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更新日:2009年8月5日

ページID:29127

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アスベストに関する健康相談Q&A

Q&A項目一覧

アスベストに関する一般論について

アスベストが引き起こす病気について

病気の予防・早期発見・医療について

患者・家族の方へ

Q&A

アスベストに関する一般論について

Q1

アスベスト(石綿)とはどのようなものですか?

アスベストは天然の鉱物繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリにも強い特性を持っています。つまり、丈夫で変化しにくく、加工しやすいなど建築材料、産業機械、化学設備などに幅広く使われてきました。

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Q2 アスベストは何に使用されているのですか?

製品の大半は、スレート、ビニールタイル、外壁材、内装材など建材製品です。
このほか、化学プラント等の配管や機器のガスケット、パッキン、耐熱・電気絶縁版、自動車のブレーキ・ライニング、クラッチ・フェーシングなどの磨耗材など、広範に使用されてきまし
た。

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Q3 アスベストの特徴は何ですか?

アスベストの1本の繊維は直径数ミクロンからそれ以下、長さは数ミクロンから数十ミクロンといった非常に小さなものです。
このため、容易に空気中を浮遊し、人が吸い込みやすいという特質を持っています。

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Q4 なぜ、アスベストは健康に悪いのですか?

アスベストは非常に飛散しやすく、それを人が吸い込むことにより影響を与えます。
アスベストは通常の環境では半永久的に分解、変質しません。
私たちは異物を吸い込んだ場合は咳や痰とともに体外に出す仕組みを持っていますが、アスベストはあまりにも小さいため、体内に残ることがあります。

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Q5 岩綿(ロックウール)と石綿(アスベスト)は違うのですか?

岩綿と石綿は全く別のものです。岩綿は人造の繊維であるのに対し、石綿は天然の繊維です。現在、岩綿は、IARC(国際ガン研究機関)によれば、発がん性がある物質には分類されていないとのことです。
ただし、「岩綿」と表示されているものでも石綿が含まれている場合がありますので、不安を感じる場合は製造メーカー等への確認をお願いします。

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Q6 自宅にアスベスト製品が使われているのではないかと不安なのですが。

吹きつけ石綿や劣化した製品でなければ、アスベストとゴム、セメントといった他の物質と混在した多くの石綿製品は、そのままでは飛散しにくいものが多いと思われ、心配しすぎないことも大切です。
見た目の判断では困難なものもあり、こすったり、切ったり、割ったりせず、製造メーカー、分析機関、石綿除去などの専門家にお問い合わせください。

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アスベストが引き起こす病気について

Q7 アスベストが原因で発症する病気にはどのようなものがありますか?

アスベストを扱うことにより発症する疾病としては以下のものがあります。

  • 中皮腫
  • 肺がん
  • 石綿肺(じん肺)
  • びまん性胸膜肥厚
  • 胸膜炎

なお、これらの病気を発症するまでの潜伏期は15年から50年程度とされています。

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Q8 アスベストをどのくらい吸い込めば病気になるのですか?

アスベストを吸い込んだ量が多いほど発病する可能性は大きくなることが知られていますが、どのくらいの量を吸い込めば発病するかについては、確かなデータがありません。
発病した人の大半はアスベストを仕事で扱うなど、長期間にわたりアスベストにばく露された方々です。

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Q9 胸膜中皮腫とはどのようなものですか?

胸膜中皮腫は肺の外側を包む胸膜にできた悪性腫瘍です。「がん」の一種と考えてください。最初の症状は息切れや胸痛が多いとされていますが、初期ではほとんど症状が出ないこともあります。症状が進行すると大量の胸水がたまったり、腫瘍が大きくなって肺や心臓を圧迫して胸痛や息苦しさが出現します。
非常にまれな病気で、肺がんの1%程度の頻度でしか起こりません。
中皮腫は胸膜、腹膜、心膜などに発生しますが、ほとんどが胸膜です。また、その多くはアスベストが原因とされています。潜伏期間は平均20年から50年と言われていますが、もっとはやく発病する場合があります。

最初に胸部エックス線やCTで胸膜の異常が見つかった場合は胸膜の一部や胸水を採取し、検査することによって診断をつけます。

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Q10 胸膜中皮腫の治療はどのようにするのですか?

病気の進行度によりますが、限局している初期には外科治療が選択され、進行すると放射線療法、化学療法により治療します。

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Q11 アスベストによる肺がんとはどのようなものですか?

アスベストが肺がんを引き起こすことはよく知られています。これは肺にたまったアスベストが肺の細胞を刺激してがん化させるためと考えられています。
ただし、肺がんがアスベストによって発生したものか、別の原因で発生したものかについては判断は難しいとされています。また、アスベストにばく露している人が喫煙をしている場合、肺がんとなる可能性が飛躍的に高くなることが知られています。
潜伏期は15年から40年とされています。
肺がんは日本人のがんの中で最も死亡者数の多いがんで、初期は自覚症状がないことも少なくありません。ある程度進行すると咳、痰、息切れ、呼吸困難などの症状が出現します。
初期には外科切除を行いますが、肺は大量の血液が流れているので、早い時期から転移を起こしやすく、治療が困難ながんのひとつです。転移がんに対しては化学療法などが
選択されます。

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Q12 石綿肺とはどのようなものですか?

