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更新日:2024年7月10日

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北摂のシカ・イノシシ

北摂のシカ

大阪府では、近年の急激な都市化の進展や生活様式の変化は自然環境に大きな影響を与え、野生鳥獣の中には生息域の減少等により絶滅を危惧されるものも見受けられます。
一方、生息数、生息域が拡大し、農林業被害等人間活動との軋轢(あつれき)を起こしているものも見られ、特に北摂地域に生息しているニホンジカは、近年、その生息数の増加や生息域の拡大が著しく、それにともない、農林業被害も著しく拡大してきました。

大阪府では、拡大するシカの被害に対処するため、鳥獣捕獲の実施や防鹿柵の設置、生息環境の整備等の被害対策に努めてきたところですが、依然として被害は継続しており、農林業への影響が問題となっていることから、鳥獣保護法に基づき策定した「大阪府シカ保護管理計画(第3期)」により総合的なシカ対策を講じています。

シカの被害

シカによる被害は、昭和50年代から顕著となり、平成7年度をピークに高水準に推移しており、生息数及び生息域の拡大とともに、被害地域も拡大し、近年は市街地に隣接する地域での被害も増加しています。
農業被害では、稲、野菜、植木等に対する摂食や踏み荒らし、林業被害では、植栽木幼齢樹への摂食(食害)では、斜面を利用した食害による幹折れも確認されています。

シカの生息数

大阪府に生息するシカは、大阪府北部の北摂地域に広く生息しています。
これまでの調査結果では、能勢、箕面、高槻の3地域に分かれる状況にあり、それぞれの地域中心部の生息密度が高く、その周辺に広がるにつれ密度は低くなっています。近年は著しく生息数が増加しており、生息分布域も拡大しています。
生息状況調査に基づく推定生息数は、平成12年度が約2,000頭、平成18年度が約1,800頭、平成21年度が約1,900頭となっています。

シカの捕獲実績・捕獲目標

大阪府では、かつてシカ生息数の減少を受けて、昭和49年12月からオスの捕獲禁止措置を講じました。(メスは、国において捕獲禁止措置がとられていました。)
その後、生息数の回復に伴い、昭和50年代から農林業被害が増加してきたため、昭和61年にオスの捕獲禁止措置を解除し、有害鳥獣捕獲と狩猟を合わせた捕獲数は、平成10年度に250頭を超えました。
その後、平成13年度以降は300頭強で推移していましたが、平成18年度に500頭を超え、平成20年度は607頭、平成22年度は725頭となっています。

1年間の捕獲目標が、平成18年度以降は300頭(オス150頭、メス150頭)、平成22年度以降は600頭(オス300頭、メス300頭)であるので、目標を上回る頭数を捕獲できています。
しかしながら、依然としてシカによる被害が高い水準であるため、現在の生息数の推定を行うとともに捕獲目標の上方修正が計画されています。

北摂のイノシシ

(写真は、大阪府南部で捕獲されたイノシシ)

大阪府では、イノシシによる農林作物等の被害が増加し、電気柵の設置等による防除を行っているものの、被害は高い水準で推移しており、より効果的な対策が求められています。
一方で、イノシシは古くから日本に生息し、生態系を構成する要素として重要な役割を果たしており、また貴重な狩猟資源でもあることから、人間活動とイノシシの軋轢(あつれき)を軽減するとともに、共存を図る必要があります。
平成17年度に策定した「大阪府イノシシ保護管理計画」は、科学的な調査に基づいた保護管理により、イノシシによる甚大な農業被害を軽減し、農家の営農意欲の衰退を防止するとともに、イノシシ地域個体群の維持を図り、人とイノシシの永続的な共存を目的としています。現在は、平成24年3月に策定した「大阪府イノシシ保護管理計画(第2期)」に基づき、引き続きイノシシの被害対策を講じています。

イノシシの被害

イノシシによる農林業被害は、平成12年度をピークとし、平成22年度の農林業被害金額は、約1億2000万円、被害面積は約250haと現在でも依然として高い水準にあります。
農林業被害の大部分は農業被害であり、その代表的な被害作物は水稲、イモ類、その他多種の野菜類や果物です。
被害の形態は、食害の他、踏み荒らしであり、6月から12月にかけての作付け期から収穫時期まで長期にわたって発生するため、農業経営意欲への影響も大きいです。
林業被害は、農業被害に比べると少ないが、その内訳は約95%がタケノコです。
耕作放棄地や竹林の拡大は、イノシシに好適な生息域を提供し、里地での被害発生の一因であると言われています。

また、近年、里地及び市街地でイノシシが人家周辺に出没する機会が増えています。
箕面市と池田市にまたがる区域では、イノシシの幼獣が川伝いに市街地へ下りてくる現象がみられるほか、河川敷等で成長して住民の生活を脅かすといった事態も発生しています。
こうした背景には、住宅地が山麓付近まで広がる一方で、山麓の林縁部の草刈が行われず、あるいは竹林が放置されてヤブ状化していることが一因として挙げられます。

イノシシの生息数

イノシシは個体数変動の激しい動物であり、生息数や生息密度の指標となるデータも不足しており、生息数推定方法も確立されていないのが現状です。
しかしながら、現在の被害状況から被害を軽減させるためには個体数を抑える必要があるため、シミュレーションやモニタリング調査結果などから捕獲目標数を設定し、個体数調整を行っています。
平成12年度の生息数を7,000頭とした場合、平成18年度の生息数は9,545頭と推定されます。

イノシシの捕獲実績・捕獲目標

平成18年度の捕獲数が1,583頭で、その後増加傾向となり、平成20年度では1,918頭(うち北部管内:734頭)、平成22年度では3,711頭(うち北部管内:1,412頭)となっています。
平成18年度の推定生息数を9,545頭、捕獲実績数を約1,600頭としてシミュレーションした結果から、生息数を半減させるために平成19年度以降の捕獲目標数を2,300から2,600頭と設定しています。

捕獲について

狩猟による捕獲とともに、鳥獣保護法に基づく「農林業被害の防止」と「数の調整」などを目的とした捕獲許可による捕獲が行われています。

このページについてのご意見やお問い合わせは大阪府北部農と緑の総合事務所(みどり環境課)まで
Tel/072-627-1121(代) FAX/072-623-6849

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