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更新日:2010年7月29日

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教育コミュニティづくり推進協議会

平成23年度 教育コミュニティづくり推進協議会 記録

  • 開催日時 平成24年2月8日水曜日午後1時30分から3時30分
  • 場所 大阪府公館 大サロン
  • テーマ 教育コミュニティづくりの拡大・発展 -家庭教育支援の観点を加えて-
  • 内容 (1)事務局からの報告
    1. これまでの教育コミュニティづくりの取組みについて
      • すこやかネット
      • 学校支援地域本部
      • おおさか元気広場
    2. 家庭教育支援の取組みの現状と課題について
      • 親学習の取組み
      • 学校の教育機能を活用した訪問型家庭教育支援の取組み
    3. 教育コミュニティづくりの今後の方向性について
    • (2)委員による意見交換
      テーマ:教育コミュニティづくりの拡大・発展 -家庭教育支援の観点を加えて-
      ※各団体・機関の関わりを中心に意見交換

協議会の様子 渥美座長

画像です。委員のみなさま3 画像です。委員のみなさま2

協議の概要

【座長】

前回の推進協議会では、教育コミュニティづくりの進捗状況と今後の展開について論議した。その中で、1教育コミュニティづくりの成果と課題を踏まえて専門的な見地から 2教育コミュニティの現状と課題について 3教育コミュニティづくりの拡大・発展-学校支援をきっかけとして- の3点について意見をいただいた。
本日は、「教育コミュニティづくりの拡大・発展-家庭教育支援の観点を加えて-」というテーマを設定した。
これまでのすこやかネットの取組みを基盤として、学校支援地域本部事業とおおさか元気広場推進事業を活用しながら、学校支援活動の充実に取り組むことにより、地域の学校応援団の拡大を図ってきた。
今年度からは、家庭教育支援の取組みを加えて、教育コミュニティづくりの一層の充実に取り組んでいるということである。
各委員からそれぞれの立場でご意見をいただきたい。
まずは、学校現場から、学校支援地域本部を中心とした教育コミュニティづくりの課題と今後の方向性について、U委員にご意見をお願いしたい。

【委員】

学校支援地域本部は、中学校が拠点。それをどのように小学校へ、あるいは地域へ広げていくか。そして、その取組みにより、子どもの生活習慣の向上だけでなく学力向上も一緒に進めたい。地域教育力の再発見・掘り起こしも進んでいる。管理職の姿勢により、教職員、ボランティア、子どもの相互の触れ合いがどんどん広がる。

【座長】

次に、おおさか元気広場を中心とした教育コミュニティづくりの課題と今後の方向性について、W委員にご意見をいただく。

【委員】

学校教育には、学校・家庭・地域の連携が必要であると従前から言われているが、豊中市では、教育課程の内外で子どもを巻き込む地域諸団体による様々な活動が盛んである。
一方で、家庭の教育力の低下が叫ばれ、学校教育に保護者をどう取り込むかが課題である。また、教育コミュニティづくりという幅の広い観点からは、それぞれの地域の特性に応じて、学校・家庭・地域の連携の充実はもちろんのこと、子育て支援や町づくり関係等、行政の様々な部署に民間等も含めた地域ぐるみの大きな組織づくりが必要。

【座長】

午前中に放課後子どもプラン推進委員会が開かれたとお聞きした。その会長をされているS委員からお話を伺いたい。

【委員】

「教育コミュニティ」は、「子ども・学校」がキーワード。放課後子どもプランは、放課後の子どもの健全育成がテーマ。教育の放課後子ども教室、福祉の放課後児童クラブという2つの放課後事業を、連携によってより有効なものにする必要がある。
従来、放課後は、学校から束縛されない自由な時間であったが、今は安全の問題がある。また、格差社会の中で、子どもたちの放課後が放置されれば格差は拡大する。安全と取組み内容の充実は喫緊の課題。特に大阪では、支援を要する子どもが、地域で豊かに育つにはどうあるべきかを考える必要がある。
また、子どもを通じて大人自身がもう一度出会い直して地域の豊かな関係を築いていくことも大きなテーマ。そして、子どもたちが、地域の人と出会うことによって「自分も将来こんな地域の人になりたいなあ」と思うモデルとの出会いは良いこと。
今日いただいたデータで、私は、「子どもが企画する事業が増えた」かどうかに関心があるが、実際はそのような事業は少なく、大人が考えて企画している。今後のパラダイムとして、将来のよき市民を育てる意味からも子ども自身が主体の立場で「こんなことをしたい」と言えるものが大切。

【座長】

府の教育コミュニティづくり推進事業に、今年から家庭教育支援が加わった。地域課題に対応して取組みを進めておられる行政の立場から、O委員にご意見をいただきたい。

【委員】

地域との結びつきの薄さや忙しさ等により、来所相談できない保護者の増加という問題があったことから、市の教育支援センターでの相談事業の一つの柱として訪問型家庭教育支援の取組みを実施。
家庭教育支援チームには、カウンセリング資格を持つ地域の方がサポーターとして参画し、支援が必要な家庭を訪問している。また、学校園、教育支援センターの専門相談員やソーシャルワーカー、学生ボランティア等が連携。個別支援プログラムを作成し、役割分担して総合的に支援する。
この取組みの特徴は、指導ではなく保護者に寄り添い、保護者が現実の問題と向き合えるようになるまで、家庭訪問を繰り返す中で粘り強く信頼関係を築くこと。家庭生活や子どもに良い変化が表れてくると、保護者は新たに頑張ろうという意識が生まれてくる。
地域の人材が学校園に協力することにより、ナナメの関係の中で、悩みを抱える保護者が相談しやすい。校種間、福祉も含めて関係諸機関の連携も必要。
また、保護者が子育てについて学習・情報交換する機会を提供することも大切。子育てカウンセリング講座のような研修会等が必要。

