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薬剤耐性(AMR)について
薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)とは
抗微生物薬は微生物が増えるのを抑えたり、壊したりする薬です。
しかし、微生物も様々な手段を使って、薬から逃げ延びようとします。
微生物に対して薬が効かなくなることを「薬剤耐性」と呼びます。
薬剤耐性菌について
薬剤耐性の問題は細菌、ウイルス、寄生虫など幅広い範囲でみられますが、近年、細菌の薬剤耐性が注目されています。
細菌に使用する抗微生物薬は抗菌薬(抗生物質・抗生剤)と呼ばれ、抗菌薬により様々な感染症の治療が可能になりました。
ただし、風邪などのウイルスによる感染症に抗菌薬は効きません。
抗菌薬の不適切な使用によって、体内で耐性をもった細菌が増殖し、ヒトや動物、環境を通じて広がります。
薬剤耐性菌感染症
既に耐性を持つ様々な細菌が確認されています。
また、多くの抗菌薬が効かなくなった細菌を「多剤耐性菌」と言います。
耐性菌が増えると、抗菌薬が効かなくなることから、治療が難しくなり、重症化しやすくなります。
薬剤耐性菌感染症には主に以下の疾患が含まれます。
- カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症
- 多剤耐性アシネトバクター感染症
- 多剤耐性緑膿菌感染症/薬剤耐性緑膿菌感染症
- バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
- バンコマイシン耐性腸球菌感染症
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
薬剤耐性菌を増やさないためにできること
感染症にかかり抗菌薬を必要とする機会をすくなくすることや、感染症を周りに拡げないようにすることが重要です。
医療の現場では、ウイルスによる感染症を始めとして、必要のない抗菌薬を処方しない取組が重要です。
- 処方された抗菌薬は医師や薬剤師の指示通りに服用しましょう。
- 日ごろから、手洗いを心がけ、予防できる感染症にかからないように努めましょう。