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おおさかタイムライン防災プロジェクト
「タイムライン」で変わる防災
「タイムライン防災」とは、大規模な災害はいずれ発生することを前提に、府民の命を守り、被害を最小化することを目的として、防災関係機関が連携して、災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、共有した上で、「いつ」「誰が」「何をするか」に着目して、防災行動とその実施主体を時系列に整理した計画です。タイムラインを導入することで以下のような効果が期待できます。
- タイムラインの策定過程で、お互いの顔が見える関係を築く
- タイムラインであらかじめ役割を決めて、動く
- タイムラインは、首長の意思決定を支援する
- タイムラインで、先を見越した早めの行動が安全・安心に
- タイムラインを防災チェックリストとし、防災行動の漏れ、抜け、落ちの防止に
- タイムラインに実災害での反省や課題をフィードバック
プロジェクトの概要と先行取り組みについて
大阪府では、タイムラインを以下の3つに分類しており、それぞれについて先行取り組み(リーディングプロジェクト)に着手し、タイムラインを完成させ、先行事例をモデルに、洪水や土砂災害、高潮災害など異なるハザードも対象に加えながら、国や市町村と連携し、タイムライン防災を大阪府全域に拡げていく、「おおさかタイムライン防災プロジェクト」を進めています。
大阪府では、水防災意識社会再構築に向けた緊急行動計画に基づき、2021年(令和3年度)までに大阪府内の全市町村において、「洪水」「土砂災害」「高潮」のいずれかの自然災害を対象としたタイムラインを策定しています。
おおさかタイムライン防災プロジェクトの概要版資料はコチラ
おおさかタイムライン防災プロジェクト(PDF:668KB)
広域タイムライン
比較的大きな流域を対象とし、大阪府や市町村、国に加え、報道機関、ライフラン事業者、鉄道事業者など多くの防災機関の防災行動を記載し、主に国や大阪府が主体となり作成する流域タイムライン
(1)寝屋川流域大規模水害タイムライン(平成30年8月完成)リーディングプロジェクト(河川室)
大阪府東部に位置する寝屋川流域は、流域の約4分の3は雨水が自然に河川に流れ込まない「内水域」であることから、下水道により雨水を集め強制的に河川に排水している地域です。
こうした厳しい地形条件の中、国、府、流域11市が協力して、河川と下水道が一体となった総合的な治水対策を進めておりますが、近年全国で頻発する豪雨により、逃げ遅れによる犠牲者が出るなど住民避難に関するソフト施策がより一層重要になってきたことを受け、流域を対象としたタイムラインの策定に着手することとしました。
そこで、大阪府や流域11市に加え、大阪管区気象台、警察、報道機関、鉄道、ライフライン事業者などの関係者が参画する「寝屋川流域大規模水害タイムライン策定部会」を立ち上げ、平成29年7月よりタイムラインの検討を行ってまいりました。検討から約1年、平成30年8月9日に「寝屋川流域大規模水害タイムライン」が完成し、正式に運用開始いたしました。
完成したタイムラインを手交する寝屋川流域の市長の皆さま
資料はこちら→寝屋川流域大規模水害タイムライン部会ホームページ
(2)安威川流域(安威川)洪水タイムライン(令和元年9月完成)
資料はこちら→安威川流域(安威川)洪水タイムライン(別ウィンドウで開きます)(茨木土木事務所)
(3)南河内地域広域タイムライン(石川流域・西除川流域・東除川流域)(土砂災害)(令和2年3月完成・試行版運用)(富田林土木事務所)
資料はこちら→南河内地域広域タイムライン(PDF:249KB)
(4)大阪湾沿岸(泉州)高潮広域タイムライン(令和2年8月完成)(大阪港湾局)
資料はこちら→大阪湾沿岸(泉州)高潮広域タイムライン(別ウィンドウで開きます)
(5)大津川流域広域タイムライン(令和3年3月完成)(鳳土木事務所)
資料はこちら→大津川流域広域タイムライン(別ウィンドウで開きます)
(6)神崎川流域洪水タイムライン(令和3年9月完成)(西大阪治水事務所)
資料はこちら→神崎川流域洪水タイムラインの運用について(PDF:402KB)
市町村タイムライン
ひとつの市や町、村の区域を対象とし、主に市町村の各部署の防災行動を記載し、主に市町村が主体となり作成する市町村のタイムライン
リーディングプロジェクト河南町土砂災害タイムライン
河南町では、昭和57年8月に台風第10号により土砂災害が発生し、死者4名、死傷者1名の被害が出ました。それ以降、大きな災害はありませんでしたが、平成29年10月の台風第21号とその前から降り続いた長雨の影響により、町内各地で土砂災害が発生し、人的被害はなかったものの、多くの箇所でがけ崩れや土石流が発生し、家屋や田畑等に多大な被害を与えました。
土砂災害は、事前予測が非常に難しい災害の一つですが、降雨状況や土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の指定状況に基づき、事前行動を明確にすることで、被害を最小限に留めることが可能であると考え、土砂災害を対象としたタイムラインの策定に着手しました。平成29年10月から検討を開始し、平成30年6月29日に「河南町土砂災害タイムライン」が完成し、正式に運用開始いたしました。
タイムラインの完成を記念する河南町長はじめ関係者の皆さま
完成した河南町土砂災害タイムラインはコチラ
コミュニティタイムライン
自治会や小学校区など小さな区域を対象とし、住民や自主防災組織などの防災行動を記載し、主に市町村と地域や住民が一緒に作成する地域のタイムライン
コミュニティタイムライン作成ポイントを解説した動画の配信
コミュニティタイムラインの作成方法を紹介した動画を作成しました。動画の中では作成方法だけでなく、気象災害や、タイムラインの重要性についてわかりやすく解説しています。是非一度、動画を確認いただき、風水害前の事前防災行動を考えてみませんか。
動画
取組事例の紹介
和泉市域での取組事例⇒取組事例(和泉市)(PDF:314KB)
パンフレット
コミュニティ(地域の)タイムラインパンフレットはこちらパンフレット(PDF:2,529KB)パンフレット(PPT:3,644KB)
総括表ひな型
コミュニティ(地域の)タイムライン総括表のひな型はこちら(エクセル:123KB)
タイムライン策定の手引き
大阪府では、上記に示す先行取り組み(リーディングプロジェクト)での検討過程や経験を踏まえ、その成果を「タイムライン策定の手引き」としてとりまとめ、これからタイムラインの導入を検討する自治体が、より簡単に、より分かりやすく、よりスピーディーにタイムラインの策定ができよう支援しています。
広域タイムライン策定のための手引き(事例:寝屋川流域大規模水害タイムライン)
→洪水タイムライン策定の手引き(PDF:5,124KB)
市町村タイムライン策定のための手引き(事例:河南町土砂災害タイムライン)
→土砂災害タイムライン策定の手引き(PDF:2,442KB)
コミュニティタイムライン策定のための手引き
→現在、取り組み事例を蓄積しており、まとまり次第、手引きを作成します。