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大阪府労働委員会の活動概況
令和6年大阪府労働委員会の活動概況(令和6年大阪労委年報より)
調整事件の概説
令和6年の調整事件の申請件数は19件で前年より9件減少した。内訳は、すべてあっせんであった。
申請件数が各都道府県労働委員会の総申請件数160件(前年比25件、13.5%減)に占める割合は、11.9%であった。
また、同年中の取扱件数は、前年からの繰越8件とあわせて27件であり、そのうち22件が終結し、5件が翌年に繰越しとなった。なお、調整員を指名して調整活動を開始し、終結した13件において開催した調整回数は、41回であった。
取扱状況(エクセル:13KB) 取扱状況(PDF:28KB)
「調整」とは、労働関係調整法に基づき、当委員会における労働争議の調整活動(あっせん・調停・仲裁)を通じて、労働争議の円満な解決の援助を行うことをいう。
1 申請状況
(1)月別
月別の申請件数は、2月と3月が3件(15.8%)で最も多かった。
月別申請件数(エクセル:14KB) 月別申請件数(PDF:18KB)
(2)申請者別・組合系統別
申請者の内訳は、組合が18件(94.7%)、使用者が1件(5.3%)であり、双方申請と職権はなかった。
組合の加盟系統別にみると、「その他の上部団体」が9件(45.0%)で最も多く、次いで、「連合系」が6件(30.0%)であり、「全労連系」は3件(15.0%)、「上部団体なし」は2件(10.0%)であった。
申請者別申請件数(エクセル:14KB) 申請者別申請件数(PDF:19KB)
組合系統別申請件数(エクセル:15KB) 組合系統別申請件数(PDF:24KB)
(3)企業規模別
企業規模別にみると、従業員数49人以下が9件(47.4%)で最も多く、次いで、100人~299人以下が3件(15.8%)であり、300人未満の企業が占める割合(73.7%)が7割を超えた。また、300人以上の企業は5件(26.4%)であった。
企業規模別申請件数(エクセル:14KB) 企業規模別申請件数(PDF:19KB)
(4)産業分類別
産業分類別にみると、「医療,福祉」が5件(26.3%)で最も多く、次いで、「運輸業,郵便業」が4件(21.1%)であった。
産業分類別申請件数(エクセル:17KB) 産業分類別申請件数(PDF:48KB)
(5)調整事項別
調整事項別にみると、「団交促進」が12件(31.6%)で最も多く、次いで、「賃金等」が11件(28.9%)であった。
また、申請1件当たりの平均調整事項数は2.0項目であった。
調整事項別申請件数(エクセル:17KB) 調整事項別申請件数(PDF:47KB)
(6)その他
組合員が個人加入している合同労組からの申請は15件(78.9%)であり、その比率が前年(89.3%)より10.4%減少した。
また、駆け込み訴えによる申請は、4件(21.1%)であり、その比率が前年(67.9%)より46.8%減少した。同一企業内に併存する複数組合がある申請は5件(26.3%)であった。
合同労組・複数組合併存下事案の申請件数(エクセル:14KB) 合同労組・複数組合併存下事案の申請件数(PDF:25KB)
※「合同労組」とは、中小企業の労働者などが、所属する企業や産業にとらわれず、同一地域等において個人で加入することができる労働組合をいう。
2 終結状況(態様等)
年内に22件が終結した。その内訳は、「調整による解決」、「調整開始前取下げ」が各9件、「不調・打切り」が3件、「調整開始後取下げ」が1件であった。
申請から終結までの平均係属日数は、120.2日、調整員の指名から終結までの平均所要日数は、137.4日であり、ともに前年より長くなった。
終結態様別終結件数(エクセル:15KB) 終結態様別終結件数(PDF:28KB)
平均係属日数(エクセル:11KB) 平均係属日数(PDF:20KB)
平均所要日数(エクセル:11KB) 平均所要日数(PDF:20KB)
