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平成22年度「教育コミュニティづくり」実践交流会
平成22年度 大阪府・大阪市・堺市「教育コミュニティづくり」実践交流会を実施いたしました。
大阪市、堺市との共催で、大阪市中央公会堂にて開催された本年度の実践交流会は、大阪府内全域を対象とする実践交流会となりました。土曜日の午後にもかかわらず大阪府内より、地域でボランティア活動をされている方々をはじめ、学校や行政関係の方々に多数参加いただきました。
1. 日時
平成23年2月26日(土曜日) 午後1時 から 4時15分 (受付 午後12時30分から)
2. 会場
大阪市中央公会堂
3. 対象
- 学校関係者
- 「地域教育協議会(すこやかネット)」関係者
- 地域コーディネーター
- 学校支援コーディネーター
- 「学校支援地域本部」関係者
- 「おおさか元気広場」関係者
- 「学校元気アップ地域本部」関係者(大阪市)
- 教育コミュニティづくりに関心のある方 等
4. 研修内容
(1)オープニング リズムなわとび
寝屋川市立和光小学校 和光キッズクラブ
オープニングは、寝屋川市立和光小学校の和光キッズクラブの児童による「リズムなわとび」でした。1年生から6年生まで入れ替わり立ち替わり、音楽に合わせてみんなで元気に軽快になわを跳ぶ姿は、とてもすばらしいものでした。様々な飛び方が披露され、日頃の練習で楽しみながらがんばっておられる様子が、よく伝わってくる発表でした。
(2)あいさつ 大阪府教育委員会
(3)事業説明 「学校支援地域本部事業の成果と今後の取組について」
文部科学省生涯学習政策局 社会教育課 地域・学校支援推進室
連携支援係長 工藤 松太郎 氏
文部科学省からは「学校支援地域本部事業の成果と今後の取組みについて」、説明がありました。
地域でボランティアとして活躍されている方々にとって、全国で展開されている「学校支援地域本部事業」を知ることができる機会となりました。
(4)講演 「学校を核としたコミュニティ形成の必要性と課題 -いい学校は、いい地域にある-」
青森中央学院大学経営法学部 教授 高橋 興 氏
(中央教育審議会生涯学習分科会臨時委員)
講演では、青森中央学院大学 高橋教授にお話をいただき、「学校を核とした地域づくり」の大切さ、学校・家庭・地域の連携のあり方、「教育コミュニティづくり」の現状とこれからの方向性等を、学校関係者、コーディネーター、地域のボランティア、行政関係者のそれぞれの立場へご教示いただける内容でした。また、大阪の取組みについてもふれられ、これからの活動に励みとなりました。
講演への感想にも「保護者、地域、学校にとっての教育コミュニティづくりの意義など、今後の方向について示唆を得た」という記述が多くありました。
(5)実践報告(電子ポスターセッション)学校支援地域本部事業等の報告
ポスターセッション(実践報告)では、府内各地区と府立支援学校、大阪市、堺市から9つの実践報告がありました。
1つの報告につき3分間という短い時間でしたが、報告内容が焦点化され、それぞれの特色ある活動内容がよく伝わるものでした。
「同じような思いを持って活動を続けている方がおられると分かって、元気づけられた」「勇気をもらった」という声が寄せられました。また、「活動のヒントをもらった」という声も多数ありました。
A 豊能地区 北豊島中学校区教育コミュニティづくり
池田市立北豊島中学校区教育コミュニティづくり推進委員会
報告のポイント
- 北豊島中0(オー)援隊
- 自伸館(放課後学習支援)
- 図書部会
B 三島地区 小学校での英語活動
吹田市立佐井寺中学校区学校支援地域本部
報告のポイント
- 英語活動で、中学校英語へのスムーズな移行
- 社会教育で学んだスキルを発揮
- 子どもたちから元気をもらってやりがい百倍
- 保護者だけど、ボランティア!
C 北河内地区 学習習慣や生活習慣等の生活リズムの向上のために
門真市立第一中学校区学校支援地域本部
報告のポイント
- 地域の財産(人・施設)をつなげて活用
- 目的は生活習慣づくり、特別な活動は最少限に
- 目標やふりかえりを記入することで児童の自覚を促す
D 中河内地区 支援が必要な子どもたちの放課後の居場所づくり
柏原市放課後子ども教室 ☆い・ち・み☆
報告のポイント
- 市内全域の支援が必要な子どもたちが対象
- 活動内容とその思い
- 活動を続けてよかったこと
E 南河内地区 ゆめ☆まなびネット 活動のアイテム!
