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瀬戸内海の環境保全に関する大阪府計画
本計画は、平成28年10月31日に変更しました。
現在の計画については、こちらのページをご覧ください。
瀬戸内海の環境の保全に関する大阪府計画(平成20年5月30日策定)
この計画は、「瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和48年10月制定)」第4条の規定に基づき、大阪府の区域(同法第2条第1項に規定する瀬戸内海及び同法第5条第1項に規定する関係府県の区域のうち大阪府の区域をいう。)において、瀬戸内海の環境保全に関し実施すべき施策について定める。
第1 計画策定の趣旨
この計画は、瀬戸内海が、我が国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また国民にとって貴重な漁業資源の宝庫としてその恵沢を国民が等しく享受し、後代の国民に継承すべきものであるという認識に立って、それにふさわしい環境を確保し維持すること及びこれまでの開発等に伴い失われた良好な環境を回復することを目途として、環境保全に係る施策を総合的かつ計画的に推進するため、政府が策定した「瀬戸内海環境保全基本計画(平成12年12月)」に基づき、本府の区域において瀬戸内海の環境の保全に関し、実施すべき施策を明確にし、また実施する施策をより効果的なものとするため瀬戸内海の環境の保全に関する中長期にわたる総合的な計画として策定する。
また、この計画を策定、公表することにより、府域の瀬戸内海関係者さらには、広く府民に対し、瀬戸内海の環境保全の推進に対するなお一層の理解と協力を求めるとともに意識の高揚を図る。
第2 計画の目標
瀬戸内海の環境保全の推進のためには、関係府県等が相互に協力しながら同一の目標に向かって、各々の施策を遂行することが肝要であることにかんがみ、「瀬戸内海環境保全基本計画」において定められた目標をこの計画の目標として、次のとおり定める。
1 水質保全等に関する目標
- (1) 瀬戸内海において水質環境基準が未達成の海域については、可及的速やかに達成に努めるとともに、達成された海域については、これが維持されていること。
- (2) 瀬戸内海において、赤潮の発生がみられ、漁業被害が発生している現状にかんがみ、赤潮発生の機構の解明に努めるとともに、その発生の人為的要因となるものを極力少なくすることを目途とすること。
- (3) 水銀、ポリ塩化ビフェニル等の人の健康に有害と定められた物質を国が定めた除去基準以上含む底質が存在しないこと。 また、その他有機物の堆積等に起因する悪臭の発生、水質の悪化等により生活環境に影響を及ぼす底質については、必要に応じ、その悪影響を防止するための措置が講ぜられていること。
- (4) 特に魚介類の産卵生育の場となっている藻場及び魚介類、鳥類等の生態系を維持するうえで重要な役割を果たすとされている干潟等、瀬戸内海の水質浄化や生物多様性の確保、環境教育・環境学習の場等としても重要な役割を果たしている浅海域が減少する傾向にあることにかんがみ、水産資源保全上必要な藻場及び干潟並びに鳥類の渡来地、採餌場として重要な干潟が保全されているとともに、その他の藻場及び干潟等についても、それが現状よりできるだけ減少することのないよう適正に保全されていること。 また、これまでに失われた藻場及び干潟等については、必要に応じ、その回復のための措置が講ぜられていること。
- (5) 海水浴場、潮干狩場等の自然とのふれあいの場等として多くの人々に親しまれている自然海浜等が、できるだけその利用に好適な状態で保全されていること。
2 自然景観の保全に関する目標
- (1) 瀬戸内海の自然景観の核心的な地域は、その態様に応じて国立公園、国定公園、府立自然公園又は自然環境保全地域等として指定され、瀬戸内海特有の優れた自然景観が失われないようにすることを主眼として、適正に保全されていること。
- (2) 瀬戸内海の島しょ部及び海岸部における草木の緑は、瀬戸内海の景観を構成する重要な要素であることにかんがみ、保安林、特別緑地保全地区等の制度の活用等により現状の緑を極力維持するのみならず、積極的にこれを育てる方向で適正に保護管理されていること。
- (3) 瀬戸内海において、海面と一体となり優れた景観を構成する自然海岸については、それが現状よりもできるだけ減少することのないよう、適正に保全されていること。また、これまでに失われた自然海岸については、必要に応じ、その回復のための措置が講ぜられていること。
- (4) 海面及び海岸が清浄に保持され、景観を損傷するようなごみ、汚物、油等が海面に浮遊し、あるいは海岸に漂着し、又は投棄されていないこと。
- (5) 瀬戸内海の自然景観と一体をなしている史跡、名勝、天然記念物等の文化財が適正に保全されていること。
第3 目標達成のため講ずる施策
計画の目標をできるだけ速やかに達成すること、また、達成されているものについては、その状態を維持することを目途として、瀬戸内海の環境保全に関し、本府の区域において実施する施策は、次のとおりとする。
