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更新日:2023年7月21日

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[津波・高潮ステーション] ダイナキューブ(津波災害体感シアター)

映像について

ダイナキューブ 画像

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内容

【テロップ】

注意

この後、津波のCG映像が流れます。

体調のすぐれない方、過去に体験された方などは、気分を害される恐れがあります。

可能性がある方は周りの方にご相談の上、再生してください。

※本映像は南海トラフ巨大地震により大阪府で想定される被害を基に作成したフィクションです。

この映像は、みなさまに都市災害のイメージを伝え、命を守り抜くために、日頃から自分自身の行動に結びつけていただきたく制作しました。

【画面】

打ち寄せる波の音、カモメの音、汽笛、風の音

コンテナ船や漁船が行き交う海。目線より上に喫水線があり、水中と水上が半々程度で見えている。

【テロップとナレーション】

四方を海に囲まれた島国である日本。

その中でも大阪は、海面より低い地域である海抜0メートル地帯が大きく広がっており、そこに100万人以上の方が暮らしています。

その手前に地面、道路、家屋などが次々に現れ、見慣れた街の風景が広がる。

楽しそうな音楽(背景として流れる音楽)隆史が1人でやってくる。

反対側からやってきた友人2人が声を掛ける。

友人A「おう。隆史、どこ行くん?一緒にサッカーせえへん?」

隆史「ああ、ごめんな、今から梅田行って、お母さんとおばあちゃん買い物しにいくからあかんねん。ごめんな。」

驚く友人B

得意げな隆史

友人B「えー、マジ?電車乗って行くん?1人で?」

隆史「そうや!なんやお前ら、電車も1人でよう乗らんのか?」

顔を見合わせる友人たち

友人A「じゃあ、また明日な。」

隆史「うん、またな。」

笑顔で友人たちと手を振って別れる隆史

オフィスノイズ

ズラリと並んだ事務机。左の課長席でパソコンに入力している逢坂浩一。そこへ部下らしき女性社員が声を掛ける。

女性社員「課長!新人の山本さんから電話がありまして、無事商談成立との事です。」

浩一、ニッコリ微笑む。浩一「ほう、初仕事からやるなぁ。」

杯を飲む仕ぐさをしながら

浩一「帰ってきたら一杯おごりたいところやねんけどな。」

女性社員、イタズラっぽく問い掛ける。

女性社員「あれ、行かないんですか?」

苦笑いの浩一。

浩一「うん。今日は、息子と約束があんねん。」

にぎやかなお店の前を、絹江が乗った車いすを押しながら、奈津実がやってくる。2人で楽しそうにお喋りしている。

奈津実「そうなんですよ、隆史ったら、1人でここまで来れるから、ほっといてって、最近生意気で生意気で。」

絹江「まあ、そういう年ごろなんよ。浩一もそんなことがあったわ。」

ピロリロリン(メールの着信音)

スマートフォン画面を確認する奈津実

奈津実「噂をすれば。浩一さん、早く帰れるんで、今夜は予定通りって。」

その時、奈津実の手にしたスマートフォンが緊急地震速報の音を発する。

ブイーン、ブイーン、ブイーン(マナーモードのバイブ)地震です。地震です。

奈津実「え、地震?」

地下街全体の照明が二、三度瞬いてから消える。

【テロップ】某月某日午後3時14分 大阪 震度6弱

地響きとともに画面が揺れ始め、通行人がしゃがみこむ。

遠くから聞こえる女性の悲鳴、男性の叫び声など

ごう音、落下物の音、悲鳴、衝突音など

遠くに見える都心の高層ビル群。近くの建物が大きく揺れ、近くのビルからは外壁や看板が降ってくる。その中を逃げ惑う人々

壁が崩れて半壊してゆく文化住宅。電柱が倒れ、火花が飛び散る。

ごう音とともに道路広場のあちこちに亀裂が走り、黒い水が噴き出す。道路と橋の継ぎ目に段差ができ、車がぶつかってしまう。

すぐそばの堤防に亀裂が入り、コンクリートの護岸壁が崩れる。

建物のギシギシという軋み音、落下物の音、悲鳴など

浩一のオフィス。事務机にしがみついている浩一が叫ぶ。

浩一「コピー機危ない。みんな机の下に潜れ。」

悲鳴・非常ベルの音。

ひときわ大きな音と共に大型コピー機が画面手前に突進してくる。

画面いっぱいになったところで暗転

それまでのごう音が突然消え、静寂に

【テロップ】数分後

非常灯だけがともる地下ショッピング街に照明が復活。その場でうずくまっていた大勢の人が次々と立ち上がり、不安そうに顔を見合わせる。

絹江と奈津実もお互いの無事を確認してほっとしてため息をつく。

奈津実「お義母さん、おけがありませんか?」

絹江「あたしは大丈夫やで。それより。」

会話を中断するように館内放送が入る。

ピンポンパンポーン(館内放送チャイム)