【座長】

続いて、これまでも府の家庭教育支援の取組みに関わっておられるM委員にご意見をお願いしたい。

【委員】

家庭教育支援は、親の教育力を高めることがねらい。コミュニケーション力の不足など子どもの発達課題の積み残しが学校でのトラブルとして現れるが、その課題についてコンタクトをとることが難しい保護者がいる。
家庭訪問は、保護者に関わる絶好の機会。子どものプラス面を伝えて、保護者のエンパワメントに努める。家庭訪問による働きかけを丁寧に積み重ねると家庭が安定し、子どもも子どもの友人関係も安定する。子どもを通して保護者・家庭と繋がることが大切。「仲よく・ほめて・積み重ね」を丁寧に続けることで成果が表れてくる。
必ずしも関わる全ての人に専門性が求められるわけではない。役割分担して進める体制づくりが大切である。

【座長】

学校管理職、家庭の教育力、大人がつながる、子どもが地域の大人と会ってモデルにする、訪問型で保護者のエンパワメントをされている等のキーワードで話をしていただいた。
次に、教育コミュニティづくりの今後の方向性などについてご発言いただきたい。

【委員】

福祉教育という観点で課題出しをさせていただきたい。

  1. 昨今の学校現場では、学習指導要領の改訂等で授業時間が増加し、時間的余裕がないことに加え、20歳代の先生が過半数を超える状況がある。情熱が高まるなどの良い面もあるが、若い教師は経験が乏しく地域とかかわるノウハウをあまり持たない点は課題。
  2. 一方、コミュニティ機能の低下により地域の方々同士のコミュニケーションも難しくなっている状況が指摘できる。また震災後、障がい児者に対するイジメ等の人権侵害事象が増えており、教育コミュニティで何をしていくかが大切な論点となっている。教育コミュニティづくりの基本が人権教育、同和教育からきている。今後の取組みの方向性としては、障がいがある方々へのいじめ問題への対応には、発達障がいのある子どもも含めて、学校生活や地域の方とのかかわりの中で子どもの自尊感情を育む取組みが大切。学校を開く、地域化していくことの意義を考え、先生方も地域と一緒に育っていくという観点が必要。
  3. 地域福祉の観点では、高齢者の社会参画、生きがいづくりがポイント。例えば、社会福祉協議会で子ども見守り隊等の学校支援ボランティアの取組みをやっているところもある。団塊世代・高齢者の生きがいづくりの観点からも、このように子どもを媒介とした教育コミュニティの実践は重要である。

【座長】

続いて、ご意見をお願いしたい。

【委員】

府社会福祉協議会では、要支援者を見守る小地域ネットワークづくりを小学校区単位で進めている。全市町村に設置しているのは大阪だけであり、41市町村に672の地区福祉委員会がある。主な取組みは、障がい者や一人暮らしの高齢者の見守りや訪問活動。学校との関係づくりにも取り組んでいる。例えば、阪南市では、行政と社会福祉協議会が協働で地域福祉推進計画づくりを進めており、中学生にも説明してパブコメを出してもらおうという委員の声がある。富田林市では、東条小学校で震災教訓の講話を行った。全小学校に広めていく動きがある。民生委員や社会福祉協議会の報告会も行い、教訓化に取り組んでいる。

【委員】

中学生を取り巻く社会の組織として社会福祉協議会や社会を明るくする運動、地域教育協議会等があるが、学校としてはすべてに顔を向ける必要がある。
専門性と役割分担という話があったが、寝屋川市では、地域福祉の取組みの方向性を示すスクールソーシャルワーカーを導入して学力向上の取組みが劇的に改善した校区がある。どのように家庭とかかわるか、どの方向から保護者と関係をつくるか、今まで分かりにくかった。
学校の課題として2つ。1つは教員異動で、新任4年、転勤後7年というサイクルがある。地域と一緒にコミュニティづくりをと思っても、馴染んだ頃に異動。地域では「先生は3年で代わる」という意識。
もう1つは、教員年齢が若いこと。保護者より年齢が下で、保護者にどのように接するかのノウハウを持っていない。
保護者の不安として、「分からないのは恥」という認識がある。親は「子育てがわかれへん」、子どもは「勉強がわかれへん」と気軽に言える組織づくりができたらと思う。

【委員】

PTAはボランティア団体だが、役職によると職業をもっているに等しいほど忙しい。
子どもが小学校に入ると働き出す方も多く、PTA役員はなりてが少なく、選挙で選ばれたりする。マナーの悪い保護者等とも一緒にやっていかなければならない。「世話になっている」という意識がない人もおり、「学校に任しといたらええ」という感覚。得することがないと出てこない。そのような方々とどう接するか思案している。家庭教育支援チームやカウンセラーの話があったが、いろいろなジャンルの職業の人やいろいろな外見の方、年齢の方々に手伝ってもらって、子どものための取組みについて宣伝できないか。
親学習については知らなかった。資料は読まないし、インターネットも開かない保護者が殆ど。わかりやすい宣伝が必要。そんなところからスタートして寄り添っていきたい。

