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一般財団法人大阪府視覚障害者福祉協会 要望書
| 要望受理日 | 令和8年6月22日(月曜日) |
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| 団体名 | 一般財団法人大阪府視覚障害者福祉協会 |
| 取りまとめ担当課 | 府民文化部府政情報室広報広聴課 |
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表題 |
要望書 |
要望書
令和8年6月22日
大阪府知事 吉村 洋文 様
一般財団法人大阪府視覚障害者福祉協会
会長
要望書
大阪府におかれましては、平素より視覚障害者福祉に対しまして格別なご理解とご協力を賜り厚く御礼申しあげます。
さて、本会は、昭和39年に視覚障害者が結集して結成し、ひたすら視覚障害者の自立と社会参加をめざし活発に活動してきました。
大阪府には、その間、種々の施策を実施していただき、令和2年6月には私たちの長年の要望に応えた大阪府立福祉情報コミュニケーションセンターという新たな活動拠点の設置が実現しました。以降、当協会は、大阪府とともに新拠点における視覚障害当事者の社会参加を支援する活動を行ってまいりました。センターにおける視覚障害者福祉のための事業が、今後とも円滑かつ十分に継続できるよう強く望んでおります。
昨年は、「大阪・関西万博2025」が夢洲で開催され、大阪に大きな賑わいをもたらしました。この万博では、チケットの購入がWeb以外をほぼ排除するものであったため、視覚障害当時者にとって、購入自体が困難という課題が開催直前に明らかとなりました。万博の理念に照らして、当事者や高齢者への配慮が運営上の思想から零れ落ちていたことは、非常に残念でなりません。
コロナ禍を契機とした非接触・非対面を基本とする急速な技術進歩は、私たち視覚障害当事者にとり、新たな障壁を生み出しています。デジタル化を軸とした社会システムの変化は、私たちにも利便性向上となるべき技術革新のはずが、セルフレジへの統一や駅の無人化といった壁となり、私たち視覚障害者の自立という側面において、残念ながら負の方向へと働いています。
施行後1年以上経過する「障害者差別解消法」における事業者への合理的配慮義務化をいかに社会の隅々にまで浸透させ得るか、また、「大阪府障がい者計画」をはじめとした各法(「障害者差別解消法」、「読書バリアフリー法」、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」など)に基づく関連の行政計画が、私たちの暮らしの実感としていかに実現されていくのか、大阪府と共に見つめ、共に努めてまいりたいと考えています。
全国の仲間とともに長年取り組んできた障害者施策の充実は道半ばであり、視覚障害者を取り巻く多くの課題は、今日に至りましても解決をみておりません。
私たち視覚障害者の人権が守られ、自立と社会参加が完全に実現し、移動の自由や働く権利と生活の安定を確保するため、次に掲げる事項を速やかに実現してくださいますよう、強く要望いたします。
吉村知事様をはじめ大阪府関係機関の職員の皆様に、十分なご理解を賜りますこと及びより確かな視覚障害者福祉施策の積極的な推進を心からお願い申しあげます。
令和8年度 大阪府への要望項目
- 大阪府は、これまで積み重ねてきた視覚障害者福祉の制度、施策を発展・充実してください。
- 大阪府立福祉情報コミュニケーションセンターにおいて、視覚障害者福祉のための事業が、継続的かつ十分に実施できるように支援してください。
- 「第5次大阪府障がい者計画」の実績・進捗を踏まえ、「第6次大阪府障がい者計画」が実効性のあるものとなるよう、協議・策定してください。
- すべての府民(府内の公的機関や教育機関等に所属又は、関与する者を含む。)を対象に、視覚障害者を正しく理解するための啓発活動を充実してください。特に大学生や高校生など若年層の意識向上に資するような連携事業等の推進に努めてください。
- 府民や事業者に対し、盲導犬を正しく理解するための啓発と盲導犬の普及に努めてください。
- 障害者差別解消法の趣旨を徹底するため、大阪府が制定したガイドラインが実効性を発揮するよう努めてください。
(1) 市町村とも連携して、より一層積極的かつ効果的に、合理的配慮の義務化及び必要性について府民(事業者を含む。)への啓発を行ってください。
(2) 大阪府や市町村の職員対応等の運用に当たっては、視覚障害者への正しい理解の徹底をはかり(対応マニュアル作成等)、職員による代読、代筆をはじめ、視覚障害者が不自由しない窓口対応に努めてください。
(3) 視覚障害者にとってはスーパーのセルフレジや飲食店のタッチパネルなど画面上の操作が困難であることへの理解を深め、有人レジの設置や必要時に操作の支援が得られるよう、働きかけてください。
(4) 府立高校の入学試験や大阪公立大学の2次試験でスクリーンリーダーが導入されているパソコンを使用しての受験もできるようにしてください。 - 金融機関のATMでは、視覚障害者が不自由なく利用するため受話器の位置を統一してもらえるよう関係機関に働きかけてください。また、家電製品をはじめあらゆる商品について、視覚障害者にも使いやすいユニバ―サルデザインの推進に努めてください。
