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水質用語
用語の説明
透視度 |
水の透明さを表す指標で、直径33~35mm、長さ1mのガラス円筒に試料を満たし、底にある十文字の二重線(線幅0.5mm、線間隔1mm)が初めて明らかに見える水深(1cmを1度とする)で表す。数値が小さいほど水が濁っていることを示す。 |
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pH |
水素イオン濃度を表し、pH=7で中性、pH<7で酸性、pH>7でアルカリ性である。 |
SS |
Suspended Solid(浮遊物質)の略。水中に浮遊している固形物の量をいう。 |
BOD |
Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)の略。水中の有機物などが微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量で、水質汚濁を測る代表的な指標である。この数値が大きいほど水中の汚濁物質の量が多いことを示している。 |
COD |
Chemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)の略。水中の有機物などが過マンガン酸カリウムなどの酸化剤によって酸化されるときに消費される酸素の量で、水質汚濁を測る代表的な指標である。この数値が大きいほど水中の汚濁物質の量が多いことを示している。 |
全窒素(T-N) |
Total Nitrogenの略。水中に含まれている無機性窒素化合物(アンモニア性窒素、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素)と有機性窒素化合物(たんぱく質など)中の窒素の総量で、燐とともに富栄養化の原因物質とされている。 |
全燐(T-P) |
Total Phosphorusの略。水中に含まれている燐化合物中の燐の総量で、窒素とともに富栄養化の原因物質とされている。 |
ノルマルヘキサン抽出物質 |
水中に含まれる比較的揮発しにくい炭化水素、炭化水素誘導体、グリース油状物質などのヘキサンによって抽出され、また、80±5°C、30分間の乾燥で揮散しないものをいう。鉱油及び動植物油等の油分の量を表す指標である。 |
ABS |
Alkyl Benzene Sulfonate(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の略。合成洗剤の主成分で洗浄力が大きい反面、微生物によって分解されにくく、河川等の汚染原因の一つとなっている。 |
フェノール類 |
石炭酸に代表される芳香族炭化水素のヒドロキシ化合物。消毒、殺菌・防腐剤として使われるが、特有の臭気と毒性を有している。 |
シアン |
シアン化合物は毒性が強く、微量でも下水浄化微生物や水生生物に障害を与える。 |
アルキル水銀 |
メチル水銀、エチル水銀などのアルキル基と水銀が結合した有機水銀化合物。有毒であり、メチル水銀は水俣病の原因物質とされている。 |
有機燐 |
有毒であり、パラチオン、メチルパラチオン、EPN、メチルジメトンの四種の有機燐系農薬が規制対象となっている。 |
カドミウム |
イタイイタイ病の原因物質とされている重金属であり、大量に長期間にわたって体内に入ると蓄積され、慢性中毒を起こす。 |
PCB(ポリ塩化ビフェニル) |
Polychlorinated Biphenylsの略。熱媒体、電気絶縁油、ノーカーボン紙など、広範に利用されたが、カネミ油症事件の原因となったため、現在、製造は中止されている。 |
六価クロム |
クロムは、二価、三価、六価の原子価を有し、六価クロムの毒性が特に高いため、全クロムとは別に厳しい排水基準が設定されている。 |
砒素 |
砒素の単体や砒素化合物は猛毒であり、有名な中毒事件としては森永ヒ素ミルク中毒事件がある。 |
総水銀 |
金属水銀、無機水銀化合物、有機水銀化合物などとして含まれる水銀の総量。いずれも有毒である。 |
クロム |
常温では極めて安定な重金属である。クロム化合物中「三価クロム」は、毒性が少ないとされており、クロムの毒性が問題になるのは「六価クロム」の化合物である。 |
トリクロロエチレン(TCE) |
有機塩素系化合物で、脱脂洗浄剤、溶剤として広く用いられてきた。目、鼻、喉への刺激、接触の繰り返しによる皮膚炎、吸入による、めまい、頭痛、吐き気、貧血、肝臓障害などを起こす。 |
テトラクロロエチレン(PCE) |
有機塩素系化合物。毒性はトリクロロエチレンと同様で、発がん性が指摘されている。 |
ジクロロメタン |
トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンの代替物質として、溶剤に用いられる他、ウレタン発泡助剤や冷媒等に用いられる。皮膚への刺激・薬傷、蒸気の麻酔作用、多量の吸引による急性中毒などがある。 |
四塩化炭素 |
オゾン層破壊の原因物質のひとつであり、フロンガス、フッ素樹脂の原料や機械器具の洗浄剤として用いる。麻酔作用があり、吸入や皮膚呼吸によって中毒を引き起こす。また、蒸気や飛沫が目に入ると炎症を起こす。 |
シス-1,2-ジクロロエチレン |
トリクロロエチレンの生分解中間生成物。高濃度のジクロロエチレン類は、麻酔、催眠作用があり、中枢神経の抑制作用もある。溶剤、染料抽出剤、香水、ラッカー、熱可塑性樹脂の製造、有機合成原料などに用いられている。 |
チウラム |
ジチオカーバメート系土壌処理殺菌剤。ゴムの加硫剤としても用いられている。催奇形性があるほか、咽頭痛、痰、皮膚の発疹、結膜炎、腎障害を起こす。 |
シマジン |
トリアジノン系の除草剤。水、有機溶剤にほとんど溶けず、自然環境中で比較的安定である。 |
チオベンカルブ |
チオカーバメート系の除草剤。土壌に吸着されやすく、塩素により容易に分解される。また、揮散しやすく、大気中で太陽光により速やかに分解する。 |
ベンゼン |
石油化学プロセスで製造され、ガソリン中にも1%前後含まれている。人への健康影響は造血機能障害が主で、再生不良性貧血、白血病の増加を起こし、また、発がん性がある。 |
セレン |
金属セレンの毒性は低いが化合物の毒性は非常に高く、神経障害、肝臓障害、皮膚障害、胃腸障害、高度の貧血などの障害を起こす。 |
1,4-ジオキサン |
主な用途は、有機合成反応用溶媒の他、種々溶剤(トランジスター、合成皮革、塗料、塩素系溶剤など)である。実験動物では発がん性が認められるものの、ヒトでの発がん性に関しては十分な証拠がないため、国際がん研究機関(IARC) の評価では2B(ヒトに対して発がん性が有るかもしれない)に分類されている。 |
ダイオキシン類 |
ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)の総称で、ごみの焼却などで非意図的に生成される。その毒性は、急性毒性、催奇性など多様であり、最近では内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)としても疑いが持たれ調査が行われている。 |
大腸菌群 |
大腸菌など、グラム陰性、無芽胞の短桿菌で、乳糖を分解して酸とガスを発生する好気性又は通性嫌気性菌の総称。大腸菌群数検査の目的は、糞便による汚染状況を調べることにより、腸管系病原菌(チフス菌、赤痢菌等)に対する安全性を確認することにある。 |
ND |
「大阪府流域下水道水質試験実施要領」による、分析データを報告する場合の最小下限値未満の値のこと。 |
参考文献:下水道用語集2000年版(日本下水道協会)、大阪府環境白書、財団法人関西環境管理技術センターホームページ(環境用語集)、化学物質の環境リスク評価(環境省環境リスク評価室)