【委員】

いろんなご意見を聞かせてもらって勉強させていただいた。少し観点が違うが学校・地域・家庭の連携による教育コミュニティづくりの推進事業を進める上で、保護者・女性の就業環境の整備が大切である。母親は、学童保育の時間が短いことや体制が整っていないという問題から、子どもが小学校に上がるタイミングで、フルタイムの就労をやめてしまうことが多いので、家庭や地域で一緒に育てるという観点での環境整備も合わせて考えていく必要がある。

【委員】

幼稚園は、子どもにとっても保護者にとっても初めての集団生活。保護者の中には地域教育協議会を知らない方が多い。地域や地域教育協議会の取組み等、幼稚園に関連する事柄を管理職が保護者に伝えて理解が深まるように心がけている。近くに吹田東高校があり、幼小中高が連携して地域教育協議会の活動に参加している。
「ミュージックフェスティバル」に幼稚園の園児全員が参加したり、地域防災の学習会に教職員やPTAが参加して連携を深めている。
地域コーディネーターをとおして、保育ボランティアや園児の安全見守り隊などお願いして幼稚園にも来ていただいている。今後も地域教育協議会と連携しながら幼稚園教育の充実に取り組んでいきたい。

【委員】

地域コーディネーターの存在を知ってほしい。H13にすこやかネットを田尻町で立ち上げたが、初めは学校に地域を呼び込むことに力を注いでいた。しかし、しんどい子どもや課題のある家庭の保護者は来ない。これではいかんなということでこども110番ウォークラリーを企画して地域へ出た。すると、足の不自由なおばあちゃんが家の前で応援してくれてた。2年前から通学合宿を始めた。学生リーダーも入れていろんなプログラムを考えて子どもたちを楽しませようと思ってるのに、子どもらが一番楽しかったのは「もらい湯」だった。協力してくれた家庭も子どもが来てくれるのがうれしかったという。
これらの事業を進める中で、取組みがだんだんと家庭に近づいてきている。もらい湯で協力してくれた方はその後も、「あの子、学校からもう帰って来たかな」と思い出す、登下校のことまで気になると言ってた。子どもの安全につながっている。
3.11以降、地域の絆の大切さが言われている。学校と地域のつながりがあったところは避難所運営がスムーズ。顔と名前の一致するナナメの関係が大切。座長に、被災地での活動に基づくお話を聞かせていただきたい。

【座長】

教育コミュニティづくりの取組みが始まった頃、学校でのフェスタを見て、これは避難所そのものだと思った。避難所訓練と言わずに訓練をやってる。阪神淡路大震災があって、地域でのこんなしくみが大切と実感した。
NPOの関係もあり被災地へよく行くが、子どものつながりに気づく。17年前に西宮の子どもたちが八戸の方々に助けていただいた。それを覚えている人たちから、お世話になった八戸へ行ってあげてと言われた。今、被災地では遊び場がない。狭い仮設住宅に慣れるのも大変。いじめ、差別が起こっている。中学生の女の子が、「もう子ども産めないの?」と聞いたという切ない話もある。
先生方が被災地に行き、現地で話を聞いてほしい。そして、多くの子どもたちに伝えてほしい。
平常時からの大人たちの活動が大切。釜で塩水ゆでて塩作り。昔、金ちゃんの仮装大賞出場を目標にしていた人々が、その後、役場の中核になり、当時の活動が復興活動の中で生きている。
中越沖地震の刈羽村の人たちが今回の被災地を支援している。被災地のリレー。西宮から刈羽、刈羽から野田村。すこやかネットで言うとネットどうしがつながる「ネットネット」も大切ではないか。
受援力。援助を受け入れた地域の方が活性化する。学校支援地域本部も受け入れることで活性化。
現在、たくさんの学生ボランティアが活動。18時間かかって現地に着くとまず、携帯電話の充電用電源を探し、コンビニを探す人もいる。しかし、現地で仮設の人たちから声をかけてもらい、ご飯を食べさせてもらい、もらい湯をしていろんな話を聞いてくる。学生ボランティアの実態は、まだまだお膳立てされた活動から始まるが、それはそれで良い機会になっていることも事実。
地域の大人やその活動を見ることが成長につながる。リアリティのあるものに触れる機会を増やすことが大切。

【委員】

被災地で活動した学生ボランティアの報告会で、「初めは自分が支援をしてあげようと思っていたが、反対に子どもに励まされ、その子は親が亡くなっていたことを後で知った。ボランティアに参加した私自身が被災地の子どもたちや先生がたから多くのことを学ぶことができた。」という話を聴いた。学生は本物と接することが大切であり、教育コミュニティづくりに関わる子どもたちも同様で、直接地域の方々と関わることで、学校の中だけでの教育では学べない生きた学習が可能となるだろう。

【委員】

退職教員の方々に、以前働いていた学校や所縁のある学校で働いていただくことも大切。困っている家庭にも行ってもらうと力になると思う。困っている家庭の保護者が、過去に習ったことのある先生と出会うこともあるだろう。

【委員】

今のお話のとおり、平成14・15年頃、家庭教育支援で退職教員に活躍していただいた。今はソーシャルワーカーがいろんなことをやってくれるが、当時、自分たちでできることを考えて一緒にやった。子どもの声を聴き、いいところを生かしながら親のエンパワメントに活かすことが大切。

