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知っていますか? 身近に潜む意外な健康危機
このページは、2010年3月発行のリーフレット『知っていますか?身近に潜む意外な健康危機』のPDF代替ページです。
知っていますか? 身近に潜む意外な健康危機(PDF:1,760KB)
このリーフレットを手にしたみなさんへ
「健康危機」と聞いて、何をイメージしますか?
地震、豪雨などの自然災害や今後発生が懸念される毒性の強い新型インフルエンザによって多くの人々に甚大な健康被害を及ぼすことを想像するのではないでしょうか。
しかし、日常よく聞く食中毒やシックハウスによる健康被害など、私たちの日常生活の中にも健康危機が潜んでいるのです。
健康危機は自然災害と同様、いつ起こるかわかりませんが、予防接種のように対策を講じることができるものもあります。健康危機から身を守るためには普段から「健康」について関心を持ち、行政や報道機関などからの情報収集が大切です。
このように、「もしも…」の事態に備えて、健康管理を行っていただくきっかけとなるよう、このリーフレットを作成しましたので、是非ご活用下さい。
健康危機管理に関するQ&A
Q1 健康診断は、なぜ必要なのですか?
A 症状がない場合でも、健康診断でエックス線検査や血液検査などにより肺がんや糖尿病などの病気が見つかることもあります。
職場や市町村が実施している健康診断の受診内容をご確認のうえ、年一回は必ず受診し、病気の早期発見・早期治療につなげましょう。
Q2 結核は「過去の病気」と言われていますが、もう心配する必要はないのですか?
A 結核は早期発見、早期治療により治る病気で、結核患者は昔より減少していますが、高齢者を中心に全国で年間2万5千人もの人が発病しており、まだまだ注意が必要です。
結核の初期症状はせき、痰などの風邪症状が主で、「風邪だろう」と放置しておくと、重症化するおそれもあります。2週間以上の風邪の様な症状が続く場合には、必ず医療機関を受診し、胸部エックス線検査を受けるようにしましょう。
Q3 加熱調理した食べ物であれば、食中毒を起こす危険はないのですか?
A 食中毒の原因菌は、通常、75℃で1分間以上中心部まで加熱すると死滅しますが(ノロウイルスの場合は85℃で1分間以上)、熱に強い菌や、熱に強い毒素をつくる菌もあります。また、食品の温度管理などが不適切であると十分に加熱した食品であっても食中毒を起こす危険性がありますので注意が必要です。
食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「つけない、増やさない、やっつける」です。調理の前にはしっかりと手を洗い、清潔な調理器具、容器を使用し、作り置きなどせず、加熱の必要な料理には十分な加熱調理をこころがけましょう。
大阪府(食中毒等に関すること/健康医療部 食の安全推進課ホームページ)
Q4 アレルギー物質を含む食品にはどのようなものがありますか?
A 食品を摂取した際、人間の体には免疫反応という外からの異物(抗原)に対して防衛する働きがあり、この働きが過敏になりすぎると、人によっては食品の種類や量などによりアレルギー反応を起こす場合があります。食品衛生法では、アレルギー反応を起こす原因となる原材料について、7品目(特定原材料)の表示を義務付け、18品目(特定原材料に準ずるもの)の表示を推奨していますので、食品を購入する際の参考としましょう。
【アレルギー物質を含む「特定原材料等」】
- 特定原材料
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生 - 特定原材料に準ずるもの
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
大阪府(アレルギー物質を含む食品の表示について/健康医療部 食の安全推進課ホームページ)
Q5-1 予防接種にはどのようなものがありますか?
A 予防接種には麻しん(はしか)、風しん等の法定接種と、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、子宮頸がん等の任意接種があります。接種後、副反応が生じる可能性もあるため、接種による効果、副反応の内容等の説明を医療機関から受けましょう。
また、接種後は体調に注意し、異常があればすぐ医療機関を受診することが重要です。
Q5-2 麻しん(はしか)は、予防接種によって予防できますか?
A 麻しん(はしか)の主な症状は、発熱・せき・鼻水といった風邪の様な症状や発しんですが、肺炎や脳炎を合併し死亡することもあります。主な感染経路は空気感染で、強い感染力を持っています。ウイルスに対する直接的な治療法はなく予防接種により免疫を持っておくことが重要です。
予防接種は、1歳のときに1回目(第1期)、小学校入学前1年間に2回目(第2期)が基本ですが、平成19年に若年層で流行したため、平成20年度から5年間は中学1年生と高校3年生に相当する年齢の方が定期の予防接種の対象となっていますので、医師と相談し早めに接種を受けましょう。
大阪府(麻しん(はしか)について/健康医療部 保健医療室医療対策課ホームページ)
Q6 新型インフルエンザウイルスが強毒化することはありますか?
A 平成21年春に発生した新型インフルエンザは弱毒性で、多くの方が比較的軽症のうちに回復しています。しかし強毒化したウイルスが出現した場合には、感染力も強く、重症化するおそれもあり警戒が必要です。
また、東南アジアなどで発生している鳥インフルエンザは強毒性のヒトからヒトへの感染力を持つウイルスに変異する可能性もあるため、世界各国が厳重な監視体制をとっています。
感染症予防のため、日頃からうがいや手洗いを励行し、せきエチケットを守りましょう。
大阪府(新型インフルエンザ情報/健康医療部 保健医療室医療対策課ホームページ)
Q7 「一酸化炭素中毒」とは何ですか?
A 一酸化炭素は、無色・無臭で気づきにくく中毒を起こしやすい気体です。一般家庭では木炭コンロ、ストーブやガス湯沸かし器の屋内使用のほか、施設や店舗などにおけるガス消費機器使用の際に、不完全燃焼によって一酸化炭素が増え、吸いこむと中毒症状を引き起こします。軽症では頭痛・耳鳴り・めまい・吐き気などがおこり、悪化すると手足が自由に動かなくなり、重症化すると意識障害や死に至る場合もあり、注意が必要です。
予防のためには換気が重要です。気分が悪いと思ったら、ただちに機器の使用を中止し、換気を行いましょう。
Q8 「シックハウス症候群」とは何ですか?
A 近年、住宅の高気密化が進み、建材や内装材から蒸散する化学物質によって室内の空気汚染が起こりやすくなっています。このため「目がチカチカする」、「頭痛やめまいがする」などの体調不良が報告されています。こうした症状はシックハウス症候群と呼ばれ、建材や壁紙に使用される接着剤等から発散するホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンなどが原因の一つとされています。これを予防するにはこれらの物質を含まない建材や家具などを選ぶことが大切であり、こまめな換気などが効果的です。
また、上記のほかに家具や日用品に含まれる化学物質やカビ・ダニに起因するアレルギーなど様々な要因が考えられますので、医師による正しい診断のもと、適切な治療を受けることが大切です。