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大阪府情報公開審査会答申(大公審答申第238号)
「癌検診不要規程不存在非公開決定異議申立事案」他1件
(答申日 平成26年8月22日)※別紙2、別紙3は省略
第一 審査会の結論
実施機関(大阪府知事)の決定は、いずれも妥当である。
第二 異議申立てに至る経過等
- 別紙1番号1の事案
平成25年3月18日、異議申立人は、大阪府情報公開条例(以下「条例」という。)第6条の規定により、大阪府知事(以下「実施機関」という。)(担当部署:健康医療部保健医療室健康づくり課)に対し、「癌対策Gの持つ、癌検診不要の診断可の規定」の公開を求める請求(平成24年度請求受付番号第1693号)を行った。
平成25年3月29日、実施機関はこの請求に対し、条例第13条第2項の規定により、不存在による非公開決定を行い、別紙1に記載の理由を附して異議申立人に通知した。
同年4月19日、異議申立人はこの決定を不服として、行政不服審査法第6条の規定により、実施機関に対する異議申立てを行った。 - 別紙1番号2の事案
平成25年5月28日、異議申立人は、条例第6条の規定により、実施機関(担当部署:健康医療部保健医療室医事看護課)に対し、「健康医療部の持つ、(1)『専門的医療』が分かるもの(医療法)、及び、(2)『〃』不要が分かるもの(医療法)。並びに医師法も分かるもの(上記(1)(2))」の公開を求める請求(平成25年度請求受付番号第342号)を行った。
同年6月10日、実施機関はこの請求に対し、条例第13条第2項の規定により、不存在による非公開決定を行い、別紙1に記載の理由を附して異議申立人に通知した。
同年7月22日、異議申立人はこの決定を不服として、行政不服審査法第6条の規定により、実施機関に対する異議申立てを行った。 - これら2件の異議申立ては、関連性のある情報公開請求であることから、当審査会においては一括して審議を行い、判断を行うこととした。
第三 異議申立ての趣旨等、異議申立人の主張について
別紙1番号1の異議申立ての内容は別紙2のとおり、別紙1番号2の異議申立ての内容は別紙3のとおりである。
第四 当審査会の判断理由
1 条例の基本的な考え方について
行政文書公開についての条例の基本的な理念は、その前文及び第1条にあるように、府民の行政文書の公開を求める権利を明らかにすることにより、「知る権利」を保障し、そのことによって府民の府政参加を推進するとともに府政の公正な運営を確保し、府民の生活の保護及び利便の増進を図るとともに、個人の尊厳を確保し、もって府民の府政への信頼を深め、府民福祉の増進に寄与しようとするものである。
このように「知る権利」を保障するという理念の下にあっても、公開することにより、個人や法人等の正当な権利・利益を害したり、府民全体の福祉の増進を目的とする行政の公正かつ適切な執行を妨げ、府民全体の利益を著しく害することのないよう配慮する必要がある。
2 別紙1番号1の異議申立てについて
(1)請求に至る事実経過等
本件請求は、異議申立書及び異議申立人の主張からすると、大阪市立大学医学部附属病院(以下「市大病院」という。)で乳癌の検診を受けることができなかったことに関連して、「癌対策Gの持つ、癌検診不要の診断可の規定」を求めてなされたものである。
(2)異議申立人の主張
当審査会は、口頭意見陳述における異議申立人の発言等から、異議申立人の主張を以下のとおりと解した。
市大病院の医師が、私(異議申立人)に乳癌の検診不要と判断したのだからその根拠となる文書があるはずだ。
(3)判断
当該事案は、市大病院の医師の説明の具体的な根拠となる規定等の文書を求めるものであり、異議申立人の求める文書を作成・保有していないとする実施機関の決定理由に不自然・不合理な点はなく、異議申立人の主張には理由がない。
3 別紙1番号2の異議申立てについて
(1)請求に至る事実経過等
本件請求は、異議申立書及び異議申立人の主張からすると、市大病院で乳癌の検診を受けることができなかったことに関連して、「健康医療部の持つ、(1)『専門的医療』が分かるもの(医療法)、及び、(2)『〃』不要が分かるもの(医療法)。並びに医師法も分かるもの(上記(1)(2)))」を求めてなされたものである。
(2)異議申立人の主張
当審査会は、口頭意見陳述における異議申立人の発言等から、異議申立人の主張を以下のとおりと解した。
医療法及び医師法における「専門的医療」という用語を定義した規定の公開を求める。
(3)判断
異議申立人の請求にかかる規定は医療法及び医師法には存在しないから、異議申立人の主張には理由がない。
第六 結論
以上のとおり、異議申立人の主張には、いずれの異議申立てにも理由がないから、「第一 審査会の結論」のとおり答申するものである。
主に調査審議を行った委員の氏名
野呂充、松本哲治、小谷寛子、三成美保