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令和2年度第4回大阪府戦略本部会議【議題1】
議題1 大阪都市魅力創造戦略2025(案)について
資料名 |
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【資料1】資料1_大阪都市魅力創造戦略2025(案) | ||
【資料2】(参考資料)大阪都市魅力創造戦略(案)数値目標 | ||
【資料3】(参考資料)大阪都市魅力創造戦略(案)概要 |
【府民文化部】
2020年11月には、大阪のホテル稼働率は少し持ち直しを見せた。春に実施した「大阪の人・関西の人いらっしゃい!キャンペーン」も好調であり、国内の旅行需要は旺盛だと思う。国内でのニーズはあると思うので、コロナ対策をとりながら、まずは近隣から、そして国内全体へ広げていくための施策として、昨年の「大阪の人・関西の人いらっしゃい!キャンペーン」や、観光客を受け入れる際の安全・安心の環境整備を行い、この目標数値を何とか達成できるよう、取り組んでいきたい。
【山口副知事】
観光需要を創出するような取組みをしっかり進めてほしい。ただ、現実を見れば、コロナの影響により府の貴重な財源になっていた宿泊税は非常に厳しい。また、一般財源そのものもかなり厳しいとのことで、今まで以上に厳しい観点で、より効果がある施策を選択しなければならない。財源が厳しいからというわけではないが、この戦略にあるように、観光事業者や、大阪府・市、大阪観光局あるいは市町村といったステークホルダーとタイアップして、しっかり施策創造を行う必要がある。この戦略の中身を各主体と共有し、取組みを進めていただきたい。
【府民文化部】
戦略策定の際には、オブザーバーとして、経済界、あるいは市長会、町村長会に参画いただいており、観光客の取り込みについて、一緒にやっていきたいと思う。また、今は皆が一体とならないと前へ進めない状況にあるため、あらゆる関係者、観光やホテル、経済界、文化芸術関係者が、同じ方向を向いて、次の展開に移れるようにしていきたい。大阪府も財源が厳しいが、知恵を出しながら工夫をし、みんなで一緒に観光客を取り込めるように、コロナの状況を見極めながらではあるが、具体的な戦略・施策を来年度以降に実施できるよう、検討をすすめる。
【田中副知事】
私の方から二点お願いがある。
一点目は、参考指標について。例えば来阪者にしても、数量に関する指標はたくさんあるが、目的や内容についてのデータもあった方がよい。つまり、5年後の次の戦略を考えるときに、数だけではなく「何が変わって・何が原因か」という、「質の変化」をみておきたい。きっと、観光以外の分野でもデータはあると思うので、5年後の戦略改定の時期になって、「データを取ってなかった」ということにならないように、早めの準備をお願いしたい。
二点目は、今後、様々なイベント等のスケジュールを情報収集し、整理されるということだが、その点については是非お願いしたい。それぞれのイベントの担当部局以外の視点で、「そういうことをするのであれば、ここの準備も要るんじゃないか」と気づくことがたくさんあると思う。それに加えて、例えば事業者によっては、それぞれが単体のイベントではなく、ストーリー化して、一連のものとして検討する、新たな企画も十分期待される。今後5年間で把握できるイベントの計画は、予定であっても構わないので、できるだけ皆に周知、共有できるようにしてほしい。
【府民文化部】
二点目のご指摘については、府・市、各部局と現在調整して、データをとりまとめているところ。全部局で協力して進めていきたい。また、府・市共通の戦略なので、観光、文化、エンターテイメント、大阪の魅力等について、府・市で知恵を出して一緒に進めていけるよう、今準備を進めている。
【山野副知事】
田中副知事の意見と共通する部分もあるが、今回の戦略の参考指標は、前回の戦略の2015年から2020年までの参考指標と、項目や内容は同じなのか。あるいは変更を加えているのか。
【府民文化部】
前回の「大阪都市魅力創造戦略2020」については、KPIを定め、数字を追っていた。今回は、前回戦略の検証をふまえ、「量」だけでなく「質」も重要であるという考えのもと、例えば来阪日本人と来阪外国人の消費単価を参考指標に設定するなどしている。今回の戦略は「質」についてもきちんと確認できるように、参考指標を工夫している。
【山野副知事】
特に、コロナの影響が当面続くということもあり、予測不可能で、難しい面もあると思うが、今、田中副知事からも話があったように、例えば大阪マラソンの外国人エントリー数については、単純に数が増えることだけでなく、どこの地域のエントリーが増えているか等、質的な部分での分析が必要だと思う。コロナ以降、世の中の常識が変わってきている。そういった変化を勘案しながら、質的な部分についても、きちんと評価できれば良いと思うので、検討いただきたい。
【府民文化部】
これまでの常識とは違う考え方がこれから必要になってくると思われる。これまで参考指標にしていた数値とは、全く違う質の指標等で新しい分析が必要になると思う。これまで想定していない状況だと思われるので、今回の指標にこだわることなく、しっかり分析していきたいと考えている。
