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大阪府立支援学校PTA協議会 要望書
| 要望受理日 |
令和8年10月6日(火曜日) |
|---|---|
| 団体名 | 大阪府立支援学校PTA協議会 |
| 取りまとめ担当課 | 府民文化部府政情報室広報広聴課 |
| 表題 | 要望書 |
要望書
令和8年10月6日
大阪府知事 吉村 洋文 様
大阪府教育委員会教育長 水野 達朗 様
大阪府立支援学校PTA協議会
会長
要望書
はじめに
本協議会は、昭和48年の結成以来、府立支援学校に関するさまざまな課題を取り上げ、子どもたちが安心して学び育つ環境づくりのために要望を続けてまいりました。府当局におかれましては、これまで多大なるご尽力を賜り、多くの課題に真摯に取り組んでいただいておりますことに、深く敬意を表し、心より感謝申しあげます。
しかしながら、府内の支援学校においては、依然として施設の老朽化や過密化、狭隘化などの課題が残されており、安全で快適な学習環境の確保が求められています。大阪府では、令和10年度の新たな知的障がい支援学校の開校や既存校の移転整備、さらに令和11年度には分校の本校化による新たな支援学校の設置が予定されるなど、教育環境の充実に向けた取組みが進められています。 一方で、保護者からは、できる限り身近な地域で学べる環境の充実や、通学バスによる通学負担の軽減、安全性の向上を望む声も多く寄せられています。
また、障がいの重度・重複化や多様化が進む中、一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導・支援を実現するためには、適正な教員配置と支援教育に関する専門性の向上が不可欠です。大阪府学校教育審議会では、今後の府立視覚支援学校及び聴覚支援学校のあり方について答申が示されており、専門性の継承とさらなる充実が期待されています。
さらに、障がいのある子どもたちが卒業後も地域社会の中で豊かに暮らし、自らの力を発揮していくためには、進学・就労・福祉との切れめのない連携が必要です。将来を見据えた進路保障と社会参加の充実は、私たち保護者共通の願いです。
近年は豪雨や台風、地震などの自然災害が頻発し、本年5月には新たな防災気象情報の運用も開始されました。 障がいのある子どもたちの命と安全を守るため、防災教育の充実や危機管理体制の整備、通学バス運行時を含めた災害対応の強化が求められています。
また、社会環境が変化する中で、PTA活動や学校と保護者との連携の在り方も問われています。子どもたちにとって最善の教育環境を実現するため、今後も学校・家庭・地域が信頼関係のもと協働していくことが重要です。
本協議会では、各学校PTAの共通する切実な願いと要望を取りまとめました。すべての子どもたちが豊かに学び、安全に成長し、自らの未来を描くことができるよう、以下の要望事項につきまして、速やかなご検討と実現を切にお願い申しあげます。
1教育庁への要望
1.【学校建設関連】
(1)大阪北視覚支援学校の校舎および寄宿舎は築60年以上が経過し老朽化が著しく、視覚障がいのある児童生徒等にとって危険です。大阪府学校教育審議会答申を踏まえ、建替えを一刻も早く進めてください。
(2)三島地域の知的障がい支援学校では児童生徒数の増加により、学校の狭隘化が深刻化しています。高槻支援学校の令和8年度在籍者数は413名で、10年前より84名増加し、特に小学部1年生の増加が顕著です。教室不足により特別教室の転用が限界となり、専門的な学習環境の確保が困難です。また、体育館やグラウンドも過密化し、安全面に課題があります。さらに通学バスは14台まで増車されましたが、乗降スペースや駐車場所も不足しています。三島地域の教育環境改善のため、早急な新校整備など抜本的な対策を求めます。
(3)東大阪市在住の知的障がいのある小・中学生が支援学校を選択した場合、八尾支援学校に通学しますが、中学部卒業後は居住区域によって異なる支援学校高等部に進学しなければならない現状にあります。これにより系統的な教育の実施が難しく、環境の変化によって児童生徒に大きな負担をかけています。落ち着いた環境で系統的な教育を保障するために、東大阪市に小中高一貫の知的障がい支援学校を設置してください。
2.【施設・設備関連】
