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チェックリストと事故防止のポイント(つかまり立ちの時期、9か月から1歳頃)
安全チェックリスト
この時期に起こりやすい主な事故について作成しています。
回答2に○がついた項目は特に事故防止への気配りが必要です。
事故防止のポイントを読んで、気配りを実行しましょう。
項目 | 回答1 | 回答2 |
---|---|---|
1 たばこや灰皿はいつも赤ちゃんの手の届かない所に置いていますか。 | はい | いいえ |
2 ボタン電池や硬貨、ピアスなどの小物を机の上に置いていますか。 |
いいえ | はい |
3 赤ちゃんがつかまり立ちをしたり、つたい歩きをするときは、そばについて見ていますか。 |
はい | いいえ |
4 階段の上下階の両側に転落防止用の柵を取り付けていますか。 | はい(階段なし) | いいえ |
5 子ども用のいすは安定のよいものを使用していますか。 | はい | いいえ |
6 ストーブやヒーターなどは安全柵で囲って使用していますか。 | はい(使用しない) | いいえ |
7 テーブルクロスを使用していますか。 | いいえ | はい |
8 家具などの角のとがった部分には、クッションなどでガードがしてありますか。 | はい | いいえ |
9 テーブルや棚の上にある食器やビン、缶などは、赤ちゃんが自由に触れないようにしてありますか。 | はい | いいえ |
10 テレビ台のガラスの扉やビデオデッキのテープ口は、赤ちゃんが手や指を入れないようにしてありますか。 | はい(使用しない) | いいえ |
11 自動車に乗るとき、チャイルドシートを後部座席に取り付けて使用していますか。 | はい(車は使用しない) | いいえ |
12 バケツや洗面器に水を貯めておくことがありますか。 | いいえ | はい |
13 ピーナッツやあめ玉などは赤ちゃんの手の届かない所に置いていますか。 | はい | いいえ |
事故防止のポイント
1 たばこや灰皿はいつも赤ちゃんの手の届かない所に置いていますか。
大人が口にくわえるたばこに赤ちゃんは興味津々で、たばこの誤飲事故が多く、たばこや灰皿をテーブルの上に置いておくのは危険です。また、液体に溶けたニコチンは吸収が早く、ひと口飲んだだけでも危険なので、飲み残しのジュースの缶を灰皿がわりに使うのもやめましょう。
⇒たばこや灰皿はいつも赤ちゃんの手の届かない所に置く。ジュースの缶を灰皿がわりにしない。
2 ボタン電池や硬貨、ピアスなどの小物を机の上に置いていますか。
おもちゃを口に入れていて電池のふたが開いてボタン電池を誤飲してしまったり、赤ちゃんは何気なくテーブルの上に置いた小物をつまんで口の中に入れてしまうので、床・畳・じゅうたんやテーブルの上には口に入れると危ないものは置いておけません。異物を飲み込んでしまった場合、普通48時間以内に便と一緒に排泄されますが、ボタン電池の場合は食道や胃で電気分解を起こして壊れることがあるので、すぐに医師の診療が必要です。
⇒ボタン電池や硬貨、ピアスなどの小物はテーブルの上に置いたままにしない。自分の家だけでなく、外出したときも注意をする。
3 赤ちゃんがつかまり立ちをしたり、つたい歩きをするときは、そばについて見ていますか。
お座りしていたのに、いつの間にかつかまり立ちをする赤ちゃん。テレビやこたつにつかまり立ちをして後ろにひっくり返ったり、よちよち歩きでつまづいてテーブルにあごをぶつけたり、まだまだ大人がそばについていないと不安定です。
⇒赤ちゃんがつかまり立ちをしたり、つたい歩きをするときは、そばについて見ている。角のとがった家具やテーブルは安全グッズでカバーする。
4 階段の上下階の両側に転落防止用の柵を取り付けていますか。
大人の目が離れることがあっても安全なように、階段の上下階に柵をつけ、閉め忘れないようにすることで、階段からの転落事故を防ぐことができます。
⇒柵は階段の上と下(1階部分と2階部分)の両側2か所に取り付け、閉め忘れのないようにする。
5 子ども用のいすは安定のよいものを使用していますか。