【委員】

門真市では、退職教員が組織的に活躍している。「ネットネット」は大切。すこやかネットの事例を学ぶ機会を設けたい。

【座長】

教員の異動サイクル、PTAの現状、学童保育の時間、田尻町の取組み等、一般化できないが、共有されることを願う。

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平成22年度 教育コミュニティづくり推進協議会 記録

  • 開催日時 平成23年2月18日 金曜日 午後1時30分から3時30分
  • 場所 大阪府立男女共同参画・青少年センター特別会議室 (ドーンセンター)
  • テーマ 教育コミュニティづくりの拡大・発展 -学校支援をきっかけとして-
  • 内容 (1)事務局からの報告
    1. すこやかネット活動を基盤とした、これまでの「教育コミュニティづくり」の取組みについて
    2. 平成22年度における「教育コミュニティづくり」の進捗状況について
      • 「学校支援地域本部事業」の概要説明
      • 「大阪府放課後子どもプラン推進委員会」の報告
    3. 平成23年度の事業展開について
    4. 社会教育委員会議の提言について
    • (2)委員による意見交換
      テーマ 教育コミュニティづくりの拡大・発展 -学校支援をきっかけとして-
      ※各団体・機関の関わりを中心に意見交換

平成22年度教育コミュニティづくり推進協議会の様子1 平成22年度教育コミュニティづくり推進協議会の様子2

平成22年度教育コミュニティづくり推進協議会の様子3 平成22年度教育コミュニティづくり推進協議会の様子4

協議の概要

1)成果と課題をふまえて専門的な見地から

【座長】

前回の推進協議会では、教育コミュニティづくりの進捗状況と今後の展開について議論した。その中で、教育コミュニティづくりの現状と課題、学校支援活動の充実について、学校支援活動は様々な地域活動につながるかという3点について、意見をいただいた。
本日は、「教育コミュニティづくりの拡大・発展 -学校支援をきっかけとして-」というテーマを設定した。
これまですこやかネットを基盤として、学校支援活動を進める中で、学校を核とした教育コミュニティづくりを推進してきた。今後、事務局から紹介があったようにおおさか元気広場と家庭教育支援を有機的に組み合わせて、教育コミュニティを拡大していくということである。
各委員からそれぞれの立場でご意見をいただきたい。
まずは、これまでの成果と課題を踏まえて、専門的な見地から、S委員にご意見をいただく。
S委員は、大阪府放課後子どもプラン推進委員会の会長をされており、専門の教育方法学の立場から、子どもと地域との関係についてお話をいただきたい。

【委員】

放課後子どもプラン推進委員会に関わって、また、21年間の公立小学校での教員の経験を通じて、学校で教員がいくら頑張っても地域、保護者との豊かでゆるやかな連携がなければ教育は完結できないことを実感した。
最近、無縁社会という言葉がある。つながりがなく冷たい関係の中は、立場の弱い子どもたちにしわよせがいく。無縁社会の反対の概念として、納豆社会という造語がある。適当な粘り、つながりを持っている。そのためには、「つなぎ」が必要。人的なつながりとして、子ども自身が様々に動くことで大人がつながる。
もう一つは、キーパーソンの存在。文化的な「つなぎ」としては、様々な活動。
放課後子どもプランの訪問取材でも、活動の場、キーパーソンの存在が共通している。
大阪ならではの「つなぎ」をいかに作り上げていくか。先日訪問した保育所の入り口に「友だちのことほっとかれへん」という掲示があった。これこそ、大阪ならではの、善玉のおせっかい精神であると感心したところ。教育コミュニティづくりにも活かしていきたい。

【座長】

次に、大阪府社会教育委員として、またボランティア活動に造詣が深いN委員からご意見をいただきたい。

【委員】

社会教育委員として提言を作成したところ。具体的な事例を掲載し、ちょっとやってみようというきっかけになればと願っている。
ボランティア協会の立場から、教育コミュニティづくりの拡大・発展につながるホットな三つの取組みを紹介したい。

1.プロボノ 2.ボランティアスタイル 3.ファンドレイジング

プロボノは、各分野の専門家が職業上持っている専門的な知識や技術を活かして社会に貢献していくということ。学校支援活動の拡大には、今まで関わっていなかった人が、その専門性を活かして参加するというプロボノの考え方は有効。
ボランティアスタイルは、働き盛りの年代が短時間でできるボランティア活動に参加するというやり方。入り口として3時間ぐらいで参加できる学校支援を設定することで、参加のハードルを低くする。
ファンドレイジングは、社会から共感を得て支援を集めるという考え方。実際の参加はできないけど、お金を託してプロジェクトに参加し夢を買うというボランティアの考え方も有効。

2)教育コミュニティづくりの現状と課題について

【座長】

それでは、教育コミュニティづくりの現状と課題について、学校現場の立場からご意見をいただきたい。

【委員】

すこやかネットの活動は定着してきた。登下校時の見守り、ものづくり、職業体験などお世話になっている。課題としては、メンバーが固定化していること。また、教育と福祉がドッキングしたという面では良いが、活動が広くなりすぎた面がある。運営者に負担が大きく、イベント活動も見直した。しんどいボランティアは長続きしない。その意味で、N委員の意見は参考になる。