河内長野市立美加の台中学校区学校支援地域本部
報告のポイント
- おとなの居場所
- ボランティア研修・交流会
- チビボラさん
F 堺市(泉北地区) 地域協働型教育の推進
堺市立白鷺小学校学校支援地域本部
報告のポイント
- 学校支援地域本部 -つながる ひろがる たかまる しらさぎ-
- 学習支援活動の取組み 読み聞かせ・コンピュータ技能指導・学習支援等
- サタデーチャレンジ(土曜学校)の取組み 学習教室・茶の湯体験・わらもじ教室等
G 泉南地区 自分の生活を自分で組み立てることができる子どもの育成をめざして
岬中学校区地域教育協議会
報告のポイント
- 子どもの生活リズムを向上させる
- 家庭でのコミュニケーションを深める(対話)
- 地域ぐるみで子どもたちを育てる機運を醸成し、地域のつながりを深める
H 支援学校 学校支援ボランティア
大阪府立刀根山支援学校支援地域本部
報告のポイント
- ボランティア募集
- ボランティア向け研修会
- ボランティアの思い
I 大阪市 大阪市の学校元気アップ地域本部事業
大阪市教育委員会事務局 指導部
報告のポイント
- 学校元気アップ地域本部事業とは
- 学校元気アップの取組み
(6)パネルディスカッション
テーマ 「学校支援活動を通じた教育コミュニティづくり」
コーディネーター 大阪教育大学教育学部教養学科 発達人間福祉学講座 准教授 新崎 国広 氏
パネリスト 高橋 興 氏、 小山 仁志 氏、 大谷 裕美子 氏、 栗山 榮藏 氏、 嶋坂 美和 氏
電子ポスターセッションでの報告を深めることを目的に、報告者の中から、小学校関係者、中学校関係者、コーディネーター、行政関係者にパネリストととしてご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。
パネリストからはそれぞれの立場から、学校支援地域本部とPTAとの協力関係、食や環境教育についての企業との連携、喜んでボランティアとして参加していただくための工夫、行政の関わり方など、日頃の実践を踏まえた具体的なお話を頂きました。
参加者からは、「「教育コミュニティづくり」について様々な立場からの思いや意見が聞けて、大変参考になった」、という感想を多くいただきました。
ネリストの方が、ディスカッションの終わりにあたり示されたキーワード(一言)を紹介します。
- 「ためらわず、でしゃばらず」
- 「すべての人がお互いに恵まれること-互恵-」
- 「教える人ではなく、伝える人が学校に入っていく場がたくさんほしい」
- 「相互理解はおしゃべりから」
高橋教授からも、「大阪では、すこやかネットにはじまる取組みの財産があって、今とてもいい状態で進展している」と評価を頂き、活動の継続に向けて励ましを頂きました。
平成12年度から進められてきました地域の子どもを地域で育てる教育コミュニティづくりを土台として、平成20年度から府内で取り組まれてきました学校支援の取組みの進み具合を改めて実感するとともに、地域がそれぞれの特色を活かしながら主体的に取組み進めるための勇気やヒントを得ることのできた実践交流会でした。
5. 実践交流会アンケートより
実践交流会について参加者から多数の感想をいただきました。主な感想を紹介します。
- オープニング「リズムなわとび」について
- 和光キッズクラブ児童の日頃のがんばりを評価したい。
- 文部科学省からの事業説明について
- 今後の進展についての情報を得られて良かった。
- もっと平易な形で情報の提供をしてほしい。
- 講演について
- 学校の事情を地域の人に知ってもらえるわかりやすい説明であった。
- 保護者、地域、学校にとっての教育コミュニティづくりの意義、コーディネーターに求められることなどから、今後の方向について示唆を得た。
- 電子ポスターセッションおよびパネルディスカッションについて
- 電子ポスターセッションは簡潔なものでヒントが得られ、チャレンジする気持ちをもらえた。(時間が短く中途半端であったと感じる方も少数いらした)
- パネルディスカッションでは学校、コーディネーター、行政、教職関係者それぞれの立場から振り返り、自分自身が気づかなかった意見にふれられた。
- 地域の方と学校教員の温度差がある現実も聞けて、今後の関わりの必要性を感じた。
- 交流会全体について
- 学校と保護者、地域の方との相互理解の促進が大切と学んだ。
- 大阪全体で学校支援の活動にあらゆる人が努力されていると感じた。
- 内容、構成、進行と長く感じさせず、教育コミュニティについて、地域コミュニティについて学べた。
- 参加者が少ないのが残念。
- 学校の教員が参加していないことを残念に思う。
- その他
- セミナーがあれば参加してスキルアップをめざしたい。
- 家庭が抱える課題、地域との連携の難しさがわかるような話が聞きたい。