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更新日:2024年2月14日

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ヘルシーおおさか21(点字広報)第61号 音声読上げ用

ヘルシーおおさか21(点字広報)第61号【令和6年2月発行】

テーマ 「喫煙と受動喫煙について」

はじめに

みなさんは、たばこを吸っていますか?また、みなさんの周りには、たばこを吸っている人はどのくらいいますか?大阪府の習慣的喫煙者の割合(喫煙率)は、男性は24.3%、女性は8.6%となっており、全国の割合の男性25.4%、女性7.7%と比べて女性の喫煙率が高くなっています。たばこは、吸っている人だけではなく周りの人の健康にも悪影響を及ぼします。

大阪府では、2018年7月の「健康増進法」の改正を受け、法律を上回る基準の「大阪府受動喫煙防止条例」を2019年3月に制定し、望まない受動喫煙をさせることのない環境づくりを進めています。

ここでは、たばこの健康への影響と、受動喫煙防止に関する法令などについてご説明します。

1 たばこの健康への影響について

たばこの健康への影響は2種類あります。それは、たばこを吸っている本人に対するものと、たばこを吸っている人の周りの人に及ぼすものです。

まず、たばこを吸っている本人に対する健康への影響としては、「ニコチン」と「たばこの煙」によるものがあります。

ニコチンは、たばこへの依存性を高める化学物質です。ヘロインやコカインなどの薬物と同じく、使用を止める困難さや離脱症状(止めることから起こる病的な症状)の厳しさなどがあります。たばこにはメンソールやココアなどの化学物質が加えられ、喫煙者がより多くのニコチンを摂取するように作られています。

次に、たばこの煙についてです。たばこの煙には約5,300種類の化学物質が含まれ、その中には約70種類の発がん性物質が含まれています。これらの物質はのどや肺など、たばこの煙に直接触れる部分だけでなく、血液を通じて全身に運ばれ、がんの原因となります。がん以外にも、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や虚血性心疾患、脳卒中などの原因となります。

2 受動喫煙について

次に、たばこを吸っている人の周りの人に与える悪影響について、ご説明します。

たばこの煙に含まれる有害物質は、喫煙者が吸い込む煙(主流煙)よりも、周りの人が吸い込む煙(副流煙)に多く含まれ、健康に重大な影響を及ぼします。主流煙と比べた副流煙に含まれる有害物質の量は、アンモニアが46倍、一酸化炭素が4.7倍、ベンゾピレンが3.4倍、タールが3.4倍、ニコチンが2.8倍となっています。

また、受動喫煙による「病気になるリスク」は、脳卒中が1.3倍、肺がんが1.3倍、虚血性心疾患が1.2倍、乳幼児突然死症候群(SIDS)が4.7倍となっており、様々な病気と関連することが明らかとなっています。

受動喫煙から自分の身を守るためには、禁煙の施設を利用することや、受動喫煙防止対策について理解を求めることが重要です。

3 受動喫煙防止に関する法令について

自らの意思で受動喫煙を避けることができる環境の整備を促進することにより、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防止するため、国や大阪府では法律や条例で対策を行っています。

国は、望まない受動喫煙の防止を目的として、健康増進法の改正を2018年7月に行い、2020年4月に全面施行しました。対象施設は多くの人が利用する施設などです。施設の区分に応じ、その利用者に対して、一定の場所以外での喫煙を禁止するとともに、対象施設の管理者が行うべきことなどを定めています。

大阪府では、府民の健康の保持増進に向けた一層の受動喫煙防止対策として、2019年3月に大阪府受動喫煙防止条例を制定しました。2020年4月から、改正法や府条例に基づく新しいたばこのルールがスタートしています。

4 規制対象について

主な規制の対象となる施設には、大きく分けて第一種施設と第二種施設の2種類があります。

第一種施設は学校や病院、行政機関の庁舎などで、府条例により2020年4月から原則として敷地内は全面禁煙になっています。また、施設管理者の行うべきこととして、喫煙器具・設備の撤去や喫煙者への喫煙の中止などの要求があります。