いすに座っているときテーブルを足で蹴った勢いでいすが倒れたり、いすに自分でよじ登ったり急に立ち上がって転落する事故があります。頭が重く不安定な幼児は、いすなどの高いところから落ちやすいので、子ども用のいすを選ぶときには注意が必要です。
⇒子ども用のいすは安定のよい、倒れにくいものを選ぶ。ハイチェアに座らせたら必ず安全ベルトをしめ、乗り降りするときは大人が行うようにする。
6 ストーブやヒーターなどは安全柵で囲って使用していますか。
冬はやけどの多い季節です。ストーブの近くに寝かせて寝返りをして手があたったり、ヒーターの出口に指を付けたり、特に暖房器具によるやけどが多くなります。最近のストーブ、ファンヒーターなどは直接熱源が出ているものが少なくなってきていますが、熱源が直接出ているものは必ず安全柵で囲い、直接子どもが触れないようにしましょう。
⇒床に置くストーブやヒーターは必ず安全柵で囲う。ストーブの上にやかんは置かない。
7 テーブルクロスを使用していますか。
食卓にテーブルクロスをかけていると、赤ちゃんがつかまり立ちをするときに引っ張って、熱い食べ物や飲み物が置いてあるとこぼれてやけどをしてしまいます。
⇒テーブルクロスは使用しない。
8 家具などの角のとがった部分には、クッションなどでガードがしてありますか。
つかまり立ちやつたい歩きの赤ちゃんに転倒はつきもので、目の高さにある家具や柱の角に、頭やおでこをぶつけてしまいます。家具類はなるべく丸みのあるものを選び、角にはクッションテープ等を取り付け、ぶつかったときの衝撃を和らげる工夫をしておきましょう。
⇒家具などの角のとがった部分には、クッションテープ等でガードをしておく。
9 テーブルや棚の上にある食器やビン、缶などは、赤ちゃんが自由に触れないようにしてありますか。
テーブルの上に置いてあるコップを落として、割れた破片を踏んでしまったり、缶詰やジャムのビンを足に落としてしまったり、手の届く所にあるものに、興味を持って触ったり、引っ張ったり、押したりするなどによる、外傷や打撲事故がみられます。
⇒テーブルや棚の上にある食器や重いビン・缶などは、赤ちゃんが自由に触れないようにしておく。
10 テレビ台のガラスの扉やビデオデッキのテープ口は、赤ちゃんが手や指を入れないようにしてありますか。
テープが出たり入ったりするビデオデッキの挿入口。赤ちゃんがおもちゃを中に入れて遊んだり、つい手を入れてみたくなる所です。手を入れて抜けなくなったりしないように、カバーで覆えば手を挟む危険が防げます。
⇒テレビ台のガラスの扉やビデオデッキのテープ口は、カバーで覆い、開けられないようにしておく。
11 自動車に乗るとき、チャイルドシートを後部座席に取り付けて使用していますか。
赤ちゃんを抱っこして車に乗るのは危険です。車が衝突すると赤ちゃんは腕から飛び出し、顔や頭をシートやダッシュボードにぶつけて、事故の衝撃をまともに受けてしまいます。また、エアバックつきの車の助手席にチャイルドシートを取り付けるのは、衝突によってエアバックが作動すると押しつぶされるので危険です。
⇒車に乗せるときは年齢にあったチャイルドシートを後部座席に取り付け使用する。
12 バケツや洗面器に水を貯めておくことがありますか。
赤ちゃんは10センチメートル程の浅い水深でも溺れてしまいます。バケツや洗面器にたまっている浅い水を身を乗り出してのぞき込んで見ているうちに、顔がつかって溺れてしまったりするので、使い終わったら必ず水を捨てておきます。水遊びをしているときは一人にしないことです。
⇒バケツや洗面器には水をためておかない。水槽は手の届かない所に設置する。
13 ピーナッツやあめ玉などは赤ちゃんの手の届かない所に置いていますか。
赤ちゃんの口の大きさは最大直径32ミリメートルなので、これより小さなおもちゃなどは口の中にすっぽり入ってしまったり、食べ物が飲み込めないで喉につかえてしまったりします。赤ちゃんの喉はまだ未発達なので、気管に物が入りやすく、ピーナッツや枝豆などの豆類を与えるのは危険です。豆類は赤ちゃんの気管をふさいてしまう大きさで、気管に入っているのに気がつかないと、肺の炎症を起こしてしまいます。
⇒ピーナッツは3歳を過ぎるまでは与えない。食べ物は硬さや大きさ、口の中に入れる量を考え、ゆっくり食べさせる。
(著作:田中哲郎)