1 水質汚濁の防止
(1) 水質総量規制制度等の実施
本府の瀬戸内海区域においては、水質環境基準の類型指定が8水域、海域の全窒素及び全りんに係る環境基準類型指定が3水域について行われ、15地点を環境基準点として水質調査を実施している。
これらの環境基準点の平成18年度における水質は、生活環境項目については、海域の代表的な汚濁指標である化学的酸素要求量(COD)を表層での年度の平均値でみるとA類型海域では1.9mg/L~2.8mg/L、B類型海域では2.8mg/L~3.3mg/L、C類型海域では2.1mg/L~3.3mg/Lであり、環境基準の達成率は、A類型及びB類型で0%、C類型で100%であった。
また、富栄養化の要因物質とされている窒素及びりんの濃度は、窒素について表層での年度の平均値でみると、II類型海域では0.23mg/L~0.32mg/L、III類型海域では0.28mg/L~0.43mg/L、IV類型海域で0.34mg/L~0.79mg/Lであり、環境基準の達成状況を対象海域内の大阪府、兵庫県の全測定地点平均値で評価するとすべての水域で達成していた。また、りんについては、II類型海域では0.020mg/L~0.027mg/L、III類型海域では0.026mg/L~0.037mg/L、IV類型海域で0.032mg/L~0.070mg/Lであり、環境基準の達成状況を窒素と同様に評価するとすべての水域で達成していた。
本府の海域における赤潮の発生は、平成18年度において18件であった。
環境基準の未達成なものについては、これを達成させるためには積極的に汚濁負荷量の低減を図り、また、達成されているものは、その状態を維持していくことが必要であり、特に、広域的閉鎖性水域である瀬戸内海については、関連区域内で発生する汚濁負荷量の総量を計画的に削減することが肝要であることから「水質汚濁防止法(昭和45年12月制定)」及び「瀬戸内海環境保全特別措置法」の規定に基づき、水質総量規制制度が実施されている。
本府においては、平成21年度を目標年次とする、第6次の「化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減計画(平成19年6月)」を策定しており、その内容は化学的酸素要求量について発生源別削減目標量を生活排水57t/日、産業排水14t/日、その他5t/日、窒素含有量について生活排水38t/日、産業排水10t/日、その他19t/日、りん含有量について生活排水2.4t/日、産業排水0.8t/日、その他1.1t/日としている。この計画を積極的に実施していくとともに、計画されている施策の進捗状況及び瀬戸内海に流入する負荷量の実態等の把握に努める。
これらの削減計画を推進するに当たっては、次の施策を総合的に講ずる。
- ア 生活排水対策については、汚濁負荷量の削減を図るため、生活排水の適正処理100%を目標に地域の実情に応じ、下水道、浄化槽、農業集落排水施設、漁業集落排水施設等の各種生活排水処理施設の効率的で計画的な整備を一層促進する。また、窒素及びりんの除去性能の向上を含めた高度処理の積極的な導入を図る。
- また、「水質汚濁防止法」、「大阪府生活環境の保全等に関する条例(平成6年3月制定)」及び「大阪府生活排水対策推進要綱(昭和63年1月施行)」に基づき、府と市町村が協力し、インターネット等を活用した情報提供や生活排水対策推進月間(2月)を中心とした家庭でできる生活排水対策についての啓発・普及を行うとともに、特に対策の実施が必要な地域を生活排水対策重点地域に指定し、計画的、総合的な生活排水対策を推進する。
- イ 産業排水については、「瀬戸内海環境保全特別措置法」に基づく特定施設の設置等の許可制及び「水質汚濁防止法」に基づく排水規制の適切な運用を行う。また、汚濁負荷量の削減のため、排水処理施設等の維持管理の適正化に努め、施設の新設及び排水処理施設の改善等の場合の際は除去効果の高い排水処理施設の導入、凝集剤や栄養剤の添加の適正化及び工程内で使用される窒素及びりんを含む添加物の低減及び副原料の転換を促進する。
- ウ 「持続的養殖生産確保法(平成11年5月制定)」に基づき、養殖漁場については、投餌量等の適正化、堆積物の除去等による漁場管理の徹底が図られるよう指導を行う。
- また、「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成11年7月制定)」等の活用を通じて化学肥料の使用の低減を図ることにより、農業排水中の窒素及びりんの負荷量の軽減に努めるとともに、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年7月制定)」に基づく「大阪府家畜排せつ物の利用促進計画(平成12年7月策定)」により、家畜排せつ物の適正処理及び有効利用の促進を指導する。
- エ 水質汚濁の進んだ河川・水路等の水質を改善するため、河川浄化施設の整備等を推進するとともに、河川や港湾区域において汚泥のしゅんせつ事業を推進する。