- 同行援護事業について
(1) 同行援護事業を担うガイドヘルパーの成り手が減少し、視覚障害者が必要とする日時に利用できない事態も生じています。同行援護事業の利用者が不自由なく利用できるよう、ガイドヘルパーの報酬改善等を含めた制度上の課題改善を国に要望するなど、一日も早く、ガイドヘルパーが充足されるよう努めてください。
(2) ガイドヘルパー養成研修にかかる費用を各市町村が負担できるよう、大阪府からも、各市町村への補助等の支援に努めてください。
(3) 物価高騰が続く中、最低賃金も引き上げられています。同行援護を初めとする障害福祉サービスがより多く利用できるよう、障害者総合支援法に基づく利用者負担上限月額の引き上げを強く国に働きかけてください。
(4) 同行援護事業を通勤、通学にも利用できるよう国に要望してください。また、就労当事者の就労継続を円滑にするためにも、通勤時及び出張時の同行援護サービスの利用及び各自治体の条件を統一するよう働きかけてください。 - 障害福祉サービスを受けている視覚障害者が65歳を超えて介護保険に移行しても、同行援護が引き続き受けられることを各市町村への周知徹底に努めてください。
- 障害者手帳のカード化について、府として積極的に進めるとともに、各市町村にも働きかけてください。
- マイナ保険証は、その利用者に視覚障害者が存在することを前提とした利用方法の開発に努めてください。
(1) マイナ保険証を認証するための装置は、タッチパネル等により視覚障害者が操作することが困難な機器が多く、対応可能な機器の普及を医療機関に導入できるよう各機関に働きかけてください。普及が完遂できるまでは、健康保険の視覚確認証の発行、利用を継続してください。
(2) マイナ保険証に「特定疾患医療受給者証」や各自治体発行の医療証が紐づけられるようにしてください。 - 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法を推進してください。
(1) 視覚障害者を対象としたスマートフォンの講習会を各市町村あるいは府視協のブロック単位で開催してください。
(2) 視覚障害者にスマホやICT機器の使い方を指導できる「ITサポーター」等の人材育成と派遣活動への支援を充実してください。
(3) スマホやマイナンバーカードを持つ事に躊躇する視覚障害者や高齢者に、なぜ持つ事に意義があるかを説明する会などを開くよう国に働きかけてください。 - 読書バリアフリー法について
(1) 同法の目的を実現するため、視覚障害者が容易に読書できるよう、読書環境の整備を積極的に推進してください。
(2) 同法に基づく市町村計画の策定が促進されるよう、積極的に働きかけてください。また、市町村の公立図書館における「サピエ」への登録、端末操作指導員の設置等が促進されるよう市町村に働きかけてください。 - 視覚支援学校に点字指導のできる教員を中長期的に確保してください。
- 視覚障害高齢者が、住みなれた地域で生きがいを持って生活できる施策を充実してください。
- 補装具、日常生活用具の支給基準額を実態に合わせて引き上げるよう市町村に働きかけてください。
- 補装具、日常生活用具の対象品目の拡大や支給条件について
(1) スマートフォンを日常生活用具の給付対象にするよう市町村に働きかけてください。
(2) 視覚障害者にとり、聴覚による情報はとても重要なものです。補聴器を補装具の対象品目としていただき、状況に応じた柔軟な制度運用を各市町村に働きかけてください。 - 視覚障害者の自立と社会参加促進のため、最も重要である雇用の促進と就労支援を充実してください。
(1) 大阪府や民間企業において、視覚障害者がより多く雇用されるようにしてください。また、障害者雇用における視覚障害者の雇用実態を把握し、効果的な施策を充実させてください。
(2) 介護保険施設等で視覚障害者機能訓練指導員がより多く雇用されるよう支援してください。
(3) ICT等を活用した在宅勤務なども含め、視覚障害者の職業拡大・開拓を積極的に進めてください。また、その職で自立できる職業訓練を充実してください。
(4) 職業に必要なスキルを得るための教育・ICT等の訓練をより受けやすくするとともに、求職中の者だけでなく、在職者や学生も受けやすいものとなるよう配慮してください。 - 視覚障害者の職業自立を図るため、視覚障害者の三療業を守る支援をしてください。
(1) 三療業者(鍼・灸・マッサージ)の無免許営業、無資格類似業者の取締りを強化してください。
(2) 柔道整復に係る不正な保険請求を取り締まってください。
(3) あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師養成校の増設を無制限に認可しないよう、国に働きかけてください。 - 昨年12月にマイナ保険証が導入されました。マイナ保険証においては、あはき療養請求における患者の保険証確認に支障がでないようにすることを国に働きかけてください。
- テレビの災害時の緊急情報(地震の発生場所・震度など)は、緊急アラートとテロップだけでなく、一日も早く音声化していただくよう、放送局へ働きかけてください。また、緊急速報を報せる警報音を国内で統一するよう、国に働きかけてください。