【委員】

豊中市では、公民分館、福祉関係の活動、青少年健全育成会等、地域活動が非常に活発。地域教育協議会の取組みを開始するとき「屋上屋を架す」というとらえ方があった、制度が定着する前に新しい制度が出てくる。シンプルに府民に響くような打ち出し方が必要。
また、学校支援地域本部の取組みによってボランティアは増えて来ているが、地域住民の学校支援の参加に比べて、保護者の関わりが少ない。
中学生、高校生の参加が課題。お客さんではなく、参画させることが必要。中学生の参加促進の事例として、夏休み子ども科学教室で中学校の科学クラブが中心になって企画・運営をしている。

【委員】

これまでのすこやかネットの取組み、3年間の学校支援地域本部事業の取組みの成果として、この事業をきっかけとしてネットワークが広がった。多くの地域の方、大学生がボランティア登録を行い、支援をしていただいている。
今後も、ボランティアの育成が必要。介護体験学習に参加した大学生をボランティア登録し、データ化していくことがコーディネーターの役割。財産の継続が必要。
教育コミュニティづくり推進事業に家庭教育支援という観点が入ってくることもあり、教育と福祉の連携がより大切。どのような組織構成にしていくのかが課題。

【委員】

八尾市では、子どもも参加できる子育て講座、ふれあいまつり、地域の一斉清掃、職業体験への支援など幼稚園の園児も参加できる地域活動が盛ん。安全指導では、登園しにくい園児に声かけをしてもらっている。また、パートナーシップ事業では、幼稚園と小学校の連携を進めているところである。
これらの取組みを通して、校区の子どもたちをみんなの目で見る体制づくりが進んでいる。

3)「教育コミュニティづくりの拡大・発展 -学校支援をきっかけとして-」

【座長】

次に、学校支援活動をきっかけとして教育コミュニティづくりの拡大・発展へつなげるためにという観点から、取組みの内容、方法、課題等について意見を伺いたい。

【委員】

民生委員が落ち着きのない小学生にずっと付き添うことで、落ち着いていったという事例があった。児童虐待や高齢者の孤独死など、地域の孤立化が進んでいるが、一方、タイガーマスク現象を一つのきっかけに行政が児童養護施設の改善を検討していこうという流れがある。また、元阪神の矢野選手の基金活動など、心温まる取組みの広がりもある。福祉コミュニティづくりでは、大阪の特徴として専門職であるコミュニティソーシャルワーカーを162名配置し、ネットワークづくりを進めている。

【委員】

青少年指導員連絡協議会では、居住地の地域の子どもと接して活動する中で出てくる困ったことや疑問の解決のための研修会を実施。先日は「高校生像」をテーマに研修を実施。また、他の団体と共同の研修も実施している。

【委員】

支援学校に行っている子どもは、居住地の地域との関わりが少なく、活動に参加しにくい状況がある。一方で、子どもたちを温かく見守ってくださる地域の方もいる。もっと、地域からの声かけが必要。

【委員】

田尻中学校区のすこやかネットで2泊3日通学合宿を実施。もらい湯を採り入れた。20家庭が協力してくださり、実施後も喜んでくれた。学校を基地に子どもたちを中心に活動しているが、地域の大人が喜んでくれている。これからも地域のつながりづくりを続けていきたい。
キーパーソンとして、地域でコーディネーター役をしている人を対象とした、コーディネーターとしてのスキルアップのための研修が必要。
取組みが大きくなれば実行委員会を作る傾向があるが、実行委員会を作らずとも経験上のスキルがあればできる。いろんな団体と連携し、それぞれの特性を活かしたコーディネートが必要。
子どもたちのためにしている活動は、地域のためになっていると学校支援の活動を通じて確信した。

【座長】

今回は、「教育コミュニティづくりの拡大・発展-学校支援をきっかけとして-」というテーマを設定し議論をしていただいた。
長年言われてきているが、教育と福祉の実効性のある連携が大切。また、学校現場に行って驚いたことは、先生がとても忙しいこと。教育コミュニティという地域の方々を信じて学校を開いていくことが大切。知識教育だけでなく、子どもたちの発達、成長には、人権教育、福祉教育、支援教育など弱い立場の人を大切にする教育が必要。教育コミュニティづくりは人権教育を基盤にスタートしたものと理解している。
先生は知識をしっかり教えることに責任を持ち、地域の方や保護者は子どもたちに生きる力や優しさを伝えることが大切。
子どもたちとおじいちゃん、おばあちゃん世代が交流するだけで、まなび、優しさが生まれる。そのようなねらいを教育コミュニティづくりの取組みは潜在的に持っている。
教育コミュニティづくりは、学校教育と地域教育の融合という視点も持った取組みである。

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平成21年度 教育コミュニティづくり推進協議会 記録

  • 開催日時 平成22年3月12日 金曜日 午後3時から5時
  • 場所 ドーンセンター 5階 特別会議室
  • テーマ 教育コミュニティづくりの拡大・発展 -学校支援活動のさらなる充実に向けて-
  • 協議の流れ
    1. あいさつ
    2. 座長あいさつ
    3. 教育コミュニティづくりの進捗状況と今後の展開についての説明
    4. 協議内容
    • (1) 前年度会議の内容報告
    • (2) 教育コミュニティづくりの現状と課題
    • (3) 学校支援活動の充実・定着に向けて

会議の様子

協議の概要

(1)教育コミュニティづくりの現状と課題について

(学校現場からの報告)

【委員】(学校関係者)

