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令和2年1月6日 吉村知事年頭あいさつ
職員の皆さん、新年あけましておめでとうございます。
皆さんにおかれては、新春をご家族の皆さんとともに、健やかにお迎えになられたと思います。年末年始、ゆっくり過ごされたでしょうか。いよいよ、今日から仕事初めになります。今年も皆さん、ぜひ1年間よろしくお願いいたします。
さて、昨年は「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪」の実現に向けて、全力で大阪を前に進めた1年間でした。
私自身が4月に知事選挙に挑み、そして、松井府政の後を受けてこの府政に入り、そして皆さんと共に仕事を始めた1年でもありました。
世界最高峰の国際会議でありますG20大阪サミットにおいても、大きな成功を収めました。これもひとえに、多くの職員の皆さんの支え、府民の皆さんの支えがあったからこそだと思っています。
また、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録も実現いたしました。これまで長年にわたって、実現に向けて取り組んでこられた多くの方々の積み重ねで、大阪に初めての世界遺産が登録されました。
昨年は、大阪の存在感を世界に発信する、非常に充実した1年だったのではないかと思っています。
さらに、大阪都構想を掲げた昨年のダブル選挙で、民意の大きな後押しを受けた1年でもありました。法定協議会を再開させて、なかなか進まなかったこの会議も、この選挙を経て、より前向きな議論ができるようになり、より良い制度に向けて、この間、議論を重ねてきました。昨年末には、大阪都構想の大きな素案、方向性というものを決定することもできました。
そして今年は、大阪において、大阪の未来を大きく左右する、極めて重要な1年になると思います。
未来は時代に任せて変わっていくものではなくて、自ら切り拓いて進んでいくもの、変えていくものだと思っています。大阪の成長・発展を未来に向かって盤石なものにするためにも、大阪都構想を実現させる。これを、この1年の私の大きな目標にしたいと思っています。
これまで、前大阪府知事であり、現大阪市長である松井市長とともに、様々な府市一体の改革を進めてまいりました。そして実行してまいりました。
府市が同じ方向を向くことで、大阪は確実に成長することができます。これは、知事と市長の両方を務めた私自身の経験上もそう思いますし、大阪の底力でもあると思っています。ただ、知事や市長の人間関係に依存した今の状態は、極めて不安定です。恒久的な大阪を成長させる土台を、しっかりこの時代において作り上げて、次の世代にバトンタッチしていきたいと思います。
大阪都構想を実現させることで、広域行政の司令塔を一本化して、二重行政の弊害をなくしていく。より大都市としての成長戦略を実行できる仕組みとしていく。これを必ず実現してまいりたいと思います。
これまで大阪府と大阪市、それぞれの縄張りといったものがありましたが、大阪府が広域行政体として、大阪市域も含めた大阪全体に対して責任を負う、実行する。その意識を、今まで以上に高めていく必要があると思います。そしてそれを制度的に担保するのが大阪都構想だと思っています。
今、大阪は、府市が同じ方向を向くことで、2025年の大阪・関西万博を誘致することもできました。また、今年の6月には統合型リゾート(IR)の大阪のパートナーを決定する予定です。また、うめきたのプロジェクトなど、様々なビッグプロジェクトを大阪府市一体で進めています。
このビッグプロジェクトをこれからも推進するとともに、万博と、その先の未来を見据えたスマートシティ化を実現してまいりたいと思います。SDGsの取組みも進めていきます。そして、社会福祉、本当に支援を必要とされている皆さんに対する支援をしっかりと進めていきたいと思います。
まずは基礎自治体である市町村を支える立場を果たしながらも、大阪府でしかできない広域行政体としての役割をしっかり果たすことで、大阪の成長と、府民1人ひとりの暮らしやすさ、豊かさに繋げる取組みをこの1年進めてまいりたいと思います。
今年は、1970年万博からちょうど50年の節目になりました。当時はまだまだ「こんなものが将来出てくるの」と思われるような、様々な技術、未来の電話のワイヤレステレホンであったり、巨大空気膜構造のエアドームであったり、それが今や当たり前のものとなっています。
2025年のその先の未来を見据える万博として、50年後100年後の日本を見据え、新たな希望を府民の皆さんにお伝えする万博として、ぜひ成功させていきたいと思います。
職員の皆さんも、時代が流れる中で、前例や既成概念に捉われず、府民の皆さんが真に何を必要としているのかというのを考えて、ぜひ新しいアイディアをどんどん提案し、そして実行していってください。職員の皆さんは、大阪府庁に入庁したときの最初の思いを忘れないでください。府民の皆さんに尽くす、大阪に尽くすという思いで、大阪府庁に入庁されたと思います。
我々は、公共の役割として、大阪を成長させていく。そして支援を必要とする人、困っている人を支えていく公共の役割をしっかりと果たしてまいりたいと思います。
大阪府の分野は非常に多岐にわたります。予算総額約5兆円という大規模な組織です。私自身の目の届きにくいところもあるかと思いますが、職員皆さん1人ひとりが重要な仕事をしています。1人ひとりが自らの仕事の意義というのを噛みしめて、日々の業務に尽くしてもらいたいと思います。それが今の大阪の豊かさ、そして大阪の発展に繋がると思っています。
それからもう一つ。我々公共体は、民間企業ではありません。儲けを主としているものでもありません。府民の皆さんの信頼をもとに成り立っている組織です。府民の皆さんの信頼がなくなれば、役所として前に進めることができなくなってしまいます。
もちろん政策においては、賛否両論あるものを進めていきます。ですから、皆さんに賛成してもらえるというものではないかと思いますが、それでも、大阪府庁は信頼できるなと、誠実だなと、そう思ってもらえるような仕事の進め方に特に注意してもらいたいと思います。
一つの不祥事、これが役所全体の信用を損ねることにもなりかねません。賛否両論はあっていいと思いますが、大阪府は誠実に仕事をしている、真面目に職務を執行しているということを、しっかりと府民の皆さんに思ってもらえるように、1人ひとりが、失敗してもいいですから、職務に真面目に取組んでもらいたいと思います。そして、もし、何らかの不正やおかしなことがあれば、すぐオープンに、外に出していってください。隠したり、隠蔽したりするという体制ではなくて、外にオープンにして、自分たちでおかしいことは正していく。そういったことも公共の信頼にも繋がってきます。
府民の皆さんも100%完璧な組織というのは求めていないと思っていますが、嘘をつかない組織ということが重要だと思っています。賛否両論あっても、多くの府民の皆さんから信頼を得て、皆さんが担う、様々な多岐に渡る日々の業務を、着実に遂行していってください。よろしくお願いします。
最後になりましたが、私自身が今年、何としてでも実現したいことは、大阪府と大阪市の二重行政の原因になっている、府と市の役所の体制を改めて、大阪都構想を実現する。そして大阪を成長させていく。司令塔を一本化した土台をしっかりと作って、次の世代にバトンタッチしていく。ぜひこれを実現していきたいと思います。
職員の皆さん、これからも、今年1年、どうぞよろしくお願いします。
以上をもって、年頭の挨拶とさせていただきます。