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更新日:2019年11月26日

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(第1回)プロに学ぶ技術で集客UP!大阪産(もん)海鮮バーベキュー研修

大阪は、都市のすぐ目の前のところに豊かな漁場が広がっています。海沿いは交通の便がよく、車を使わず電車と徒歩で行ける漁港も多いことから、いくつかの漁港では漁業関係者が漁港施設等を活用した海鮮バーベキューに取り組んでいます。こうした活動に地元の魚介類を積極的に活用することは、魚介類の付加価値向上につながるだけでなく、漁港周辺地域のにぎわいづくりにも資する、6次産業化の取組みです。今回の研修では、地元の魚を使った海鮮バーベキューメニューの幅を広げ、バーベキューをビジネスとして展開するための考え方について、日本バーベキュー協会会長の下城民夫先生に教えていただきました。

大阪府内の漁協が運営する海鮮バーベキュー・かき小屋の情報は大阪湾で食べよう・遊ぼうのページ(別ウインドウで開きます)

開催概要

  • 海鮮バーベキュー研修目的 府内の漁港等で漁業関係者が提供する海鮮バーベキューにおける地元産魚介類
    の利用拡大やさらなる魅力づくりを目指す。
  • 日時 令和元年11月13日(水曜日)16時から19時まで
  • 場所 田尻漁港 バーベキュー施設(泉南郡田尻町りんくうポート北1番)
  • 講師 日本バーベキュー協会会長/バーベキューファンデーション株式会社代表取締役
    下城 民夫 氏
  • 内容 第1部 バーベキューの基礎知識(座学)
    • バーベキューのコミュニケーションツールとしての展開
    • ビジネスとしてのバーベキューの捉え方
  • 第2部 バーベキューの基礎技術(実践)
    • 魚介類を使ったレシピの実習
  • 対象 大阪府内の漁港・港湾の既存施設又は漁協のイベントで海鮮バーベキュー提供
    業務に従事する漁業者・委託事業者
    (農園カフェ・バーベキューの導入を検討している農業者も一部参加)
  • 主催 大阪府(水産課・流通対策室)
  • 運営 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所
    ※6次産業化に取り組む人材育成研修の一環として実施しました。

(画像:左.下城講師とタチウオのスキュア(串刺し)、右.プランクに載せたホウボウ・クロダイ・釜揚げしらす(焼く前の状態))

参加者

受講者 漁業関係者23名、農業者6名
大阪府職員 13名
大阪府立環境農林水産総合研究所職員 4名
講師 下城講師
サポーター 地域バーベキュー協会の皆様5名
(合計52名)

(画像:左.講師とサポーター、右.集合写真)

集合写真

講師とサポーターの皆様

内容

研修で意図したことや教えていただいたことの一部を紹介します。

バーベキューで地域を元気に(座学)

  • 「バーベキューは単なる食事の提供ではなくパーティーであり、来た人をどうやって喜ばせようというもてなしの気持ちが必要。」
  • 「バーベキューは皆で共に食べ物を分け合って食べる『共食文化』であり、日本では『同じ釜で食べる仲間』と同じ意味。」
  • 「バーベキューを通じて人起こし、物起こし、場所起こしができる。これから人口が減少していったとしても、色々な選択肢を作り、消費される場や回数が増えれば、値段を下げずに消費を増やすことができる(オーストラリアでは公園等に電気式のバーベキューグリルが多数設置され、市民が気軽に利用する環境が整っているそうです。)。」
  • そのほか座学では、「スマートバーベキューの為のバーべ九則」や世界のバーベキュー事情など、たくさんの興味深いお話をいただきました。
  • スマートバーベキューについては、日本バーベキュー協会のホームページ(外部サイトを別ウインドウで開きます)をご覧ください。

座学の様子 焼ける前に一品 マイ箸・マイ皿
(左から順に:1.漁協の会議室で行った座学の様子、2.座学の前に「焼ける前に一品」を提供、3.環境に与える変化を少なくするため参加者は各自マイ箸・マイ皿を持参)

