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「子どもの性的虐待の記録」に係る努力義務
「子どもの性的虐待の記録」とは
大阪府では、子どもを被写体にしたわいせつ画像を「子どもの性的虐待の記録」という新たな概念として位置づけ、その根絶を目指しています。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、「児童ポルノ法」という。)では、児童ポルノを見る側の価値判断から定義しており、被写体となる子どもにとっては性的虐待や性的搾取が疑われる記録物であっても児童ポルノに該当しない場合があることから、大阪府では被写体となる子どもを守る観点から「子どもの性的虐待の記録」という新しい概念を構築し、これを製造、販売、所持しない努力義務を設けています。(平成23年3月条例改正)
インターネットを介して実際にあった事件(警察庁のホームページより)
子どもが被害に遭う事犯の大部分にインターネットが関連しています。
- 児童を脅かして裸の画像をメールで送信させる手口の児童ポルノ製造事件
無職男性(31歳)は、携帯電話のサイトで知り合った女子小学生(12歳)に対し、別の女児の裸の画像を「自分の写真」を偽って送信し、女子小学生からも裸の写真を送信させた。平成22年8月、男性の児童買春・児童ポルノ禁止法違反等で検挙したが、男性は同様の手口で約80人の女子児童の裸や下着姿の画像を所持していた。(北海道) - 出会い系サイトで知り合った女子高生を薬で眠らせて撮影した児童ポルノ製造事件
会社員の男性(42歳)は、出会い系サイトで知り合った女子高生(17歳)に睡眠作用のある薬物を飲ませて眠らせ、わいせつ行為をした上、その状況をデジタルカメラで撮影して児童ポルノを製造した。女子高生から追及された男性は「ばらまくぞ」等の文面に女子高生の裸の写真を添付したメールを送信した。平成23年10月、男性を児童買春・児童ポルノ禁止法違反で検挙した。(福岡)
詳しくは、こちらの警察庁のホームページをご覧ください。⇒ 警察庁ホームページ「サイバー犯罪対策」(外部サイトへリンク)
暦年 |
検挙件数 |
被害児童数(人) |
||
---|---|---|---|---|
全国 |
大阪 |
全国 |
大阪 |
|
H24 |
1,596 |
116 |
531 |
50 |
H25 |
1,644 |
104 |
646 |
68 |
H26 |
1,828 |
90 |
746 |
55 |
H27 |
1,938 |
107 |
905 |
52 |
児童ポルノ法が改正されました。(平成26年7月15日施行)
インターネットの発達により児童ポルノに係る行為の被害に遭う児童が増え続けていることや、児童ポルノの単純所持罪を設けるべきとの従前からの国内の議論等により、児童ポルノ法が改正されました。
改正内容
- 児童ポルノの所持、保管を禁止
- 自己の性的好奇心を満たす目的での所持等についての罰則の新設(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金。施行は平成27年7月15日から)
- 盗撮による児童ポルノ製造罪の新設
- インターネット上の拡散防止対策としての電気通信役務提供事業者の責務
- 心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する制度の充実及び強化対策
※詳しくは、こちらの法務省ホームページをご覧ください。⇒法務省ホームページ(外部サイトへリンク) 法務省だより「あかれんがvol.47」(外部サイトへリンク)
※児童ポルノ排除対策については、警察庁ホームページをご覧ください。⇒警察庁「なくそう、子供の性被害。」ホームページ(外部サイトへリンク)
被害にあわないために
児童ポルノ等の「子どもの性的虐待の記録物」は、子どもが性的虐待や性的犯罪等の被害を受けただけでなく、その姿が記録され、形として残されてしまいます。
画像がインターネット上に一旦流出すると、転載等によって世界中に広がることとなり、完全に消し去ることは困難となり、被害者の苦しみも将来にわたって続くことになりかねません。
児童ポルノ事犯の大半は、インターネットが関連しているため、被害に遭わないために下記の対策が効果的です。
1.スマートフォン等のネット機器へのフィルタリングアプリの利用
子どもが使っているスマートフォン等にフィルタリングアプリ(ソフト)をダウンロードしていますか?
もし、まだされていない場合は、各携帯電話販売店での加入やダウンロードの店頭サポートがされていますので、詳しくは各携帯電話販売店にお問い合わせください。
フィルタリングに関する情報のご案内は、内閣府「インターネット利用環境整備」に掲載されていますので、ご参照ください。
⇒ 内閣府「インターネット利用環境整備」のページ(外部サイトへリンク)
2.ネットリテラシー(インターネットを利活用する力)の向上
インターネットを悪用して、言葉巧みに誘惑する悪意のある大人から子どもを守るためには、子ども自身や身近な大人のネットリテラシーを高める教育が重要です。
当課でも取り組みを進めていますが、まずは具体的な被害事例から学ぶことも大切です。
ネットリテラシー教育の参考となる各機関のホームページを掲載しますので、ご活用ください。
各機関の対策・教材等のリンク集
- 当課の取り組みを掲載しています。⇒「大阪の子どもを守るネット対策事業」のページ
- 文部科学省のサイトに「情報化社会の新たな問題を考えるための教材」が掲載されています。⇒文部科学省のページ(外部サイトへリンク)
保護者の皆様へ
子どもを守るために、下記のことに十分気をつけてください。
- 出会い系サイトだけでなくコミュニティサイトや無料通話アプリのID掲示板等を利用し、言葉巧みに子どもの裸の写真を送らせ、愛好者と画像を交換するなどの事例もあります。
子どもに持たせるスマートフォン等には、フィルタリングアプリを利用しましょう。 - アイドルになれるなど、甘い言葉で勧誘された子どもが、水着等で過激なポーズを撮影され、写真集等として出版される場合もあります。
十分ご注意ください。 - 子どもの行動に日頃から目を配り、気になることがあれば、話し合いましょう。
- 子どものスマートフォン等にフィルタリングを利用することに加えて、子どもにインターネットの危険性を教え、他人に個人情報を教えないなど、使用する際の約束を決めることが大切です。
啓発チラシを作成しました
「子どもの性的虐待の記録」の被害から子どもを守るためには、社会全体の取組みが大切ですので、府民の皆様のご協力をお願いします。
啓発チラシを作成しましたので、学校や地域等で取組みをする際にご活用ください。