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大阪府災害時生活用水確保事業実施要領
1 目的
震災等による水道の断水時における飲用水の給水対策として、市町村では緊急貯水槽や市町村相互連絡管の設置等を講じているところであるが、災害時には飲用水以外の洗濯やトイレ等の生活用水を十分確保できないことも考えられる。この要領は、災害時に生活用水として提供される井戸を登録し、府民へ情報提供を行うことにより、災害時における府民の生活用水の確保及び公衆衛生の維持を図ることを目的とする。
2 用語の定義
この要領における用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
- (1)「災害時」とは、震災等による水道の断水時をいう。
- (2)「生活用水」とは、飲用水以外の洗濯やトイレ等に使用する水をいう。
- (3)「災害時協力井戸」とは、災害時において生活用水を府民に提供できる井戸として大阪府に登録された井戸をいう。
- (4)「提供者」とは、災害時協力井戸の所有者又は管理者をいう。
- (5)「井戸情報」とは、提供者及び災害時協力井戸の所在地の情報をいう。
- (6)「登録名簿」とは、災害時協力井戸登録名簿をいう。
- (7)「地図情報」とは、災害時協力井戸の所在地を示した地図の情報をいう。
3 登録の要件
災害時協力井戸は、次の要件を満たすものとする。
- (1)井戸の所在地が町村の区域であること。
- (2)災害時に無償で井戸水を提供できること。
- (3)井戸水を汲み上げるためのポンプ(電動または手押し)またはつるべ等があること。
- (4)井戸枠等があり安全であること。
- (5)井戸水の色、濁り、臭い等に明らかに異常があるなど、生活用水としての使用に不適当な水質でないこと。
- (6)災害時において、保健所窓口等での登録名簿の閲覧や地図情報の掲示による府民への井戸情報の提供について同意できること。
4 登録手続き等
保健所長は、災害時協力井戸の登録等について以下の手続き等を行う。
- (1)登録の申し出は、提供者から災害時協力井戸登録申出書(第1号様式)の提出を受けるものとする。
- (2)災害時協力井戸登録申出書の内容を現地調査により確認し、「3 登録の要件」を満たす井戸については災害時協力井戸として登録名簿(第2号様式)に登載し、地図情報を作成する。
- (3)登録名簿に登載した提供者に災害時協力井戸登録通知書(第3号様式)及び登録標識(第4号様式)を交付する。
- (4)提供者から災害時協力井戸について災害時協力井戸登録申出書に記載されている内容に変更が生じたと申し出があった場合、災害時協力井戸変更申出書(第5号様式)を受けるものとする。なお、変更内容が提供者の変更である場合は、新たな提供者に「3 登録の要件(6)」について確認の上で災害時協力井戸変更申出書を受けるものとし、登録名簿を訂正する。
- (5)災害時協力井戸の枯渇や転居等の理由により生活用水を提供することが困難になった場合は、原則、提供者から災害時協力井戸廃止申出書(第6号様式)を受けるものとし、登録名簿から削除する。また、登録標識の返還を求める。
- (6)提供者から登録標識の紛失、破損等の申し出があった場合は、登録標識再交付申出書(様式第7号)の提出により、登録標識を再交付する。
- (7)災害時協力井戸の内容について適宜、健康医療部環境衛生課長へ報告する。
5 災害時協力井戸の情報提供
- (1)保健所長は、災害時においては、保健所窓口等での登録名簿の閲覧や地図情報の掲示により府民へ井戸情報の提供を行う。
- (2)保健所長及び健康医療部環境衛生課長は、災害時に府民が井戸水を円滑に活用できるようにするため、井戸情報の提供について同意が得られた井戸について大阪府ホームページに掲載するとともに、町村や自治会への提供に努める。
- (3)保健所長及び健康医療部環境衛生課長は、情報提供をする際、災害時協力井戸を利用する府民に対して以下の注意事項について周知を図る。
- ア 井戸水の提供は提供者の善意により行われているものであり、提供についての義務は負うものではないこと。
- イ 井戸水の提供を受ける際には提供者の指示に従うこと。
- ウ 井戸水は飲用として提供しているものではないこと。
- エ 井戸水の湧水量には限度があるため、特定の個人に対して多量に提供することはできないこと。
- オ 井戸水の提供を受けるための容器を用意すること。
- カ 井戸水の提供を受けた結果、提供者の故意によるものでなく、利用者の身体及び利用者の所有する物品に被害を被った場合、提供者にその責は問わないものとすること。
- キ 停電等、災害により井戸が利用できない場合があること。
- ク 提供を受けた井戸水の持ち帰りは、原則利用者が行うこと。
- ケ 井戸水の利用は災害時のみに限ること。
6 提供者の遵守事項
- (1)災害時
- ア 井戸の使用状況を確認し使用可能な場合は、協力できる範囲内において自主的に井戸水の提供を行うこと。
- イ 井戸水は公平に提供すること。
- ウ 井戸が破損等により使用不可である場合は登録標識を掲げないこと。
- エ 利用者に飲用として提供しているものではない旨を伝えること。
- オ 井戸が使用不可の場合は保健所長へその旨を連絡すること。
- (2)災害時以外
- ア 井戸及びその周辺を整理し清潔に保つよう努めること。
- イ 登録標識を申出者宅入口付近に掲げ、日ごろから井戸の所在周知に努めること。
7 関係機関との連携
保健所長及び健康医療部環境衛生課長は本事業を円滑に進めるため、井戸情報の活用、災害時協力井戸の推奨等について府関係部局、井戸所在地の町村、自治会等の関係機関との連携に努める。また、市が、災害時に生活用水として提供される井戸を登録する事業を実施している場合は、事業実施に協力することとし、依頼に基づき大阪府ホームページでの情報掲載を行う。
8 広報、啓発
保健所長及び健康医療部環境衛生課長は、広報誌等を通じて、人口密集地で近隣に災害時協力井戸が無い地域(登録空白地域)の解消に向けて重点的に登録推奨を行うとともに、府民に災害時協力井戸の利用方法について周知を図る。
- 附則
この要領は、平成17年3月11日から施行する。 - 附則
この要領は、平成19年10月1日から施行する。
平成19年10月1日の施行の際、現に災害時協力井戸として登録を受けているものについては本要領における災害時協力井戸とみなす。ただし、井戸情報の提供に係る同意の取り扱いについては、従前のとおりとする。 - 附則
この要領は、平成21年4月1日から施行する。 - 附則
- この要領は、平成25年4月1日から施行する。
- 市域における本事業は、平成25年3月31日をもって廃止する。ただし、市が災害時に生活用水として提供される井戸を登録する事業を実施する場合には、市に事業を引継ぐまでの間、保健所長は、町村の区域と同様に事業を実施(新規登録を除く)するものとする。また、市に事業を引継ぐために特に必要があるときは、災害時協力井戸の新規登録を行うことができるものとする。
- 市が災害時に生活用水として提供される井戸を登録する事業を実施する場合には、府が管理する登録井戸の情報(登録申出書・登録名簿・府が実施した水質検査結果等)は、登録者の同意を得て、当該市に引継ぐものとする。ただし、府が実施した水質検査結果(井戸の所在等を含む)については、引き続き、大阪府において地下水質関係資料として活用することができるものとする。