焼ける前に一品

  • バーベキューの主催者(ホスト)は、お腹を空かせて来てくれたゲストに対する心配りとして、焼けるまでの間に軽くお腹を満たすものを用意することが大事であり、最初に出すこの一品は、地域の特色や魅力の見せ所であるとのことです。
  • 本研修で座学が始まる前に参加者に召し上がっていただいたオードブルには、大阪府産カタクチイワシのオイルサーディンや大阪府産みかんのフロマージュスプレッドなど、府内産品を用いた6次産業化製品のほか、G20大阪サミットで食材として採用されたヨーロピアンリーフミックス(Green Groove/和泉市)やミニトマト「アマメイド」(キノシタファーム/岸和田市)等の野菜類を使用しました。

おもてなしのオードブル 大阪府産カタクチイワシのオイルサーディン 井川みかん園のチーズスプレッド
(左から順に:1.おもてなしのオードブル、2.大阪府産カタクチイワシのオイルサーディン、3.井川みかん園(貝塚市)のチーズスプレッド) 

魚と木とは、相性抜群

  • まだ日本であまり知られていない「プランクバーベキュー」について教えていただきました。プランクは英語で木の板を意味し、板の上に食材を置いて加熱する方法をプランクバーベキューといいます。
  • 板が燃え上がらないよう、プランクは最低でも使用する1時間前から水に浸してから使用します。この上に食材を載せ、蓋(またはアルミホイル等で覆う)をして、炭火から少し離れた部分で焼き上げます。食材は、大阪湾で漁獲されたクロダイやスズキ、サワラなど、比較的安定して手に入りやすい大型の魚を用意し、これを豪快に半身ずつプランクに載せ、レモン(和泉市産)とローズマリーをトッピングしました。 クロダイとスズキ(他のメニューで使用した穴子、ホウボウ、アシアカエビ等も)は冷凍したものを解凍して用いましたが、問題なく使用できました。
  • 切り身をそのまま炭火で焼くとすぐパサパサして焦げてしまいそうですが、プランクだと一定以上に熱が上がらないため、水分の多い魚もきれいにジューシーに焼きあがり、かつふんわりと木の香り(スモークフレーバー)が漂う驚きの一品となりました。また、釜揚げしらすに、ちょうどよい燻製の風味が付きました。
  • 森・川・海はつながっていることから、大阪府漁連では「魚庭(なにわ)の森づくり活動」として若手漁業者が中心となり、岸和田市神於山の山林で下草刈りなどの育林活動を行っています。地元産のプランクと魚を使った海鮮バーベキューは、大阪の森と海とのつながりを象徴する料理として、活用の可能性が考えられます。

プランク1 プランク2 プランク3
(左から順に:1.プランクで焼く前のスズキと黒鯛、2.蓋付きグリルで焼く様子(奥はホウボウのラブソテー)、3.焼きあがった状態)

  • 今回使用したプランクは、地元産木材として、和泉市産のブランド木材「いずもく」の杉板で試作していただいたものを用いました(檜は匂いがきつすぎてプランクにはあまり適さないとのことです)。防腐剤や塗料を使っていない無垢材である証として、焼き印を付けておく必要があるそうです。今回は初めての試みで試作品でしたが、今後、府内林業の6次産業化の取組みとして、商品化が進む可能性も考えられます。
    「いずもく」についてはこちら(別ウィンドウで開きます)
  • また、その他に食材にスモークフレーバーを付ける方法として、チャンクス(乾燥した木片)の利用があります。水に浸したチャンクスを炭の横に置くことで、グリル内部にスモークが回り、食材全体にスモークフレーバーが付くそうです。チャンクスには桜のほか、果物の木が適しており、各地のバーベキューでは特産の果物の木(静岡ではミカンなど)が使われているそうです。参加したぶどう農家の方は、「うちのぶどうの木が使えるかも」と興味を示されていました。

