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更新日:2009年7月1日

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東川水系河川整備基本方針

1.河川の総合的な保全と利用に関する基本方針

(1)流域の現状

1.流域の概要

東川水系は、大阪府最南端の大阪府泉南郡岬町に位置し、流域面積の3%が下流平地部の市街地及び耕作地、残る97%が山地となっており、大阪府内の河川の中でも極めて自然環境に恵まれた二級水系です。その源は、東川が東畑地区、西川が西畑地区より発しており、各々の川は北方向に流下して河口より約300m上流の地点で合流し、東川として大阪湾に注いでいます。東川水系の流域面積は14.73km2、流路延長は約9.5km(うち二級河川指定区間流路延長約4.3km)となっています。
流域が位置する岬町は、山地あるいは丘陵地が海岸にせまる地形で、町域の80%を山林が占め、海岸部はみさき公園や海浜リゾートなどの保養拠点となっていることが特徴です。また、岬町のまちづくりとしても、この貴重な自然を生かした「海・緑豊かで定住できる生活のまち」を挙げています。
東川流域を含む大阪湾周辺地域は、瀬戸内海型気候区に属し、降水量は四季を通じて少なく、気温は温暖で夏期の海陸風が顕著なことが特徴です。

2.自然環境

東川水系の自然環境は良好に保たれており、多くの動植物の生息・生育空間となっています。流域の大部分を占める山林は、クロマツ植林、モチツツジ-アカマツ群集及び自然林で構成されています。中流域から上流域にかけては、ニホンリス、タヌキ、キツネなどのほ乳類が生息しており、また、水質が良好でアユの遡上が確認されるなど多数の魚類の生息が確認されています。また、カワセミの生息も確認されており、魚食性鳥類にとっても良好な生態系が保たれています。さらに、ゲンジボタルなどが多数生息し、岬町では「ホタルの里」として、ゲンジボタルの幼虫のエサであるカワニナの放流など住民に親しまれる環境づくりを行っています。

3.社会環境

流域の歴史は古く、平安時代に創建されたものと伝えられる興善寺や産土神社があります。
東川の下流平地部は、市街化区域に指定されており、市街地は、古くから形成されてきた集落地と、新たに開発された住宅地及び多奈川発電所や工場などによって構成されています。また、交通網としては、流域の北端を主要地方道岬加太港線が東西に貫き、東川沿いに府道木ノ本岬線が通っています。
流域内の東川中流部左岸の山地では、関西国際空港2期工事の埋立用土砂採取事業が実施されています。

4.河川特性

河川現況としては、下流部は市街地を流下する築堤された区間で、特に河口部はコンクリート擁壁の防潮堤となっています。中流部は、狭い山あいに作られた田畑が両岸に見られる掘込河道となって流下しており、上流部になると、山が河川の両岸に迫ってくる谷あいの地形が続く状況となっています。
護岸形状は、河口から東川・西川合流点付近まではブロック積とコンクリート擁壁で整備されており、その他の区間はほとんどがコンクリート擁壁、ブロック積、石積となっているものの、一部自然護岸の箇所も残っています。
河川横断形は、1割~5分勾配の単断面の形状となっています。
川幅は、東川では河口から西川合流点までは50~30m程度、西川合流点から石砂坪橋までは20~15m程度、それより上流部は15~5m程度です。西川が20~5m程度です。流域上流部は、一部山付となっている箇所もあり、両河川ともに山あいから河口まで、短い流路延長で流下していることが東川水系の河川の特徴の一つとなっています。
現況河床勾配は、東川が1/140~1/90程度、西川が1/145~1/60程度で急勾配となっています。
河床材料は、各河川ともに砂や砂利であり、上流部には一部露岩している箇所も見られます。

5.治水事業の沿革

東川水系の洪水被害発生状況としては、昭和27年7月集中豪雨をはじめとして平成元年9月台風22号による豪雨で被害が発生しました。
治水事業の沿革は、昭和27年7月洪水を契機に堤防及び護岸の復旧工事が始まり、以後、災害が発生する度に改修が行われて現在の護岸形状となりました。なお、河口部については、昭和25年のジェーン台風を契機として高潮対策事業を実施し、伊勢湾台風級の超大型台風の通過による高潮にも対応できる防潮堤が完成しています。

6.水質

東川水系の水質汚濁に係る環境基準は全域、アユなどの魚類が住める非常に清浄なA類型に水域指定されていますが、東川の環境基準点である一軒屋橋地点、西川の環境基準点である恒屋橋地点のBOD(生物化学的酸素要求量)75%値は、経年的にも良好な値で推移しており、平成10年度の調査においても、それぞれ1.2mg/l、0.9mg/lと環境基準を満足し魚類やホタル類の生息にも適した水環境となっています。

7.河川利用

東川水系の各河川においては、河川空間の利用については特筆すべき利用はされていません。水利用については、農業用水として耕地へのかんがいに一部利用されています。

(2)流域の将来像

流域の将来像は、下流域の市街地は都市的機能を集約的に配置する区域、中流域は都市的機能と緑地的土地利用が調和した住宅地と農用地が豊かな緑の中に点在する区域、上流域は基本的に山林を保全し一部林間レクリエーション利用できる区域として、岬町の総合計画などで予定されています。