肺の組織が線維のように硬くなり、本来の肺の役割である換気ができなくなる病気です。10年以上の長期間にわたって石綿を扱う職業に従事した人に起こることが知られています。潜伏期間は15年から20年程度とされています。
現在のところ根治は困難ですが、酸素療法などで生活の質の維持を図ります。

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Q13 びまん性胸膜肥厚とはどのようなものですか?

胸膜は肺側の臓側胸膜と表皮側の壁側胸膜があり、その間に少量の胸水がたまっていますが、アスベストによって胸膜に炎症がおこり、その結果、胸膜どうしが癒着して厚くなる場合があります。
胸部エックス線で胸膜が肥厚して見えるのでそのように呼ばれます。胸膜が癒着すると肺をうまくふくらませることができず、呼吸困難を起こすことがあります。

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Q14 アスベストによって生じる胸膜炎とはどのようなものですか?

胸膜腔内に胸水がたまって炎症がおこります。咳や呼吸困難などの症状がありますが、自覚症状がない場合が少なくないとされています。

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病気の予防・早期発見・医療について

Q15 アスベストを扱う職業についていましたが不安です。検診はどこで受けられますか?また、病気の予防法はありませんか?

アスベストを吸い込んでから発病するまでの潜伏期は15年から50年といわれています。
この間、胸部エックス線検査を行うと、アスベストを吸い込んでいた可能性を示唆する所見が見られる場合もありますが、全ての方にそのような所見が見られるとは限りません。
各市町村の行う肺がん検診など、胸部エックス線検査を定期的に受け、病気の早期発見、早期治療に努めることが重要です。
職場等で検診の機会のある方は忘れずに必ず受診してください。
また、たばこは肺がんの発病に大きく関係していることが知られています。
国際的な研究によると、アスベストにばく露ぜず、喫煙しない人に比べて、アスベストにばく露した人が肺がんを発症する危険は約5倍、喫煙する人が肺がんを発病する危険は10倍となります。さらに、アスベストにばく露した人が喫煙すると、肺がんを発病する危険は50倍にもなります。(他にも日本をはじめ、様々な報告がありますが、アスベストばく露と喫煙が重なると肺がんを発病する危険は飛躍的に高まることが明らかになっています。)
喫煙されている方は是非禁煙されるように特にお勧めします。

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Q16 どのような症状があれば、これらの病気を疑う必要がありますか?

過去にアスベストを扱う仕事に就いていたなど、アスベストとの接点がある場合は、咳、痰、呼吸困難、胸痛などの症状があれば一応アスベストによる病気を疑う必要があります。
ただし、初期の段階では自覚症状がない場合もありますので、定期的に胸部エックス線検査等を受けることが重要です。

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Q17 自覚症状もあり、心配なのですが、どの病院で診てもらえればよいですか?

まずは、かかりつけのお医者さんに相談してください。必要があれば、専門医療機関を紹介してもらえます。
また、アスベストによる病気は、多くの呼吸器専門の医療機関や総合病院で治療を行っています。
大阪府医療機関情報システム(外部サイトへリンク)
(主な府内専門医療機関)

  • 国立病院機構刀根山病院(豊中市刀根山)06-6853-2001
  • 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター(堺市長曽根町)072-252-3021
  • 労働者健康福祉機構大阪労災病院(相談・特殊検診)(堺市長曽根町)072-252-3561
  • 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター(羽曳野市はびきの)0729-57-2121

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患者・家族の方へ

Q18 アスベストを取り扱う作業等により、がんになりました。どうすればよいですか?

業務上、アスベストを吸入してがんや石綿肺などの病気に罹った場合は労災として補償給付を受けられる場合がありますので、まずはお近くの労働基準監督署までご相談ください。
原発性肺がん・中皮腫の労災認定フロー図(PDF:61KB)

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Q19 昔勤めていた工場はすでに廃業していて存在しませんが、自分(家族)はアスベストが原因で病気になりました。どうしたらよいですか? 業務上、アスベストを吸入してがんや石綿肺などの病気に罹った場合は労災として補償給付を受けられる場合がありますので、まずはお近くの労働基準監督署までご相談ください。
原発性肺がん・中皮腫の労災認定フロー図(PDF:61KB)

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Q20 家族が中皮腫で死亡しました。自分も不安なので検診を受けたいのですが、どうすればよいですか? 検診についてはQ15のAに同じです。各市町村の行う肺がん検診などの胸部エックス線検査を定期的に受けて病気の早期発見、早期治療に努めることが大切です。職場等で検診の機会のある方は忘れずに必ず受診してください。

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