いずもくのプランク 水に浸したプランク チャンクス
(左から順に:1.いずもくのプランク(杉)、2.プランクは使う1時間以上前から水に浸して使う、3.チャンクス(市販品・桜))

ツーリストパエリア大阪

  • パエリアは、元々はスペインのバレンシア地方の郷土料理であり、必須の具材は鶏肉ですが、これに魚介類など様々な具材を載せて旅行者向けに提供する豪華なパエリアを「ツーリストパエリア」といい、土地の特色を活かした色々なご当地パエリアが考えられるそうです。
  • 今回作っていただいたパエリアは、大阪湾で獲れた穴子やアシアカエビ、野菜はパプリカ(和泉市)、にんにく(富田林市)、レモン(和泉市)など色とりどりの地元産品を使い、目にも鮮やかな一鍋となりました。インパクトのある放射状の穴子が、夏の太陽のようでした。
  • パエリアは、おこげ(ソカラ)のでき具合で正否が決まり、上手にできるとパエリア鍋をひっくり返しても下に落ちないそうです。今回のパエリアも香ばしいおこげができました。

パエリア1 パエリア2 パエリア3
(左から順に:1.パエリア鍋に米を投入したところ、2.焼きあがったところ、3.串切りのレモンを添えて完成)

丸ごと1尾はインパクト大

  • 蓋付きのグリルを使うことで、タチウオのような大きな魚も丸ごときれいに焼くことができました。実習では、大阪湾で漁獲された大型のタチウオをスキュア(串)に刺し、グリルの炭のない部分に置き、蓋をしてふっくらと焼き上げていただきました。
  • 魚の新しい食べ方として、「バーベキューラブ(スパイスミックス)」によるラブソテーを教えていただきました。ラブ(Rub)というのはすり込むという動詞です。ラブは塩味が強くないので、たくさんまぶしつけ、食材を熱から守りながら焼く効果があるそうです。実習では、ホウボウにラブをまぶし、プランクに載せて焼きました。ホウボウなど厚みがある魚は、腹開きにして焼くと火が通りやすいそうです。
  • 稲わらを燃やした火でカツオの表面を炙って食べる高知県の「わら焼きカツオ」という食べ方について、大阪湾の大型のサワラで試すべく用意をしていましたが、今回は時間の関係で行いませんでした。大阪湾は越冬(秋)・産卵(春)のためのサワラの回遊経路に当たり、資源管理の効果で近年のサワラの漁獲量は増加傾向にあるため、様々な場面で活用を増やす必要があります。

タチウオのスキュア 各種ラブ ホウボウ 藁焼きサワラ(イメージ)
(左から順に:1.タチウオのスキュア、2.各種のラブ、3.ホウボウにラブをまぶしているところ、4.わら焼きサワラのイメージ(画像提供:日本バーベキュー協会))

シンプルな焼き方

  • シンプルだからこそ意外と知らない、焦げ付かずに美味しく焼き上げるための方法を教わりました。
  • 「サザエのつぼ焼き」は、普段は口を上にして焼かれているイメージがありますが、最初は口を下に向けて焼き、殻が白っぽく乾いてきたらひっくり返して口を上にして焼くことで、肝が殻に引っ付かずきれいに中身を取り出すことができるとのこと、これには多くの受講者が驚きました。今回のサザエは他県産を使用しました。
  • 「ガーリックシュリンプ」は、炭を円形に配置(サークルファイア)して焼くと、串の先が焦げずにきれいに焼けました。このように、焼くものにより炭の配置(チャコールレイアウト)を変えることが上手に焼くコツだそうです。府内の底びき網で漁獲されたアシアカエビは、温暖化に伴い大阪湾で漁獲が増えているクルマエビの仲間で、大きくて色合いもよく、食べ応えがありました。
  • 「焼きしいたけ」は、傘の外側を下にして焼き、内側に軽く塩を振り、決してひっくり返さず、振った塩が水滴になった程度が食べごろだそうです。岸和田市産の肉厚のしいたけ(菌床)を使用しました。

