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工業指数について
工業指数について
大阪府工業指数について
大阪府内の製造工業の動向を総合的に把握することを目的として、生産、出荷、及び在庫の各指数を作成しています。
工業指数は、工業生産関連の産業が経済活動全体に対して高いウェイトを持つこと、景気の動向に敏感であること、速報性があることなどから、景気動向判断をはじめとする経済分析や地域間比較をするための重要な指標の一つとなっています。
指数の作成
1 種類
- 生産指数:製造工業の生産活動の全体的な水準の推移を示す
- 生産者出荷指数:生産活動によって産出された製品の出荷動向を総合的に表すことにより、工業製品に対する需要動向を観察する
- 生産者製品在庫指数:生産活動によって産出された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す
- これらの指数は、「生産者」あるいは「生産者製品」を省略して、単に「出荷指数」、「在庫指数」と記載することがあります。
2 基準年
基準年及びウェイトの算定年次は、2020年(令和2年)です。
3 対象範囲
日本標準産業分類による製造業です。
4 分類
日本標準産業分類を基本とした業種分類と、経済的用途に着目した財分類の2つの分類方法により指数を作成しています。
(1)業種分類
日本標準産業分類の第13回改定(平成25年10月統計基準設定)に準じて作成していますが、利用上の便宜から、若干の組替えを行っています。
総合指数は「製造工業」で作成しています。
また、参考業種を以下のとおり作成しています。
- 「機械工業」…生産用機械工業、汎用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、電気・情報通信機械工業、輸送機械工業を一括りにしたもの
- 「化学工業(除.医薬品)」
- 「化学工業(除.無機・有機化学工業、医薬品)」
- 「(旧)はん用・生産用・業務用機械工業」
(2)財分類
製品の経済的用途に着目した財別の格付けをしたものです。まず、最終需要に向けられる「最終需要財」、生産活動に再投入される「生産財」に分類します。
最終需要財は、資本形成に向けられる「投資財」と家計で消費される「消費財」に分類します。
投資財は設備投資に向けられる「資本財」と建設活動に向けられる「建設財」に分類します。
消費財は耐久物である「耐久消費財」と非耐久物である「非耐久消費財」に分類します。
生産財は、鉱工業の生産に再投入される「工業用生産財」と他産業の生産活動に再投入される「その他用生産財」に分類します。
5採用品目
主に「経済産業省生産動態統計調査」の調査結果を使用しています。ただし、ここから入手できない品目については、大阪府独自でデータの入手を行っています。
各指数の採用品目数は、次のとおりです。
- 生産指数 259品目
- 出荷指数 256品目
- 在庫指数 183品目
採用品目は、各業種分類・財分類ごとに代表性を考慮し、基準改定時に見直しを行っています。
大阪府独自で行っているデータの提供元は、次表のとおりです。
品目名 |
資料提供団体名 |
---|---|
冷凍調理食品、清酒、しょう油、飼料 |
近畿経済産業局 |
鉄鋼切断品 |
全国厚板シヤリング工業組合 |
ボルト・ナット |
(一社)日本ねじ工業協会 |
鉄道車両 |
(一社)日本鉄道車輌工業会 |
生コンクリート |
大阪兵庫生コンクリート工業組合 |
医薬品 |
厚生労働省 |
飲用牛乳、小麦粉 |
農林水産省 |
かまぼこ・ちくわ | 大阪府中央卸売市場 |
味そ |
大阪府味噌工業協同組合 |
砂糖 |
精糖工業会 |
ステンレス製魔法瓶、ガラス製魔法瓶 |
全国魔法瓶工業組合 |
その他の品目 | 関係業界団体及び事業所 |
6 指数の計算方法
基準時を固定して加重平均するラスパイレス算式を使用しています。
7 ウェイト
製造工業全体を10000.0とした構成比によって表しています。
ウェイトの算出には、「経済センサス-活動調査」を基礎データとして、他に「経済産業省生産動態統計調査」などの調査結果を利用しています。
生産指数に用いる付加価値額ウェイトは経済センサス-活動調査の産業別付加価値額を基礎にしています。
採用品目のうち一定割合以上が他業種によって生産されている品目については、当該品目の業種別生産構成比によって調整を行っています。
出荷指数に用いる出荷額ウェイト、在庫指数に用いる在庫額ウェイトは、それぞれ経済センサス-活動調査による品目別出荷額及び在庫額を基礎にしています。
品目別ウェイトは、業種別ウェイトを採用品目の金額構成比により按分しています。
8 季節調整
原指数は、同じ月の動き(前年同月比)や年単位の動向を見る場合に使用できますが、気候の変化、自然条件や社会的習慣、制度などの1年を周期とする季節変動が含まれているため、前月との比較(前月比)や足元の動向をみるには季節調整が必要とされます。
原指数から季節変動分を除去した指数が季節調整済指数です。季節調整は次の方法で行っています。
(1)手法
季節調整はセンサス局法(X-12-ARIMA)を採用しています。季節要因に加え、曜日・祝祭日要因及びうるう年要因により調整を行っています。(ただし、在庫指数は季節要因のみ)
季節調整済指数=原指数÷(季節・曜日・祝祭日・うるう年指数)
(2)スペックファイル
使用したスペックファイルの見本は、以下のとおりです。
(3)季節指数
季節指数は2016年1月から2023年12月までの8年間で算出しています。
曜日・祝祭日・うるう年指数は、上記(2)で推計されたパラメータとカレンダーから計算して利用しています。
(4)異常値処理
2020年基準改定において異常値処理を行った種別、年月は、以下のとおりです。
系列名称 |
異常値種別 |
処理年月 |
---|---|---|
生産指数 |
LS |
2020.4 |
出荷指数 |
LS |
2020.4 |
在庫指数 |
LS |
2020.4 |
※LS:Level Shift(水準変化)
これにより、以下のスペックファイルを修正しました。
生産指数 regression{ variables = (td1nolpyear lpyear LS2020.04)
出荷指数 regression{ variables = (td1nolpyear lpyear LS2020.04)
在庫指数 regression{ variables = (td1nolpyear lpyear LS2020.04)
9 寄与度
ある業種(品目)の増減が、全体(総合指数)の伸び率をどの程度押し上げ(押し下げ)ているかを示すものです。
寄与度については、計算の過程で季節調整等の要素による誤差が発生するため、
寄与度の合計値は製造工業全体の増減値と一致しない場合があります。
10 年間補正
毎月の確報値の公表後、月別の実数値(経済産業省生産動態統計調査などの指数値の計算に利用するデータ)に補正が生じるため、前年1年分について、補正した実数値を基に指数を再計算します。これが当該年の指数の最終確定値となります。
11 接続指数
2020年(令和2年)基準指数は、2018年(平成30年)1月からの数値を作成・公表しています。それ以前の時点のデータは、2020年基準指数との比較を可能にするため、旧基準指数に接続係数を乗じて、2020年基準指数に接続させており、これを接続指数といいます。
なお、旧基準指数とは分類・ウェイト・品目構成等が異なっているため、接続指数の作成はあくまで便宜的な処置です。