- オ 生態系に配慮し、多自然川づくり、海域での緩傾斜護岸の導入、干潟・藻場等の浅海域の造成、保全等を行い、自然が有する水質浄化機能の積極的な活用を図る。
- カ 合成洗剤や石けんに関する科学的知見を集積するとともに、適正量使用の啓発を推進する。
- キ 赤潮による漁業被害を未然に防止するため、赤潮発生監視調査事業により国、他府県等の情報交換に基づく監視通報体制の整備を図るとともに、赤潮及び有害プランクトンの多発期に海洋調査を実施し、赤潮発生機構のモデル化のための基礎的知見を得ることに努める。
(2) 有害化学物質等の規制及び把握等
健康項目についての環境基準点における水質は、平成18年度においては全て環境基準を達成しているが、引き続き工場・事業場に対する排水基準の遵守徹底等により、水質環境基準の達成維持を図る。
特に、ダイオキシン類については、「ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年7月制定)」に基づく排出規制を推進し、関係機関と協力して府域の環境状況の把握に努める。
また、環境リスクの大きい化学物質については、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年7月制定)」や平成19年3月に改正した「大阪府生活環境の保全等に関する条例」に基づく化学物質の排出量等の把握などの事業者が行う自主管理に技術的な助言を行うとともに、排出量デ-タ等を集計・公表していく。さらに、ポリ塩化ビフェニルについては「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年6月制定)」等に基づき廃棄物の適正な保管を指導するとともに、「大阪府ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画(平成16年3月策定)」に基づき適正な処理を推進する。
(3) 油等による汚染の防止
府域には、特定重要港湾の大阪港、堺泉北港、重要港湾の阪南港のほか6カ所の地方港湾がある。
石油コンビナ-ト等特別防災区域は大阪北港、堺泉北臨海、関西国際空港及び岬の4地区が指定されており、油槽所などの多くの油関係施設がある。
また、本府海域は大型タンカ-等の船舶の往来が多い。
このような状況を踏まえ、下記の施策を講ずることにより、船舶油及び船舶の事故等に起因する流出油等による海域の汚染の防止を図る。
特に、油等による汚染については、「1990年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約(平成8年1月発効)」及び「2000年の危険物質及び有害物質による汚染事件に係る準備、対応及び協力に関する議定書(平成19年6月発効)」の規定により策定された「油等汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画(平成18年12月閣議決定)」を受けて改正した「大阪湾における大規模油等汚染事件発生時の環境保全に係る対応について(平成19年4月改正)」等により対応する。
ア 船舶及び陸上からの油等の排出防止及び廃油処理施設の整備
船舶及び陸上からの油等の排出防止のため、「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年12月制定)」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年12月制定)」及び「水質汚濁防止法」等の規定に基づく規制の徹底と監視取締りの強化を図る。
一方、現在、大阪港、堺泉北港等に設置されている廃油処理施設の利用の推進を図る。
イ 事故による海洋汚染の未然防止
事故による海洋汚染を未然に防止するため「消防法(昭和23年7月制定)」及び「石油コンビナ-ト等災害防止法(昭和50年12月制定)」に基づく規制の徹底と指導・監視の強化を図るとともに「大阪府石油コンビナ-ト等防災計画(平成19年7月修正)」並びに大阪府及び関係市町村の地域防災計画による防災活動の適切な運営を促進する。
ウ 排出油等防止体制の整備
排出油等の流出拡大を防ぐため「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」、「石油コンビナ-ト等災害防止法」及び「港湾法(昭和25年5月制定)」に基づくオイルフェンス、薬剤等の備付け義務の徹底を図るとともに、オイルフェンス、油吸着材等の排出油等防除資機材の整備確保に努める。
また、排出油等を速やかに回収するため大阪港に整備されている油回収船等の活用を図る。
さらに、大量の流出油等に対しては、海上災害防止センタ-の活用を図るほか「大阪湾・播磨灘海域排出油等防除計画(昭和53年3月策定)」に基づき、迅速かつ的確な排出油等の防除のための措置の実施を図るとともに、大阪湾・播磨灘排出油等防除協議会等関係者相互の協力体制の整備に努める。
エ 環境保全対策の充実