(1)大規模災害に備えて、食料や発電機等の必要物品を学校予算やPTA会費で購入していますが、各校の努力で賄うことが厳しい現状にあります。災害時に必要な蓄電池や災害用トイレ等を、大阪府として各校に配備するシステムを構築してください。
また、児童生徒が在校中に大規模災害が発生した場合は、外部との連絡方法の確保が必須です。防災無線や停電時にも対応できる校内放送設備の設置、安全に避難できる施設設備等の改修をお願いします。
さらに、大きな河川の側に立地する学校については、河川氾濫や高潮等による浸水リスクを抱えて教育活動を行っています。非常時には津波避難ビル等への避難を推奨されていますが、肢体不自由支援学校にとっては校外そしてビルの高層階への避難は極めて厳しいことです。安全で安心な教育環境を保障するために、校舎の移転計画を進めてください。
(2)多くの府立支援学校においては、校舎及び施設設備の経年劣化が甚だしく、ひび割れや歪み、腐食による雨漏り・雨水侵入が頻発するなど、災害時には倒壊や部材落下の危険性もあり、安全な教育環境の確保が困難な状況です。また、空調設備の故障が増加し、夏季の高温下で適切な温度管理が難しくなっています。とりわけトイレについては、老朽化だけでなく障がい状況に対応していない仕様であったり、断熱性に課題があったり、個室のドアの代わりにアコーディオンカーテンで仕切って使用していたりするなど、安全や衛生面だけでなく、児童生徒の人権に係る問題があります。児童生徒の健康と安全、そして人権を守るため、校舎の早急な改修・施設整備、トイレ環境の改善、空調設備の修理・更新を強く要望します。今後の支援学校の改修等に関する工事の計画を教えてください。
(3)多くの知的障がい支援学校においては、児童生徒数の増加に伴い教室不足が生じています。特別教室や更衣室・教材室のHR教室への転用や適正な在籍数を上回る「圧縮学級」によるHR教室運営を強いられるなど、教育環境や安全面において極めて深刻な状況にあります。教育活動の充実と安全な学習環境の確保のため、計画的な教室確保をお願いします。
(4)学校における児童生徒の安全確保のため、不審者の侵入防止やトラブルの未然防止に有効な防犯カメラの設置を要望します。
(5)聴覚高等支援学校及び聴覚支援学校高等部における職業教育の一層の充実を図るためには、時代に即した施設・設備・機材の整備・更新と専攻科の設置が不可欠であると考えます。職業学科における実習は生徒の就労や社会的自立に直結する重要な学びの場ですが、実習設備の老朽化が進み、企業で使用される機器との乖離が生じています。安全で実践的な学習環境の整備とともに、重複障がいのある生徒を対象とした専攻科設置を含む職業教育の一層の充実を要望します。
(6)高等支援学校の特色である職業学科の授業が継続できるよう、必要な施設・設備・機材の更新を確実に進めていただきたい。また、時代に即した職業教育を展開するためには、設備・機器等の新規拡充も必要です。学校での経験が生徒にとって確かな自信となるよう、学習環境の充実のための予算確保を引き続きお願いします。
(7)肢体不自由支援学校には体温調節が難しい児童生徒が多数在籍していることから、安全に教育活動を行うためには、気候や気温に左右されない環境整備が必要です。教室等の床暖房、全天候型プールなど、教育環境の改善を図ってください。また、授業で使用する備品や教材・教具が老朽化しており、安全面のリスクと学習効果の低下が見受けられます。教育的効果を高めて児童生徒の成長を促進するために、備品や教材・教具のアップデートに必要な予算を措置してください。
(8)肢体不自由児を安全に介助し、さらに腰痛防止など教職員の健康を守るためには介護用リフトやアシスト機器が必要不可欠です。全ての肢体不自由校に介護用リフト等を配備する予算を措置してください。
(9)肢体不自由校においては、この数年間で児童生徒数の減少が年々進んでいる学校がある一方で、増加し続ける学校もあります。児童生徒数が減少している学校では、集団での学び合いや友だちと関わる機会が減っており、豊かな教育環境の維持が困難になっています。支援学校の専門性や魅力をさらに発信するとともに、児童生徒数の不均衡が生じている現状を是正するために通学区域割を見直すなど、肢体不自由校の今後の在り方の検討を進めてください。
3.【教育制度関連】
(1)高校段階における病気療養児の学びを保証するための教育体制の整備を要望します。
