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第3回大阪府放課後子どもプラン推進委員会
第3回大阪府放課後子どもプラン推進委員会概要
平成23年2月8日(火曜日)午前10時から12時 大阪府公館 大サロン
1.開会のあいさつ(大阪府放課後子どもプラン推進委員会会長)
2.出席者の紹介
3.報告(事務局より)
- これまでの経過(第2回推進委員会、合同担当者会議、府主催研修会)
- 訪問取材
- 平成23年度からの展開
4.協議の概要
1.訪問取材報告を受けて(委員感想)
<茨木市立郡小学校区放課後子ども教室>
- 郡小学校の教室は活動内容が豊か。様々な活動内容を提供することによって、子ども達が選択し、活動することで、成長していることに感銘を受けた。
- 子どもの活動を保障しているのが地域ボランティアやそれをまとめるコーディネーター。
コーディネーターの方は元、市の職員ということで、他機関との連携など熟知されていることが効を奏している。
単なるボランティアではなく仕掛けができる人材が必要。 - 郡小学校の元気広場が立ち上がった時、月から金まで開催のため、放課後児童クラブの利用児童数はかなり減少したとも聞いた。
しかし、両事業を実施していく中で、放課後児童クラブにはやはり放課後児童クラブの良さがあることを実感した保護者・子どもは再び放課後児童クラブを利用し始めたという経緯があり、今は連携を通じて活性化しているとのこと。
両事業のそれぞれの特性がある、ということを改めて認識した。 - 元気広場の実施にあたっては学校の教員の理解も必要。放課後は子ども達が帰宅しているはず、という思いがあり、放課後に子どもがいることに、元気広場の立ち上げ当初、抵抗感は大きいようであった。このような中、元気広場の運営については、コーディネーターが責任を持つということを実際の活動を通じて見せてきたことで、今では、教員の理解も得ることができ、若い教員も元気広場の活動に参加することもあると聞いている。やはりコーディネーターの力は大きい。
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<和泉市立幸小学校げんきっ子プラザ>
- 地の利(学校に隣接する青少年センター)、人の和(地域のNPO法人)をうまく活用している。
幸小学校では、NPO法人が放課後児童クラブと元気広場の両事業を受託していることから、意識せずとも連携できており、また、元保育所である青少年センターという広い場所もある。 - これまで「居場所づくり=箱ものの整備」と考えていたが、ソフトボールという活動が居場所となっていることに大きく示唆を受けた。
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<吹田市東佐井寺留守家庭児童育成室>
- 第3金曜日に両事業の連絡会議が設置されるなど、吹田市としてシステムが確立されており、連携の1つの教訓であると認識したところ。
- 関西大学ボランティアサークルの学生の参加が印象に残った。また、学生ボランティアサークルの参加の他、吹田市では大学と連携して授業の一環として学生が参加するという体制を作っていることは参考になった。
本市では、大学との連携事業はあるが、小学校との連携はまだ無かったので、1つのヒントとなった。また、本市では、放課後児童クラブと元気広場を社会福祉協議会に委託しているが、民間や地域ボランティアは入っていないので、今後の課題と考えている。 - 吹田市では、放課後児童クラブ、元気広場の双方が働きかけに積極的。放課後児童クラブの子どもたちが自分たちで祭りを作り、元気広場、全児童を招待している。
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<全般>
- H19から放課後子どもプランが推進されているが、福祉と教育の連携は、なかなか進まない。地域の中でも縦割り意識が存在している。
これまでは、行政は同一水準を提供することを主眼に置いてきたが、地域が選択していくことが必要。
地域ボランティアが高齢化、疲弊する中、行政はお金は出すけれど口は出さない。地域に根差したNPOの組織化を支援していくことが必要と考えている。 - 様々な連携事例が紹介され参考になった。人の力が大きいことを実感。
- 放課後子ども教室においても障がい児の参加は重点項目の1つであるが、放課後児童クラブにおいても、市町村におかれて積極的に障がい児を受け入れていただいている。全国平均値は2.4%であるが府内は4.8%。さらに推進されるよう、府子育て支援課では、支援学校小学部の児童を新たに受け入れる放課後児童クラブの体制づくりを支援するため、「障がい児の居場所づくり事業」を創設し、今年度9市町村において19人の児童を受け入れていただいており、来年度も実施していく。
- 子ども施策のあり方そのものが大きく変わる転換期を迎えている。「子ども・子育て新システム」は、社会全体で子どもを支えるというもので、そのお金をどこから調達し、現場でどのように実施していくかの議論である。各地域の現場の状況を勉強し、市町村等の取組みをバックアップしていきたい。
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2.効果的な連携方策について
- 吹田市のキャプテン制度は有効性が高いと認識。
キャプテンが元小学校長であることから、学校との壁を取り払うのに大きな効果がある。
また、広場関係者が集える場所が確保されていることも重要。 - 府においても、活動スペースの保障は重要と考え、小学校や中学校における拠点整備費(余裕教室の改修など)として、20万円を上限に補助する事業を実施している。
地元の人も入ってこられる雰囲気づくりも必要。 - 元気広場と放課後児童クラブが連携していくには、場所の確保とともに、連絡会議の設置などシステムの確立が必要。その連絡会議において、子どもへの理解や活動内容の点検が深まることから、市町村担当課がシステムについて考えてほしい。
- ボランティアの高齢化は大きな課題。そこで、大学への推薦入学が決まった高校3年生や大学生など多様な人材を発掘、情報のネットワークを図ることで、連携の質・量が豊かになっていく。
ボランティアはwin-winの関係でないと継続性は得られない。
また、連携のあり方として、地域全体をとらえ、障がいのある児童や、私学、国立に通っている児童も地域の活動に参加できることを検討していきたい。
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3.推進委員会として今後やるべきこと
- 教育委員会で実施される家庭教育支援も重要。
放課後児童クラブでもフォローが必要な家庭に対し家庭訪問を実施している。各事業の連携の好事例を視察したい。
また、好事例は、市町村がシステムを確立していることが多く、そのためにどのようなことをしたら良いかの視点をもって視察していく。 - 教育を軸とした地域コミュニティの再生、この視点に立ち今後も視察していく。
- 情報発信の手法について、事例集、シンポジウム、ワークショップなどがあるが、連携の好事例が、それぞれの現場までに届くように検討していく。
- 連携を両事業だけに限定せず、小学校区単位、中学校区単位という1つの地域全体で、まちづくりの観点からあり方を検討していく必要あり。
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5.その他、諸連絡
社会教育委員会議提言について(地域教育振興課長より)
社会教育委員会議では、平成23年1月に提言をとりまとめたところ。
内容は、実際に活動されているコーディネーターやボランティアの方に、今後の活動を進める上でのコツ・ヒントを知ってもらうために、事例紹介など、社会教育委員が現場を訪問して取りまとめたもの。
事例の中には、平成21年度に推進委員会で訪問取材した寝屋川市の和光キッズクラブも掲載。新たな人材育成や負担感を軽減し活動を継続させるポイントを紹介。
今回の提言は、府のホームページや様々な会議で紹介していく。