脆弱沿岸海域図等の活用により事故発生時における自然環境等の保全対象、保全方法等の調査検討を進める。また、油等流出による自然環境等に及ぼす影響及び事故後の回復状況を評価するため、海域、海岸の状況に関する情報の収集、平常時の大気、水質及び底質等の測定デ-タを蓄積する。また、事故への対応を迅速かつ的確に実施するため、府、大阪湾沿岸市町及び関係機関の職員に対し必要に応じて研修、訓練を実施する。
(4) その他の措置
大阪湾奥部については、富栄養化の程度が他の湾灘に比べて高いため、大阪湾再生推進会議や大阪湾環境保全協議会等の取り組みを通じ、行政やNPO等の協働のもと、地域間・流域間の連携を強化し、水質保全を図る。特に、夏場を中心に貧酸素水塊が発生し、青潮と呼ばれる現象が頻発していることから、大阪湾再生水質一斉調査によるモニタリング結果等を活用しつつ、形成メカニズムの解明ならびにその防除技術についての調査研究を進める。
また、中小企業等に対する公害防止施設等への融資制度の運用を図る。
さらに、国内外の海上輸送の過程で混入すること等により、他の海域から入り込む魚介類や微生物等が瀬戸内海の特性によりその水質や生態系、漁業資源等に大きな影響を及ぼすおそれがあることから、それらに対して十分留意するよう努める。
2 自然景観の保全
(1) 自然公園等の保全
府域には「自然公園法(昭和32年6月制定)」に基づき、金剛生駒紀泉国定公園及び明治の森箕面国定公園の2カ所が国定公園として指定されており、これを保全し、その適正な利用を推進する。
(2) 緑地等の保全
府域には「近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和42年7月制定)」に基づき、近郊緑地保全区域として和泉葛城近郊緑地保全区域等が指定されているほか、「森林法(昭和26年6月制定)」に基づき保安林が指定されている。
また、自然環境の保全、都市公園・緑地等の整備並びに防災遮断帯等のオープンスペースの確保など都市における緑とオープンスペースの総合的な整備及び保全を図るための広域的な指針として「大阪府広域緑地計画(平成11年3月策定)」が、市町村域については「都市緑地法(昭和48年9月制定)」に基づく「緑の基本計画」が策定され、優れた自然環境を保全するとともに、都市緑地環境を形成し、これを維持していくため、さらに以下の施策を推進する。
ア 良好な自然景観を有する沿岸地域における林地の確保
良好な自然景観を有する沿岸地域における林地を確保するため「森林法」に基づく保安林制度、林地開発許可制度及び「大阪府自然環境保全条例(昭和48年3月制定)」に基づく「自然環境の保全と回復に関する協定」の適正な運用を図るとともに「採石法(昭和25年12月制定)」及び「砂利採取法(昭和43年5月制定)」に基づく認可及び「海岸法(昭和31年5月制定)」に基づく許可に際しては、緑地等の保全について十分配慮する。
イ 沿岸都市地域における緑地の確保
都市公園整備事業、港湾環境整備事業(緑地等施設)等を推進し、「大阪府広域緑地計画」に示されている緑地の確保目標量及び配置基本計画の考え方に基づき、各種緑地の整備を積極的に促進する。
ウ 健全な森林の保護育成のための事業の実施
保安林整備、治山事業、森林造成事業、府営林整備・管理事業及び森林病害虫防除事業等を推進することにより、健全な森林の保護育成に努める。
エ 緑化修景措置
海岸線に沿い自然とのふれあいの場、環境保全、防災及び景観の向上を目的とした緑地を造成する。
また、「景観法(平成16年6月制定)」に基づく景観計画の策定等により、水と緑の織りなす良好な景観の保全・育成を推進する。
(3) 史跡・名勝・天然記念物等の保全
府域の史跡・名勝・天然記念物等は、その多くが内陸部に存在している。
そのうち、沿岸地域にあるものとしては「文化財保護法(昭和25年5月制定)」に基づき指定されている史跡として、西陵古墳、西陵古墳第一・第二古墳、旧堺燈台が、重要文化財として船守神社本殿がある。また、「大阪府文化財保護条例(昭和44年3月制定)」による史跡として、白峠山古墳、鴻ノ巣山第一号墳、岸和田城跡等が、天然記念物として、岬住吉神社のうばめがし社叢、船守神社のくす、金乗寺のいちょう、拂殿座神社のむく、有形文化財として、旧谷口家吉見別邸・洋館(田尻歴史館)、加茂神社本殿、嘉祥神社本殿等がある。
これらの文化財ができるだけ良好な状態で保全されるよう関係法令に基づく規制を徹底するとともに、防災施設の設置、保存修理及び環境整備等の対策を推進する。
(4) 散乱ごみ、油等の除去
海上に浮遊するごみ、油等を回収するため、現在、大阪港、堺泉北港に配備されている清掃船及び大阪港に配備されている油回収船を積極的に活用していく。特に、大雨等の河川からの出水時における散乱ごみの回収に配慮する。
一方、海面、海浜等におけるごみ、油等の投棄を防止するため、啓発活動の充実、強化とともに、国、府、関係市町村及び民間団体が連携して実施している「大阪湾クリ-ン作戦」等の海面、海浜及び瀬戸内海に流入する河川流域における清掃事業を住民や民間団体と連携して推進を図る。
(5) その他の措置
