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更新日:2024年11月21日

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中学生の「税についての作文」

中学生の「税についての作文」は国税局及び全国納税貯蓄組合連合会が主催するものです。
以下、大阪府知事賞受賞作品をお読みいただけます。
内閣総理大臣賞など、その他の受賞作品についても、税の作文(中学生・高校生)(外部サイトへリンク)からお読みいただけます。

令和6年度中学生の「税についての作文」大阪府知事賞受賞作品

【題名】税金が切り開く未来
【学校名・学年】大阪市立西中学校・3年
【氏名】田畑 奏

 今年は高校を受験する年だ。受験勉強にも本腰を入れ始める夏休み、そろそろ私も進路を決めねばならない。ウェブでどんな高校があるのか調べてみると、それぞれ違った校風があり、どこもなかなか楽しそうだ。
 そういえば、公立高校と私立高校では入学金や授業料に違いがあり、私立は相当お金がかかってしまうと聞いた覚えがある。そこで、実際にどの程度の差なのか、調べてみた。
 私が住む大阪府の場合、公立高校と私立高校の一年次にかかる入学金や授業料の総額は、およそ六十万円の差があることが分かった。また、制服代や教科書代などを合わせると、さらに差は広がるようだ。
 そして、更に調べてみると、令和六年度から大阪府では、私立高校と公立高校の授業料無償化が始まるとのことだ。保護者の所得の大小や子供の人数に関係なく、公平に家計の負担がなくなる仕組みである。
 授業料自体は公立と私立で差があるのだが、全て無償化され、家族の負担の差はほぼ埋まることになる。その結果、家庭の経済事情で進学希望を諦めることがなくなり、学力さえあればどこの高校にも進学できるのだ。税金を元にした授業料無償化という仕組みによって、私たち高校進学希望者に対する「教育の機会均等」が実現するのは素晴らしいことだ。
 私はここに、税金の果たす重要な役割の一つを見出す。憲法には、日本国民は皆健康で文化的な最低限の生活を営む権利を持つという旨が書かれている。社会が発展し、人々の生活が向上していくと、この「最低限の」という意味もレベルアップしていくものなのだろう。そして、税金は大阪府に住む全ての中学生に対して公平に、自分の望む高校で学ぶ上での経済的制約をなくしてくれるのだ。
 税金を元に給付される様々な公共サービスは、国民の生活をある意味公平に守ってくれるものだ。火事になれば消防車が駆け付け、事件や事故が起きたら警察が守ってくれる。公園は地域の住民に安らぎの場を与え、公共道路や公共交通機関は人々の生活の足となる。
 これらと同じように、高校の授業料無償化は私たち中学生に未来の可能性を与えてくれる。税金を元に授業料をまかなうことで、家庭の環境や経済状況などで私たちの将来が閉ざされることがないように、いわば税金が私たちの未来を切り開いてくれるのだ。
 税金と聞くと、「増税には反対だ」「税金をもっと減らすべきだ」と声高に叫ばれることが多い。しかし、その税金を元に、私たち国民の暮らしに必要な様々な公共サービスが私たちの元に与えられることを忘れてはいけない。私たち公立中学校に通う中学生にも、年に一人当たり約百万円の税金が投入されているという。中学生にとって、税金とは決して縁遠いものではない。だから、一人前の大人になった日には、税で与えてもらった希望を恩返しできるような人間になりたい。