(2)特別支援学校就学奨励費について、定額支給となるように制度の見直しを検討してください。また、現行制度について学用品購入費用を確認するためのレシート・領収書の提出を省略し、手続きを簡素化してください。
4.【教員配置・専門性関連】
(1)支援を必要とする児童生徒の増加や教育的ニーズの多様化に伴って、教員の業務量は年々増えています。授業準備の時間確保が難しく、また児童生徒への個に応じた指導が十分にできないなど、教育現場における様々な問題が顕在化しています。一方で、社会問題となっている人手不足は教育現場も例外ではなく、今後の教職員不足が予測されます。持続可能で質の高い支援教育を行うために、児童生徒の日常生活動作の介助を担うスクールサポートスタッフを配置するなど、今後を見据えた指導・支援体制の整備を進めてください。
(2)言語聴覚士(ST)等の専門家配置の充実及び、聴覚障がい教育の専門性を有する教員の計画的な配置・育成を要望します。きこえない・きこえにくい子どもの言語力やコミュニケーション能力の育成には、乳幼児期からの継続的で専門的な支援が不可欠です。昨年度の学校教育審議会においても、聴覚支援学校の専門性の維持・継承の重要性が示されましたが、聴能指導や言語指導に関する専門性の継承は各学校や個々の教員の努力に依存している状況であり、専門的支援体制の一層の充実が必要です。
(3)障がい特性や思春期特有の課題への支援において、外部専門家との連携と協働は必須です。特に、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)について、各校の実情に応じて配置できるよう、雇用条件等の制度の改善を進めてください。
(4)近年、専門的な行動支援を要する生徒や重複障がいを有する生徒の増加に伴い、学校現場に求められる知識や指導技術が多様化・高度化しています。児童生徒の人権と安全を守り、質の高い教育を実施するために、専門性の高い教員を配置してください。そして、特別支援学校教諭免許状の取得を促進するとともに、障がい特性の理解・行動支援・多職種連携等に関する悉皆研修の実施、実践的な専門研修の大幅な拡充など、学校全体で専門性を育成し、維持・向上できるように図ってください。
(5)GIGAスクール構想により全児童生徒にICT機器が配備されましたが、その管理や不具合対応が教員の大きな負担となり、子どもたちと向き合う時間が圧迫されています。ICT機器を効果的に活用し、故障等にも迅速に対応できるよう、学校に常駐するICT専門員の配置を要望します。
(6)障がいのある児童生徒一人ひとりの実態や教育的ニーズに応じた、きめ細かな指導と専門的な支援を充実させるため、教員定数の見直しによる十分な教員配置と、専門性向上に資する人的体制の強化を要望します。特別支援教育においては、障がい特性への深い理解や専門的な指導力が不可欠であり、特に高等部卒業後の自立した生活や社会参加を見据えた進路指導・キャリア支援には、高い専門性と経験を備えた教員の育成が重要です。教育委員会と学校が連携し、研修やOJTの充実を図ることで、専門性の高い教員を継続的に育成できる体制の整備を求めます。
(7)職業学科を設置する高等支援学校では、知的障がいの専門性のみならず、適切なジョブマッチングを行うことができる力を備えた「障がい者の就労支援」の専門性のある教員の育成・配置が喫緊の課題です。また、「職業学科」を担当できる教員配置にも課題があり、維持・継承が困難な状況にあります。教職員人事課、支援教育課、教育センターがそれぞれこの課題に対して、どのようにお考えか、お示しいただくことを要望します。
(8)障がいの重度重複化及び高度な医療的ケアに対応するため、また、泊を伴う行事に同行する看護師の確保のために常勤看護師を必要としていますが、定数内任用のため教員数を減らさざるを得ない現状にあります。教員定数を減らして看護師を配置すると、看護師を十分に配置できないだけでなく、教員数が減るので児童生徒の個に応じた教育が困難になります。児童生徒に必要な教育を保障するために、看護師の定数外配置を進めてください。あわせて、非常勤看護師の時間数を増やしてください。
5.【機器・ICT活用関連】
(1)病院内に設置されている病弱支援学校分教室における教育用ICT環境の整備・充実を要望します。
6.【安全確保関連】
(1)高度な医療的ケアを必要とする児童生徒が安全に泊行事に参加するためには、看護師はもとより、児童生徒の状況に応じて医師の同行が必要と考えます。学校の要請に応じて必要な人数の医師と看護師を配置できるよう、例えば近隣の病院と委託契約するなど、府としての配置システムを確立してください。