すこやかネットの取組みは定着。学校支援活動の継続した実施にあたっては、教職員と地域の方と良好な関係を作るということではお互いに顔と名前が一致する関係をつくる気遣いが必要。地域の子どもは地域で育てようという合言葉のもとに積極的に協力いただいているのが現状。

【委員】(学校関係者)

問題は、子どもたちの放課後の活動の喪失。それが子どもたちの体力や食欲、人間関係力や学力の問題にもつながる。これまで、学校と地域とをつなぐ窓口は教頭だったが、コーディネーターが幅広くいろんなところとつないでおり、教頭の仕事も軽減。新たなボランティアがどんどん学校に協力。バラエティに富んだ児童の活動が可能になっている。

【委員】(学校関係者)

府立支援学校は、通学区域が広くて地域連携が難しい。私の勤務校の子どもたちは聴覚に障害があり、児童・生徒に手話を使って指導することも必要である。手話サークルからのボランティアも募集している。コーディネーターは保護者。子どもたちは他者とのコミュニケーションが大切であり、地域の方との交流やふれあいはとてもよい機会である。本校の学校支援活動は他に図書館支援があり、放課後は茶道部や卓球部にボランティアが指導に来ている。今、活動してもらっている方々に、その活動を長く継続していただきたい。

【委員】(学校関係者)

校区は地域と連携を取りやすくてとても良い環境。地域教育協議会は、子どもたちの生活実態についての話し合いと情報共有の場。私の勤める幼稚園では、婦人会や小学校と一緒にいろんな取組みに参加。少子化、人のつながりの希薄化の中で、子どもたちの人とかかわる力が弱くなっており、この課題を克服することが以前よりも重要。小中学校の生徒や地域の人とのふれあいの中で児童・生徒を育てる必要。幼稚園の先生もこれらのことを理解して外へ出かけている。

(2)学校支援活動の充実・定着に向けて

【座長】

各方面から現状を伺ったところ、学校支援活動の拠点整備が有効かつ必要、教頭への業務の集中が軽減、子どもの放課後の時間が失われていることが問題、ボランティアの発掘、コーディネーターの力で連携が進んでいる。次に、視点を変えて学校を応援する活動について具体的な取組み方法や内容を様々な方面から伺いたい。

【委員】(保護者関係)

PTA活動への参加者減少を受け、大阪府PTA協議会ではアンケート調査実施。PTAは地域の方々とも協力しながら、子どもたちを見守っていく必要。中学生になると親の言うことをきかない。気楽に集まれる工夫をして活動しているが、なかなか効果があがってない。PTA役員を探すのは、小学校も中学校も苦労している。楽しみながら活動できるように工夫していきたい。

【委員】(体育関係団体)

体育指導委員は地域のスポーツ振興のために活動している。スポーツの指導員が地域にたくさんおり、子どもたちとも一緒に活動できる。声かけしてもらえば協力できる。

【委員】(警察関係者)

大阪の触法少年数は28年連続ワースト1。サポートセンターで指導を受けた少年は再犯率が下がる。積極的に関わってくれる人への信頼は高い。地域や教育委員会と連携して、声かけ隊等の活動を進めている。

【委員】(青少年育成団体関係者)

大阪の子ども会活動参加者は、指導者の大人を含めて257,000人。中学生から30歳代がいない状態。子どもたちは、すぐ上の年代の人のいうことはよく聞くが、「昔はなぁー」と言っても今の子はきかない。

【座長】

各団体や機関から、学校、子どもを応援する方策について意見をいただいた。これらを受けて、学校を代表してお願いしたい。

【委員】(学校関係者)

教育コミュニティづくりの推進には校長のリーダーシップが必要。また、校区の取組みとして何が必要かを理解しているコーディネーターも必要。校長や教職員は約5年で代わるが、地域による継続した学校支援活動をお願いしたい。学校はまだまだ閉鎖的なところがあるが、ボランティアの校内での活動拠点をつくるなど、学校支援ボランティアを積極的に歓迎したい。

【座長】

学校支援を歓迎する姿勢を示すことが必要だという意見。続いて、先日の「教育コミュニティづくり実践交流会」のまとめ役としてお世話いただいた大阪教育大学 新崎委員、当日の実践報告から、今の協議に参考になる内容などがあれば、その紹介も含めて意見を伺いたい。

【委員】(学識経験者)

2月28日の「教育コミュニティづくり実践交流会」で4つの報告。松原市からは、図書館での学校支援活動として蔵書管理のIT化を進めており、活動する中でボランティア自身も元気になっているという報告。次に府立東大阪支援学校が、市政だよりで学校支援ボランティアを募集したことがきっかけで、障がい者理解を含めて学校支援活動が広がっているという報告。岬町立中学校と大阪市立花乃井中学校では、校長のリーダーシップにより学校全体の合意を形成。ミッションをもって取組みを進める時、ボランティア活動が生きてくるという報告。今年度から始まった府市連携の意義は大きい。2006年に教育基本法が改正され、教育コミュニティづくりには援軍。今がチャンス。

【委員】(地域コーディネーター)

子どもの囲碁、将棋教室で「このおっちゃんに勝ったら名人賞」などとしかけして子どもをその気にさせたことがあったが、一番喜んでいるのは実はそのおっちゃん。これがコーディネーターの腕の見せ所であり、おもしろく見せる工夫。コーディネーターの方には、どんどんつないでいただきたい。

