トップページ > くらし・環境 > 人権・男女共同参画 > DV > 配偶者等からの暴力をなくすために > 第2回大阪府配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画改定検討会議の概要

印刷

更新日:2024年5月30日

ページID:20630

ここから本文です。

第2回大阪府配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画改定検討会議の概要

  • 開催日時:平成23年12月28日(水曜日)午前10時から12時
  • 場所:大阪府庁新別館南館7階研修室6
  • 出席委員:
    <会長>伊藤公雄(京都大学大学院文学研究科教授)
    島尾恵理(弁護士)
    高田昌代(神戸市看護大学教授)
    野坂祐子(大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター准教授)

会議の概要

  1. 開会
  2. 議事
    • (1)大阪府配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画の改定について
      • 事務局より資料説明(資料1から資料6)
      • 主な意見等(注:文中○印は委員、●印は事務局によるもの)
        • ○警察は連携先と理解していたのだが、計画の中に警察における取組を記載する方向でよいのか。
        • ●現計画の中にも警察における取組を記載している。警察も府の1つの機関であり、計画の中に警察の取組を記載することは何ら問題ないとご理解いただきたい。
        • ○資料4のP5に保護命令の解説がある。3つめに「被害者の子又は親族等への接近禁止命令」と記載しているが、この2つは立法趣旨が違っているし、条文上も書き分けていることから2つに分けた方がいいと思う。
        • ●保護命令の記載は、現計画の記載をそのまま転記している。立法趣旨等がわかる形での記載が適切であると思うので、ご意見を踏まえて修正の方向で検討させていただく。
        • ○現計画の最後にあった「調査研究の推進等」だが、改正素案ではどこにあるのか。
          ネットワーク会議での意見の中にも、子どもの追跡調査が必要なのではないかとの意見があったが、こうした調査は継続的に行ってもらったほうがいいのではないか。
        • ●現計画では、調査研究の内容は加害者更生にかかるものであった。加害者への対応については、前回の会議でも、国レベルで一定の法的な枠組みが整理されないと、都道府県レベルでは取り組むのは難しく、都道府県レベルでやれるとすれば、現段階では男性相談であろうとのご意見をいただいたところ。そこで、被害者の状況に応じた相談機能の充実「男性への対応」の中で、国における加害者更生といった調査研究の推進状況を踏まえるという形で書き込ませていただき、調査研究の項目を削除した。
          また、子どもの追跡調査については、財政的な負担を伴う事項であり、現段階で、計画の中に直接的に盛り込む形ではできていない。
        • ○児童相談所はDVの関係でどこまで動いているのか。
        • ●児童相談所や子ども家庭センターでは、児童虐待に力を注いでいる関係で、DV被害者の子への継続的なかかわりは十分ではないといった状況がある。
          DV家庭の母子への取組は重要な課題であり、国の研修会でも、児童相談部門とDVの相談部門とが連携してそれぞれへの心理的な支援を構築するよう言われていた。女性相談センターでは心理職員がおり、一時保護中に同伴する子どもについてもカウンセリングを行っており、把握した子どもの状況は転居先の児童相談所に伝えるようにしている。
        • ○子どもへの対応については、現計画でも書き込んでいるが、実質化することが必要だと考える。児童相談所との緊密な連携をやっていくことが必要だと思う。
        • ○一時保護から自立に至る継続的な支援では、被害者だけでなくて、当然子どもを含めた継続的な支援が必要である。子どもを連れて出た後、次は、子どもの反応が出てくるようになり、被害者にとってみれば相当しんどい。そうしたことを考えると、自分だけの回復だけでなくて、子どもも含めた回復や継続的な支援が非常に重要である。市町村との関係の中での継続的な支援というのはキーポイントだと思う。その辺りがわかるように「現状と課題」にそうした危機感を表す文章を盛り込んではどうか。
