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更新日:2019年10月23日

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株式会社CAN (関西フィルター)

株式会社CAN(以下「本件事業者」という。)に対して、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号、以下「法」という。)第8条第1項の規定に基づき、令和元年10月24日から令和2年4月23日までの6か月間、訪問販売に係る業務の一部停止を命じ、併せて法第7条第1項の規定に基づき指示を行うとともに、本件事業者の代表取締役に対して法第8条の2第1項の規定に基づき、当該停止を命ずる範囲の業務の新たな開始の禁止を命じたので、法第7条第2項、第8条第2項及び第8条の2第2項の規定に基づき、公表します。

1 本件事業者の概要

  • (1)事業者名 株式会社CAN(法人番号122001022530)
  • (2)屋号 関西フィルター
  • (3)代表者 代表取締役 櫻井俊弘
  • (4)所在地 八尾市西木の本一丁目1番地の2-207
  • (5)資本金 300万円
  • (6)設立 平成19年3月1日
  • (7)取引類型 訪問販売
  • (8)取扱商品 換気扇用フィルター専用枠及び交換用フィルター

2 取引の概要

換気扇用フィルター専用枠や交換用フィルターを訪問販売している本件事業者は、大阪府内の消費者に対し、訪問販売の勧誘に先立って会社名を告げず、記載事項に不備のある書面を交付し、クーリングオフができることを告知せず、代金を受取りながら納品の著しい遅延や、クーリングオフによる返金の著しい遅延行為を行っていた。

3 処分の内容

(1)業務停止命令(法人)

令和元年10月24日から令和2年4月23日までの6か月間、法第8条第1項の規定に基づき、訪問販売に関する業務の内、次の業務を停止すること

  • ア 訪問販売に係る売買契約の締結について勧誘すること
  • イ 訪問販売に係る売買契約の申込を受けること
  • ウ 訪問販売に係る売買契約を締結すること

(2)指示(法人)

  • ア 違反行為の発生原因について調査し、大阪府知事に報告すること
  • イ 再発防止策を構築し、大阪府知事に報告すること
  • ウ 法第5条第1項に規定する書面を大阪府知事に提出すること

(3)業務禁止命令(個人)

令和元年10月24日から令和2年4月23日までの6か月間、法第8条の2第1項の規定に基づき、業務停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止すること

対象者 代表取締役 櫻井 俊弘(さくらい としひろ)

4 処分の原因となる事実

(1)法の適用

本件事業者は、八尾市西木の本一丁目1番地の2-207に本店を置き、換気扇用フィルター専用枠及び交換用フィルター(以下「本件商品」という。)の販売の事業を行っている。本件事業者は、営業所以外の場所である消費者宅において、本件商品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結していることから、本件事業者が行う本件商品の提供は、訪問販売に該当する。

(2)違反事実

本件事業者が行っている訪問販売について調査したところ、以下の違反事実が認められた。

ア 氏名等不明示(法第3条)

本件事業者は、消費者宅を訪問し、勧誘に先立って他社の名称や、「以前、レンジフードの交換フィルターを買ってもらった者です」などと告げるのみで、法人であるのに登記簿上の名称を明示しなかった。

イ 契約書面記載不備(法第5条第1項)

本件事業者は、消費者宅において、消費者と本件売買契約を締結し、本件商品の代金を受領したときに、本件売買契約の内容を明らかにするため、「領収証」と称する書面を交付していたが、当該書面には次の(ア)から(エ)までの事項が記載されていなかった。

  • (ア) 法第4条第1号に規定する商品の種類
  • (イ) 法第4条第5号に規定する法第9条第1項の規定による売買契約の解除に関する事項
  • (ウ) 法第4条第6号に基づく特定商取引に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)第3条第1号で定める販売業者の名称、住所及び代表者の氏名
  • (エ) 法第4条第6号に基づく施行規則第3条第4号で定める商品名及び商品の商標又は製造者名

ウ 重要事項不告知(契約の解除に関する事項)(法第6条第2項)

本件事業者は、消費者に対して、本件売買契約がクーリングオフできることについて、故意に告げていなかった。

エ 債務履行遅延(法第7条第1項第1号)

本件事業者は、消費者と本件売買契約を交わし、消費者が代金を支払った後、「今、フィルターが手元にないので、一週間後に持ってきます」等と、後日に納品期日を指定したにもかかわらず、その期日の納品を遅延させることを繰り返した。また、消費者が、本件売買契約についてクーリングオフをした際、返金の期日を遅延させることを繰り返した。

5 勧誘事例

本件違反事実は、以下の勧誘事例等により認定した。

消費者A(30代男性)は、平成30年12月某日の昼頃、自宅に、本件事業者(以下「X」という。また、本件事業者の屋号である「関西フィルター」を「Y」といい、本件事業者の代表取締役を「Z」という。)の訪問を受け、Zから「換気扇用の交換フィルターは要りませんか」と勧誘された。この際、Zは、Aに対して、正式な社名であるXや屋号であるYを告げていなかった。
Aは、入居から1年ほど経過していたことから、フィルターの交換の必要性があると考え、Zから「換気扇を見せてください」と言われたため、宅内に招き入れ、台所まで案内した。
Zは、A宅の換気扇フィルター1枚を新品に交換し、フィルターの交換を月に1回の割合で行うことが望ましいなどとして、Aに交換フィルターの購入を勧誘した。Aは、勧誘に応じて、24枚入りの交換フィルターを3セット購入することとし、その場で代金37,000円を支払った。
Zは、Aから代金を受領した際に、領収証1枚と名刺1枚をAに交付しており、Aは、その際に初めてXの社名や、屋号Y、さらに、Zの氏名を知った。領収書の交付の際に、ZはAに対して、製品内容や解約方法等の説明を行わなかった。
契約後、ZはAに対し、「今、フィルターが無いので、週明けに持って来ます」と3日後の納品を告げたが、当該期日になってもZからの納品が無かったため、Aは、居住市の消費生活相談窓口にあっせんを依頼するとともに、契約から7日後に契約解除通知書をX宛てに郵送した。
その後、居住市の消費生活相談窓口に対し、Aの自宅を訪問し返金に応じるとの回答があったものの、その際に指定した期日に訪問や返金を行わず、最終的に返金に応じたのは、クーリングオフから35日が経過してからだった。

6 今後の対応

業務停止命令及び業務禁止命令に違反した場合は、告発する。
この場合、違反行為者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられ、又は併科されることがあり、法人は3億円以下の罰金に処せられることがある。
また、指示に従わない場合は、行為者が6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられ、又は併科されることがあり、法人は100万円以下の罰金に処せられることがある。

7 苦情相談等の状況

大阪府内の消費生活相談窓口に寄せられた、本件事業者に関する苦情相談は、令和元年10月16日時点おいて126件。この内、平成28年度は17件、平成29年度は28件、平成30年度は38件、令和元年度は13件。

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