等の項目に「歯みがき習慣がない」をそれぞれ追記すること。
  • (5)大阪府内の児童相談所、保健所、一時保護施設等に嘱託歯科医を配置し、一時保護児童の口腔の健康状態をチェックする仕組みを整えること。
  • (6)歯科口腔保健の推進に関する法律(口腔保健法)に基づき予算化し、理念にとどまらない実効性を担保する条例を制定すること。
  • (7)障がい者(児)が身近な地域で安心して健診や治療を受けられるよう、一次医療圏に所在する障がい者歯科診療施設を案内するリーフレットやホームページ等を作成すること。
  • (8)中小事業所や共同作業所など障害者就労支援施設等で就労する障がい者を対象に、歯科健診の機会を増やすなどの口腔保健事業を推進し、障がい者の口腔衛生の向上を図ること。
  • (9)府内歯科診療所に対して、障がい者(児)への歯科保健医療サービスの提供状況を調査し、東京都医療機関案内サービス「ひまわり」のように、府民が障がい者歯科に対応する医療機関を容易に検索できる仕組みを整備すること。
  • (10)介護施設入所者や在宅療養高齢者の口腔健康管理を推進するため、市町村と連携し歯科健診及び訪問歯科診療体制を充実すること。

3.歯科医療の供給体制・人材育成支援について

  • (1)すべての感染症患者の歯科医療受診システムを確立すること。感染者が安心して受診できるよう周知すること。
  • (2)大阪府内の歯科衛生士養成施設に通い将来府内で働こうとしている人に対して、経済的理由による就学困難者を対象にした無利子の奨学金制度を創設すること。卒業後、大阪府内で歯科衛生士として5年間継続して働いた場合には、返済を免除すること。
  • (3)大阪府内の歯科技工士養成施設に通い将来府内で働こうとしている人で、経済的理由による就学困難者を対象にした無利子の奨学金制度を創設すること。

4.審査・指導

  • (1)大阪府指導監査課、近畿厚生局と大阪府歯科保険医協会、3者の懇談の場を設けること。
  • (2)当会の会員を対象にした保険講習会に技官を派遣すること。
  • (3)歯科初診料注1に規定する施設基準の研修会「院内感染防止対策」を大阪府が開催すること。
  • (4)高点数を理由とした個別指導、集団的個別指導は廃止すること。

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