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更新日:2022年4月12日

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マイクロプラスチック実態把握調査について

大阪湾内及び府内河川におけるマイクロプラスチックの実態把握を目的として、令和元年度及び令和2年度に湾内2箇所で、令和5年度に府内河川4箇所で採取調査を実施し、マイクロプラスチックの個数密度等を調査しました。

令和5年度

府内河川中に浮遊するマイクロプラスチックの実態を把握するため、令和5年度に府内河川4箇所で採取調査を実施しました。

調査日

令和5年9月(25日から28日まで)、12月(4日から8日まで)

調査場所

新京阪橋(安威川)、毛馬橋(大川)、石川橋(石川)、高野大橋(大和川)

調査地点

図-1 調査地点

調査方法

河川・湖沼マイクロプラスチック調査ガイドライン(環境省)に基づき、採取用ネットを用いて漂流するマイクロプラスチックを採取し、プラスチックの形状、色、材質、個数密度等を分析しました。
(参考)海洋プラスチックごみに関する各種調査ガイドライン等について(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

調査結果

(1)個数密度

  • 調査月別の個数密度は、全地点で9月調査の方が多い結果でした。これは、9月調査日の数日前にまとまった降水がみられたことから、降水が影響しているものと考えられます。
  • 地点別の個数密度は、新京阪橋(安威川)が最も高く、次に高野大橋(大和川)が高い結果でした。
表-1.9月調査におけるマイクロプラスチック個数調査結果(1立方メートルあたりの個数)

河川名

地点名

9月調査※

12月調査※

安威川 新京阪橋

48.0

24.8

大川 毛馬橋

5.4

1.7

石川 石川橋

6.2

2.4

大和川 高野大橋

19.8

5.1

※左岸、流心、右岸の平均値

(2)形状別個数密度

  • 全地点で破片の割合が高く(5割から9割)、次いで、繊維状、膜・シート状の順に高い結果でした。
  • その他には、ビーズ及び発泡プラスチックが新京阪橋や大和川で数%程度見られ、円柱・球(ペレット)は確認されませんでした。

マイクロプラスチックの形状別分類

図-2 マイクロプラスチックの形状別分類

(3)色別個数密度

  • 主なプラスチックの色は白色、透明、緑、青、黒でした。いずれの地点でも白色が多い傾向でした。

マイクロプラスチックの色別分類

図-3 マイクロプラスチックの色別分類

(4)材質別個数密度

  • 主な材質は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)でした。ポリエチレンはポリ袋や食品容器、ポリプロピレンは食品容器やロープ・バンド、ポリエチレンテレフタレートは衣料品や飲料容器などに用いられます。

(5)発生由来の推定

  • 破片状は、プラスチックが分解され細分化し破片状になったもので、細分化される前のプラスチックは多岐にわたっていて、材質と色の情報から発生源を特定できませんでした。
  • 繊維状は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)が多かったため、衣類やロープ・バンド等に由来する化学繊維の可能性が高いと考えられます。
  • 膜・シート状は、ポリエチレン(PE)が多く、そのうち白や透明のものはレジ袋等のプラスチック袋に由来している可能性が高いと考えられます。

詳細はこちらの資料をご覧ください。

参考

環境省において令和3年度に実施した全国10箇所の河川におけるマイクロプラスチック調査結果はこちらからご覧ください。

令和2年度

大阪湾で海水中に浮遊するマイクロプラスチックの実態を把握するため、令和2年度に湾内2箇所で採取調査を実施しました。

調査日

令和2年11月24日(火曜日)

調査場所

大阪湾(大阪府側)の南北2箇所

調査方法

  • 船で、0.35ミリメートルメッシュの網を2から3ノットの速度で20分間曳き、試料(海水中の浮遊物)を採取
  • 採取した試料に含まれるマイクロプラスチックを顕微鏡等により計測し、濾水量1立方メートルあたりの個数を算出
  • 採取されたマイクロプラスチックについて、フーリエ変換赤外分光法(Ft-Ir)による材質判定を実施

