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更新日:2022年9月14日

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大阪府人権教育推進計画 2 これまでの取組と評価

2 これまでの取組と評価

世界では、「人権教育のための国連10年」(1995~2004)に続く取組として、「人権教育のための世界計画」行動計画が第1フェーズ(2005~2009)から第4フェーズ(2020~2024)と、切れ目なく策定・推進されるほか、障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)、ISO26000[1]の制定等がありました。
また、平成27(2015)年9月の国連総会においては、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられた、「人や国の不平等をなくそう」など17の国際目標(SDGs)が採択されています。
国内では、平成12(2000)年公布・施行の「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」、平成14(2002)年策定の「人権教育・啓発に関する基本計画」に加え、文部科学省が平成20(2008)年に「人権教育の指導方法等の在り方について(第三次とりまとめ)」を公表するなど、施策の総合的かつ計画的な推進が図られてきました。また、条約批准に向けた国内法の整備(障害者基本法の改正、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)の制定)やJIS Z26000[2]が制定されました。さらに、「いじめ防止対策推進法」や「子どもの貧困対策の推進に関する法律」、また、平成28(2016)年には、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律や部落差別の解消の推進に関する法律が制定されるなど、様々な人権問題に対し立法措置が講じられるようになっています。
大阪府においても、平成28(2016)年には、「大阪府障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例」が、令和元(2019)年には、「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」が、令和4(2022)年には、「大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例」が施行されました。

[1]国際標準化機構(ISO)が平成22(2010)年に発行した社会的責任に関する国際規約で、企業に限らずあらゆる組織が「一市民」として社会的責任(Social Responsibility)を果たしながら社会で活動していくための指針と言えます。7つの原則・7つの中核主題のいずれにも「人権(の尊重)」が挙げられています。
[2]ISO26000を基に、技術的内容及び構成を変更することなく作成された日本工業規格です。

大阪府では、国連や国の動向を踏まえ、平成9(1997)年に「人権教育のための国連10年大阪府行動計画」(平成13(2001)年3月に「後期行動計画」に改訂)を全国に先駆けて策定し、「あらゆる人々が、あらゆる機会・場において実施される人権教育を通じて、人権尊重の精神を当然のこととして身に付け、日常生活において実践し、人権という普遍的文化の創造をめざす」ことを基本理念に、人権教育の取組を進めてきました。
中でも、平成10(1998)年に、人権尊重の社会づくりに関する府の施策を明らかにするとともに、人権施策[3]の推進の基本となる事項を定める等、今後の府政推進の基本となるものとして、「大阪府人権尊重の社会づくり条例」(令和元(2019)年10月改正)を施行し、平成13(2001)年3月には、この条例に基づき、府政推進の基本理念を定め、人権施策の概念、内容等を明確にした「大阪府人権施策推進基本方針」(令和3 (2021) 年12月変更。以下「基本方針」といいます。)を定めました。
そして、平成17(2005)年3月に、「人権教育のための国連10年大阪府(後期)行動計画」の成果と課題を継承しつつ、基本方針が示した基本方向に沿った「人権意識の高揚を図るための施策」を着実に推進するため、その具体的な推進計画として、「大阪府人権教育推進計画」(以下「推進計画」といいます。)を策定しました。
[3]条例では、「府民の人権意識の高揚を図るための施策及び人権擁護に資する施策」を「人権施策」と定義しています。

推進計画(平成27(2015)年3月改定)では、「人権教育の推進」、「人権教育に取り組む指導者の養成」、「府民の主体的な人権教育に関する活動の促進」、「人権教育に関する情報収集・提供機能の充実」の4点を施策の方向として示しています。この間の取組とその評価は、おおむね次のとおりです。

人権教育の推進

府では、5年に一度、人権教育・啓発をより効果的に進めることを目的として、府民の人権に関する意識を正しく把握するために、「人権問題に関する府民意識調査」を実施しています。
直近(令和2(2020)年)の調査結果からは、具体的な事象における忌避意識や人権上問題であるか否かの認識については、過去に人権学習を経験しているかどうかによって大きな差異が見られることが明らかとなりました。調査結果から見えてきた府民意識の現状や人権教育・啓発の課題を踏まえ、社会的な課題に即応した啓発の推進、学校教育や大学等との連携促進、市町村や企業・職場における啓発の取り組みへの支援・連携、適切な媒体を活用した効果的な情報発信手法の検討などの取組を進めます。
特に、人権尊重社会の実現に深い関わりを有している公務員、教職員、警察職員等は、常に人権尊重の意識や態度をもって、職務の遂行に臨むことが重要であり、引き続き、研修の一層の充実を図ります。

人権教育に取り組む指導者の養成

人権教育を担う人材の養成については、養成講座の受講は進んでいますが、地域・職場で講師やリーダーとして実際に活動したり、学校とも連携するという点ではまだ十分ではありません。
教材については、基本的なテキストや参加・体験型学習を進めるためのテキストを作成しており、その活用を進めます。

府民の主体的な人権教育に関する活動の促進

人権に関する活動を行う民間団体の紹介を行うとともに交流の機会の提供に努めているところであり、引き続き、府民の主体的な活動が促進されるよう、支援していきます。

人権教育に関する情報収集・提供機能の充実

人権情報の提供については、情報誌だけでなく、インターネット等の今日的・多様な媒体を活用し、効果的でタイムリーな情報提供に努めます。

一方、この間の人権をめぐる状況については、特徴として次のようなことが言えます。

人権問題が複合的に発生

様々な人権問題が複雑に絡み合い、当事者がさらに困難な状況に置かれるといった事象だけではなく、子どもへの虐待の背景に両親間のDV(ドメスティック・バイオレンス)がある等、人権問題が複合的に発生しています。

生活困窮(貧困)をめぐる人権課題が進行

我が国では、経済の停滞した状況が長期化し、生活に困窮する人々の増加が顕著となっていましたが、それに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによって、生活困窮(貧困)の広がりに一層拍車がかかっています。一般的に生活困窮(貧困)の広がりと自殺者の増加等に深い関連性があるという指摘がなされており、子育て世帯の生活困窮(貧困)は、そのまま子どもの貧困へとつながり、未来を担う若者層を蝕む深刻な人権課題となりつつあります。

情報化社会の進展による差別や人権侵害の拡大が進行

スマートフォンなどの普及により、SNSを利用して、特定の個人や団体、不特定多数の人への誹謗(ひぼう)中傷、ヘイトスピーチや同和問題に関して差別を助長・誘発する行為、個人情報の暴露などのプライバシーを侵害する行為など人権に関わる問題が多数発生し、社会問題化しています。

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