自然景観の保全のため、上記の施策を推進するほか、開発等により自然海岸が減少し、海岸の景観が損なわれていることにかんがみ、これらの実施に当たっては、景観の保全に十分配慮するものとし、海面及び沿岸部等において、施設を設置する場合においても、景観の保全について十分配慮するとともに、これまでに失われた自然海岸については、必要に応じ、その回復のための措置を講ずるよう努める。
また、平成8年12月17日の第26回瀬戸内海環境保全知事・市長会議で採択された「瀬戸内海景観宣言」により、国や関係府県市の相互協力のもと、それぞれの地域の特性や個性を考慮しつつ、瀬戸内海のまとまりのある内海景観を保全・創造する。
3 浅海域の保全等
(1) 藻場及び干潟等の保全等
「第4回自然環境保全基礎調査海域生物環境調査報告書」(1994年3月、環境庁)によると、大阪府の平成2年度調査において、府域の南部沿岸海域にはガラモ場等の約287haの藻場があり、干潟については、男里川等に残っているのみである。また、浅海域を伴う砂浜が、阪南市に約7km残っている。
魚介類の産卵、生育の場となっている藻場及び魚介類、鳥類等の生態系を維持するうえで重要な役割を果たすとされている干潟等、瀬戸内海の水質浄化や生物多様性の確保、環境教育・環境学習の場としても重要な役割を果たしている浅海域は、近年各種開発により消失する傾向にある。
このため、現存している藻場及び干潟等について保全する。さらに、現在堺泉北港堺2区地先等において人工干潟整備を進めているが、積極的に藻場及び干潟等の創造に努め、浄化機能の高い沿岸域を拡大するよう努める。
また、府域に残された藻場及び干潟等の生物種の生息状況について、定期的な調査の実施に努めるとともに、新たに回復措置によって生じた浅海域についても、想定した効果が得られているか検証を実施し、環境を保全し回復する技術の向上を図る。
(2) 自然海浜の保全等
「第5回自然環境保全基礎調査海辺調査」(環境庁)によると、平成8年度調査において、府域の瀬戸内海の海岸線のうち自然海岸は0.8%、半自然海岸は4.5%、人工海岸は92.5%、河口部は2.2%になっている。これらの自然海岸及び半自然海岸の海浜は、自然とのふれあいの場等として多くの人々に利用され、府民の健康で文化的な生活を確保するため必要不可欠なものとなっているが、近年、これらの自然海岸等が減少する傾向にあることにかんがみ、できるだけその利用に好適な状態で保全されるよう以下の施策を講ずる。
ア 保全地区の運用等
自然海浜の保全のため「瀬戸内海環境保全特別措置法」に規定された「大阪府自然海浜保全地区条例(昭和56年3月制定)」に基づき、長松自然海浜保全地区、小島自然海浜保全地区を指定しており、その適正な利用がなされるよう整備に努める。
また、その他府域の貴重な自然海岸等が「都市公園法(昭和31年4月制定)」、「都市計画法(昭和43年6月制定)」、「森林法」に基づく各種指定地区等に指定されているので、これらの指定区域においては、当該法律に基づく適切な運用を図ることにより、これらがその目的に応じ適切な状態で保全されるよう努める。
イ 養浜等による海浜環境の整備
自然海浜保全地区の保全のみにとどまらず、積極的に自然とのふれあいの場を整備するため、せんなん里海公園で人工的に磯浜を整備したところであるが、今後、漁港等他の泉州地域における海岸においても親水性・景観及び生物の生息に配慮した整備を進める。
一方、自然海岸を利用に好適な状態で保全するため、住民や民間団体が実施する清掃作業を含め、海浜部に漂着しているごみ、油等を対象とした清掃事業の推進を図るとともに、海岸美化運動を行う。
4 海砂利採取に当たっての環境保全に対する配慮
府域においては、海砂利資源の枯渇により採取は行われていないが、今後とも、この現状を踏まえ対応する。
5 埋立てに当たっての環境保全に対する配慮
(1) 埋立ての回避、埋立て必要規模の最小化
本府の瀬戸内海区域における「公有水面埋立法(大正10年4月制定)」第2条第1項の免許又は同法第42条第1項の承認に当たっては、「瀬戸内海環境保全特別措置法」第13条第1項の埋立てについての規定の運用に関する同条第2項の基本方針に沿って、海域環境、自然環境及び水産資源の保全に十分配慮する。特に港湾区域内で行われる埋立てに当たっては、港湾計画の策定段階から考慮する。
(2) 不可避な埋立てにおける配慮
「環境影響評価法(平成9年6月制定)」及び「大阪府環境影響評価条例(平成10年3月制定)」に基づく環境影響評価に当たっては、環境への影響の回避・低減を検討するとともに、必要に応じ適切な代償措置を検討する。その際、地域住民の意見が適切に反映されるよう配慮する。さらに、埋立地の存在、供用及び工事による水質及び水生生物等への影響について、「大阪府環境影響評価条例」に基づき、適切に事後調査を行う。
これらの検討に際しては特に浅海域の藻場・干潟等や淀川河口付近、阪南市の砂浜は、生物生産性が高く、底生生物や魚介類の生息、海水浄化等において重要な場であることを考慮する。
6 廃棄物の処理施設の整備及び処分地の確保
