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大阪銅器
大阪銅器(大阪府知事指定伝統工芸品)
おおさかどうき
Osaka Copperware
(Traditional Craft Products Certified by the Governor of Osaka Prefecture)
【沿革・特徴】
16世紀初め、「南蛮絞り」(銅から銀を絞り出す技術)という銅精錬技術の発達により一万人以上の職人が大阪で活躍し、江戸時代には、全国の産銅は「大阪銅座」に集められ、銅製品生産の中心地として栄えた。銅製品は、彫金、鋳金、鍛金の伝統的技法により祭祀用具から日常雑器まで幅広く作られており、その秀れた耐久性と落ち着きのある美しい質感は定評がある。
【History】
Due to the incredible development of Nanbanshibori, a Japanese traditional coppaer liquation method, more than ten thousand coppersmiths worked in Osaka in the early part of the sixteenth century. During the Edo era, copper produced throughout Japan was stored in the Osaka Mint, and Osaka was known as a prosperous center of copperware production.
The products manufactured include a wide range of copperware: from utensils for rituals to those for daily life manufactured by traditional metal carving, metal casting, and metal forging techniques. Osaka copperware is well-known for its solid durability and dignified appearance.
【指定年月日】
平成2年1月19日
【問い合わせ先】
大阪銅器合資会社(休業中)
【主な産地】
大阪市
【主な製品】
茶器、菓子器等
【製造工程】
- 銅版
- 生地板取り
設計図に基づき手鋏みで切りとる - 焼き鈍し・酸洗い
- 耐火煉瓦に石膏板をのせ、その上で鈍し作業を行う
- 冷めたら稀硫酸に浸して酸化物をとる
- 縁打ち
皿型木台の上で同心円に沿って外縁から回しながら捶木槌でたたき、椀状に加工する - 絞り
皿状になった板を裏返し当て金の上で回しながら、絞り金槌で中央から深絞りを繰り返し、形を仕上げる - 均し打ち
形が仕上がったら表面を均一にならし、文様をつける - 鑿彫り
打ち込み鑿、毛彫り鑿を用いて文様を彫る - 磨き色あげ
- 製作中に生じた傷等を磨き落とす
- 硫酸銅・緑青液で煮て色出しをする
- 拭きうるし・箔押し
- 水洗い後、火鉢の上で50度から60度に熱し、漆を塗る
- 漆の安定をみて漆を拭き取り火鉢で乾かす
- 蝋どめ
一旦冷ました後、再び火鉢で70度位に熱し固形イボタ蝋をあて紅絹(もみ)で艶を出す