        • ○資料4のP11「自立への支援の充実」の「子どもとともに生活する被害者への支援」のあたりの話であると思うが、ここも子どものケアも含めてやっていくといったことが入っていない。現状と課題だけでなく、ぜひ取組にも入れていただきたい。
          また、P12の被害者に対する医学的・心理学的な援助の部分だが、個々のカウンセリングだけでなく、医療機関との連携や支援者への専門的な研修、学校のスクールカウンセラーの活用などを入れるともう少し充実してくるのではないか。
        • ○具体的に「自立への充実の支援」で「子どもとともに生活する被害者への支援」とあるがこれはあくまでも被害者への支援である。子どもへの支援を別項目で立てた方がいいと思う。
        • ○男性相談のところで、マニュアルを作って市町村に配付するとあるがこれはどうか。男性相談は件数も多くない。府と市の役割分担という点では、少数で特化してしなければならないところや先駆的なところは、まずは府が取り組むのが本来ではないかと思う。
        • ●今年度、国からの交付金を活用して、男性相談につながるようなことはできないかということで、マニュアル作りと相談員育成プログラム作りをすることとした。
          マニュアルを作るだけではなく、事業者に委託して、11月と12月に6日間限定の24時間無料電話相談を行った。6日間で約200件の相談が寄せられたがその分析をするのが1つ。また府内市町村でも男性相談を先駆的に取り組んでいる市があるので、そうしたところの課題等を抽出していくのが2つ。こうしたことを整理した上で、今後男性相談を進めていくにあたって、実施体制や相談の流れ等を含めたマニュアルを作りたいと思っている。
          また、育成員プログラムも、即専門相談員の育成は難しいと思うので、まずは初任者レベルの相談員を育成するためのカリキュラム等について、事業者に委託して進めているところである。以上を踏まえて、来年以降、府として作ったものをどのようにやっていくのか、体制も含めて検討していきたいと思っている。
        • ○男性相談にはいくつか問題がある。1つはお金の問題だが、男性相談にお金をかける必要はないと思う。メンタルヘルスや自殺予防等の既存の相談機関のターゲットは大部分が男性であり、こうした相談機関を活用したらよいと思う。市町村の窓口よりこうした機関にマニュアルを配付した方がいいのではないかと思う。
          もう1つは、ジェンダーに敏感な視点に立たない男性相談をすると返って逆効果になるということがある。相談マニュアルに、きちんとした男性相談者に対する育成の視点を盛り込む必要があると思う。
        • ○各自治体から国に対する要望の中で国が取り上げないものに、同性カップルのDVがある。これはデートDVと同様、現行法の枠の外である。
        • ○同性カップルについては民間の相談でも必ず入っている問題である。法律上排除されているので書きにくい問題だと思うが、例えば、「被害者の状況や多様性に応じた相談機能の充実」というように「多様性」という言葉を入れてはどうか。
        • ○いわゆるデートDVの取組について、改定素案では「リーフレットとDVDを配付します。」だけで終わっているように思う。例えば「教育委員会との強い連携のもとに」等を盛り込むことはできないか。被害者と加害者をつくらないためにも、デートDVの施策は非常に大きな影響があると思うので、もう少し書き振りを検討してほしい。
        • ●DVDの配布など淡白な書き方になっているが、実際には、今回作成しているDVDについては、府立高校、私立高校や府内中学校にも配ることを予定している。当然、現場で使っていただける教材をということで教育委員会とも連携しながら取り組んでいるところ。もう少しそういう趣旨がわかるように文章を考えさせていただく。
        • ○子どもの啓発と同時に、教員への啓発をどう組み込むかというのは、工夫が必要な部分だと思う。現場の先生は法律も知らず、対応方法もわからず困っている。保育所、幼稚園から始まって教員に対する取組をどうお金をかけずにやるか。予防啓発DVDを作るときには教員用のマニュアルを作るとか、DVDについて事前に教員に説明するといった形のやり方もあるかもしれない。教師の中には関心を持っている人も多いが、情報がないということもある。工夫をして取り組んでほしい。