- 近年、甚大な自然災害が頻発しています。大阪府は、市町村と連携を密にして、災害時において、視覚障害者の生命と暮らしが守られる有効な対策と支援を実施してください。
(1) 視覚障害者が危険に備えるための情報を予め入手できるよう、ハザードマップの点字版や音声版を作成するよう市町村を指導してください。
(2) 府内のどこにいても視覚障害者が必要な媒体でハザードマップを提供され、デジタル機器を用いる場合には必要な操作支援も受けられるよう関係機関に働きかけてください。
(3) 被災後の避難所においても、視覚障害者の特性を理解した合理的配慮が得られる有効な対策を確保できるよう関係機関に働きかけてください。 - 改正バリアフリー法の基準に基づき、既存施設についても必要な改善をしてください。 また、公共施設や庁舎の出入り口は利用しやすくし、音声案内を設置してください。
- エスカレーターの昇降位置まで、誘導用点字ブロックを敷設するよう、また昇り下りを音声で案内するよう、さらに踏み板の色彩を判別しやすくするよう、関係機関に働きかけてください。
- エスカレーターでの歩行を禁止する条例を大阪府においても制定してください。また、「エスカレーターでは歩いたり走らないように」と分かりやすく表示やアナウンスするよう、関係機関に働きかけてください。
- 鉄道駅構内等において安全な移動を確保するために
(1) 鉄道各駅にホームドア、ホーム柵、内方線ブロックを危険度の高い駅から優先して早期に設置するよう鉄道事業者に働きかけてください。
(2) 大阪府立福祉情報コミュニケーションセンター最寄りのJR森ノ宮駅に、ホームドアを早期に設置するよう鉄道事業者に働きかけてください。
(3) エレベーターの設置を進めるととともに、各鉄道事業者のエレベーターの音声案内を適切な内容、タイミングに統一するよう働きかけてください。また、連絡通路等空間・設備の明るさや、階段段鼻を見やすくするなど良好な視認性を確保するよう働きかけてください。
(4) ホームで歩きスマートフォンをしないよう啓発してください。
(5) 乗り換え情報をはじめエスカレーターやエレベーターの位置等ついて、車内、駅構内では、的確でわかりやすいアナウンスをするよう鉄道事業者に働きかけてください。 - 道路上における歩道、点字ブロックの敷設等について
(1) すべての道路に、歩道、点字ブロックを設置してください。
(2) 破損した歩道や、不適切な設置や劣化した点字ブロックは早急に改善してください。
(3) 歩道と車道の段差を、白杖で容易に判断できるようにしてください。
(4) 弱視者が安心して一人歩きできるよう、点字ブロック・段鼻を鮮明な色にしてください。 - 音響式信号機及びエスコートゾーンの設置について
(1) 押しボタン式の信号機にあっては、操作ボタンの位置がわかるように音を鳴らすなどしてください。
(2) ラウンドアバウト交差点については、視覚障害者が安心して安全に横断できる方策を講じてください。
(3) すべての交差点に音響式信号機及びエスコートゾーンを設置してください。また、設置する交差点や位置、構造、音量等について地域の視覚障害者の意見を聞いてください。
(4) 歩車分離式の信号機には、必ず音響式信号機を併設してください。 - 路上での歩きスマートフォンをやめるよう啓発を強化してください。
- 自転車や電動モビリティー等の歩道上での乱暴な運転、無灯火やスマートフォン、携帯電話使用中の運転などは、視覚障害者にとって非常に危険です。視覚障害者の安心で安全な移動を確保してください。
(1) 歩道を走行することのできるモビリティー(電動キックボードやシニア向け四輪車等)利用者の危険運転に対してより一層厳しく取り締まってください。
(2) すべての府民に対して車道通行原則の交通ルールの徹底と自転車の使用マナーについて啓発してください。併せて、学校での児童、生徒、学生等に対する自転車等の使用マナーの指導強化に努めてください。 - 視覚障害者が安心して安全に歩道を歩行できるために、自転車専用道や誘導マーク(青矢印)の整備を促進し、歩行者専用道整備等を促す道路交通法改正を国に働きかけてください。
- 道路上に放置されている自転車や自動車、商品や荷物を厳しく取り締まってください。また、各鉄道事業者や駅周辺の土地所有者に対して、放置自転車等の防止や安全対策を講じるよう指導してください。
- 大阪府が発行する刊行物のすべてを、点字・音声・拡大文字化してください。府政だよりについては、施策やイベントをできるだけ詳しく掲載してください。
- 大阪府及び大阪府の外郭団体が、不特定多数の視覚障害者を対象に発行する点字文書は、「日本点字委員会」が編集・発行する「日本点字表記法」の定めを遵守して発行してください。
- 府及び府の外郭団体のホームページ上のpdf形式の文書には、それと同様のhtml形式の文書も必ず掲載してください。また、すべてのホームページにおいて視覚障害者の日常生活に欠くことのできない情報は常に正確かつ最新のものを容易に閲覧できるようにしてください。
- 義務教育において、視覚障害者も一緒に学べる統合教育を推進してください。
- 公共交通機関利用が不便な地域での路線バス等の廃止や減便が進んでいます。日常生活に不可欠な買い物等の行動不自由に直結するこの傾向がこれ以上進まないよう、事業者及び市町村に働きかけてください。