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更新日:2024年10月15日

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有機フッ素化合物(PFOA等)

有機フッ素化合物(PFOA等)とは

フッ素を含む有機化合物のうち、ぺルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(Per- and PolyFluoroAlkyl Substances)の総称をPFASと呼びます。各国・各機関においてこれらの物質に関する管理の在り方が議論されてきています。
PFASの一種であるPFOA(ペルフルオロオクタン酸(Per Fluoro Octanoic Acid)の略称)及びPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸(Per Fluoro Octane Sulfonic Acid)の略称)は、撥水性と撥油性を併せ持つ特異な性質を有していることから、これまで様々な表面処理の用途に使用されてきました。
PFOAとPFOSの構造式

主な用途

  • PFOA・・・泡消火薬剤、繊維、電子基板、自動車、食品包装紙、石材、フローリング、皮革、防護服 等
  • PFOS・・・泡消火薬剤、半導体、金属メッキ、フォトマスク(半導体、液晶ディスプレイ)、写真フィルム 等

用途
※フライパン等にPFOAはほとんど残存していないこと、また、フライパン等を適切に使用した場合にはリスクがないことが確認されています。
【参考】
ファクトシート(科学的知見に基づく概要書) (内閣府食品安全委員会)

特徴・人の健康への影響

PFOA及びPFOSは、化学的に極めて安定性が高く、水溶性かつ不揮発性の物質であるため、環境中に放出された場合には河川等に移行しやすいです。また、難分解性のため、長期的に環境に残留すると考えられています。
これらの人の健康への影響については、各国・各機関である程度の知見が集積されつつあるものの、現時点において、発がん性等の毒性について国際的に統一された評価値はありません。

国内外での規制状況

PFOAは、POPs(ポップス)条約で、製造・使用、輸出入を原則禁止する物質に挙げられています。国内では、化審法に基づき、原則として製造・輸入・使用が禁止されています。
PFOSは、POPs条約で、製造・使用、輸出入を制限する物質に挙げられています。また、PFOAと同様、化審法に基づき、原則として製造・輸入・使用が禁止されています。

また、2023年2月にPFOA、PFOS及びその塩が水質汚濁防止法の指定物質に追加されました(環境省報道発表資料(外部サイトへリンク))。これらの物質が事故により公共用水域等に排出され、人の健康や生活環境に被害が生じるおそれがあるときは、事業者は速やかに応急措置を講じるとともに知事に届け出る必要があります。

事故時の措置に係る届出書

なお、水質汚濁防止法及び大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく排水基準は設定されていません。

河川や飲み水での基準

PFOA及びPFOSは、2020年5月に、水質汚濁に係る要監視項目(※1)に指定され、河川や飲み水などにおける暫定的な目標値(指針値)(※2)として、PFOS及びPFOAの合計値で50ng/L(※3)以下とされました。(環境省報道発表資料(外部サイトへリンク)
なお現在、土壌や食物(米・野菜等)に関する指針値等はありません。
※1 要監視項目は、「人の健康の保護に関連する物質ではあるが、直ちに環境基準とはせず引き続き知見の集積に努めるべき」とされている項目です。(要監視項目(環境省)(外部サイトへリンク)
※2 指針値は、「体重50kgの人が、一生涯にわたり1日2Lの水を飲用しても健康に対して有害な影響がないと考えられる濃度」として設定されています。
※3 1ngは、1gの10億分の1の重さです。

国における検討状況

PFOS、PFOA及びPFASに係る科学的知見の集積並びに国際的な動向を踏まえ、国においても各種検討が進められています。

環境省

  • PFASのうち特に関心が高いPFOS、PFOAについては、住民の不安に寄り添い透明性を確保しながら適切な情報発信を行っていく必要があるため、現時点の科学的知見に基づき、本専門家会議の監修の下でQ&A集が作成されました。
    PFOS、PFOAに関するQ&A集(外部サイトへリンク)(2024年8月 環境省、PFASに対する総合戦略検討専門家会議)
  • 国内外の最新の科学的知見及び国内でのPFAS検出状況の収集・評価を行い、これらを踏まえた科学的知見に基づくPFASに対する総合的な対応策についてとりまとめられました。
    PFASに関する今後の対応の方向性(外部サイトへリンク)(2023年7月 PFASに対する総合戦略検討専門家会議)

内閣府食品安全委員会

食品安全委員会は、自らの判断で行う食品健康影響評価として、有機フッ素化合物(PFAS)に係る食品健康影響評価を行い、2024年6月25日に評価書をとりまとめました。
その結果、食品健康影響の指標値は、耐容一日摂取量(TDI)としてPFOSは20 ng/kg体重/日、PFOAは20 ng/kg体重/日と設定することが妥当と判断されました。また、PFHxSについては、評価を行う十分な知見は得られていないことから、現時点では指標値の算出は困難であると判断されました。
ただし、将来的に、今回の検討時には不十分であったPFASの健康影響に関する研究・調査結果の一貫性、影響の度合いの臨床的意義、用量反応関係等に関する情報等の科学的知見が集積してくれば、TDIを見直す根拠となる可能性はあるとしています。
「有機フッ素化合物(PFAS)」の評価に関する情報(外部サイトへリンク)

PFOA及びPFOSに係る説明資料

摂津市内における有機フッ素化合物(PFOA等)対策について

大阪府では、摂津市内で過去にPFOAを取り扱っていた事業所周辺の公共用水域及び地下水において、PFOA等が暫定指針値を超過して検出されていることから、継続的に監視を行うことを目的として、PFOA等に係る水質調査を実施しています。
また、大阪府は当該事業所の対策実施状況を確認するとともに、同事業所に対し恒久的な流出防止対策を早期に実施するよう要請しています。
国に対しては、PFOA等の曝露による人の健康への影響についての評価結果を踏まえた水質、土壌及び農作物等の汚染に係る指針値を示すこと、環境中におけるPFOA等の挙動等について明らかにし、汚染原因の究明や濃度低減等の対策について具体的な方法を示すこと、を要望しています。(国の施策・予算に関する大阪府の提案・要望)
なお、摂津市内の地下水については飲用利用がないこと、水道原水については水道の暫定目標値を下回っていることが同市により確認されています。(摂津市ホームページ(外部サイトへリンク))

摂津市内のPFOA等に係る水質調査結果等について

摂津市内のPFOA等に係る水質調査結果及び事業所による対策の実施状況等についてはこちらです。

摂津市内のPFOA等調査結果(大阪府実施) 令和6年8月実施の水質調査結果について掲載しました。

大阪府域河川のPFOA等の調査結果について

大阪府域の公共用水域(河川)に係るPFOA等の調査結果については、こちらに掲載しています。

参考(全国の状況)

全国の調査結果については、環境省のページに掲載されています。

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