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南河内のため池(ため池の防災・減災)
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ため池の総合的な減災に向けた取り組み
ため池は、農業用水源としてはもとより、地域の貴重な環境資源となっていますが、大規模な地震や豪雨によって損傷を受ければ、下流に大きな被害をもたらすことも考えられます。
そのため、府では災害を未然に防ぐための適正管理を支援しつつ、老朽化したため池の改修や東日本大震災等大規模災害を踏まえた耐震性の向上などのハード対策を着実に実施するとともに、“人命を守る”ことを最優先にハザードマップの活用など「逃げる・凌ぐ」といったソフト対策を含めた総合的な減災対策を進めています。
1)ハード対策
耐震対策
万一決壊した場合に、下流への影響が大きいため池(水防ため池)について、今後発生すると想定される直下型地震(中央構造線断層帯等)や海溝型地震(南海トラフなど)などの地震動に対する耐震性の調査・診断や耐震性向上工事を進めています。
ため池耐震性調査・診断結果
→ため池耐震性診断のページ
耐震性調査診断のための地質調査状況
(堤や基礎地盤の地質をボーリング調査します)
耐震診断イメージ
(地震直後、直ちに決壊に至るような堤体の変形や沈下がないか解析します。)
耐震化対策工事と老朽化対策工事のイメージ
(耐震化対策は堤が滑ったり沈下するのを防ぐための押さえ盛り土または地盤改良を行います)
耐震対策工事例
(地盤改良)
老朽化対策
大阪府では、大規模地震や豪雨による災害の未然防止と、農業用水の安定的確保を図るため、老朽化(堤体からの漏水がある、堤体が侵食されている等)が著しいため池等を、計画的に改修しています。また、想定される大規模地震に対し必要となる耐震対策工事も実施しています。
改修前の今池(大阪狭山市)
改修後の今池(大阪狭山市)
今池の改修前の堤体の様子
取水施設も老朽化が見られます。
まず仮設道路を設置するところから始まります。
堤体の工事の様子です。
床掘(とこぼり)の様子
取水施設の改修の様子
機械と人力できれいに仕上げていきます。
この後、張ブロックと転落防止柵を設置して完了です。
ため池の改修で重要なのが堤体の盛土です。機械で1層ずつ転圧しながら仕上げていきます。
木製の取水施設のままの池もあります。改修し、新しい取水施設を整備します。
必要に応じて、堤体の耐震対策を行うこともあります。
これは地震時に堤体が滑動しないよう対策しています。
2)ソフト対策
地震や大雨等により堤体が決壊しそうになるなど危険な状態になった場合に、地域の皆さんの自主的な避難や危険回避行動を支援し、被害の未然防止や軽減を図ることを目的として、浸水想定区域や避難場所等を示したため池ハザードマップを作成する市町村を支援しています。
また、万一の場合の情報連絡体制の整備や、災害リスクを低減するための非かんがい期の落水、台風等出水前の事前放流もすすめています。
さらに、安価で容易な作製が可能であるサイフォン式簡易緊急放流装置を立案・作製し、実用化に向けてため池管理者等への普及活動に取り組んでいます。
→ため池ハザードマップについて
→サイフォン式簡易緊急放流装置について
3)ため池の適正な管理のための取り組み
水防ため池点検調査の実施
ため池による水害を防ぎ、その被害を最小限にとどめるためには、ため池の監視体制を強化する水防活動が必要です。大阪府では「大阪府水防計画」の一環として、府、市町村が連携して「水防ため池点検調査」を実施しています。
調査内容
- 堤体・余水吐の漏水・破損状況の確認
- 管理状況(草刈り)の確認
対象
水防ため池
漏水量調査状況
堤体陥没調査状況
ため池管理者研修
水利組合や土地改良区の方々を対象に、「ため池管理の手引き」を配付するほか、具体的な点検、維持管理方法や緊急時の対応等の研修会を実施しています。
研修会の様子
現地研修の様子
ソフト対策の取り組み
災害への備えのための取り組みは、農空間イベント・取組情報のページをご参照ください。
農空間イベント・取組情報はこちらから