(2)南海トラフ地震など大規模災害の発生が危惧される中、学校における防災対策は喫緊の課題です。児童生徒および教職員の生命・安全を守るためには、発電機、無線機、誘導棒、ヘルメット等の災害対応物品や、簡易トイレを含む十分な備蓄品の整備が不可欠です。ついては、大阪府として各学校の防災対策の進捗状況を示すとともに、児童生徒の安全確保と学校機能維持のため、防災備品及び備蓄品の計画的整備に係る予算措置の拡充を要望します。
7.【通学バス関連】
(1)通学バスの安全な運行確保のため、バス車両の大きさを問わず複数の介助員を配置し、小型バスについては介助員を現行の1名から2名へ拡充するとともに、運転手・介助員への障がい理解や支援技術向上に関する研修の充実を要望します。パニックや強い不安を抱える児童生徒の精神的安定と安全確保のため、通学バスへの支援員の加配制度の創設、および特性や発達段階に応じたバスの振り分けや増便を求めます。
(2)車いすで乗車できる仕様のバスが増えたものの、1台のバスに乗ることができる車いすの台数は限られているため、保護者が児童生徒を抱きかかえて乗降するケースが多いのが現状です。抱きかかえての乗降は、児童生徒の身体の成長に伴って困難さが増し、さらには転倒などのリスクが生じるので非常に危険です。車いすで乗車できる仕様の通学バスを増やすとともに、現行の大型・中型バスに限定せずに、例えば福祉と連携して福祉輸送車両を導入するなど、今後の通学バスの在り方について検討を進めていってください。
8.【医療的ケア関連】
1.医療的ケア通学支援事業について、保護者が車両と看護師を探して確保する現システムは、保護者にとって非常に困難で負担が大きいです。また、現制度では1台の車両に対象児童生徒1名しか乗車できないことから、利用する児童生徒が多い日は順番に送迎するので、大幅に遅れて登校せざるを得ない現状にあります。すべての児童生徒の通学と学習を保障するために、府教育庁の主導による車両と看護師を確保するシステムの構築や、児童生徒の乗車に関する制度の改善などを、引き続き進めてください。
9.【通学区域割】
(1)通学区域割により、近隣に支援学校があるにもかかわらず遠距離通学を余儀なくされたり、高等部進学時に学校変更を求められたりする児童生徒がいる。校区設定が生活圏や福祉圏域とかけ離れている事例も見られます。児童生徒への継続的な支援を保障するため、小・中・高等部を通じて同一校へ通学できる体制の整備と、自宅近隣校への通学を基本とした柔軟な通学区域の見直し、学校選択制の導入や新校設置を含む抜本的な改善を要望します。
10.予算措置関連
(1)特色ある学校づくりの取り組みなどに対する学校裁量の範囲が広い財政的支援を拡充していただくように要望します。
11.その他(仮校舎への移転に伴う負担の軽減等)
(1)令和9年度内に計画されている府立交野支援学校四條畷校の仮校舎への移転は、環境の変化に敏感な知的障がいのある児童生徒にとって大きな負担となり、通学時間の増加による身体的・心理的影響も懸念されます。在籍する児童生徒が見通しを持って新しい環境に円滑に適応し、安心・安全に学習できるよう、必要な支援や通学負担の軽減を要望します。あわせて、移転関連業務により教職員の負担も増大していることから、日々の教育活動の質と安全を維持するため、教職員への適切な支援と負担軽減策の実施を求めます。
2知事部局(福祉部、商工労働部、都市整備部等)への要望
1. 【卒業後の進路、社会参加等関連】
(1)府として、障がい者の生活の場をどのようにイメージし、その人たちの生活をどう構築しサポートするのか等についての情報がなく、親亡き後の子どもの将来について不安を感じています。障がい児者を受け入れる地域別設置数の推移ならびに今後の設置予定を示していただくとともに、施設不足に対する府の認識と今後の対応策を教えてください。
(2)理療科・保健理療科の卒業生の職域拡大の一つとして、ヘルスキーパー(企業内理療師)を大阪府立の施設で雇用する制度を整えてください。(3)医療的ケアを要する障がい者が卒業後、住み慣れた地域で安全かつ安定的に日中活動を行える体制の確保には、生活介護事業所における医療的ケア対応力の強化と、利用者の受け入れ体制の拡充が不可欠です。しかしながら現状は、看護職員の確保の困難さに加え、医療的ケアに係る人件費や設備費が高額であることから、多くの事業所が医療的ケアを要する利用者の受け入れ体制をとれない状況にあります。医療的ケア対応に係る報酬・加算の拡充について国に働きかけるなど、府として医療的ケア対応を促進する施策を講じてください。
