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「大阪ものづくり優良企業賞2014」受賞企業一覧
大阪中小企業顕彰事業実行委員会では、「高度な技術力」や「高品質・低コスト・短納期」などを誇る府内の優れた「ものづくり中小企業」を「大阪ものづくり優良企業賞」として顕彰しています。
7回目となる本年は、審査委員会の厳正な審査の結果、「大阪ものづくり優良企業賞2014」受賞企業75社が決定しました。
最優秀企業賞:1社
吉川化成株式会社(代表取締役:吉川 秀朗/本社:大阪市鶴見区/吉川化成株式会社(外部サイトへリンク))
同社は、1946年(昭和21年)創業から一貫してプラスチック製品を製造、1950年代には、大手家電メーカーとの直接取引が契機となり「二層式洗濯機タンクの樹脂化」に成功して、業界内にその名を広めることとなった。
その後、ステレオプレイヤーの透明カバー、プリンター外装部品、トナーカートリッジ、洗濯機外装部品等を主力製品として継続して大規模なコスト低減活動に貢献するなどし、多数の企業賞を受賞している。
2002年には医療機器分野へ進出し、自社認可工場での樹脂製チューブ、注射筒の開発などのOEM展開を行いつつ、光学分野へも進出し、オプト事業では高級車の車体レンズを自動車メーカーと共同開発をするなど、同社は蓄積したノウハウを活用する提案型企業として、取引先への提案や自社製品開発に力を注ぎ、ソリューションビジネスを確立した。
こうした同社のコア技術の高度化を通じ、積極的にオンリーワン技術の地位を築いている点などを高く評価した。
技術力部門賞:1社
小段金属株式会社(代表取締役:小段 昇/本社:大阪市平野区/小段金属株式会社(外部サイトへリンク))
同社は、1960年(昭和35年)に創業し、他社に先駆けて自動車用ガソリン携行缶を製造販売し、ヒット商品を世に送り出した。その後、太陽温熱温水器設置用架台では大手メーカー納入することでシェアを伸ばし、その技術を引き継いだソーラーパネル架台は現在においても、主力製品である自社ブランドの黄銅製ミニチュアバルブ等と共に同社の売上の基盤を担っている。
1970年代からは、焼結技術の研究開発に積極的に取り組み、燃料電池分野やスポーツ分野等への用途拡大を目指し、各メーカーとの共同開発に取り組んできた。特に焼結金属フィルターにおける加工能力は、多種に上る素材の焼結処理を可能としており、他社との差別化を図ることに成功し、コア技術として確立させた。
こうした長年にわたる研究開発により確立した、他社が模倣困難な革新的技術による高い開発生産力を高く評価した。
特別賞:3社
葵スプリング株式会社(代表取締役:青戸 隆章/本社:八尾市/大阪のばね、バネ製造・設計なら葵スプリング株式会社(外部サイトへリンク))
同社は1953年(昭和28年)創業当時から大手電機メーカー、船舶機器、自動車等の様々な分野に製品を供給するばね製造会社である。
現在では、その取扱製品は幅を広げ、大手家電メーカーの製造する充電式ニッケル水素・リチウムイオン電池の安全弁部品を主力製品に、ばね製品においては白物家電製品の機能部品から医療機器、自動車、電子部品などの幅広い分野で同社製品が採用される。
ニッケル水素・リチウムイオン電池の安全弁部品では、他社にはない独自の絞り技術でその安全性に大きく寄与し、線ばね技術では新たな用途を開拓するなど、他にない独創的発想による製品活用で顧客ニーズの実現へ貢献している。
こうした、同社のたゆまぬ努力により、製品に新たな機能を付加して顧客に提案する開発生産力を高く評価した。
大和合成株式会社(代表取締役:奥野 健太郎/本社:堺市北区熱硬化性樹脂・熱可塑性樹脂成形加工の試作から量産まで 大和合成株式会社(外部サイトへリンク))
同社は1939年(昭和14年)の創業以来、電気・電子、精密機械、自動車等のプラスチック成型品を供給してきた。
現在では、長年にわたり培った技術力をもとに、熱可塑性・熱硬化性プラスチック製品の製造を行い、その製品供給は自動車部品、医療部品、光学機器部品、重電機器部品等多岐にわたる。
特に自動車関連部品においては、重要保安部品を得意とし、自動車エンジン補機用プーリーでは、樹脂化の成功・量産体制の確立により、国内自動車メーカーのコスト・燃費低減に大きく寄与してきた。
