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令和元年度の主な税制改正の紹介
令和元年度税制改正の主な内容について、府税を中心にご紹介します。
1 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税の創設
(1)特別法人事業税の創設
令和元年10月1日以後に開始する事業年度より、消費税率10%段階において復元後の法人事業税(所得割・収入割)の一部(法人事業税の約3割)を分離し、特別法人事業税(国税)とし、法人事業税の税率を引き下げます。
主な税率区分 |
法人事業税(所得割・収入割) 注:( )内は標準税率 |
特別法人事業税 |
||
---|---|---|---|---|
復元後 |
改正後 |
創設 |
||
資本金1億円超の普通法人 |
3.78%(3.6%) |
→ | 1.18%(1%) |
標準税率分 事業税額の260% |
資本金1億円以下の普通法人等 |
10.08%(9.6%) |
→ | 7.48%(7%) |
標準税率分 事業税額の37% |
収入金額課税対象法人 |
1.365%(1.3%) |
→ | 1.065%(1%) |
標準税率分 事業税額の30% |
(2)特別法人事業譲与税の創設
令和2年度から譲与が開始されます。「人口」を譲与基準とし、不交付団体に譲与制限の仕組みを設けます。
2 車体課税の見直し
(1)自動車税種別割の税率引下げ(恒久減税)
令和元年10月1日以後に新車新規登録を受けた自家用乗用車から、小型自動車を中心に全ての税率区分において、種別割の税率を引き下げます。
税率区分 |
1,000cc以下 |
1,000cc超 |
1,500cc超 |
2,000cc超 |
2,500cc超 |
---|---|---|---|---|---|
引下げ幅 |
4,500円 |
4,000円 |
3,500円 |
1,500円 |
1,000円 |
- (2)自動車税種別割における「グリーン化特例(軽課)」の見直し
- 環境性能割の導入を契機に、自家用乗用車に係るグリーン化特例(軽課)の適用対象を、電気自動車等に限定します。
- 消費税率引上げに配慮し、令和3年4月1日以後に新車新規登録等を受けた自家用乗用車から適用します。
- (3)自動車取得税における「エコカー減税」の軽減割合等の見直し
軽減割合等について一定の見直しを行った上で、適用期限を6月延長し令和元年9月30日(*)までとします。
* 適用期限が令和3年3月31日まで延長されました。(令和2年法律第26号) - (4)需要平準化対策に係る自動車税環境性能割の臨時的軽減
自動車の取得時の負担感を緩和するため、令和元年10月1日から令和2年9月30日までの間に取得した自家用乗用車について、環境性能割の税率を1%分軽減します。 - (5)都道府県自動車重量譲与税制度の創設
自動車重量税の譲与割合を段階的に引き上げることで国税から地方税への税源移譲を行い、都道府県自動車重量譲与税制度を創設します。 - (6)その他
令和元年度税制改正に係る車体課税の見直しに伴う都道府県・市町村間の財源調整のため、自動車税環境性能割交付金に係る交付率を見直します。
[現行:65% → 令和元年度から令和3年度まで:47% → 令和4年度以降:43%]
3 ふるさと納税制度の見直し
総務大臣は、地方財政審議会の意見を聴いた上で、次の基準に適合する地方公共団体をふるさと納税(特例控除)の対象として指定します。
- (1)寄附金の募集を適正に実施する地方公共団体
- (2)((1)の地方公共団体で)返礼品を送付する場合には、以下のいずれも満たす地方公共団体
- 返礼品の返礼割合を3割以下とすること
- 返礼品を地場産品とすること
4 森林環境税・譲与税の法制化
- (1)森林環境税の創設[令和6年度から課税]
納税義務者等:国内に住所を有する個人に対して、年額1,000円を課する国税
賦課徴収等:市町村が個人住民税と併せて賦課徴収し、都道府県を経由して交付税及び譲与税配付金特別会計に直接払込み - (2)森林環境譲与税の創設 [令和元年度から譲与]
譲与総額:森林環境税の収入額(全額)に相当する額
譲与基準:総額の1割に相当する額を私有林人工林面積(5月10日)、林業就業者数(2月10日)、人口(3月10日)で按分
使途:森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用
5 子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置
子どもの貧困に対応するため、事実婚状態でないことを確認した上で支給される児童扶養手当の支給を受けており、前年の合計所得金額が135万円以下であるひとり親に対し、個人住民税を非課税とする措置を講じます。(令和3年度分個人住民税から)