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「大阪ものづくり優良企業賞2010」受賞企業一覧
最優秀企業賞(3社)
■錦城護謨株式会社(代表取締役社長:太田 泰造/本社:八尾市/錦城護謨株式会社(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)/kinjyo_Rubber(PPT:499KB))
世界初となるシェーバー用の防水ゴムの開発をはじめ、従来は、困難だった携帯電話の塗装済み電池蓋に対して、塗装部に傷を付けずに防水ゴムのインサート成形を行う技術を開発。液状ゴムと樹脂や金属との複合製品で特殊工法を数多く開発するなど、オリジナリティあふれる製品開発を続けている。また、工業製品のみならずシリコンを素材とする安全・安心な知育玩具の開発や軟弱地盤の改良に独自工法を開発して羽田空港や関西空港の地盤改良工事に大きく貢献するなど、同社の持つものづくり企業としての総合力を高く評価した。
■株式会社日本スペリア社(代表取締役社長:西村 哲郎/本社:吹田市/鉛フリーはんだの株式会社日本スペリア社(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)/株式会社日本スペリア社(PPT:2,035KB))
はんだ付けに使用する「はんだ」は、従来は鉛と錫を主成分とする合金が一般的だったが、環境保全のため、鉛フリーはんだ(無鉛はんだ)を開発し、世界24か国地域で特許を取得。同社の鉛フリーはんだは、1999年に国内大手家電メーカーが量産導入したのを皮切りに他の家電メーカーやAV機器メーカーも採用し、世界各地で使われている。同商品は、NASAと米国国防総省が進める鉛フリーはんだの評価プロジェクトにおいて試験対象に選ばれ、厳しい条件での振動・衝撃テストで優れた実績を残すなど高い信頼性を有している。地球環境問題は、今や全世界共通の課題であり、環境負荷軽減が求められる中、同社の環境問題に真正面から取り組む姿勢を高く評価した。
■プライミクス株式会社(代表取締役社長:古市 尚/本社:大阪市福島区)/プライミクス株式会社(PPT:1,030KB))
同社は、リチウムイオン電池の電極材スラリーを連続処理で製造可能とする生産プロセスを開発。従来の製造手法と比較して、工場での設置面積や消費電力、人件費などのコスト削減に貢献している。また、リチウムイオン電池の需要が急拡大し、性能の向上が求められる中、同社は薄膜旋回型高速撹拌技術による微粒化、均一化を可能とし、世界16か国において特許を取得、電池性能の向上にも大きく貢献した。
長年にわたっての経営品質向上に対する真摯な取り組みと顧客本意の姿勢が評価され2009年には、「関西経営品質賞」を受賞しており、技術力と併せて同社のものづくりに対する経営姿勢を高く評価した。
技術力部門賞(1社)
東亜高級継手バルブ製造株式会社(代表取締役社長:内藤 末夫/本社:枚方市/東亜高級継手バルブ製造株式会社(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
これまで建物の厨房排水管、通気配管に用いられてきた「可とう継手」では、腐食による穴あき漏水事故の増加が問題となっている。同社は、この問題を解決するため、腐食性ガスや高温排水に対して強い、業界初となる内面樹脂成型新防食継手を開発し、ビル排水管管理のライフサイクルコスト低減に大きく貢献している。排水鋼管用可とう継手の分野において、90年余にわたり高い品質と迅速な納期で顧客の信頼を獲得し、全国の主要な建物に採用されるなど、業界トップシェアを誇っている。また、成分が異なり技術面、メカニズム的に難しい、一層管樹脂パイプと架橋ポリ継手の電気融着を実現するなど、製品開発の技術高度化や環境・CO₂削減にも積極的に取り組む姿勢も含め技術力を評価した。
特別賞(3社)
株式会社ウチノ(代表取締役社長:内野 恵司/本社:大阪市西区/誘導加熱装置の株式会社ウチノ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
鍛造用誘導加熱装置製造の分野では後発ながら、小型で省エネ、高信頼性の誘導加熱装置を開発。高効率、少量多品種生産をコンセプトにニーズを先取りしたより良い装置の研究・開発に取り組んだ結果、近年における国内納入実績においてトップクラスを誇っている。同社の製造している鍛造用高効率誘導加熱装置は、従来の装置と比較して約15%から20%の省エネルギー化を実現している。また、同社の堅実な経営姿勢は他の企業の規範となるものであり、その点も高く評価した。
株式会社東穂(代表取締役社長:國本 周生/本社:門真市/押出成形・異型押出 株式会社東穂オフィシャルWEBサイト(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
高度な押出成型技術(多色・多層・複雑形状)を用いて量産品から多品種少量生産に対応。更に、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを用いて、硬質から軟質まで幅広い「押出成形部品」を提供している。同社は、単に顧客の要望に応えて商品を製造・販売するだけでなく、長年蓄積した押出技術や加工技術を駆使して独自機能を持つ新商品を開発し、大企業をはじめ、多様な分野の顧客に提案している。また、技術の権利化に積極的に取り組むなど、顧客の要望する高付加価値商品の開発に挑戦し続けている点も含め高く評価した。
■三國製薬工業株式会社(代表取締役社長:國貞 眞司/本社:豊中市/三國製薬工業株式会社(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
同社は、塩化リンを原材料とする化学合成中間材料を、医薬品、農薬・肥料、化学品、自動車部品など多様な産業分野のニーズに応じて開発・供給している。国内では、同社以外に大手化学メーカー2社が生産するのみで、生産技術には多くのノウハウが必要であるが、同社は、研究開発分野に25%超える人材を投入し、製造設備の独自開発や産学連携などに注力している。これらに加え、資源の枯渇が言われている「黄燐」を確保するため、リンの回収・リサイクル技術の研究を進めており、社会に貢献していこうという真摯な姿勢と、堅実で他の企業の規範となる経営姿勢を高く評価した。