大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会からの転換を図るため、「循環型社会形成推進基本法(平成12年6月制定)」の趣旨を踏まえ、生産・流通・消費の段階から自然への還元や経済活動への再投入までの廃棄物をめぐる全ての過程を対象に、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用の推進、中間処理の推進等の総合的施策を推進することにより、最終処分量の減量化を図るとともに、廃棄物の適正な処理に十分配慮する。
そのため、以下の施策を積極的に実施する。
(1) 廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用
資源循環型社会を構築していくために、廃棄物の排出を抑制し、廃棄物となったものについては不適正処理の防止及び環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用、再生利用、熱回収の順に循環的な利用を行うことが重要である。
そのため、府民・事業者・府・市町村等で設置した「大阪府リサイクル社会推進会議」において策定した「ごみ減量化・リサイクルアクションプログラム(平成12年6月)」に基づき、府民・事業者・府・市町村が連携してごみの減量化・リサイクルなどの取り組みを一層推進するとともに、「家電リサイクル大阪方式」等のリサイクル関連施策や「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(平成7年6月制定)」等のリサイクル関連法の円滑な推進に努める。
また、産業廃棄物の多量排出事業者に対しては、重点的に廃棄物の減量化・リサイクルの指導を行う。
(2) 処理施設等の整備
府域の平成17年度末のごみ処理施設の整備状況は、ごみ焼却施設16市町9組合(処理能力16,381t/日)、粗大ごみ処理施設16市町9組合(処理能力1,793t/日)、不燃物処理・資源化施設7市町5組合(処理能力173t/日)、リサイクルプラザ5市(処理能力95t/日)において整備されており、これらの施設により廃棄物の適正処理を行う一方、今後とも市町村の一般廃棄物処理計画に基づき、大阪湾圏域広域処理場への搬入を勘案しつつ、ごみ処理施設等の整備の促進を図る。
また、産業廃棄物については、事業者及び産業廃棄物処理業者等が講ずる処理対策が適切に進められるよう監視指導を行うとともに、不適正処理対策の推進を図る。
(3) 処分地の確保
府域においては、平成17年度末において一般廃棄物の最終処分場7カ所(残余容量約162万立方メートル(産業廃棄物を併せて埋立処分している最終処分場を含む。))、産業廃棄物の最終処分場7カ所(残余容量約35万立方メートル)、そして公共関与による最終処分場として、大阪湾圏域広域処理場整備事業(フェニックス事業)泉大津沖埋立処分場(残余容量約716万立方メートル)が確保されており、平成13年度には、さらに大阪沖埋立処分場(計画容量1,400万立方メートル)の整備に着工、平成20年度末に完成の予定となっている。
内陸部での処分場の確保が困難となる中で、廃棄物の海面埋立処分によらざるを得ない場合においては、まず最終処分量の減量等により処分地の延命化を図り、瀬戸内海の環境保全に十分配慮したうえで、処分地の確保に努める。
大阪湾圏域広域処理場整備事業については、関係機関と協力して、環境の保全に留意しつつ事業の推進に努める。
7 健全な水循環機能の維持・回復
瀬戸内海の環境保全のためには、海域のみならず、これと連続する陸域(流域)も含めたスケ-ルで、健全な水循環機能が維持・回復されることが重要であることから、各地域で以下の施策を実施し、流域単位で水循環の健全化に向けた取り組みを進める。
(1) 海域
藻場・干潟等の浅海域の保全や浄化機能の高い沿岸域の拡大に努める。
(2) 陸域
ア 森林域
人工林の間伐促進、単層林の複層林化、長期育成循環施業、広葉樹林の造成等多様な森林の育成に取り組むとともに、放置森林の解消に向けて、治山事業等の効果的実施や、住民、企業等の多様な主体の理解、参画により、手入れの遅れている森林、竹林の整備に取り組むことによって森林の水源かん養機能の向上を図る。
イ 農地域
農地やため池等がもつ保水機能や地下水涵養機能の保全、再生に努める。
ウ 都市域
学校や公園敷地内等での雨水の一時貯留を検討するほか、一定面積以上の開発に対して雨水貯留施設の設置の指導を行う等、雨水の貯留浸透を推進するとともに、雨水の流出抑制を図り、河川や水路の負担を軽減する。
また、家庭や地域における雨水利用を推進するとともに、雨水及び下水道、浄化槽処理排水の植栽への散水、便器洗浄水等への利用等、水の効率的利活用に努める。
さらに、下水道の高度処理水を河川浄化用水として利用し、河川や水路の維持流量の確保及び水質改善を図る。
環境省が実施する健全な水循環の構築に向けた計画策定事業に参画し、見出川流域を対象として水循環のモデル計画の策定に向けた調整、検討を行う。
そのほか、公園の植栽及び樹木管理を行うとともに、道路緑化を推進する。
8 失われた良好な環境の回復
瀬戸内海にふさわしい多様な環境を確保するため、開発等に伴い既に失われた藻場干潟、自然海浜等の良好な環境を回復させる施策の推進に努める。
