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長周期地震動対策工事の実施状況
長周期地震動に対する咲洲庁舎の安全性向上を図るため、平成23年度から25年度にかけて以下の対策工事を実施しました。
- (1) 制震ダンパーの設置(鋼材系ダンパー152台(長辺方向)、オイルダンパー140台(短辺方向)) 【平成26年1月 工事完了】
→ ダンパーが地震エネルギーを吸収することで、建物の揺れ幅や揺れ時間を低減。 - (2) エレベータの安全対策(ロープ引掛り防止のためのプロテクタの設置、長周期振動時管制運転装置の設置) 【平成24年8月 工事完了】
- (3) 内装材等の耐震対策(天井・階段室壁の脱落防止措置、防火戸の取付け部の調整) 【平成26年1月 工事完了】
- (4) 受水槽の耐震化(強度の高い水槽への取替え) 【平成24年9月 工事完了】
〔1〕制振ダンパーの設置
鋼材系ダンパーの設置
鋼材の塑性変形(ひずみ)を利用して地震エネルギーを吸収し、建物の揺れや構造体に与える損傷を軽減するもの。
→柔らかく延び能力のある鋼材が主架構(梁・柱等)よりも先に塑性化することで、主架構の負担を軽減。
オイルダンパーの設置
オイルの粘性を利用して地震エネルギーを吸収し、建物の揺れや構造体に与える損傷を軽減するもの。
→オイルダンパーのピストンには、オイルを通過させる狭い通路があり、オイルが通過するときに抵抗力を発生し、その抵抗力によって振動を制御。
室内全景(鋼材系ダンパーとオイルダンパー)
〔2〕エレベーターの安全対策
エレベーターロープの引掛り防止対策
長周期地震動によりロープが振れて昇降路内の突起物に引っ掛らないよう、プロテクタ等を設置。
長周期振動時管制運転装置の設置
エレベーター機械室に設置されたセンサーにより、地震又は強風でエレベーターロープの振れが大きくなると予測される場合は、エレベーターを最寄階等に停止させ、乗客の閉じ込めや機器の損傷を防止。
〔3〕-1 内装材等の耐震対策
システム天井の取付け部補強
天井ボードと支持部材を固定する落下防止金物を増強。
〔3〕-2 内装材等の耐震対策
階段室壁材の剥離・落下防止
階段室壁材の剥離・落下を防止するため、表面にグラスファイバーネットを貼り付け。
〔3〕-3 防火戸の取付け部調整
防火戸のレリーズ取り替え
建物の揺れで防火戸が容易に開放しないよう、防火戸を留めているレリーズの形状等を変更。
〔4〕 受水槽の耐震化
受水槽の耐震化
地震時のスロッシング現象(地震波により槽内の水が大きく動く現象)により受水槽が破損しないよう、耐震性の高い水槽(天井梁材・補強バー等により補強されたもの)に取り替え。