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トッププロモーション 企業ミッション団(2016年度概要)
北米(アメリカ・カナダ)への企業ミッション団の派遣
大阪府は、大阪商工会議所及び近畿経済産業局と共催し、平成28年11月13日(日曜日)から20日(日曜日)まで、アメリカ・カナダへ企業ミッション団を派遣しました。企業ミッション団には、大阪に拠点を置く、水素・燃料電池分野をリードする企業や同分野でのビジネスを検討する企業等、8社にご参加いただきました。
企業ミッション団派遣に関する背景
大阪府では、水素・燃料電池等をはじめとする、新エネルギー関連産業の成長・発展に取組む中、9月には知事が、同分野での大阪企業と北米企業とのビジネスの促進と、大阪の新エネルギー関連産業の更なる発展の道筋作りのため「トッププロモーション」としてカナダを訪問したところです。
今回は知事自らが行ったプロモーション先であるカナダはもちろん、水素・燃料電池分野への取組みが進むアメリカも訪問し、大阪企業それぞれが自社をPRするとともに、現地企業とのネットワーク作りや商談を行いました。
企業ミッション団の訪問先
- (1)アメリカ合衆国 ワシントンD.C.
- 【米国エネルギー省訪問(米国商務省同席)】
- 目的
- 米国エネルギー省から、同国での新エネルギー政策、新エネルギー産業の最新情報の収集
- 米国商務省から、同国でのビジネス展開の際に有益となる情報の収集
- 企業ミッション団による、米国エネルギー省及び商務省への各社PR
- オンサイト型水素ステーション(※)(非商業用)の見学
※オンサイト型・・・その場で水素も製造している水素ステーションのこと。
- 結果
- 米国での水素・燃料電池関連ビジネスにおける規制や、安全性規格の構築などについて意見交換しました。特に米国における同分野は、工業用途から一般向けに移る過渡期にあり、ここでの安全基準をどう構築していくか、という議論をしていくところだとのお話がありました。
ほかに、現地でのビジネスの際に利用できる融資プログラムなどについてもご紹介いただきました。 - 米国エネルギー省が実証実験レベルで運転しているオンサイト型水素ステーションについて、職員の方に解説していただきました。
また、FC車への充填を実演していただいたとともに、内部も見せていただくことが出来ました。この水素ステーションの見学では、参加企業から多くの質問があり、各企業は日本のステーションとの違いなどを分析されておられました。
- 米国での水素・燃料電池関連ビジネスにおける規制や、安全性規格の構築などについて意見交換しました。特に米国における同分野は、工業用途から一般向けに移る過渡期にあり、ここでの安全基準をどう構築していくか、という議論をしていくところだとのお話がありました。
- 目的
- 【在アメリカ合衆国日本大使館】
- 目的
- 今回の企業ミッション団についての紹介と今後のサポート依頼
- 米国での行程の報告及び意見交換
- 結果
- 米国エネルギー省及び商務省で行ったPRや意見交換について報告しました。また、非商業用の水素ステーションを見学させていただいたことを報告しました。
- 今後の政権によっては、米国のエネルギー政策に関する方針が不明な点もあるが、これまでに取組んできた事業や市場の流れ、そして世界的にクリーンエネルギーへ進む流れは大きく変わらないだろうという見方で、参加企業との意見交換を行いました。
同館からは、出来る限りのサポートは行うという言葉をいただきました。
※なお、上記の日程では写真撮影が禁止されていたため、写真は掲載できません。
- 目的
- (2)カナダ ブリティッシュコロンビア州 バンクーバー
- 【ブリティッシュコロンビア州、ジェトロ・トロントによるブリーフィング】
- 目的
- ブリティッシュコロンビア州政府及びジェトロ・トロントによるカナダの概況や、ビジネス展開に関する基本情報の提供
- 結果
- ブリティッシュコロンビア州より、「カナダでも特にバンクーバーは、地理的に東アジア諸国とのつながりが深く、窓口的に日本を始めとしたアジア諸国と貿易を行ってきている。資源も豊富で、それを生かした産業が発達しているため、電力は、水力を主力として使用するなど、クリーンエネルギーへの関心が高い。また、政府として、クリーンな環境の構築に効果的なEV車、FCV車の購入に対する補助も行っている。」との紹介がありました。
- そのほかにも、今後、さらにクリーンエネルギーへの注力が見込まれるということや、カナダ進出の日本企業の動向などについてお話されました。
- 目的
ブリティッシュコロンビア州等からのブリーフィングの様子
- 【カナダ 水素・燃料電池協会との交流会・ネットワーキング】
- 目的
- 水素・燃料電池分野での大阪企業のPR
- 現地の大手企業とのネットワーク形成及び商談
- 結果