9 生活排水処理施設等の整備の促進
(1) 下水道の整備
瀬戸内海の水質保全を図るうえで、生活排水に係る汚濁負荷量及び栄養塩類の削減対策としての下水道の整備は極めて重要な施策である。
府域の下水道の整備状況は、平成17年度末において41カ所の終末処理場が稼働しており、下水道普及率は90.8%である。
瀬戸内海の水質の一層の改善を図るために、下水道普及率の向上を図るとともに、窒素及びりん等の除去を目的とした高度処理の積極的な導入を図る。
さらに、合流式下水道については、平成16年度に策定した合流式下水道緊急改善計画に基づき改善に取り組む。
(2) 浄化槽の整備
下水道の整備が相当期間見込めない地域や下水道整備予定区域外においては、生活排水対策として、浄化槽の整備が重要な施策である。
本府においては、生活排水の100%適正処理を目標に、効果的・計画的な施設の整備を推進するとともに、排水処理の高度化の促進並びに適正な維持管理の徹底を図る。
市町村が各戸に浄化槽を設置して、管理・運営する「浄化槽市町村整備推進事業」について、技術的支援を行うとともに、府費補助制度の活用等により、その導入を促進するなど、一層の普及促進に努める。
また、規模の大きな浄化槽については、窒素、りんの除去等高度処理浄化槽の設置を指導する。
さらに、既設の単独処理浄化槽についても、地域の実情に応じ、合併処理浄化槽への転換の促進を図る。
なお、浄化槽については、「浄化槽法(昭和58年5月制定)」、「建築基準法(昭和25年5月制定)」等に基づき、浄化槽の適正な設置、維持管理及び水質に関する検査の徹底等浄化槽対策の一層の推進に努める。
(3) その他の生活排水処理施設の整備
農業集落排水施設整備事業については、平成18年度末において、2地区(岸和田市及び能勢町)において実施しており、今後、他の地区においても「大阪府農業集落排水整備基本計画(平成8年3月策定)」に基づき、事業を推進する。
コミュニティ・プラントについては、平成18年度末において2施設(堺市、豊能町)が整備されているが、今後とも市町村の一般廃棄物処理計画に基づき、整備、促進を図る。
漁業集落環境整備事業(集落排水施設)については、岬町小島地区において、平成20年度完成を目標に実施する。
(4) し尿処理施設の整備
府域の平成17年度末のし尿処理施設(下水道に投入するため、希釈処理等を行う施設を含む)の整備状況は、23市町5組合において整備されており、その処理能力は5,000kL/日である。
今後は、市町村の生活排水処理施設の整備状況、また排出されるし尿、浄化槽汚泥量について的確に把握した上で、広域的処理も含めた効率的で安定的な処理体制の構築に努める。
10 海底及び河床の汚泥の除去等
瀬戸内海の水質汚濁の一因となる海底及び河床の汚泥の実態を把握するため、府域の河川及び海域において底質調査を実施しているが、今後ともその積極的な実施を図る。
また、水銀又はポリ塩化ビフェニル等の人の健康に有害な物質を含む汚泥の堆積による底質の悪化を防止するとともに、国が定めた除去基準を上回る底質については、除去等の対策を講じ環境の浄化に努めるほか、有機汚泥の堆積等による悪臭の発生等生活環境に影響を及ぼす底質については、除去等の適正な措置を検討するものとし、除去の際には、周辺環境への影響等を十分配慮する。
さらに、漁場に浮遊又は堆積した廃棄物を引き揚げ除去し、漁場の再生産機能の回復を図る。
なお、府域においては、泉州諸河川、大阪市内河川及び大阪港海域において、汚泥のしゅんせつを実施し、底質の改善を進めているところであるが、今後も引き続き、主要河川等においてしゅんせつ事業及び各種浄化対策の推進を図る。
11 水質等の監視測定
瀬戸内海の水質保全対策の実効を期すためには、府域の公共用水域の環境基準維持達成状況及び発生源における排水基準の遵守状況を把握する必要がある。
このため、公共用水域については、「水質汚濁防止法」の規定による水質測定計画に基づき、水質汚濁に係る環境基準点を中心に関係機関と相互協力をして常時監視を実施する。また、ダイオキシン類については、「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、関係機関と協力して常時監視を実施し、府域の環境状況の把握に努める。
一方、発生源については「水質汚濁防止法」「ダイオキシン類対策特別措置法」等に基づき、工場・事業場に対して立入検査等を実施し、排水基準の遵守状況の監視に努めるとともに、総量規制の指定地域内事業場における汚濁負荷量の把握を行うため、水質自動計測器の設置等、効果的な監視体制の整備の促進を図る。
12 環境保全に関する調査研究及び技術の開発等
本府においては、複雑多様化しかつ質的に変化する環境問題に対処するため、「大阪府環境基本条例(平成6年3月制定)」及び「大阪21世紀の環境総合計画(平成14年3月策定)」に基づき、環境の保全と創造に関する調査研究及び技術開発に鋭意努めてきたところである。