「ご来場のお客さまにお伝えします。先ほど、和歌山県沖を震源とする大地震が発生しました。気象庁によりますと。」

顔を見合わす絹江と奈津実。奈津実、不安そうにつぶやく。

奈津実「あの子、大丈夫やったやろか。」

奈津実、スマートフォンを取り出し、発信してみる。

すぐ後ろでスマートフォンを見ていた若い男性が隣の友人に向かって叫ぶ。

男性「おい!大阪府にも大津波警報出てるで。」

絹江「ほんまやね。どこにおったんやろうか?けがでもしてなければええんやけど。」

ツー、ツー、ツー(話中音)

首を振る奈津実

奈津実「家の電話は、つながりませんわ。」

他の声「おい!俺の家ヤバイかも。」

他の声「あたしのスマートフォンつながれへん。」

他の声「津波が来たらこの辺も危ないって聞いたよ。」

他の声「えー、ここは大丈夫やろ?」

絹江の顔を見つめる奈津実

奈津実「たかし」

救急車・パトカーのサイレン、クラクション

がれきが散乱する住宅街の路地

その片隅で隆史がうずくまって泣いている。

そこへ1人の中年女性が近づき、声を掛ける。

中年女性「あ。隆史君。隆史君ちゃうの。大丈夫か?けがないか?」

顔を上げ、かぶりを振る隆史

泣きながら

隆史「おばちゃん、大丈夫。」

語り掛ける中年女性

中年女性「ああ良かった。おうちの人は?」

隆史「家、誰もおれへん。」

隆史、泣きながらかぶりを振るばかり

困り顔の中年女性

中年女性「困ったなあ。津波警報が出てるからそこの避難ビル行こうと思てるんやけど。」

隆史「僕も、行く。ヒック。」

奥で数人の住民が声を掛け、歩き出す。

住民「すみません、先に避難所行きますよ。」

立ち上がり、オフィス内の人員の安否を確認している浩一。

浩一「おいみんな。けがはないか?」

女性社員、スマートフォンでサイトを見ている。

女性社員「はい、大丈夫です。でも、あの、津波の第一波が、和歌山県に来たってニュースで。」

女子社員の顔を見る浩一

課長「山本って、あいつ確か、泉州の方へ行ってたよな。」

女子社員「はい。」

ラジオの臨時ニュース

営業車の運転席でスマートフォンを操作している新人(山本)君

山本「肝心な時になんでつながらへんねん」

スマートフォンを隣席に放り投げる。

山本「しかも、一本道で渋滞って、なんでやねん。まいったなあ、どないなってんねん。」

山本君、前方で何かを発見し、運転席から降りる。

前のトラックで前方の視界が遮られていたが、車から離れると、渋滞の先頭がよく見える。そこには、道路を塞ぐように数台の車が事故で黒煙をあげている。

山本君の声「マジかよ。」

【テロップ】地震発生から30分経過

がれきが散乱する道を歩いている中年女性と隆史。前方に何かを発見して立ち止まる。中年女性「あかん。この先、通られへんわ。どないしよう、避難所行かれへんわ。」

住宅街の向こうに大型マンションが建っているのが見える。そこを指さして話す2人

隆史「おばちゃん、あそこの最近出来たビルも避難ビルやって、お母ちゃんが言うてたで。」

中年女性「そうなんや。あ、あそこやったら近いし、広い道も通れるしええな。」

隆史「うん。」

中年女性「うん、よし、あそこに行こう。」

隆史「うん。」

スマートフォンに話しかける奈津実

奈津実「お母さんとおばあちゃんは大丈夫やからね。」

録音を終え、絹江を見る。

奈津実「あの子、伝言ダイヤル、聞いてくれたらええけど。」

後ろでは警備員と店舗従業員が辺りの人に呼び掛けている。

警備員「先ほどからアナウンスしていますように、大津波警報に伴いまして、皆さんを安全な場所へ避難誘導します。」

店舗従業員「奥の階段があります。慌てずに付いてきてください。」

警備員「こちらへどうぞ。」

顔を見合わせる絹江と奈津実

絹江「階段って。」

津波避難ビルを示すマークが見えるビル外観からオーバーラップして避難所内。数人の人が居る。

中年女性の携帯電話を借りて伝言ダイヤルを聞いている隆史

隆史「やった。お母ちゃんもおばあちゃんも、無事やって。」

中年女性「そうか、良かったな。でも電話がつながらんでも、こんな方法があんねんな。」

隆史「うん。」

中年女性「へえ。」

【モノクロ回想シーン】

隆史の家のリビング。家族みんなで会話している。

浩一「ええか。地震に遭うたら、まず身を守る。ほんで、大津波警報がでたら、すぐ避難所に行く。電話がつながらん時は、伝言ダイヤル171や。」

隆史「うん、分かった。」

津波避難ビル内。中年女性の近くに居た別の男性が話し掛ける。

男性「僕、忘れ物したんで、取りに行ってきますわ。まだ津波来るまでだいぶあると思うし。」