(4)就職しても周囲の理解や適切なサポートがなく、残念ながら離職するケースが複数あります。卒業生の離職理由に「人間関係」が大きな原因の一つになっています。就職先に確実に子どもたちの特性を理解してもらい、しっかりとした人間関係を築けるように「個に応じた」丁寧な支援をしていただきたいです。そのためにも、障害者就業・生活支援センターに十分な人員配置ができるよう、府として国に具体的にどのように要望していただいているのか、また、国からの回答はどうなっているのか、府としてどのようなことができそうか、お示しいただくよう要望します。
(5)子どもたちが希望する地域で自分らしく安心して暮らし続けられるよう、卒業後も切れ目なく相談・支援を受けられる体制の充実を要望します。あわせて、障がいのある人が地域とつながる居場所や交流の場の整備、就労継続支援や生活介護事業所の拡充と質の向上を進めていただくことを要望します。
(6)卒業後の進路となる就労継続支援事業所や生活介護事業所、また余暇活動の場が不足しています。障がいのある人が地域の中で尊厳を保ち、自分らしく暮らし続けるために、事業所の新設や定員拡大を支援するとともに、日中一時支援や余暇活動支援事業の創設・拡充を推進してください。また、高等部卒業後に学ぶことができる機会や場は限られており、学校での学びが途切れてしまっている現状です。障がいのある人が地域とのつながりを持ちながら卒業後も学び続けることができるように、各自治体における学びの場の整備・充実を図ってください。
2.【健康・安全、地域福祉関連】
(1)きこえない・きこえにくい児童生徒が安全・安心に公共交通機関を利用し、自立した生活を送るため、情報保障の充実を要望します。改札口や券売機で駅員が不在となる時間帯には、インターホンだけでなく、モニターや文字表示による案内を整備や、事故や運行遅延時の車内・駅構内において、音声放送だけでなくリアルタイムの文字情報を提供できる仕組みの拡充を求めます。また、日常時や災害時に必要な情報を迅速に得られるよう、テレビやインターネット配信を含めたメディアにおける字幕対応の一層の推進をしてください。
(2)就学中・卒業後の福祉サービスや卒業後の進路関連の福祉事業所の充実を要望します。あわせて、社会参加や継続的な学び、居場所づくりなど地域で安心して暮らせる支援体制の充実をお願いします。
3.【福祉医療制度関連】
(1)補聴器や人工内耳は、きこえない・きこえにくい子どもたちの学びや社会参加にとって不可欠ですが、購入・修理等に係る費用負担は依然として大きく、助成内容も市町村間で格差があります。きこえの程度や身体障害者手帳の有無、機器の種別にかかわらず助成対象を拡大するとともに、身体障害者手帳の認定基準の見直しを進め、府内で公平な支援が受けられる統一的な助成制度を整備してください。
(2)通学時に同行援護制度が利用できるようにしてください。
(3)大阪府が率先して、放課後等デイサービスや就労継続支援、グループホーム等の福祉事業関係者や福祉行政担当者等の視覚障がいに対する理解を高め、合理的配慮を行う事業所を増やしてください。
(4)肢体不自由児が卒業後に安心して生活できる生活介護施設等が不足しています。医療的ケアを必要とする児童生徒も含めたすべての肢体不自由児が安心して生活できる施設を拡充するために、看護師・介護士等の施設職員の処遇を改善し、質・量ともに整備を進めてください。さらに、緊急時に預かることのできる病院や医療的ケア対応の福祉施設を増やしてください。併せて、生活介護事業所の利用時間は放課後等デイサービスより短いため、保護者の就労時間の短縮や、場合によっては離職せざるを得ないことになります。ぜひ、生活介護事業所の利用時間の延長を実現してください。
(5)医療的ケア児は全国的に増加していますが、府内で医療的ケア児が利用できる生活介護施設や入所施設等はまだまだ少ないです。2021年に施行された医療的ケア児支援法は、成立時に「成人期に移行する際の支援に万全を期す」との付帯決議をあげています。医療的ケアに対応できる生活介護施設や入所施設等の拡充を、本格的に進めてください。