不当労働行為事件の概説
令和6年の不当労働行為の救済申立件数は57件で、前年より18件の減少となった。申立件数が各都道府県労働委員会の総申立件数200件(前年255件)に占める割合は、28.5%であった。
また、同年中の取扱件数は、前年からの繰越件数88件とあわせて145件であり、終結件数は75件で、70件が翌年に繰越しとなった。終結率は、51.7%となり、前年の39.7%を上回った。
なお、審査の過程において実施した調査、審問、和解の回数は、調査319回、審問80回、和解17回の合計416回であった。
取扱状況(エクセル:13KB) 取扱状況(PDF:20KB)
審査状況(エクセル:64KB) 審査状況(PDF:18KB)
※「不当労働行為の救済」とは、労働者の団結権を保障するべく、簡易、迅速な審査手続によって、労働組合法第7条の不当労働行為の事実の存否を判断し、使用者による不当労働行為があった場合は、原状回復のための救済措置を行うことをいう。
1 申立状況
(1)申立人別・組合系統別
新規申立事件57件を申立人別にみると、組合申立てが56件(98.2%)、個人申立ては0件(0.0%)、組合・個人連名申立てが1件(1.8%)である。
組合申立事件(組合・個人連名申立てを含む)57件について、組合系統別にみると連合系が17件(29.8%)、全労連系が4件(7.0%)、その他の上部団体が23件(40.4%)、上部団体なしが13件(22.8%)であった。前年と比べて、連合系、全労連系は、件数及び比率ともに増加し、その他の上部団体は、ほぼ同じ比率となり、上部団体なしは、件数及び比率ともに減少した。
申立人別申立件数(エクセル:14KB) 申立人別申立件数(PDF:20KB)
組合系統別申立件数(エクセル:15KB) 組合系統別申立件数(PDF:22KB)
(2)企業規模別
企業規模別にみると、例年と同様に、従業員299人以下の中小企業を被申立人とするものが36件(69.2%)と過半数を占めており、従業員1,000人以上の大企業を被申立人とするものは、8件(15.4%)となっている。
企業規模別申立件数(エクセル:13KB) 企業規模別申立件数(PDF:24KB)
(3)産業分類別
産業分類別内訳は、多いものから「医療、福祉」、「製造業」、「運輸業、郵便業」が12件(21.1%)、「教育、学習支援業」、「サービス業」が5件(8.8%)であった。
産業分類別申立件数(エクセル:16KB) 産業分類別申立件数(PDF:47KB)
(4)申立内容別
労働組合法第7条各号ごとに、これを申立事項として含む事件数でみると、1号事件が31件(29.2%)、2号事件が37件(34.9%)、3号事件が36件(34.0%)、4号事件が2件(1.9%)である。
具体的内訳をみると、1号事件では、組合員であることによる不利益取扱い(解雇を除く)が22件(20.2%)と最も多く、次いで、組合員であることによる解雇、組合加入による不利益取扱い(解雇を除く)が5件(4.6%)であり、解雇事件は5件(4.6%)と前年の7件(5.6%)に比べ、件数、比率ともに減少している。3号事件では、組合運営に対する支配介入が36件(33.0%)であった。
また、第7条内容別にみると、2号だけの事件が16件(28.1%)と最も多く、続いて、1・3号事件が15件(26.3%)となっている。
労働組合法第7条各号別申立件数(エクセル:13KB) 労働組合法第7条各号別申立件数(PDF:23KB)
労働組合法第7条内容別申立件数(エクセル:14KB) 労働組合法第7条内容別申立件数(PDF:19KB)
労働組合法第7条各号内容別申立件数(エクセル:16KB) 労働組合法第7条各号内容別申立件数(PDF:38KB)
労働組合法第7条の不当労働行為の種別
- 1号:労働組合員であること等を理由とする不利益取扱い
- 2号:正当な理由のない団体交渉の拒否
- 3号:労働組合の運営等に対する支配介入等