また、平成7年からいち早くベトナム進出を果たし量産体制を確立することで、少数精鋭の本社を開発拠点とする社内分業化を果たし、竹含有プラスチックの開発などの新たな製品開発に注力している。
こうした独自技術の高度化と、製品生産性の向上による他社との差別化や安定供給による取り組みを高く評価した。
株式会社タブチ(代表取締役:田渕 宏政/本社:大阪市平野区/TBC TABUCHI(外部サイトへリンク))
同社は1941年(昭和16年)にバルブコック水栓機器の製造会社として創業した。
現在では、各家庭や事業所に水道水を供給するためのバルブ、継手、逆流防止装置をはじめとする水道用給水装置の多くを手掛ける国内シェア2位の企業として、我が国の重要なインフラを支える企業である。
特に、同社が30年以上前に開発したサドル付分水栓は、初めて断水することなく水道管工事を実施できるものとして、日本各地の水道事業体で採用される実績を持つ。
社内においては、自治体ごとに異なる仕様に迅速に対応できるよう、適正在庫の徹底管理や、主要部品の共通化やモジュール化の実施などにより生産性効率化に取り組み続け、顧客への迅速な対応を徹底している。
こうした同社の独自技術の社会基盤への貢献と顧客ニーズに迅速かつ安定的に供給する取り組みを高く評価した。
夢・未来・TRI賞(地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所理事長賞):1社
ローバル株式会社(代表取締役:田中 有/工場:交野市/常温亜鉛めっきローバル株式会社(外部サイトへリンク))
同社は1955年(昭和30年)の創業から一貫して「ハケで塗れる亜鉛メッキ」としてのジンクリッチ塗料の製造販売を行ってきた。
同社のさび止め補修材「ROVAL」は、アメリカ、中国をはじめとする世界15ヶ国で商標登録され、全世界的な展開が行われている。
「ROVAL」は専門的な下地処理を必要とせず、誰でも簡単に塗れるさび止め補修材として建築資材用途、日用などへ確実に地位を固めつつあり、現在ではその用途をカビ防止塗料、ホビー塗料など新たな分野に広げつつある。
近年、同社では販売店、ユーザー等からの声に真摯に耳を傾ける努力を続け、こうした新規市場の開拓に積極的展開を図ってきたこと、他社が模倣困難な商品展開、技術の独創性などを高く評価した。
知的財産部門優秀賞:2社
株式会社タブチ(代表取締役:田渕 宏政/本社:大阪市平野区/TBC TABUCHI(外部サイトへリンク))
1941年(昭和16年)にバルブコック水栓機器の製造会社として創業した同社は、基幹技術となる逆流防止技術をはじめ、これまで多数の特許技術を開発してきたが、その多くが公益社団法人日本水道協会の公的製品規格に登用されるなど、業界規格として製品及び工法の標準化に貢献し、全国の水道の安全・安心に大きく寄与してきた。
2014年7月時点で特許取得件数112件、意匠取得27件他を保有するなど、社をあげた積極的な知的財産戦略を推し進めている。こうした、他社の追随を許さない同社の研究開発姿勢と長年培った知的財産を広く公益に貢献する姿勢などを高く評価した。
日新産商株式会社(代表取締役:河田 鉄也/本社:吹田市/日新産商株式会社(外部サイトへリンク))
同社は1962年(昭和37年)にドラム缶及び段ボールケースに使用するポリエチレン製内装袋メーカーとして創業。
当時のドラム缶の再利用方法における汚水排出やダイオキシンの発生などの環境面における課題を解決すべく研究開発を重ね、ドラム缶と同様の形状をしたポリエチレン製丸形内装袋の開発に成功した。ポリエチレンは燃焼しても有害ガスが発生せず、塗料や接着剤が自然にはがれる特徴を持つことから、燃焼ゴミとしての処理が可能となる。
これらの技術について国内外での特許を取得し、環境に配慮した多種にわたる製品を販売してきた。
今後は、製品の製造・販売のみならず、独自技術により開発した製造機械を幅広い分野の顧客に提供することで、その革新的な技術を背景とした戦略的な知的財産の取り組みを推し進めている。
こうした知的財産戦略へ積極的に取り組む姿勢や他社が模倣困難な技術の独創性などを高く評価した。