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第4章 基本方針2(2)
基本方針2 公私の切磋琢磨により高校の教育力を向上させます
(2)活力あふれる府立高校づくりをすすめます
現状と課題
府立高校においては、これまでから特色ある学校づくりをすすめ、グローバル社会で活躍できるリーダーの育成や多様な社会経済基盤を支える人づくり、置かれている環境にかかわらず社会的経済的に自立して生きていく力の育成について取組みをすすめてきました。
グローバル化の進展や社会経済状況の変化の中、今後とも、卓越性・公平性・多様性という3つの視点を大切にしながら、各学校の魅力や特色をさらに高め、府立高校が担うべき役割を確実に果たしていくことが重要です。
また、今後、生徒数の減少が見込まれる中、その動向と府立高校への志願状況の変化も見据えながら、教育内容の充実と効果的・効率的な学校配置を図っていくことが必要です。
基本的方向
- グローバル社会で活躍できる人材の育成やセーフティネットの整備など社会の変化やニーズを踏まえた府立高校の充実をすすめます。
- キャリア教育や不登校・中途退学への対応など生徒一人ひとりの自立を支える教育を充実します。
- 計画的な施設整備やICT環境の充実により、府立高校の教育環境の整備をすすめます。
- 府立高校の新たな特色に応じて、中学生にとってより一層公平でわかりやすい入学者選抜制度とします。
- 各校の教育内容の充実を図るとともに、将来の生徒数等を勘案した効果的かつ効率的な学校配置をすすめます。
重点取組
重点取組7 社会の変化やニーズを踏まえた府立高校の充実
社会のリーダー層やグローバル人材に必要な資質・能力の育成
グローバル化の進展に対応できるよう、グローバルリーダーズハイスクール(進学指導特色校)や国際関係学科における取組みを充実するとともに、英語教育・理数教育の充実を図り、社会のリーダー層やグローバル人材に必要な資質・能力の育成に取り組みます。
多様な学習と幅広い進路選択を可能にする学習メニューの提供
中学校卒業後の大半が高校に進学する状況の中で、生徒一人ひとりの学びの支援と進路保障の観点から、各校の果たすべき役割を明確化して教育内容の充実を図り、必要に応じて、新たな学科・コースの設置や改編を行います。また、専門的知識を有する社会人の活用や大学・外部機関との連携により、多様な学習と幅広い進路選択を可能にする学習メニューを提供するとともに、生徒の授業アンケートを活用した授業改善に取り組みます。
「ものづくり」をはじめとする職業人の育成
将来の大阪の産業基盤を支える確かな知識及び技術・技能をもった人材を育成するため、実業系高校の施設・設備の整備を計画的にすすめるとともに、大学進学を見据えた教育課程の編成や企業実習の拡充、高度な職業資格の取得推進など、学校ごとの特色化を行い、学習内容の充実を図ります。
学びの「セーフティネット」の整備
中学校段階での不登校や学習のつまずきに対応するため、通信制の課程の充実や生徒の学び直しを支援する役割を担う学校を新たに整備するなど、「セーフティネット」の枠組みを再構築します。また、編転入制度などによる学び直しの機会を充実します。
重点取組8 生徒の自立を支える教育の充実
キャリア教育の推進とチャレンジ精神の育成
社会の一員として自立していくための豊かな勤労観・職業観やチャレンジ精神を育成するため、外部人材の活用やNPOなどの関係機関との連携によるキャリア教育をはじめ「夢や志をはぐくむ教育」を推進します。
自立を支援する教育カリキュラムの充実
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門人材との連携により、学校教育相談体制の充実を図るとともに、府教育センターにおける相談機能の充実を図ります。また、中退防止コーディネーターの配置・活用により、不登校・中途退学の解消に向け、組織的な取組みをすすめます。
府立高校に在籍する障がいのある生徒が増加していることから、学校における生活・学習サポートをはじめ、府立高校での「ともに学び、ともに育つ」教育の一層の推進に取り組みます。
重点取組9 つながりをはぐくむ学校づくり
地域や外部機関とのつながりの充実
学びのニーズが多様化する中、地域と連携した学校運営や学校外の教育資源の活用による多様な学びの場の提供など、外部機関とのつながりによる学校力の向上に取り組みます。
また、地域で学び、育ち、地域を支える生徒の育成に取り組むため、現行の中高一貫校について、授業連携や教員・生徒間の交流をさらに充実するとともに、探究的学習活動を先導的に実践する教育センター附属高校をはじめ各学校において、大学や外部機関との連携を強化します。
重点取組10 学習環境の整備
府立高校の計画的な施設整備の推進
安心して学べる環境づくりに向け、平成26年度での耐震化率100%をめざし、計画的に耐震改修を行います。また、計画的な老朽化対策に取り組むとともに、バリアフリー化や空調設備の設置、トイレの改修など、府立高校の学習環境の改善をすすめます。
生徒の理解を促進するためのICT環境の充実
ICTを活用したわかりやすい授業の研究に取り組むとともに、ICT機器等の整備など、生徒の理解を促進するためのICT環境の充実をすすめます。
また、様々な事情で在宅等で学習している生徒に対するICTを活用した学習支援について検討をすすめます。
重点取組11 公平でわかりやすい入学者選抜の実施
入学者選抜制度の改善
府立高校の通学区域の府内全域への拡大に向け、生徒・保護者に対する幅広い高校入試情報の提供を行うとともに、中学校における適切な進路指導の実施に向けた支援を行います。
また、今後の選抜環境の変化に応じて多様な選抜方法の検討など、受検者のニーズや志願動向等を踏まえた入学者選抜制度の改善に取り組みます。
調査書の絶対評価導入への対応
府立高校の入学者選抜における調査書への目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)の導入に伴い、評価に関する参考資料の作成や研修会の実施など、中学校における評価の信頼性の向上に向けた支援を行います。
重点取組12 活力ある学校づくりをめざした府立高校の再編整備
生徒数減少を見据えた再編整備の計画的な推進
今後の生徒数減少を見据えた再編整備方針を策定し、これまでの特色づくりの検証や社会のニーズを踏まえた教育内容の充実を図るとともに、学校の配置について精査し、活力ある学校づくりをめざした再編整備を計画的にすすめます。
再編整備をすすめるにあたっては、就学機会の確保を前提とし、公立中学校卒業者数の推移や志願動向、学校の特色や地域の特性、志願割れの状況等を勘案するとともに、経済情勢等の変動要素を考慮しながら、府立高校を効果的かつ効率的に配置できるよう、検討を行います。