- 4号:不当労働行為救済の申立て等を理由とする不利益取扱い
(5)その他
新規申立事件のうち、合同労組の申立件数は48件(84.2%)、このうち駆込み訴えは13件(22.8%)である。
合同労組の申立件数(エクセル:13KB) 合同労組の申立件数(PDF:25KB)
2 終結状況(態様、命令・決定内容、命令・決定書交付後の状況)
取扱件数145件のうち終結した75件を終結態様別にみると、命令39件(52.0%)、決定(却下)3件(4.0%)、関与和解19件(25.3%)、無関与和解6件(8.0%)、取下げ8件(10.7%)である。
令和6年中に命令・決定により終結した事件数は42件であるが、併合事件を含むため、命令・決定書の交付は35件(全部救済14件、一部救済6件、棄却12件、却下3件)であった。
命令・決定書交付数35件については、令和6年中に再審査申立て及び行政訴訟提起がともになされたものが1件、再審査のみが申し立てられたものが19件、行政訴訟のみが提起されたものが1件であり、再審査申立て及び行政訴訟提起がなされず当委員会の命令が確定したもの(再審査申立て及び行政訴訟提起の期間中のものを含む)が14件であった。
終結態様別終結件数(エクセル:21KB) 終結態様別終結件数(PDF:25KB)
命令書・決定書交付本数(エクセル:51KB) 命令書・決定書交付本数(PDF:22KB)
再審査・行政訴訟提起件数(エクセル:14KB) 再審査・行政訴訟提起件数(PDF:32KB)
3 審査の期間の目標達成状況等
当委員会は、労働組合法第27条の18に規定する不当労働行為事件の審査期間の目標を550日と設定している。
令和6年中に終結した事件(75件)のうち、命令・決定事件が42件、和解・取下事件が33件である。その平均処理日数は、全終結事件で442日であった。終結態様別にみると、命令・決定事件では571日、関与和解事件では269日、無関与和解事件では183日、取下事件では368日となっている。
終結態様別終結件数(再掲)(エクセル:21KB) 終結態様別終結件数(再掲)(PDF:25KB)
平均処理日数(エクセル:49KB) 平均処理日数(PDF:21KB)
4 労働組合資格審査
令和6年の労働組合の資格審査申請件数は42件であり、これをを申請事由別にみると、不当労働行為の救済申立てに係るもの39件、法人登記を目的とするもの2件、委員推薦を目的とするもの1件である。
申請事由別申請件数(エクセル:20KB) 申請事由別申請件数(PDF:26KB)
個別労使紛争事件の概説
令和6年に知事から依頼のあった個別労使紛争のあっせんは5件であった。また、前年からの繰越しは0件で、4件が終結し、翌年への繰越しは1件であった。
取扱状況(エクセル:22KB) 取扱状況(PDF:22KB)
※「個別労使紛争解決支援制度」とは、労働者個人と使用者との話合いによる自主解決が困難な個別労使紛争について、知事部局の労働環境課と当委員会の連携による「調整」及び「あっせん」制度を設けることにより、実情に即した迅速かつ適正な解決を図るための紛争解決システムをいう(申請の受付は労働環境課)。
1 取扱状況
申請者は、労働者側が5件であった。
産業分類別では、「製造業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育,学習支援業」、「医療,福祉」、「サービス業」が各1件であった。
産業分類別申請件数(エクセル:24KB) 産業分類別申請件数(PDF:42KB)
あっせん事項は、「懲戒処分」、「その他労働条件等」、「セクハラ」、「パワハラ・嫌がらせ」等に関するものであった。
あっせん事項別申請件数(エクセル:19KB) あっせん事項別申請件数(PDF:49KB)
終結状況は解決が2件、打切りが2件、翌年への繰越しは1件となった。
なお、終結した4件において開催したあっせん回数は1回、2回が各2件であった。
また、知事からのあっせん開始にかかる依頼日から終結日までの平均係属日数は71.8日であった。