サザエ焼き ガーリックシュリンプ しいたけ焼き
(左から順に:1.正しいサザエの焼き方、2.ガーリックシュリンプ、3.正しいしいたけの焼き方)

未利用魚介類の活用

  • 底びき網で大量に獲れすぎて困ることもある巻貝ミヤコボラ(通称:沖さざえ)の有効活用として、アヒージョに使用しました。ミヤコボラは、火を通してもかたくならないため、アヒージョにぴったりの食材でした。
  • 「貝と魚のアヒージョ」は、ミヤコボラを一度ゆでて中身を取り出したものやサルエビ(通称:とびあら)、ブロッコリー(和泉市)、原木しいたけ(河内長野市)などを、にんにくと塩で味付けしたオリーブオイルで煮るようにして火を通したもので、にんにくとオリーブオイルの香りが食欲をそそりました。

朝市で販売されるミヤコボラ ゆでたミヤコボラを使用 ミヤコボラを使ったアヒージョ
(左から順に:1.漁協の朝市で安価で販売されるミヤコボラ、2.ゆでたミヤコボラをオリーブオイルに投入、3.ミヤコボラを使った「貝と魚のアヒージョ」)

開けた時の喜び・驚き

焼き上がった時、ただふたを外すのではなく見栄えを一工夫して開けることで、湯気や香り、見た目の華やかさが一気に溢れ出し、参加者から思わず歓声が上がりました。

「泉だこのガリシア」は、スペイン北部ガリシア地方の郷土料理で、大阪府漁連のブランドだこ「泉だこ」を泉州玉ねぎ(和泉市)やじゃがいも(貝塚市)と共にパプリカパウダーと塩で味付けしホイルで焼いたもので、野菜にしみた「泉だこ」の旨味が美味しい一品でした。

焼く前のタコのガリシア 十字に切れ目 完成したタコのガリシア
(左から順に:1.焼く前の状態、2.焼けたらふたに十字に切れ目を入れる、3.十字の切れ目を開くと中から熱い蒸気と共に真っ赤な.「泉だこのガリシア」が登場)

参加者の感想

  • 受講者からは、以下のような意見が寄せられました。
  • 座学の「バーべ九則」が印象的でした。「おもてなしの心」や、値段競争ではなく消費の場をより増やして消費する考え方は重要だと思う。今後取り組みたい。(漁連・漁協職員)
  • バーベキューに対する考えが変わった。教えてもらったことが実際にお客様に提供できるかはレベルが高すぎて難しいと思ったが、まず家で実践したい。(漁連・漁協職員)
  • 日本で売っていないコンロなどを使って一般的でないと思った。身近なものでできる方法が知りたい。(漁業者)
  • さざえの焼き方がすごく参考になった。(漁連・漁協職員)
  • 新メニューとして取り入れたい。(漁連・漁協職員)
  • Low&Slow(低い温度でゆっくり)と経営が折り合うあり方を考えていきたい。(漁連・漁協職員)
  • 普段、漁でとっている魚の料理のレパートリーになった。小さくセリに出さないような魚の利用をもう一度考えたい。(漁業者)
  • 捨てるもの、焼いてしまっていた果樹の枝が(スモーク用のチャンクスとして)利用できることを知った。(農業者)
  • お客様と同じ目線で楽しむことの重要性、共感してもらえる物語の必要性を感じられたことがとても参考になりました。(農業者)

実習風景 実習風景2 実習風景3
(左から順に:1.パエリアづくりを見る受講者、2.プランクの仕込み方を見る受講者、3.実習の全体風景)

その他(注意)

今回の実習は調理実習として行っていますが、実際に業として営む場合は、食品衛生法及び施行条例に定める営業施設の基準や取扱品目の規制が課せられます。営業の形態にもよりますが、今回の研修と同様の行為で営業ができるとは限りませんので、業としての提供を検討される場合は企画段階で(施設を整備する前に)必ず管轄の保健所に相談してください。

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