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「大阪ものづくり優良企業賞2019」受賞企業一覧
大阪中小企業顕彰事業実行委員会では、「高度な技術力」や「高品質・低コスト・短納期」などを誇る府内の優れた「ものづくり中小企業」を「大阪ものづくり優良企業賞」として顕彰しています。(「大阪ものづくり優良企業賞」についての詳細は【中小企業顕彰制度「大阪ものづくり優良企業賞」(別ウィンドウで開きます)】をご覧ください。)
12回目となる本年は、審査委員会の厳正な審査の結果、「大阪ものづくり優良企業賞2019」受賞企業69社が決定しました。
最優秀企業賞:1社
東尾メック株式会社(取締役社長:東尾 清吾/河内長野市/東尾メック株式会社(外部サイトへリンク))
1950年(昭和25年)に可鍛鋳鉄製管継手の製造を生業として設立した同社は、高度経済成長期に水道管老朽化等による赤水を完全防止するため、配管内部に樹脂を取り入れた画期的な構造の継手等を開発、これが時代の評価を受け業界トップクラスの企業に昇りつめた。
阪神淡路大震災後、業界の技術革新が活発化するなか、自社の優位性確立のため、社を挙げてあらゆる素材の配管に接続できる継手開発に熱心に取り組んだ。その結果、12種類の独自の抜け止め構造を駆使した世界初の継手を多数開発し、業界にセンセーションを巻き起こした。
現在は「易施工」をテーマに製品開発を進めることで顧客からも高い支持を受け、冷媒銅管用火無継手では世界的に高いシェアが認められるなど、グローバルな事業展開に取組み更なる発展を遂げている。
また、同社では製造部門をはじめ、営業、事務等全部署、全員参加の生産保全活動(TPM活動)を実施しており、生産ラインの見直しや生産設備の自社設計開発を行い、従業員全員が一丸となって生産性向上に取り組んでいる。
こうした時代のニーズに応じた製品開発に積極的に取り組むその姿勢と総合力の高さが評価され、今回の受賞となった。
技術力部門賞:1社
株式会社河辺商会(代表取締役社長:福田 康一/堺市西区/プラスチック成形加工・金型作成のことなら河辺商会(外部サイトへリンク))
1955年(昭和30年)に創業した同社は、プラスチック成形を一筋に多色成形や薄肉成形など業界をリードする最新技術に積極的に取り組み、自動車、家電、医療といった幅広い業界の部品製造を行ってきた。
現在でも、専用設備を必要としない塗装レス成形や、自動車部品の外観に使用されるほど意匠性の高い精密な3色成形を全自動化するなど、他社にない新技術開発で高品質なものづくりを実現し、顧客から厚い信頼を得ている。
また、同社の強みは成形技術だけにとどまらず、営業・技術開発担当者がデザイン設計にも携わることで独自工法を組み合わせた設計を実現する提案型企業として、他社との差別化を図り、国内外多数の大手メーカー製品への納入実績を誇っている。
こうしたハイレベルな技術力を維持するべく、技術伝承計画を作成し、若手技能者の育成にも注力する姿勢が見て取れた。
最先端技術を生み出し、それを応用・融合させ確立したオンリーワン技術が高く評価され、今回の受賞となった。
審査委員特別賞:3社(会社名の五十音順)
株式会社新城製作所(代表取締役社長:新城 功/岸和田市/ピアスナット、クリンチボルト、フローフォームの新城製作所(外部サイトへリンク))
1943年(昭和18年)にナット、ボルト、締結部品の製造業者として創業した同社は、1962年(昭和37年)には自動車等に使用される溶接ナットのプレスによる量産を国内で初めて実現し、業界のパイオニア的存在として頭角を現した。
現在では、自社でカスタマイズした設備をフル稼働させ、1日500万個のナットを量産し高いコスト競争力を有している。ベトナムにも製造拠点を設け、海外へ供給している。