着水状況 採取1 採取2

調査結果

(1)個数密度
大阪湾北部 1立方メートルあたり0.06個(25mプール1杯当たり21.6個(※))
大阪湾南部 1立方メートルあたり0.03個(25mプール1杯当たり10.8個(※))
(※)標準的な小学校用の25メートルプール(幅12メートル×長さ25メートル×深さ1.2メートル)で計算

なお、令和元年度の調査結果(9月調査及び12月調査)と比較すると、晴天時に実施した12月の調査結果と同程度の値でした。また、過年度に環境省が実施した調査結果と比較すると少ない値でした。

表-2.マイクロプラスチック実態把握調査結果(1立方メートルあたりの個数)
 

令和元年9月5日(前日夕刻に降雨あり)

令和元年12月6日(晴天時)

令和2年11月24日(晴天時)

大阪湾北部

4.1

0.18

0.06

大阪湾南部

0.05

0.03

0.03

表-3.環境省によるマイクロプラスチック個数調査結果(1立方メートルあたりの個数)

大阪湾5地点平均(平成27年度)

0.75

大阪湾5地点平均(平成30年度)

0.098

瀬戸内海6地点平均(平成27年度)

0.35

太平洋沖合高知県から鹿児島県3地点平均(平均26年度)

15.75

(2)材質判定

  • 2地点で回収した計35個のマイクロプラスチックの材質を判定したところ、ポリプロピレンが最も多く(17個、全体の49%)、次いでポリエチレン(10個、同じ29%)、ポリエチレンテレフタラート(5個、同14%)が多いという結果でした。
  • これらの材質は、食品容器や包装材、ペットボトル等、日常生活で用いられている様々な製品に使用されており、日常生活で発生したごみがマイクロプラスチック化しているものと推定されます。


図-4 FT-IRによる材質判定で判明したプラスチック材質の比率

詳細はこちらの資料をご覧ください。

令和元年度

大阪湾で海水中に浮遊するマイクロプラスチックの実態を把握するため、大阪府立環境農林水産総合研究所と連携して調査を実施しました。

調査日

第1回:令和元年9月5日(木曜日)
第2回:令和元年12月6日(金曜日)

調査場所

大阪湾(大阪府側)の南北2箇所

調査方法

  • 船で、0.35ミリメートルメッシュの網を2から3ノットの速度で20分間曳き、試料(海水中の浮遊物)を採取
  • 採取した試料に含まれるマイクロプラスチックを顕微鏡により計測し、1立方メートルあたりの個数を算出

採取1 採取2 採取3
(写真 令和元年9月5日調査)
採取調査1 採取調査2 試料
(写真 令和元年12月6日調査)

調査結果

第1回:令和元年9月5日(木曜日)
大阪湾北部 1立法メートルあたり4.1個
大阪湾南部 1立法メートルあたり0.05個

大阪湾北部の調査結果は、環境省による平成27年度の大阪湾や瀬戸内海6地点の平均に比べて高く、太平洋沖合の結果に比べて低い値でした。前日夕刻の大阪湾北東部における激しい降雨によりマイクロプラスチックが河川から海へ流入したことが一因と考えられます。
大阪湾南部の調査結果は、平成27年度の大阪湾や瀬戸内海6地点の平均に比べて低い値でした。

第2回:令和元年12月6日(金曜日)
大阪湾北部 1立法メートルあたり0.18個
大阪湾南部 1立法メートルあたり0.03個

いずれの調査結果も、平成27年度の大阪湾や瀬戸内海6地点の平均に比べて低い値でした。

(参考 表-4.環境省によるマイクロプラスチック個数調査結果(1立方メートルあたりの個数))
大阪湾
(平成27年度)
瀬戸内海6地点平均
(平成27年度)
太平洋沖合
(高知県から鹿児島県3地点平均)
(平成26年度)

0.75

0.35

15.75

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