- 出席された岡井総領事からは、9月の知事トッププロモーションに引き続き、各機関と連携しながら取組みを続けている前向きな姿勢について、評価していただきました。
また、今回の交流会・ネットワーキングを通じて、日本とカナダ両国の関係者が協力関係を構築し、グローバルバリューチェーンを作って欲しいとのコメントをいただきました。 - カナダ水素・燃料電池協会からは、カナダでの水素・燃料電池業界や関連事業の市場規模、実績などについてお話いただきました。
同分野は、まだまだ世界共通の課題が残されている分野であり、それに対し日本と取組んでいけたら、というお話がありました。 - このネットワーキングでは、企業ミッション団各社のPRはもちろん、カナダの現地企業も参加し、各社の取組みやニーズについてお話されました。カナダ側の参加社からは、自社のニーズに合致しそうな企業ミッション団側の取組みについて触れる企業もありました。
- 出席された岡井総領事からは、9月の知事トッププロモーションに引き続き、各機関と連携しながら取組みを続けている前向きな姿勢について、評価していただきました。
- 目的
カナダ 水素・燃料電池協会とのネットワーキングの様子
- 【バラード社訪問】
- 目的
- 9月の知事訪問の際に伝えていた、企業ミッション団との意見交換及び施設見学ツアーの実施
- 多くのポテンシャルを持つ大阪企業との実務者レベルでの意見交換
- 結果
- バラード社 幹部によるブリーフィングでは、同社が昔から日本とのビジネスを進めていること、また、燃料電池業界にも早くから参入していること等についてお話がありました。そのほか、中国やヨーロッパなど、世界でのビジネスや今後の取り組みについてもお話がありました。
- 簡単なブリーフィングの後は、展示ホールの説明と、生産現場の施設見学ツアーを行いました。見学ツアーには、バラード社のスタッフ自らが一緒に回り、それぞれのパートで説明を交えながら内部を見せていただきました。
- 施設ツアーの後は、現在中国で走っている燃料電池バスに試乗させていただきました。バスが近隣を一周する間に、バスの中で参加企業から多くの質問がありました。また、この燃料電池バスは、中国ではまだ試運行ですが、ヨーロッパは既に商業用として走っているというお話もありました。
- バラード社訪問は、企業ミッション団参加各社から大変高い評価をいただけ、実りのある訪問となりました。
- 目的
バラード社訪問時の様子
※バラード社の生産現場内部は写真撮影禁止のため、写真は掲載できません。
- (3)アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス
- 【ハリウッド 商業用水素ステーション見学】
- 目的
- 商業用に設置し、既に運転しているオフサイト型水素ステーション(※)の見学
※オフサイト型・・・他から水素を持ってきている水素ステーションのこと。
- 商業用に設置し、既に運転しているオフサイト型水素ステーション(※)の見学
- 結果
- ステーション本体を製造しているファースト・エレメンツ社から技術担当者が、同水素ステーションについて直接説明を行いました。
また、カリフォルニア 燃料電池パートナーシップ担当者がFC車への充填を実演しました。 - 同水素ステーションは、ガソリンスタンドに隣接している、2016年11月から営業を開始した無人の商業用ステーションです。
初めて充填する利用者にもわかりやすいよう、使い方がモニターで見られ、また、支払いはクレジットカードで出来るなど、使い方についても説明していただきました。 - また、同水素ステーションの裏に設置してある水素貯蔵区画の中にも入って説明していただき、初日に見学したオンサイト型水素ステーション及び日本の水素ステーションとの比較をしながら、規制などについて活発な質疑応答、意見交換が行われました。
- ステーション本体を製造しているファースト・エレメンツ社から技術担当者が、同水素ステーションについて直接説明を行いました。
- 目的
水素ステーション見学の様子
- 【カリフォルニア 燃料電池パートナーシップとの交流会・ネットワーキング】
- 目的
- 水素・燃料電池分野での大阪企業のPR
- 現地の大手企業とのネットワーク形成及び商談
- 結果
- カリフォルニア 燃料電池パートナーシップからは、同組織の活動概要や、特にカリフォルニア州における水素ステーションについてご説明いただきました。カナダでのネットワーキングの際あったお話と同様に、こちらでも、水素・燃料電池分野には世界共通課題が多くあり、そうした課題を解決していくために、互いに情報共有することで同分野を発展させていく必要があるとのコメントがありました。
- ネットワーキングでは、企業ミッション団各社のPRに加え、カリフォルニア州の現地企業も参加し、各社の取組み等についてお話されました。
個別の交流会では、多くの企業が時間いっぱいまで商談を行い、大変有意義な時間となりました。
- 目的
カリフォルニア 燃料電池パートナーシップとのネットワーキングの様子
【関連リンク】