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第129回大阪府原子炉問題審議会の概要について
日時 令和5年8月9日(水曜日)15時15分~16時05分
場所 大阪府庁 新別館南館8階 大研修室
議題(1)役員の選任について
- (2)京都大学複合原子力科学研究所の安全性等について
- (3)京都大学複合原子力科学研究所定例報告について
- (4)その他
出席者 審議会委員27名中25名が出席
(欠席委員:加納康至委員、新田輝彦委員)
事務局等 大阪府、京都大学複合原子力科学研究所、地元市町
議事に先立ち、審議会事務局担当の川本大阪府政策企画部企画室 川本連携課長から、議事進行と本審議会の役割について説明の後、委員の紹介が行われた。
議題1.役員の選任について
審議会規則では、副会長2名を委員が選任することとなっているが、現在の副会長は鶴岡委員(関西研究用原子炉対策民主団体協議会代表)1名のみのため、もう1名の副会長として紀田委員(大阪府議会議員)が選任された。
議題2.京都大学複合原子力科学研究所の安全性等について
【配付資料】
資料1 京都大学複合原子力科学研究所の安全性等について
堀研究炉部長から「1.原子炉施設の状況等について」の「(1)京都大学研究用原子炉(KUR)及び京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)の利用等について」、釜江安全管理本部副本部長から「(2)原子炉設置変更承認申請(KURの変更)について」、三澤副所長から「(3)KUCA燃料の低濃縮化の状況等について」、黒崎所長から「2.第二研究等の竣工について」、配布資料をもとに説明があった。
- 原子炉施設の状況等について
- (1)京都大学研究用原子炉(KUR)及び京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)の状況等について
令和4年度はKUR、KUCA及び他の放射線施設等の利用については、全国105の大学、研究機関等から延べ2,640人・日の研究者・学生が共同利用等に係る実験・研究を行った。
令和5年度のKURについては、令和5年7月25日から令和6年2月15日までの間、利用運転を行う予定。KUCAについては、低濃縮燃料での運転切り替えのため、令和3年から7月末まで運転休止中。 - (2)原子炉設置変更承認申請(KURの変更)について
令和3年度の本審議会で報告した関係規則の解釈の一部改正に伴う原子力規制委員会からの指示に基づく基準地震動Ssの追加及び関連する評価を追加するための原子炉設置変更承認申請について、安全協定に従って熊取町長に通知の上、令和3年12月14日付けで原子力規制委員会へ申請した。その後、原子力規制庁によるヒアリング、審査会合の後、3回の補正申請を経て、令和5年6月22日付けで、原子力規制委員会に承認された。 - (3)KUCA燃料の低濃縮化の状況等について
平成28年の核セキュリティ・サミットにて日米合意されたKUCAで使われている高濃縮ウラン燃料の米国への撤去及びKUCAの低濃縮化については、令和元年5月31日付けで申請した原子炉設置変更承認申請が令和4年4月28日付けで原子力規制委員会に承認された。現在は、燃料の製造に係る許認可手続きを行っているところ。許認可手続きの終了後、燃料の製造・搬入・使用前事業者検査等を経て、令和6年度中には低濃縮燃料により運転を開始させ、引き続き、原子炉物理等の基礎研究や国内外の学生を対象とした実験教育・人材育成を行っていく。
- (1)京都大学研究用原子炉(KUR)及び京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)の状況等について
- 第二研究棟の竣工について
令和3年8月の本審議会で報告した、総合研究等の改修・増築について、令和5年4月末に第二研究棟が竣工した。本研究棟については、研究教育の充実を目標とした研究・実験スペースの他に、原子炉施設等安全管理部・室を集約することで、日々の安全管理体制や原子力災害対策一層の強化・向上や技術者の人材育成等を図っていく。既存の研究棟(第一研究棟)については、令和5年度中に全面改修を行う。今後、KURの停止後も見据え、本研究所の他の実験施設とともに本総合研究棟(第一・第二研究棟)を活用し、原子力・放射線を利用した独創的・先端的な複合原子力科学を一層推進していく。
【配布資料】
資料1 京都大学複合原子力科学研究所の安全性等について
議題3.京都大学複合原子力科学研究所定例報告について
(報告内容)
- (イ)堀研究炉部長から、配布資料の「京都大学複合科学原子力科学研究所の現状報告書(定例報告)」をもとに、次のことについて説明が行われた。
- ((1))報告対象期間(令和4年6月~令和5年5月)におけるKUR及びKUCAの運転状況、役割等
- ((2))令和5年度の共同利用研究・専門研究会の採択状況
- (ロ)八島放射線管理部長から、配布資料の「京都大学複合科学原子力科学研究所の現状報告書(定例報告)」をもとに、京都大学複合原子力科学研究所における環境放射能測定報告(令和4年4月~令和5年3月)に関し、次のとおり説明が行われた。
- ((1))研究所では、原子炉施設の排水口及び排気口から排出される放射能の量や濃度及び敷地境界での線量評価の結果について、6か月に1回、原子力規制委員会へ報告している。
- ((2))これらに加えて、研究所と熊取町、泉佐野市及び貝塚市との間で締結している安全協定に基づき、実験所の周辺地域での放射線の積算線量を測定していること及び研究所周辺の環境試料に含まれる放射能の濃度を年2回測定している。
- ((3))研究所では、自然に存在する放射性物質だけでなく、それよりもはるかに低い濃度の人工の放射性物質もその核種毎に分けて測定している。このような核種別測定の結果を一覧表にしており、原子炉施設からの新たな放出と思われる核種が検出されたり、放射能の量や濃度が増加しているようなことはない。また、実験所外の周辺9か所における放射線の積算線量についても、自然放射線によるバックグラウンドレベルを示している。
- ((4))環境試料のうち、土壌や底質については、全国的にも検出されている核実験による放射性物質以外に原子炉の運転に由来すると思われる人工の放射性物質は検出されていない。また、野菜等の植物については、自然に存在する放射性物質しか検出されておらず、その濃度の変動も全国的な調査で明らかになっている変動の範囲内である。
- ((5))研究所周辺の環境中における放射能及び放射線は、自然放射能及び自然放射線のレベルであり、一般住民の方々にご心配をおかけするようなレベルではない。
【配布資料】
資料2 京都大学複合原子力科学研究所の現状報告(定例報告)
議題4.その他について
特に発言はなかった
以上