今後は、大阪府環境農林水産総合研究所等において、海域における富栄養化、内部生産機構の解明等に関する研究、有害化学物質等の水域環境汚濁に関する調査研究、貧酸素水塊の形成のメカニズムの解明及びそれらの防除技術の調査研究並びに自然環境の保全に関する基礎調査及び回復手法に関する調査研究等、瀬戸内海の環境保全に関する調査研究に鋭意努めるとともに、事業者・民間団体との情報交換等を行い有機的な連携を図ることにより、調査研究及び技術開発の効果的な実施を図る。
また、環境省の環境技術実証モデル事業を活用し、閉鎖性海域の水環境改善に資する技術の普及促進を図る。
さらに、府域における瀬戸内海に関する環境情報や調査研究、技術開発の成果等のデータベースを整備し、情報の共有化、情報収集の効率化に努める。
13 環境保全思想の普及及び住民参加の推進
瀬戸内海の環境保全対策を推進するに当たっては、生活排水や廃棄物等も含めた総合的な対策が必要である。
その実効を期するため、国、地方公共団体、事業者等がその責務を果たすことはもちろんのこと、瀬戸内海地域の住民や民間団体及び瀬戸内海を利用する人々の正しい理解と協力が不可欠である。
このため、府民に対して、新聞、テレビ、ラジオ、パンフレット、ホ-ムペ-ジ等の広報媒体並びに環境月間及び瀬戸内海環境保全月間等を通じて、良好な生活環境の保全に関する意識の向上に努めるとともに、河川、海岸等へのごみの不法投棄防止、生ごみの流出防止、浄化槽の維持管理の適正化を図るなど、実践活動の普及を図るとともに、環境ボランティアの養成に努める。これらの施策の実施に当たっては、社団法人瀬戸内海環境保全協会等の協力を得てより一層の効果を期するよう努める。
また、環境保全施策の策定に当たっては、必要に応じ「大阪府パブリックコメント手続実施要綱(平成13年4月施行)」に基づくパブリックコメント手続の実施等により、住民意見を考慮する。
14 環境教育・環境学習の推進
瀬戸内海の環境保全に対する理解や環境保全活動に参加する意識及び自然に対する感性や自然を大切に思う心を育むため、地域の自然及びそれと一体的な歴史的、文化的要素を積極的に活用しつつ、地方公共団体、教育機関、事業者、民間団体の連携の下、環境教育・環境学習を推進する。
(1) 体験的環境学習のできる場所の確保
自然海浜保全地区や府営公園、府民の森等の自然環境を環境教育・環境学習の場として活用する。また、ボランティア活動用地である「ボランティアの森」や里山体験の場である大阪府民の森ほりご園地の管理運営を行う。
(2) 学習機会の提供
「夏休み海の教室」等の自然観察会やシンポジウム・ワ-クショップを開催するよう努める。また、学習機材の貸出しや環境関連図書の閲覧を行う。
(3) 民間団体への活動支援
大阪府環境保全基金等の活用による民間団体の環境保全活動に対する補助金の交付や環境活動リーダーの養成に努める。また、こどもエコクラブ交流会の開催等各自の取り組み発表や大阪府環境パートナーシップのネットワーク活用により、情報を交換できる場や機会を設ける。
15 情報提供、広報の充実
住民参加、環境教育・環境学習、調査研究等を推進するため、多様な情報に関するデータベースの整備等により広く情報を提供するシステムの構築等を進めるとともに、ホ-ムペ-ジ、広報誌等を通じて、瀬戸内海の環境の現状及び負荷量削減、廃棄物の排出抑制への取組等の広報に努める。瀬戸内海の環境の現状については、「せとうちネット」及び「大阪湾環境データベース」の活用により情報の共有化を図る。
16 広域的な連携の強化等
瀬戸内海は13府県が関係する広範な海域であることから、環境保全施策の推進のため、瀬戸内海環境保全知事・市長会議を積極的に活用し、各地域間の広域的な連携の一層の強化を図る。
また、大阪湾再生推進会議で策定した「大阪湾再生行動計画(平成16年3月)」の進捗状況についてフォローアップを行い、取り組み状況の的確な把握と着実な実施に努める。
健全な水循環機能の維持・回復のための取組の推進、住民参加の推進、環境教育・環境学習の充実を図るため、流域を単位とした関係者間の連携の強化に努めるとともに、大阪湾環境保全協議会の取り組みの充実に努める。
17 海外の閉鎖性海域との連携
閉鎖性海域の環境保全と適正利用並びに国際協力の推進に資するため設立された財団法人国際エメックスセンターを支援し、同センターが行う事業に参画していくとともに、閉鎖性海域に関する国際会議への参加に努める。
第4 施策実施上必要な事項
1 施策の積極的推進
瀬戸内海の環境保全は、重要な国民的課題であることにかんがみ、本計画で定められた施策については、必要な財源の確保等に努め、その積極的な推進を図る。
2 施策の実施状況及びその効果の把握
瀬戸内海の環境保全を推進するためには、本計画で定められた施策が確実に実行されなければならない。
このため、計画した施策の実施状況及び環境改善状況を的確に把握し、施策の効果的な実施を図る。
3 計画推進のための関係機関との連絡調整
本計画は、国、府、関係市町村が一体となって推進していかなければ実効のあがらないものである。
このため、計画実施に当たっては、関係機関と連絡を密にし、計画した諸施策の実施状況等について情報、意見の交換等を行い、もって本計画の円滑な推進を図る。