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香港(平成29年8月)
『香港フード・エキスポ2017』に出展しました。(平成29年8月17日から19日)
大阪府では、今後一層の成長が期待されるアジアを市場と考え、府内企業の市場開拓を支援しています。
その中でも、大阪府は昨年度に引き続き、「食いだおれの街」、「大阪の食文化・ブランド」をPRすべく、アジア最大級の食品展示会「香港フード・エキスポ」に出展しました。
BtoBを目的としてトレード・バイヤー向け展示会が開催されるトレード・ホールで、府内18の企業・団体の方々が、来場バイヤーとの商談を行いました。
アジアだけでなく、世界各地から数多くのバイヤーが集った展示会の様子をご紹介します。
参考:主催者サイトHKTDC Food Expo美食博覧(英語)(外部サイトへリンク)
展示会出展について
<出展者の様子>
- 今回も、大阪共同(大阪府・市)ブースとして、食品分野関連企業等とともに出展しました。
さらに、昨年度に引き続き、環境農林水産部と連携を図り、※大阪産(もん)事業者ブースも設けました。
各ブースでは、生鮮品(デラウェア)、瓶ラムネや海藻麺など様々な商品により“大阪の食文化・ブランド”をPRしました。
※大阪産(もん)とは
大阪府内で栽培・生産される一次産品とそれらを原材料にした加工食品、そして大阪の特産と認められる加工食品(「大阪産(もん)名品」)のことです。 - フードエキスポBtoB会場では、他国ブースに比べ、一目で分かるほど、日本からの出展ブースの来訪者が多かったことから、日本の食品への興味が高いことが感じられました。
その中で、出展者の方々は、大阪共同ブース横に設置した「商談用ブース」を活用し、商品を持ち込みながら、バイヤーと商談を行い、新たなビジネスパートナーの発掘に努めておられました。
大阪共同ブース出展企業の商談件数:710件
- 出展者の中でも、既に中国や香港の企業との取引を行っている企業は、どのような商品が受け入れられるかを理解しており、順調に商談を行っていました。
- 今回が初めての出展者は、自社の商品に対するバイヤーや一般客の反応を直接感じることができ、今後の売り込み方法等にヒントを得ることができたようでした。また、出展は初めてであるものの、既に商品が現地で販売されている企業の商品については、バイヤーや一般客の反応が非常に良く、商談・販売ともに好調でした。
<会場の雰囲気>
- 会場には、大阪共同ブースを設けたトレードホールのほか、パブリックホールやグルメゾーンなど、複数のパビリオンが設けられていました。
- 初日を含め、展示会中は開場前に行列ができるほどで、当展示会への関心の高さがうかがえました。特に1階のBtoCの販売専門のフロアは、開場直後から大勢の人が押し寄せていました。
- 当展示会では、26もの国がブースを設置していましたが、日本からの出展ブースへの来訪者は群を抜いて多く、日本の食品への興味の高さがうかがえました。
<出展を検討中のみなさまへ>
- バイヤーがブース前で足を止めるかどうかは、商品の展示方法が大きく影響します。そのため、出展者は工夫を凝らしてブース内の展示を行っていました。ポスターや看板を設置するほか、ディスプレイを設置もしくはiPadを利用して商品の説明をする出展者は、商品の内容が理解しやすいようで、バイヤーには好評でした。
- その他、試食やパンフレットも商品の重要な広報ツールであり、試食もしくはパンフレットを受け取ったバイヤーが商品を気に入り、そのまま商談に移るという場面も多数見られました。
- 大阪府が出展したトレードホールは、バイヤーとの商談が出来るだけではなく、最終日には一般客にも開放されるため、海外の一般消費者の生の声を直に聞くことができます。
- 企業にとっては、自社の製品が受け入れられるか、またどのような商品が現在トレンドになっているかを把握するためには、実際に展示会に出展し、バイヤーや一般客の反応をみることは非常に重要です。
- 現地には、事務局職員が同行したほか、府内大学の学生をインターンシップとして受け入れ、出展者をサポートしました。
香港の様子
<香港における日本>
- 高・中間層向け高級スーパーや百貨店では、日本産(製)食品の値段が、日本国内価格の数倍であっても、売れ行きが好調なようでした。また、店舗の中にはオーガニック食材のコーナーが設けられており、これらの店舗で商品を購入する消費者には、特に食品の品質・安全性が重視されているように感じました。
- 大阪ブースに来場したバイヤーへのアンケートでは、「大阪」の認知度は非常に高く、ブースを訪れたことにより、大阪の食品・食材に関心を持ち、大阪への訪問を希望するバイヤーが数多くいました。
<現地の交通事情>
- 交通の便は大変良く、電車や地下鉄を利用すれば、移動には困りません。
- 展示会中は特に道路が混雑するため、バスやタクシー等、車での移動をお考えの方は、注意が必要です。
今回の出展を通じて、企業が海外販路開拓を行うにあたり、自社の製品が受け入れられるか、またトレンドが目まぐるしく変化する中で、どのような商品が現在トレンドになっているかを把握するためには、実際に現地の展示会に出展し、バイヤーや一般客の反応をみることが非常に重要なことだと感じました。
最後に、現地の高級スーパー等で商品を購入する人々にとっては、食品の品質・安全性が重要で、日本産(製)食品が、日本国内価格の数倍であっても購入されている一方、ローカルスーパーで商品を購入する人々にとっては「価格や見映え、おいしさ」が重要であるということも考慮すべきだと感じました。
以上のことから、香港では、「日本産(製)食品」というブランド力は強いが、日本製を輸出した商品は高額で、所得層によって日本産(製)を重視するかどうかが異なるため、大阪企業の商品についても、ターゲット層を絞り、その層のニーズに合わせた商品・方法で販路開拓することが重要だと感じました。
※内容は、担当者の個人的見解を含んでいます。