【財務部長】
戦略全体の立て付けや考え方について確認する。まず、「めざす姿」として、「魅力共創都市・大阪」という大きなテーマがある。そのテーマの下、「基本的な考え方」が3つあって、さらにその考え方に基づき、「めざすべき都市像」が10項目ある。その上で、「重点取組み」があり、そのうち「最優先取組み」が3項目ある。2012年から府・市協調して「大阪都市魅力創造戦略」を策定しており、今回が3回目の策定である。前回の2回目に策定した戦略とは異なり、今回の戦略では、次の5年間をめざすにあたり、万博が決定した後の新たな考え方になると思う。前回と比べて、都市像や考え方のところで、何か変わったところや新しい項目はあるのか。
それから、10の都市像それぞれに施策がたくさん並んでいるが、あまり総花的にならないように絞っていくべきではないか。今はコロナ禍なので、まず最重点として、何をするのかということを掲げられているので、この5年間で状況に応じて変えていくつもりなのか。
【府民文化部】
まず、この戦略の策定にあたり、これまでの「大阪都市魅力創造戦略2020」に基づく取組みについて、大阪府・市都市魅力戦略推進会議においてKPIに基づいて評価していただいた。達成できている点や不足する点など、今回の戦略案の策定にあたって、その評価をいかしている。前回の戦略から基本的な方向性を変えることについては、戦略推進会議の委員から、「前回の戦略の方向性を基本的に継続すればよかろう」とのご意見であった。そうした中、2025年の大阪・関西万博が大きな大阪の転換点となって、万博が始まるまでに、万博で大阪に訪れるたくさんの観光客をどの程度受け入れられる街になっているか、また、万博をきっかけに、さらに広げていけるかという点について、今回の戦略では力点を置いて策定した。
あとは、コロナにより見通しのつかない部分があるので、弾力的に戦略を見直していかざるを得ないと考えている。
【吉村知事】
現在のコロナ禍において、大阪の観光や、文化・芸術・スポーツについて、長期的な視点に基づく戦略を大阪府・市一体で作ることは非常に重要。これは日本だけではなく、世界的な課題にもなっているが、まずはコロナの感染拡大を抑えていくことが重要。府・市一体での大阪の都市魅力の共通戦略を掲げて実行していくべきだと考えている。
特に、観光や食、文化芸術、エンターテイメント等、元々大阪が強みにしているところが、コロナ禍において、暗いトンネルの中で先が見えない状況となっており、非常に影響を受けている。その中で、全員の共通目標を策定し、希望を持ってそこに向かっていくための戦略を策定することは、非常に重要だと思う。まもなくコロナのワクチン接種が始まるという、明るい兆しもあるが、一方で変異株が発生するなど、この先どうなるかはまだわからない。流動的ではあるが、府・市の成長に向けた大きな方向性として「大阪都市魅力創造戦略2025」を府市一体で策定し、関連する事業者や、観光等を生活の糧としている皆さんと共有したい。コロナ禍でも大阪の都市魅力を守り抜き、成長させていくことが重要。
その観点から、コロナで見通しが立たない状況ではあるが、まずは感染拡大を抑えることを大前提として、マイクロツーリズムに力を入れることが出発点だと思う。今まで大阪ではインバウンドが多かったため、マイクロツーリズムはあまり注目されてこなかったが、大阪・関西には魅力があり、灯台下暗しになっていたところがある。関西には2,000万人以上の居住者がいる。これまで日帰り圏だと考えられていたが、大阪に一泊してみたら、非常に豊かで楽しいということで、見直されてきている。これは、昨年夏の「大阪の人・関西の人いらっしゃい!キャンペーン」が好評であったことにも表れている。そういった足元の地域の素晴らしさを再認識するのが、マイクロツーリズムだと思っている。今は緊急事態宣言下で、移動の自粛をお願いしているが、これから、コロナの感染拡大を抑えながら、移動については、小さな単位からどんどん広げていく。そして、まずこの近畿圏内でマイクロツーリズムを広げ、そしてそれを起点に国内1億2,000万人に広げていく。国内のコロナの感染拡大がある程度抑えられ、国内の移動が自由になれば、大阪の魅力をより多くの皆さんに知っていただくということは重要であり、現実的。その先のインバウンドについては、世界のコロナの状況を見極めなければならないため、簡単にはいかないかもしれない。まずはマイクロツーリズムを起点として、大阪に来ていただけるように、大阪の観光や食、文化、エンターテインメント、スポーツの魅力を発信するのが、ファーストステップになると思う。
この戦略の計画期間はもちろん重要ではあるが、あわせてコロナの状況を見極めながら、大阪市とともに大阪の都市魅力を発信していく。2025年の大阪・関西万博までの間、コロナを抑えながら、マイクロツーリズムから、大阪の魅力を国内に広げていきたい。
【政策企画部長】
『大阪都市魅力創造戦略2025(案)』については、これをもって決定する。
ファーストステップとしてマイクロツーリズムに力を入れていくこと、また、これからの検証や評価のためにも、様々な指標をフォローしていくことなどの意見が出たが、今後、府議会やパブリックコメントなどを通じて、年内に成案化ということで進めていく。