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更新日:2014年8月1日

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平成25年度環境調査結果

平成25年度 干潟環境現況調査結果抜粋

調査地点

水質調査

  • 水温は表層及び底層共に概ね干潟内(St.2)で高く、塩分も11月調査(実施は12月5日)を除き表層で干潟内(St.2)が高い。このことから、干潟内(St.2)は河川水の影響が低いことが伺え、現在干潟開口部に設置される濁水防止膜(遮蔽)により、周辺との水の交換・循環が進まない状況(閉鎖状態)になっていると推定される。
  • 底層の水温も干潟内(St.2)で高いが、塩分は干潟外(St.1)で高く、土砂搬入で干潟内が浅場となったことを反映したと考えられる。
  • 溶存酸素量は、平成17年度以降6月や8月から9月の高温期に、干潟外(St.1)および干潟内(St.2)ともに底層の溶存酸素量が極めて低い傾向である(図1)しかしながら、本調査(6月含む)では比較的高い値で推移した。本調査では調査日前日の降雨はほとんど見られなかったものの、集中豪雨が多発し、6月は5から7日前に累積100mm以上、8月(9月)は6から7日前に累積80mm以上の降水量が観測されている。このため、一時的に貧酸素状態が解消したと推定される。
  • 干潟内(St.2)における溶存酸素量の低下は、上記で示したように、工事に伴い干潟内が閉鎖状態となり、水塊の成層化が進んだことによる可能性がある。しかし、一方では干潟外(St.1)でも同様の傾向が見られ、広域的な規模での変化の可能性も示唆される。このため、より早期に干潟を造成し、モニタリングを継続することで要因を解明していくことが望ましいと考えられる。

図1干潟内(St.2)の底質における溶存酸素の推移
図1:干潟内(St.2)の底層における溶存酸素の推移

付着生物調査

目視観察

  • 目視観察による出現種数は、植物および動物共に既設護岸(St.C)より石積堤(St.A、B)で多くなる傾向が見られた。
  • 平成24年度は植物で既設護岸(St.C)と周辺の石積堤(St.A、B)で大きな差はなく、動物では石積堤よりも既設護岸で多く、平成23年度に行われた消波ブロックの撤去に応じて異なる傾向が見られたと推測された。しかし、前出水質調査で示した通り、既設護岸は土砂搬入による浅瀬化で水質が変化していると共に、海底面付近で浮泥の堆積が著しい。このため、このような生息環境の変化に応じて変動した可能性が考えられる(図2)。
  • 調査時期別の出現種数は、一般的な季節変動に応じて植物が2月、動物が6月調査で最も多く確認された(図3)。

図2目視観察における付着生物の経年変化(通年)
図2:目視観察における付着生物の経年変化(通年)

図3目視観察の確認種数の推移
図3:目視観察の確認種数の推移

枠取り調査(植物)

  • 枠取り調査の植物は、冬季となる12月に減少するのが認められたが、その後2月に回復が見られ、概ね例年並みの水準に至っている(図4)。優占種については、各調査時期で最も優占する種は異なるが、ススカケベニやハネグサ属、イトグサ属など紅色植物が優占的であった。
  • 植物の過年度からの変遷は、年変動および季節変動は大きいものであったが、平成14年度以降は周年を通してハネグサ属やイギス科(イトグサ属、ヨツガサネ属)等の遷移初期に見られる小型紅色植物が多く、本年の調査もその傾向に変化は無かった。これらの植物は発生期の着生環境が群落形成に反映されやすく、変動が大きい特性を有するため、今後も同様の変動が続く可能性が考えられる。

図4枠取り調査における付着植物の経年変化
図4:枠取り調査における付着植物の経年変化

注)出現種数の変動幅が大きく感じられるが、3から20種と上下の差が小さい中での変動である。

枠取り調査(動物)

  • 付着動物の出現種数は概ね48から101種の範囲で推移しており、夏季にやや減少する季節変動を示している。また、この季節変動を除くと平成22年度までは安定して推移しており、その後平成23年度にかけてやや増加傾向が見られる。しかしながら、本年度の調査においては、6月の出現種数が65種、その後9月(62種)、12月(53種)、2月(52種)と減少を続け、例年と比べても低い水準であった(図5)。
  • 出現個体数は、密集して生息するムラサキイガイの大量発生した平成9年5月や平成17年8月を除き、概ね500から30,000個体/0.25 m2の範囲で推移している。本年度の調査も876から5,883個体/0.25 m2と過年度の変動の範囲内であったが、月別にみると、出現数同様に例年に比べて低い水準であった。
  • 優占種については、年度や季節によって異なるほか、湿重量優占種ではムラサキイガイをはじめ、マガキ、フジツボ類、イワホリガイ科などの単一種が高い割合を占める。本年度の調査では、ムラサキイガイ、ウスカラシオツガイが個体数、湿重量共に優占していた。

図5枠取り調査における付着動物の経年変化(個体数)
図5:枠取り調査における付着動物の経年変化(個体数)

魚介類調査

  • 土砂搬入で干潟内が浅場となったため、本年度調査は干潟外(ラインD)のみを実施した。
  • 6月調査ではキヒトデ、マルスダレガイなど10種22個体、11月(12月)調査ではシャコ、ヨシエビ、ガザミなど6種15個体が採取されたが、8月(9月)および2月はほとんど採取されなかった。
  • これまでより、高温期となる8月あるいは9月に採取される魚介類は少ない傾向であるが、本調査ではより少ない。一方、2月は調査時期の中でも比較的多くの魚介類が確認されていたが、本調査で魚介類は採取されなかった。その要因として、8月(9月)は高水温の影響を受けた可能性が考えられるものの、2月は不明確であり、今後の推移に留意が必要である。
  • 魚介類が少ない傾向は平成21年度から平成22年度に顕著であり、その要因として、干潟形成のために実施される土砂搬入が、その場に生息する生物に一時的なインパクトを及ぼしたことが考えられる(図6)。
  • 出現種で見ると、年度毎に出現状況は異なるものの、概ね内湾の砂泥底で普通に見られるキヒトデ、マルスダレガイ、シャコ、ヨシエビ等が優先的であり、本年度もその傾向に顕著な変化は見られなかった。

図6魚介類の経年変化
図6:魚介類の経年変化

注)St.E(干潟内)は干潟整備によって浅場となったため、平成23年度の8月以降は調査を行っていない。

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