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更新日:2014年8月29日

ページID:30818

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人権学習シリーズ ちがいのとびら 私たちの多様性

多様な見方・考え方

ねらい

同じ1枚の写真や絵を見ていても、人々の捉え方は違います。その人の捉え方は、ものの見方、考え方、またそれぞれの状況、判断の違いから生じてきます。その人の捉え方に影響を与えるものとは何なのかを考えます。それは、その人が持っている価値観・気分・状況によって異なります。その多様なものの見方や考え方はどこから身についたものなのかを考え、それがどう影響していくのかを考えます。

基本概念

見方、考え方、価値観、気分や状況、周りや社会への影響

時間

100分

準備するもの

絵(参加人数分)
A4白紙(参加人数分)
模造紙(グループ数)
マーカー(グループ数)
ホワイトボード

プログラムの流れ

自己紹介で何をきく?
あなたが、自分を表すのに自己紹介で相手に伝えたいことは何ですか。また相手を知ろうとしたとき、何を聞きますか。
私たちが相手に対してもつ関心・興味の違いについて話しあいましょう。
【アクティビティ】
自己紹介インタビュアー


関心や興味など、私たちが捉えているものは?
例えば、1枚の写真や絵を見て、人の捉え方の違いを共有してみましょう。限られた情報・状況を示した絵をもとにお話をつくりましょう。それぞれのお話に違いはありましたか。そのお話に影響を及ぼしているのは何でしょう。
同じ情報・状況を違うように捉えられるのはなぜでしょう。
【アクティビティ】
フォトランゲージでお話づくり


捉え方の違いはどこから影響を受けているのでしょうか?
ものの見方・考え方の概念について話しあいましょう。そして、多様な捉え方のいいところ、こまったところを考えてみましょう。
では、多様な情報が悪影響にならないためにどうすればよいのでしょうか?
【アクティビティ】
ものの見方・考え方に影響を受けるもの

アクティビティの進め方

自己紹介インタビュアー(30分)

ウオーミングアップとして取り入れます。
自己紹介をするのに何を話すか考えてもらいます。2人組になり、考えたことを元に自己紹介をします。時間は1~2分程度、傾聴の姿勢で行います。
次に2人組を変えて、今度は相手を知るために何を聞くかインタビューの内容を考えてもらいます。お互いに2~3分ずつインタビューをします。
2つの自己紹介をしてどう感じたかを振り返ります。

〈傾聴のポイント〉

  • 1)心をむける:「自分の番がきたら何を話そう」などほかの事を考えずに、話し手に集中します。
  • 2)体全体で共感をあらわしながら:姿勢や相槌など、全身で聴く姿勢をあらわします。
  • 3)質問しない:質問されると、それに答えなくてはならなくなります。ここでの傾聴は、話し手が好きなように話せることを大切にしたいので、質問はなしです。

※このポイントは、このアクティビティでのもので、「傾聴」一般のものではありません。
※質問はしないが、黙って聴くということではありません。「へぇ」「なるほど」「それで」など、ふつうの応答や話を促す言葉は構いません。

ファシリテーターの問いかけ
「話す側と質問する側とどちらのほうがやりやすかったですか」
「それぞれで話す/質問する項目はどのようにして決めましたか」
「自分で話すときと、相手から質問されたときで、共通していた項目がありましたか」
「相手によって選ぶ項目は違っていたでしょうか」
「項目の選び方についての特徴がありましたか。その特徴について話してみましょう」

フォトランゲージでお話づくり(30分)

絵とA4白紙を各参加者に配り、その絵(現場)を見て、そこから状況や状態を想像し、お話をつくってA4白紙に書いてもらいます。
各グループ(4~5人)に分かれて、各自がつくったお話を共有します(傾聴のポイント参照)。
各グループでそれぞれが話したり聞いたりして、思ったことや気づいたことについて全体で話しあいます。

ファシリテーターの問いかけ
「どのようなお話になりましたか」
「それぞれのお話を聞いて、いかがでしたか」
「お話をきいて気がついたことがありましたか」

ものの見方・考え方に影響を受けるもの(30分)

ものの見方・考え方に影響する要因を考えます。
上記、お話づくりから発展させます。それぞれが同じであったり、違っていたお話について、私たちが影響しているものは何かをブレーンストーミングで全て板書します。

近くの人と2人組になり、ブレーンストーミングで出たことで、人は同じものを見聞きしても違ったように捉えるのはなぜかを話しあいます。何か出来事があったとき、その出来事について多くのくい違いがあるのはなぜか考えます。

2人組から4人グループになって、違った見方や考え方で利点になること、難点になることを模造紙に書き出します。

そして、何か出来事があったときに、それについて伝えたり、聞いたりするとき、悪影響を与えないために私たちができることをグループで考え、発表します。

ファシリテーターの問いかけ
「お話づくりで同じだったこと、違っていたことから考えて、私たちのお話づくりに影響していることは何でしょうか」
「人は、同じ情報を見たり聞いたりしても捉え方が違うのはどうしてでしょうか」
「そのときの気分や過去の体験によって捉え方は違います」
「その違いに影響するのは何でしょうか」
「日ごろ、見たり聞いたりしていることを誰かに伝えるとき、その事実がどのように変わっていくのかを考えます」
「では、今の情報社会において、何か出来事があったとき、それについて伝えたり、聞いたりするときに、その出来事や情報が悪影響にならないために私たちにできることを考えてみましょう」

ふりかえり(10分)

ファシリテーターのコメント

「多様な見方や考え方の違いは、私たちが日々に経験したり見たり、聞いたりして身についている個人の捉え方にあります」
「時には無自覚に身についてしまっていることも、この捉え方の違いにはあります」
「それぞれの捉え方を否定するのではなく、なぜ、そう捉えるのかを深めていくことが大事です」

絵(フォトランゲージでお話づくり)/フォトランゲージでお話づくり(PDF:1,122KB)

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