(3)「学校支援活動は、さまざまな地域活動につながるか?」について

【座長】

学校支援活動の自然な広がりから地域活動への発展が期待できる。「地域力再生支援事業」については、学校支援地域本部の活動拠点を小学校に整備し、その拠点を活用して、防犯や防災、高齢者の見守りなど、さまざまな地域課題の解決に取り組むという内容である。高齢者の見守り活動について福祉分野からコメントを伺いたい。

【委員】(福祉関係)

教育と福祉が一緒に教育コミュニティづくりに取り組めたらと思う。社会福祉協議会では見守りや助け合いなどの小地域ネットワーク活動を小学校区を単位として推進している。さまざまな団体とともに活動する中で、例えば、安心安全なまちづくり運動と連携するようになった。保育園の先生が、家族のひきこもりの相談や生活の相談も受けるようになってきた。いろいろな福祉施設が小学校区には1つはあると思うが、互いに交流していきたい。

【座長】

私の専門は実は防災。学校を拠点にということで取組みを進めていきたい。
関係各方面からのご意見を受けて、学校を拠点として活動されている代表として、PTAからいかがか。

【委員】(保護者関係)

PTAもいろいろな活動を展開していく。その中で、さまざまな方々と一緒に楽しく活動に取り組んでいきたい。学校支援活動から、地域活動へ自然に広がっていけばいいと思う。

【座長】

学校支援活動から、地域活動への自然な広がりが大切であるという意見。
x以上のような協議を受けて、学校支援活動をどう広げるか、そこからさまざまな地域活動への広がりを生み出すために必要なことは何かという観点でボランティア協会からいかがか。

【委員】(ボランティア・NPO関係)

府でも庁内連携や府市連携が進んでいる。コーディネーターとボランティアの連携も進めばいいと思う。教育コミュニティづくりでは、校区外の団体とも連携できたらと思う。府立支援学校のお話で、障がいには身体障がいだけでなく、知的障がいや発達障がいもあり、地域の人はどこを支援したらいいかわからないという状況も考えられる。つなぐ人がいなかったことが原因で支援してもらえない状況が生じていたのかもしれない。校区や専門の境界を越えることも必要。つなぎ役としてのボランティア境界にも連絡していただければと思う。

【座長】

時間がなくなったのでここまでとしたい。境界を越えていくという、新しいことも出てきたように思う。

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成20年度 教育コミュニティづくり推進協議会 記録

  • 開催日時 平成21年3月19日 木曜日 午後1時30分から3時30分 大阪府公館
  • テーマ 教育コミュニティづくりの拡大・発展 -学校支援活動のさらなる充実に向けて-
  • 協議の流れ
    1. あいさつ
    2. 座長あいさつ
    3. 教育コミュニティづくりの進捗状況と今後の展開についての説明
    4. 協議内容
    • (1) 前年度会議の内容報告
    • (2) 教育コミュニティづくりの進捗状況と今後の展開について
    • (3) 学校支援活動の充実・定着に向けて

H20推進協議会の様子

協議の概要

1 教育コミュニティづくりの現状と課題について

(学校現場からの報告)

【委員】(学校関係者)

「すこやかネット」の立ち上がったころに比べると、時間の経過とともに疲れが見えてきた。地域の共有財産である学校を活用すること、開かれた学校づくり(施設設備・情報・教育内容を開く)は必要。しかし、学校支援のさまざまな取組みによって、教頭の業務量も増大している。学校のビジョンを校長が描き、それを受けてコーディネーターが主体的に活動することが理想。コーディネーターを確保できたところは事業が進む。人材確保が課題。人材バンクの再整備やインターンシップのさらなる推進、行政とともにコーディネーターの育成を考えていきたい。

【委員】(学校関係者)

豊中市は、小学校区単位で公民館分館があり、そこが中心になって地域づくりの取組みを進めている。
小学校区で実施の「地域子ども教室」も公民館分館が中心。様々な取組みがあるため、すこやかネットは中学校区単位としてのイベント的な活動にならざるを得ない側面がある。学校地域連携ステーション事業は、新たにコーディネーターを配置することができる。地域において顔の広い方がコーディネーターのところは、スムーズに進んでいる。この事業に期待しているところ。

【委員】(学校関係者)

地域との連携があまりなかった支援学校にとって、本部事業は絶好の機会と考えている。リーフレットやチラシなどを配ったところは反応があり、支援の活動は進みつつある。学校がやってほしいことと、ボランティアがしたいことのマッチングが大切。また、ボランティアへの対応が結構大変。

【委員】(学校関係者)

幼稚園教育は家庭と地域の連携が重要。子育てについての親の学びや技術が大切になる。親どうしが交流し、よその家庭ではどのように育てているのか、どうしたら子どもがどんな反応をするのかを学んでいる。幼稚園では支援が必要な子が多い。本部事業に幼稚園がのっているのは、まだ3、4市。園長会では、本事業で地域との連携をさらに深めていきたい。

2 学校支援活動の充実・定着に向けて(※現場の課題を受けて、各団体・機関が支援できることを中心に)

【座長】

  • 現状や課題についてお話しをいただいた。
  • いままでの教育コミュニティづくりでは、取組みの広がりはあるものの、小学校区と中学校区のエリアの違いや新たな人材の参画が少ないなど課題もある。
  • さらに、今、学校だけでは抱えきれない課題が多いことも事実。
  • そのためには、地域の信頼や地域の支えが必要とのご意見。そこで、学校と地域の連携、特に学校支援について、その具体的な取組み方法・内容なとについて、ご意見を伺いたい。