また、これまで培ったノウハウを基に溶接ナットに置き換わる製品として開発した溶接不要のナット(製品名:ピアスナット)が取引先の品質向上、工数低減に貢献した同社は、ヨーロッパを中心に世界各国の自動車メーカー、ハウスメーカーから注目されるニッチトップ企業へと成長を遂げた。
このピアスナットをどこでも簡単に取り付けできるハンディツール等も開発し、新たな需要開拓にも意欲的に挑戦している。
こうした量産のための生産技術を有すると同時に、他社にない独創的な発想による製品の開発にチャレンジする姿勢・実績を高く評価した。
株式会社伸和鉄工所(代表取締役社長:丸山 和俊/大阪市平野区/株式会社伸和鉄工所(外部サイトへリンク))
1976年(昭和51年)に水道用鋳物リング製品の製造を生業に創業した同社は、現在では外径2m程の大型ベアリング部品の精密切削加工を一貫して手掛け、工作機械・風力発電・火力発電・鉄道車両等ライフラインの基盤を下支えしている。
同社では1992年(平成4年)に業界でも珍しい最新鋭の大型加工機をいち早く導入し、顧客からの量産要望に応じて24時間稼働の生産体制を確立するなどし、大型製品の試作から量産まで対応可能な金属加工業者として存在感を増してきた。
また、同社の対象物を掴む技術には独自のノウハウがあり、自社開発の治具と長年の経験に裏付けされた匠の技が、顧客の要求よりも高い精度の加工を実現し、厚い信頼を勝ち取っている。
更なる新規開拓を目指して薄肉技術をいかしたアルミワイングラスを展示会に出展するなどし、同社の技術力の高さを客観的に証明する取り組みも行っている。
こうした独自技術の社会基盤への貢献と顧客ニーズへ迅速に応える姿勢を高く評価した。
株式会社ミヤガワ(代表取締役社長:宮川 勤/柏原市/”締結”トータルアドバイザー 株式会社ミヤガワ(外部サイトへリンク))
1926年(大正15年)にねじメーカーとして創業した同社は、様々な顧客の声に耳を傾け、耐食性・作業性に優れた各種ねじのラインナップを展開してきた。
同社の強みは「刃先の金型技術」にあり、創業当初から他社に先駆けて冷間圧造技術に取り組むとともに設備投資や金型・工具の内製化を行うことで、用途・環境に合わせて形状をカスタマイズできる高性能なねじの開発を実現してきた。
とりわけ、硬くて厚みのあるステンレス板に下穴なしで簡単に素早く施工可能なドリルねじは、今までにない画期的な製品として建築、自動車、機械など多くの分野で活躍している。
また同社はねじだけでなく、同業他社に金型・工具の販売を通じた技術提供も行っており、他にはない形態のねじメーカーとして確固たる地位を築いている。
こうした一貫生産へのこだわりと顧客の問題解決のため研究開発に積極的に取り組む姿勢を高く評価した。
夢・未来・ORIST賞(地方独立行政法人大阪産業技術研究所理事長賞):1社
株式会社オーゼットケー(代表取締役社長:山崎 陽彦/八尾市/株式会社オーゼットケー(外部サイトへリンク))
1946年(昭和21年)に服装金具の製作からスタ―トした同社は、1953年(昭和28年)に大手女性下着メーカーとの取引を契機に、70年近くインナーウエアに使用されるワイヤーやアジャスタ―金具、コルセットの芯材等、多種多様な部材を供給し、高機能、高品質なものづくりを続けてきた。
長年培ったノウハウを駆使し、インナーウエア以外にも介護用サポーターやランドセル等の各種部材の製造も手掛けるとともに、新たな事業の柱を確立すべく独自の巻き線技術を応用し医療分野にも進出を果たした。
医科大学と共同開発した乳がん手術用の開創器は、患者と医師の双方の負担を軽減する新しい発想の医療機器として国から表彰も受けており、今後は海外製の多い医療機器業界のなかで、日本品質の製品を広く展開しようと意欲的に取り組んでいる。
新展開を模索し自社の価値向上に努め、産学連携を活用した新規分野への進出にもチャレンジしていく姿勢が高く評価され、今回の受賞となった。