第二種施設は飲食店や娯楽場、オフィスなどで、第一種施設以外の多くの人が利用する施設をいいます。2020年4月から原則屋内禁煙です。こちらも施設管理者には、第一種施設と同じく行うべきことがあります。屋内で喫煙する場合は、喫煙室の設置が必要です。施設に喫煙室がある場合、標識の掲示が義務付けられています。また、20歳未満は従業員であっても喫煙エリアに立ち入れません。ただし、2020年4月1日以前から営業している規模の小さい既存の飲食店の場合は、経過措置として店内を禁煙にするか喫煙を可能とするか、いずれかを選択することができます。府条例の規制対象となる飲食店に関しては、大阪府の支援制度(大阪府受動喫煙防止対策補助金)が利用できます。改正法や府条例に違反すると、罰則の対象となることもあります。

5 子どもの受動喫煙防止についての取組み

大阪府では、社会全体で子どもを受動喫煙から守り、府民が健康で快適な生活の維持を図ることを目的として、2018年12月に大阪府子どもの受動喫煙防止条例を制定・施行しています。

そこで、子どもの受動喫煙防止に関して、みなさんへ3つのお願いです。

  1. たばこを子どもの近くでは吸わない・吸わせない。
  2. たばこが吸えるところに子どもを立ち入らせない。
  3. たばこの煙の健康への影響を理解する。

府民の皆さんは、受動喫煙が健康に及ぼす影響について理解を深めるとともに、周りの人たちに望まない受動喫煙をさせないよう努めてください。

なお、改正健康増進法や大阪府受動喫煙防止条例に関する問い合わせは大阪府受動喫煙防止対策相談ダイヤルをご利用ください。

大阪府受動喫煙防止対策相談ダイヤル

  • 電話番号:06-6944-8224
  • 相談日時:月曜日から金曜日(祝日・年末年始は除く)
    午前9時30分から午後6時まで

6 禁煙について

ここまでご説明してきましたが、たばこの健康への悪影響は全身に及びます。禁煙に遅すぎるということはありません。習慣的な喫煙はニコチン依存症という病気です。やめられないのは、あなたの意思が弱いからではありません。喫煙本数が多く、自分一人ではなかなかやめられない場合には、医師による禁煙指導を受けることも効果的です。禁煙補助剤を使ったり、医療機関の禁煙治療を受けたりすると、「比較的楽に」、「より確実に」、「あまりお金をかけずに」たばこをやめられます。条件が合えば健康保険が使える場合もありますので、まずは、かかりつけ医にご相談ください。

また、禁煙治療(禁煙外来)を行っている医療機関をインターネットで検索することができます。「日本禁煙学会」や「すぐ禁煙」、「いい禁煙」と検索してみてください。

おわりに

たばこの煙は、喫煙者本人だけでなく、受動喫煙により周りの人の健康にも影響を及ぼします。日本では受動喫煙による年間死亡者数は推計で約15,000人といわれています。

喫煙率の減少と望まない受動喫煙のない社会を実現するためには、一人ひとりが喫煙による健康への影響について理解を深め、周りの人に望まない受動喫煙をさせないよう努めることが重要です。あなた自身のために、そしてあなたの大切な人のためにも、たばこと健康について考えてみませんか。

引用・参考資料

  • 厚生労働省「2022(令和4年)年国民生活基礎調査」
  • 2020年4月国立がん研究センター「喫煙と健康」
  • 大阪府「知らない間にさらされている!えっ?こんなところで受動喫煙!!」
  • 大阪府「健活10ブックレット」
  • 大阪府「みんなで守ろうよ!たばこのルール」
  • 大阪府ホームページ「大阪府/大阪府の受動喫煙防止対策」
  • 大阪府「喫煙者の方へ」

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