【委員】(保護者関係)

幼稚性のある子(特に男子生徒)に対して、今何ができるのかを考えている。現場では、実験や実習の助手、補助員が切られているので、PTAで補いたい。クリーンキャンペーンにも取り組んでいるが、部活動でチームワークを体感している子はよく動く。

【委員】(体育関係団体)

体力・運動能力調査の結果から、大阪の子は就寝、起床が遅く、朝食を摂らない子が多い。特に、持久力(シャトルラン)の数値が低い。子どもの外遊びの機会が少ないと言われているが、安全面の心配から、親が子どもを外に出さないケースが多い。

【委員】(地域コーディネーター)

府教委の説明であった通学合宿がおもしろそう。わくわくドキドキキャンプという1週間にわたるキャンプをやったが、子どもが日に日に代わっていくのが見えた。校長のリーダーシップとコーディネートも大切。府が打ってくれた事業をおもしろいものにするのが地域(地域コーディネーター、学校支援コーディネーター)の役割。

3 家庭や地域が担える役割や具体的な活動について

【座長】

  • 校長にリーダーシップを発揮していただくことも重要であるというご意見をいただいた。
  • 一方で、学校には、様々な子どもの課題への対応が求められ、学校への依存度が高くなっている。
  • そこで、家庭や地域が担えること、あるいは、担うべき役割とは何か。

【委員】(警察関係者)

平成19年度の少年非行、大阪は9,707人、そのうち、14歳未満の触法少年が2,289人で1,378人の東京を抑えて、27年連続の断トツのトップ。夜11時以降は警察も補導をするが、夕方の5時6時頃の見守り活動を学校にお願いすることはできない。学校の先生方もたいへん忙しい。声かけをするきちんとした取組みに地域の方々、各種団体の方々にご協力いただけないかと思う。少年サポートセンターは府内に10か所しかない。三国丘の少年サポートセンターには、警官が4人しかいない。この人数で堺、和泉、泉大津、忠岡、高石をカバーしているが、声かけできるような人数ではない。少年が犯罪に巻き込まれるなど、警察の世話になる前段階で阻止できるように、治安総合対策の中で、各市町村に1か所少年サポートセンターを設置して、そこをボランティアの方々の活動の場にしてほしい。このような取組みは、学校支援地域本部にぴったりあてはまる。警察の方でも、そういった取組みにご協力できるのではないか。

【委員】(社会教育関係団体)

キャンプやロープワーク、ファイヤー、ゲームなどを中心にして、豊かな子どもの育成のため、学校を卒業するまでの年代の子どもたちを、それぞれに地域と連絡を取りながら育てていく取組みやプログラムを提供、指導者の研修を行っている。地域の子どもを地域で育てようという考えで、学校の先生や地域の方とも協働していかなければならないと思っている。そういう取組みの中で、孤立化したり、悩んだりしている子どもや家庭があることを考える必要がある。学校支援という取組みにおいても、学校の要望を踏まえながら、積極的に参加していきたい。府内16地区250団あるが、地域の方々と密着した取組みはまだまだできていないと思う。ボーイスカウトへも、声かけをしていただき、一緒にやっていきたい。

【委員】(保護者関係)

中学校になると、PTAは授業参観にさえ来ない。子育てを学校に丸投げしている。PTAのOBはよくやってくれるが、「なぜ、保護者がしないのか?」という声がある。PTAの役員は、校長先生とはよく話ができるが、現場の先生とは溝がある。互いに重いが伝わらないもどかしさがある。

【委員】(地域コーディネーター)

大阪は早くから教育コミュニティづくりに取り組んできて注目されている。学校支援と言えば「学力向上」というイメージが中心だが、「勉強しよう」という意識を側面から支えることが「すこやか」の役割だと思っている。学校の取組みとあわせて、地域はできることを持ち寄ることの中で非行の問題に取り組んだり、顔と名前がわかる関係をつくることが大切。

4 教育コミュニティづくりの今後について

(教育コミュニティづくりを進める上でのアドバイス、ポイント)

【委員】(ボランティア・NPO関係)

ボランティアは学校からどれくらい求められているのかという実感があれば動く。もっと話をしていかなくてはならないと思う。顔と名前のわかる関係づくり、認知と周知が大切。

【委員】(学識経験者)

  • 次世代育成も含めて持続可能なものでないといけない。続けていくためのしかけづくりが大切。
  • よりよい変化をもたらすものでないといけない。特定の人に負担がかからないように気をつけることが必要。
  • 社会的リソースが不足している地域には、行政がそれを補っていくことが必要。若い世代の人を活動の中に取り込んでいくためには、顔が見えなくても参加できるしかけづくりも必要。

5 まとめ

【座長】

  • これまでの教育コミュニティづくりに国の事業などを加え、足りないところは府独自の取組みも付け加えながら、いろいろな案を持ち寄ってやっていく。
  • 地域の人たちには、無理やりやってもらうものではないが、こんなことをやれば子どもがこんなふうに喜ぶのではないかというようなことを考えながらやっていく。その中に、いろいろなしかけがあるということだと思う。
  • 今日の話が新鮮なうちに、それぞれの団体に持ち帰ってもらって報告していただき、これからもご協力をお願いしたい。

終わりのあいさつ

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