令和6年第24週(6月10日から6月16日)の1週間に報告された大阪府内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症(5類感染症・全数把握※)の患者報告数が「56人」となり、1月からの半年で昨年(2023年)1年間の患者報告数「55人」を超えました。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、発症してから非常に急激かつ劇的に症状が進行し、発病後数十時間で死に至ることも少なくありません。また、溶血性レンサ球菌には有効なワクチンがないため、日頃からの手洗いや創部の清潔な処置などの感染予防が重要となります。家庭での手洗いの習慣づけや、傷を清潔に保つなどの感染予防を心がけてください。
※5類感染症・全数把握とは
感染症法では、症状の重さや感染力などから1類~5類感染症等に分類しており、全ての医師が届出を行う感染症(全数把握)と指定した医療機関のみが届出を行う感染症(定点把握)があります。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、小児が多く罹患するA群溶血性レンサ球菌咽頭炎(5類感染症・定点把握)とは区別されています。
〇劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
初期症状は四肢の疼痛、腫脹、発熱、血圧低下などで、発症してから非常に急激かつ劇的に症状が進行します。発病後数十時間以内には筋肉周辺組織の壊死を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、発病後数十時間で死に至ることも少なくありません。死亡率は約30%と言われており、特に40歳代以上の発生例が多く見られます。
感染経路は、飛沫感染、接触感染、創部感染により伝播します。
〇感染予防のポイント
有効なワクチンがないため、日頃から手洗いと傷口の清潔な処置が重要です。
〇受診のポイント
四肢の疼痛、腫脹、発熱などの感染症の兆候が見られたら場合は、速やかに医療機関を受診してください。
検査・病原体及び流行状況等に関するお問い合わせ:地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所 健康危機管理課
電話番号 06-6972-1321(代表)
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