中年女性「そやな。私も慌ててたんで、お財布と携帯ぐらいしか持って来てへんしな。ちゃちゃっと行ってこよかな。」

中年女性の袖を隆史が引っ張る。

隆史「あかん、行ったらあかん。」

中年女性「ん?」

男性「ほな、お先に。」

避難所を出ていく男性

エレベーターホールで伝言ダイヤルを聞いている奈津実。深刻な顔で絹江に話し掛ける。

奈津実「あかん、なんか電話ももうつながれへんようになってしもうて。」

絹江「心配やなぁ、隆史や浩一も。でも、今は無事を信じるしかないしなぁ。」

奈津実「はい。それにしても、エレベーターなかなか降りてきませんねぇ。」

そこへ男性の声が掛かる。

男性の声「どうされました?」

背広にネクタイ、茶髪の学生風と年齢もスタイルもまちまちの男性数人やってくる。

背広の男性「エレベーターは当分使えませんよ。僕らが抱えるんで、一緒に階段で避難しましょう。」

奈津実「すみません、ありがとうございます。」

絹江「お願いします。ありがとうございます。すみません。」

(オーバーラップして)

男性が絹江の乗った車いすを持って階段を登るイメージショット

絹江「ご面倒かけます。お世話になります。」

付き添いながら、電話を気にしている奈津実

事故渋滞で動かない車列。その横に立ち尽くしている山本君。腕時計を見ながら

山本君の心の声「地震が起こってかれこれ小1時間。津波はどうなってるんやろ?」

避難を呼びかける防災無線の広報音声

「大津波警報が発令され」

ドアをあけ、運転席に乗り込もうかちゅうちょする山本君

山本君の心の声「さっきから避難しろ避難しろってうるさいけど、他の人も逃げてへんし、案外大丈夫なんとちゃうか。会社の車置いて逃げるわけにもいかへんし、困ったな。」

【テロップ】地震発生から60分経過

厳しい顔の浩一

浩一「山本君は、まだ連絡つかんのか?」

女性社員「はい、伝言ダイヤルなどいろいろな方法を試してますが、まだ。」

女性社員もうなだれる。

窓外へ顔を向ける浩一

浩一「そろそろ、大阪にも津波が到達する頃やな。山本。」

(オーバーラップ)

小さな港に津波が押し寄せる。係留されていた小さな漁船やプレジャーボートなどが陸地へ流されていく。

男性の声「津波が来たぞ!」

悲鳴

男性の声「高い所へ逃げろ」

悲鳴

山本君の乗った車を含む、渋滞した車列に、横の防波堤を越えて濁流が襲い掛かる。

住宅街のあちこちで火の手が上がり、黒煙が噴き上げている。そこへ津波が押し寄せる。

コンテナ船が津波で傾き、護岸に衝突する。

積み上げられたコンテナが、濁流に次々と押し流され、建物にぶつかってゆく。

津波が河川を次々さかのぼっていく。あちこちで堤防を乗り越えて水が市内に流れ込んでいく。

堤防を乗り越え市内になだれ込む濁流。

地下にあちこちの地上出入り口から濁流が浸水してくる。

全体が水没してゆく。

オフィスから窓外を見ている浩一と社員たち

上階へ避難してきた奈津実と絹江さらに、車いすを運んできた男性数人

避難所の窓から街を見つめる隆史と中年女性

【ナレーションとテロップ】

それぞれの場所で。

それぞれの方法で。

なんとか津波の第一波を切り抜けた家族。

しかし、津波との戦いはこれで終わるわけではありません。

巨大津波災害への取り組みについては、二つ大切なことがあります。

一つは「津波から逃げ切る」こと。迅速な避難を一人一人が徹底して実践することが重要です。

もう一つは「津波災害を乗り越えて生き抜く」こと。

そして津波災害から生き延びるための知恵を後世に伝えてください。あなた自身の命、あなたの大切な人の命、次の世代の子供たちの命を守るために。

東北大学 教授

越村 俊一

プルルル、プルルル(電話の呼び出し音)

黒バックに浮かび上がる二つの子画面

一つには受話器を持っている浩一の顔

もう一つにはスマートフォンを耳にしている奈津美の顔

プルルル、プルルル(電話の呼び出し音)ガチャ

緊張の面持ちの2人が、電話がつながったあと、笑顔に変わる。

【テロップ】

この作品はフィクションです。

企画:大阪府

制作:乃村工藝社

なんとか逃げきった、隆史くんの家族。

では、この人達はどうなったでしょうか?

「会社の車おいて逃げるわけにもいかへんし…」

「ぼく、忘れ物したんで取りに行ってきますわ」

津波はすぐにやってきます。

あなたなら、どうしますか?

迫力のある映像は

津波・高潮ステーションでご覧ください。

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