令和5年度中学生の「税についての作文」大阪府知事賞受賞作品

【題名】改めて考える税金
【学校名・学年】羽衣学園中学校・3年
【氏名】川合 彩月

 私の家の近くに市のコミュニティバスの停留所がある。先日帰宅途中に、バスを待っているお婆さんから話しかけられたことがあった。文字が見えにくいので、次に来るバスの時刻を時刻表で見てほしいと頼まれた。決して多い本数ではなかったが、日中は1時間に数本あり、市内をくまなくまわっている。運賃は一律160円。コミュニティバスどうしの乗り継ぎもできる。民間のバス会社の初乗り運賃よりも安い。このバスがあることでとても助かっているのだとそのお婆さんはありがたそうに言っていた。このバスは私たちの納めた税金で運営されていると知った。私が住む市だけではなく、他の市でも似たようなコミュニティバスが走っているのを見たことがある。調べてみると、市税の都市計画税という税金だそうだ。私は、今まで税金というものを深く考えることがなかった。確かに物を買うときは10%や8%の消費税を支払う。図書館などの公共施設を利用する。そういったことでしか、自分と税金との関わりを感じとることができていなかったのだ。だが、税のありがたみを改めて実感するできごとがあった。
 先月、祖母が引っ越しをした。祖母の家の前の道路が拡張されることになり、そのため土地を市に買い取ってもらい、何メートルか下がって家を建て直すことになった。今、前の家を取り壊し中で新しい家ができるまでの一年ほどは、別の賃貸物件に居住する。その立ち退き費用や、新しい家の建築費用、賃貸物件の賃料などの諸費用を賄えるほどのお金が支給された。びっくりするほどの大きな金額で、これらは全て税金で払われていると知った。それはもちろん祖母の家だけではなく、祖母の家の近所一帯が立ち退きの対象になっているので、査定額にバラつきはあるものの、決して安い金額ではないお金がどの家にも支払われていることになる。より良いまちづくりのために、道路を拡張することで人や車の流れが変われば、新しい商店などもでき、まちの発展に繋がるだろう。また、災害時に緊急車両が通りやすくなり、より安心で安全に暮らせるようになる。これこそそのまちに住む人々のためになる税金の使われ方だと思った。
 日々のニュースで取り上げられるのは、コロナ禍での布マスクの余剰在庫など、税金の無駄遣いについての事柄が多い。私たちが納める税金は、私たちのために適正に使われてほしいものだ。税金の使われ方は国民の代表である議員が決める。そのためには、私たち一人一人が政治に関心をもち、日々その動向をチェックしていかなければならない。まずは私が18歳になったら、選挙の際には必ず投票に行こうと思う。そして、自分で稼いだお金を納税するようになったら、一層社会との関わりを他人事だとは思わずに自分事として考えていきたい。

令和4年度中学生の「税についての作文」大阪府知事賞受賞作品

【題名】未来が輝く制度
【学校名・学年】大阪市立 新巽中学校・3年
【氏名】高島 杜輪

 税金と言えば、消費税が私たち学生にとって一番身近な税金だと思います。しかし、私はそれを普段あまり深く考えずに納めているので、具体的な使い道は知りませんでした。
 私の家庭は母と姉、私の母子家庭です。母は私たちのために一生懸命働いてくれましたが、癌を患って働きづらくなってしまいました。もちろん生活は苦しく、当時幼かった私もそれを感じていました。そんな環境の中、姉は高校に入学することができました。ですが高校にはたくさん費用がかかり、我が家にはそんな余裕はありません。そんな時、授業料支援補助金によって我が家は助けられていると母から教えてもらいました。私はそれについて気になり、調べてみました。
 すると、私の家庭のような生活の苦しい家庭を対象とした、高校の授業料を国が支援する制度だと分かりました。各家庭の収入によって補助金額は異なります。さらにこの制度に加えて大阪府では、私立高校の授業料無償化の制度もあって、子どもたちが進路選択段階で家庭の経済状況関係なく、自らの希望や能力に応じて自由に学校選択できるようになっています。また、二年前から大学でも授業料の支援が始まりました。大学ではほとんどの学生が多額の借金に悩まされ、問題となっていました。ですが今は、大学卒業後には学びを活かしてそれぞれの道で活躍し、社会に貢献できるようになっています。
 これらの補助金は税金で賄われています。私は今まで、税金が何に使われているかなど考えもしませんでした。こんなに身近で、希望と夢を与えてくれる素敵なものなのです。税金は私の夢を支えてくれます。感謝と頑張ろうという気持ちが湧いてきました。
 今年受験生となった私は、これからの進路選択で自分の行きたい学校を目指せます。大学に進学する三年後も、たくさんの選択肢から自分の道を選ぶことができます。家庭の経済状況は関係ありません。諦めなくて良いのです。それは全て税金のおかげです。世の中にはまだ、家庭の事情で大学、高校にさえ進学できない若者がいます。私はこの授業料支援補助金の制度を大阪府だけでなく、全国で適用されることを願います。どのような経済状況であっても未来に進める、そんな温かい税金に込められた思いを、たくさんの人に知ってもらいたいです。

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