(3)河川の総合的な保全と利用に関する基本方針

河川の総合的な保全と利用に関する基本方針としては、河川改修の実施状況、水害発生の状況、流域の将来像ならびに河川環境の保全を考慮し、流域全体の保水機能の維持を含めた治水安全度の向上に努めながら、良好な水質を維持するとともにこの水系の豊かな自然を生かした川づくりを実施します。
また、大阪府新総合計画、岬町総合計画などを考慮し、岬町との協力のもと計画的なまちづくりとの連携を図るとともに、河川利用の現状、既存の水利施設などの機能の維持に十分配慮して、水源から河口までを含めて調整を行い、河川の総合的な保全と利用を図ります。

1.洪水・高潮等による災害の発生の防止又は軽減に関する事項

洪水による災害の発生の防止又は軽減に関しては、本水系流域内の市街化状況及び将来土地利用を考慮し、治水計画は、将来的には概ね100年に1度程度発生する規模の大雨(1時間あたり79.3ミリ)が降った場合に発生する洪水を安全に流下させるものとします。ただし、整備にあたっては段階的に進めるものとします。
高潮による災害発生の防止または軽減に関しては、伊勢湾台風級の超大型台風の通過による高潮にも対応できる防潮堤が完成しており、今後もその機能の維持に努めていきます。
さらに、計画規模を上回る洪水や高潮及び整備途上における施設能力以上の洪水などによる被害の軽減を図るために、岬町、地域住民などの協力のもと流域全体の保水機能が維持できるよう努めます。また、岬町とともに降雨時における雨量、水位などの情報提供、ハザードマップの作成を行うなどして住民の安全な避難行動や地域防災活動を支援します。

2.河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持に関する事項並びに河川環境の整備と保全に関する事項

河川水の利用に関しては、今後とも適正な水利用が図られるよう努めます。
また、動植物の生息・生育環境や水辺の景観を損ねないように、地域住民及び河川利用者の協力のもと現状の流況(流水の状況や流量など)の維持に努め、環境の保全に十分配慮します。
東川流域全体は豊かな自然に恵まれており、現在生息・生育している多くの動植物にとって良好な環境を保っていることから、この環境に配慮するとともに河川環境の保全に努めます。特に、中上流部は「ホタルの里」としての保護活動が活発で川沿いの自然環境が住民に親しまれており、このような特徴を生かした川づくりを行います。また、下流部では、住民に親しみやすい川を実現するため、親水性の高い潤いのある水辺空間の整備を目指した川づくりを行います。

3.河川の維持管理に関する事項

河川の維持管理に関しては、災害発生の防止、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持及び河川環境の整備と保全の観点から、河川の有する多面的機能を十分に発揮させるよう適切に行うものとします。また、日頃から川に親しんでもらうため、河川及び河川環境に関する情報を流域の住民に提供するとともに、河川愛護思想の普及に努めていきます。

2.河川の整備の基本となるべき事項

(1)基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項

基本高水は、100年に一度程度発生する規模の降雨(1時間あたり79.3ミリ)で発生する洪水を対象とし、そのピーク流量を基準地点「落合橋」において240m3/sとし、この全量を河道により流下させます。

表-1 基本高水のピーク流量等一覧表(単位:m3/s)
河川名 東川

基準地点名

落合橋(河口から300m)

基本高水のピーク流量

240

洪水調節施設に
による調節流量

-

河道への配分流量

240

(2)主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、東川一軒屋橋地点において120m3/s、その下流で西川からの流入を合わせ東川落合橋地点において240m3/sとし、河口まで同流量とします。
また、支川西川については、西川楠木橋地点において130m3/sとします。

計画高水流量配分図

図-1 主要な地点における計画高水流量配分図

(3)主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

主要な地点の概ねの計画高水位及び計画横断形に係る概ねの川幅は、次表の通りです。
また、河川工事の実施にあたり、河道の横断形については、現況の形状を尊重した上で必要に応じて拡幅などを行い、適正な河川環境の保全に配慮したものとします。

表-2 主要な地点における計画高水位等一覧
河川名・地点名 東川・落合橋 東川・一軒屋橋 西 川・楠木橋
河口又は合流点からの距離 河口から0.24km 河口から0.42km 東川合流点から0.85km
計画高水位(O.P.+m) 4.10 4.55 11.55
計画高水位(T.P.+m) 2.80 3.25 10.25
川幅(m) 34 16 14
堤防高(O.P.+m) 6.0 * 6.0 * 12.2
背後地盤高(O.P.+m)左岸 4.9 7.4 14.6
背後地盤高(O.P.+m)左岸 4.6 5.4 10.8

計画高潮位:O.P.+4.10m
(※) O.P.:大阪湾基準標
T.P.:東京湾中等潮位
(*)高潮堤防高

(4)主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

東川水系の既得水利としては、農業用水としての慣行水利があります。
流水の正常な機能を維持するため必要な流量は、流況や取水実態、動植物の生息・生育環境の状況等から総合的判断の上、今後、決定するものとします。

東川水系流域図
東川水系流域図

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