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[防災事業]正蓮寺川の環境監視結果について
正蓮寺川の環境監視結果
令和6年8月、令和6年9月の環境監視結果
令和6年8月、令和6年9月の環境監視結果は、河川水質のDOおよびBODを除き監視基準(環境基本法に規定する環境基準)に適合しており、問題のないことを確認しています。
監視基準(環境基本法に規定する環境基準)に適合しなかった項目については、環境監視計画に基づいて工事との因果関係を確認し、工事による影響ではないことを確認しています。
令和6年8月、令和6年9月の環境監視結果(PDF:144KB)
令和6年6月、令和6年7月の環境監視結果
令和6年6月、令和6年7月の環境監視結果は、すべての項目について監視基準(環境基本法に規定する環境基準)に適合しており、問題のないことを確認しています。
令和6年6月、令和6年7月の環境監視結果(PDF:126KB)
令和6年5月以前の環境監視結果
令和6年5月以前の環境監視結果は、以下に掲載しています。
正蓮寺川の現状
1.近年の正蓮寺川の現状
正蓮寺川は、淀川の南を東西に流れる流域のない河川で、全長は4.6kmあり、此花区の中心に位置します。
正蓮寺川やその周辺の現状は、下記のようになっています。
- 戦後の高度成長期に起こった汚染のために、ヘドロが堆積し悪臭を放ち、周辺の住環境に悪影響を与えている。
- 防潮堤の高さが、堤内地側(民地側)よりも高いため、川を挟んで地域が分断された形態になっている。
- 交通機関が整備され陸上輸送が発展したことで、海上輸送が衰退し船運が激減している。
- 正蓮寺川周辺は、工場や住宅が密集している。
これらの現状を考慮し、現在、正蓮寺川では総合整備事業を進めています。
2.PCB汚染底泥の発見
正蓮寺川では、右岸側の基盤整備工事完了後、左岸側の基盤整備工事に入る前に実施した底泥調査において、正蓮寺川の底泥がPCBに汚染されている(旧環境庁の底質の暫定除去基準値10mg/kgを超える)ことが判明しました。
PCBとは無色・無臭の油で、次のような特性があります。
- 不燃性で加熱・冷却してもその性質は変化しない。
- 絶縁性・電気的特性に優れている。
- 水に溶けにくいが、油に溶けやすい。
この特性から、PCBはトランスやコンデンサーの絶縁油や塗料・ノーカーボン紙の溶剤として広く利用されてきました。
しかし、米ぬか油の製造過程でPCBが混入したことに起因するカネミ油症事件をきっかけとして、その毒性が広く世間に広まり、PCBの生産は中止されました。
汚染範囲 |
長さ:750m(北港大橋上流から恩貴島橋下流) |
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汚染の原因 |
現場状況から判断すると、今から30年から40年前に恩貴島橋下流の元共同荷上場に不法投棄されたものが原因と考えられる。 |
詳細調査の実施 |
PCBの汚染が発見されてから、ただちに汚染源近傍の地下水調査や汚染範囲の河川水調査を実施したが、PCBは検出されなかった。 |
3.汚染底泥の現状
PCBに汚染している底泥は、汚染されていない底泥に封じこめられており、現在安定した状態にあります。
4.PCB汚染底泥の対策工
対策委員会の設置
PCB汚染底泥の処理・処分方法については、明確な処分方法が確立されていないことから、平成12年度に「正蓮寺川総合整備事業に係わる環境対策検討委員会」を立ち上げ、その中で処分方法を検討しました。
対策方法の選定
PCBによって汚染された底泥の処理・処分等の対策方法については、「底質の処理・処分等に関する暫定指針(S49.5.30/環水管 113号 環境庁水質保全局長通知)」によって、以下のように示されています。
- 当該水域を締め切った上で、覆土によって封じこめる方法
- 覆土によって封じこめる方法
- 浚渫又は掘削した上で、処分地等へ輸送して、保管又は処分する方法
当該地においては、「当該水域を締め切った上で、覆土によって封じこめる方法」が、
- 1)人との接点が直接ない点
- 2)汚染範囲が明確である点
- 3)汚染された底泥は、地中部に封じこめられ、安定した状態にある点
- 4)汚染された底泥の下には、厚さ10m以上の不透水層としての粘土層がある点
- 5)地下水汚染がない点
- 6)原位置での固化技術や封じこめ技術が確保されている点
などから、原時点で最も安全で有効な対策手法ではないかと考えました。
この考え方を対策検討委員会で諮ったところ、その方向で検討を進めることで了承を得ました。
5.環境監視計画
対策工事にあたっては、PCB汚染の拡散がないことを確認しながら進めていく必要があるため、平成13年度「正蓮寺川総合整備事業に係わる環境監視委員会」を設置しました。
監視委員会の中で環境監視結果等を検討し、工事の事業主体に対して環境保全に関する指導・助言を行っていきます。
事業主体は工事請負者に対して的確な指示を出し、地元説明会などで環境監視結果等を公開することによって、環境保全に万全を期すことができます。
大阪府付属機関条例の改正に伴い、学識経験者により構成される「正蓮寺川総合整備事業に係る環境監視委員会」「河川及び港湾の底質浄化対策検討委員会」および「大阪府管理河川の底質浄化対策の実施に係る小委員会」の3つの委員会を平成24年11月1日より統合し、名称を「大阪府河川及び港湾の底質浄化審議会」に改め検討を行っています。
事務局:大阪府都市整備部河川室河川整備課