        • ○調査研究の推進について、項目を立てて盛り込んだほうがいいと思う。加害者更生だけでなく、もう少し広く、生活状況とか子どもへの影響とかも、調査が無理であれば、少なくとも現状把握という言葉で入れてはどうか。
        • ○資料4のP6「医療・福祉・教育関係者への周知徹底」のところだが、医療の部分と福祉・教育関係の部分とはきちんと分けて書いたほういいのではないか。医療関係者には法上の努力義務があり、分けて書いた方が、医療関係者への周知にもなるのではないか。
          もう1点は、医療関係者の中には、保健師も基本的には入っている。医療というと、やはり臨床場面での部分、病院やクリニック、助産院をイメージされやすい。保健師の家庭訪問や集団検診などは早期発見機関として非常に重要なので、ここには、タイトルとしては「保健・医療関係者」としていただきたい。
        • ○司法関係だが、家裁の調停委員や調査官への対応はどうか。DVが離婚原因となることも多い。調停委員が我慢しなさいなどと言うこともある。府から司法領域への働きかけは難しいのか。やはり法務省マターになるのか。
        • ○弁護士がつかずに、本人が調停に行くケースは結構数が多いのだが、その場合、調停委員によって全く方向が違ってしまうのは大きな問題である。家裁で調停委員への研修をやってもらうことが必要だと思う。大阪府から働きかけるのは難しいところがあると思う。
        • ○資料4のP9に「苦情への適切な対応」がある。一時保護のところに記載されているが、それでは一時保護についての苦情対応だけになってしまうように思う。相談機能や他のところについての意見もある。もう少し全体的な苦情への適切な対応ということにはならないのか。
        • ●現計画に書いていた内容が施設利用に関してのことだったので、一時保護のところに記載した。
        • ○一時保護の利用に関するアンケート調査を通じての府の施設の利用者の苦情だから、実際は一時保護だけではないという位置づけではないのか。緊急かつ安全だけでなく全体の項目に移すということは考えられると思う。
        • ○資料4のP11「自立への支援の充実」のところだが、心身の回復がないと自立にはいかないので、この文言の中のどこかに「心身の回復」という文言を入れたほうがいいと思う。
        • ○今後、府と市町村の役割分担の明確化をするにあたって、例えば夜間対応については、市町村が終わる17時から24時までは大阪府は全面的にやりますというような対応が必要なのではないか。
        • ○市町村の連携だが、市町村が基本計画や配暴センターを作るとあるが、市町村だけで物事を考えていては行き詰まるところが被害者支援である。大阪府の計画では「近隣の市町村との協力や協働をしながら」といった言葉を入れてはどうか。大阪府が主導して、近隣の市町村と連携しなさいというと、市町村はやりやすいと思う。計画の中で広域でやってもいいという文言をいれておくと市町村は楽だと思う。
        • ○タイトルは計画の内容を表すものである。計画には非配偶者への施策も含めるとしていることから、タイトルの「配偶者」は「配偶者等」としてはどうか。検討していただきたい。
        • ○本日は、いろいろご意見をいただいた。子どもの問題、これは子どもの将来の問題だけでなく、自立支援ともかかわる問題であり、今からもう少し書き込んでいただきたい。男性相談のところは少し修正した方がいいということ。デートDVについては、実践の部分だと思うがモデル校も視野に入れて、教員等への啓発も含めて書き込んだ方がいいのではないかということ。調査研究に関しては書き込みがあった方がいいのではないかと。保健・医療と福祉・教育とは独立して対応したらいいのではないかということ。また、市町村連携のこと。いろいろなご意見が出たが、これに従って修正をしていただきたいと思う。
        • ●本日いただいたご意見を踏まえ、素案について、関係各課とも調整の上、次回、案という形でお示しさせていただきたい。
  3. 閉会

配付資料

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?