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平成19年度第1回大阪府子ども施策審議会
- 日時:平成19年7月6日(金曜日)午前10時から正午
- 場所:大阪府庁別館6階 大阪府市町村会館会議室
- 出席委員:木戸口委員、才村委員、谷元委員、中山委員、野口委員、藤永委員、森委員、山縣委員(50音順)
次第
- 開会
<議事>- 会長選出
- 会長代理の指名
- 会議の公開
- 大阪府子ども条例の概要と今後の運用
- こども・未来プランの取組状況
- (1)概要
- (2)最近の主な取組み
- 大阪府食育推進計画
- 「こころの再生」府民運動
- 少子化に関するデータ・資料集
- 閉会
配布資料
- 資料1 大阪府子ども施策審議会規則(ワード:41KB)
- 資料2 会議の公開に関する指針(ワード:24KB)
- 資料3 大阪府子ども条例の概要について(PDF:334KB) 平成19年第1回子どもの施策審議会の資料(HTMLページでみる)
- 資料4 大阪府子ども条例の今後の運用について(ワード:53KB)
- 資料5 府政だより・大阪府子ども条例関連記事(PDF:101KB) 平成19年第1回子どもの施策審議会の資料(HTMLページでみる)
- 資料6 こども・未来プランの取組状況<概要>(ワード:40KB)
- 資料7 こども・未来プラン<概要版>
- 資料8 大阪府食育推進計画の概要(PDF:107KB) 平成19年第1回子どもの施策審議会の資料(HTMLページでみる)
- 資料9 「こころの再生」府民運動(PDF:239KB) 平成19年第1回子どもの施策審議会の資料(HTMLページでみる)
- 資料10 少子化に関するデータ・資料集の概要(ワード:84KB)
議事概要
議事
1 会長選出
大阪府子ども施策審議会規則第5条に基づき、委員の互選により、会長に山縣委員を選出。
2 会長代理の指名
大阪府子ども施策審議会規則第5条第3項に基づき、山縣会長より、会長代理に藤永委員を指名。
3 会議の公開
会議の公開に関する指針に基づき、本審議会の公開を決定。
4 大阪府子ども条例の概要と今後の運用
【事務局】(資料4、5について説明)
<意見等>
【委員】
条例の今後の運用について、基本的には資料4のとおりでよいと思うが、子どもの権利に関する広報・啓発、子どもの自立支援、子どもの人権救済・擁護の3点をどう具体化していくのかという取組みを進めていただきたいと考える。
まず、子どもの参加に対する機会の提供について、シンポジウムや子ども議会の取組みと並行して、学校の関係者等の協力を得て、子どもの意見等をしっかりと反映するシステム、例えば、府民の「目安箱」というような取組みを参考に、工夫して実施していただきたい。
次に、子どもの人権救済に関する取組みについて、条例検討会議では、「府の被害者救済のための様々な取組みに屋上屋を重ねることがないよう、また、同時にしっかりネットワークをはることが必要である」ということを確認してきたので、この点について現状をしっかりと集約していただきたい。例えば、市町村での児童虐待を中心とした「要保護児童対策地域協議会」がどう機能しているのか、そこでどのようなことが取り扱われているのか。また、いじめについても、府教育委員会が開設した24時間相談窓口において、具体的にどのようなことが問題となっているのか、なぜもっと学校現場にそのことが返っていかないのかといったことも含めて、しっかりと現状を点検していただきたい。あわせて、私立学校においてもいじめをはじめとした人権に関わる教育相談の取組みがはじまったので、これについてもしっかりと現状を把握して、同時に府として必要な手立て・支援を検討していただきたい。
最後に、広報について、リーフレットの作成等は非常に大事と思うが、条例検討会議において子どもの意見を聴いた時に、大半の子どもが「子どもの権利条約について、学校現場等で聴いたことがない」ということが明らかになった。このことを踏まえ、子ども、教職員、保護者、地域への周知はしっかり計画をたて実施していただきたい。その参考として、府教育委員会がスクールセクハラの問題が起こった時に、全教職員に指針を周知徹底するため、計画を作り実施状況までチェックしたことがあった。そういう観点で、子ども、教職員、保護者、地域にしっかりと条約や条例が周知されているかを点検していただきたい。
【委員】
この条例は、府民にとって身近なものであることから、教育現場や施設等を通じて、社会、子ども、保護者に伝えていただきたい。
【委員】
条例検討会議で子どもへの虐待やいじめ等は、大変大きな問題であるが、同時に、日常生活の中で知らないうちに子どもの尊厳を損なっているのではないかという議論があり、それが条例前文に盛り込まれている。
子どもだけではなく、社会的に弱い立場にあるものに対して、いかに敏感に私たち自身が気づいて、それをなくしていく努力をするのかということが大事であるので、虐待などと同時に知らないうちに子どもの尊厳を損なっているのではないかという部分まで配慮すると手厚い政策になるのではないか。
【委員】
どれだけ条例を知ってもらえるか、子どもや保護者が困った時に相談する場所があることをどれだけ知ってもらえるかということが大事。特に、虐待については、保護者にどれだけ救済の場所があるかということをどう伝えるかということがポイントだと思う。条例のリーフレットについては、具体的にどのような形で本当に必要としている人にきちんと届く手立てを講じていくのかということが問題であり、例えば、乳幼児の検診相談の窓口、また、地域の「つどいの広場」など親子が出かけるあらゆる場所に置き、子育てがつらくなった時にそれを子どもに向けるのではなく、話を聞いてもらえる場所があるということを身近な場所で知るということが大事。
リーフレットについて、具体的にどのように配布していくのか説明していただきたい。
【事務局】
リーフレットについては、できるだけ条例の内容をわかりやすく、子どもにも大人にも周知することが大事であるということを条例検討会議や府議会等でもご意見をいただいている。まだ、作成途上であり、検討段階であるが、子育て中の保護者に対する配布についても、いろいろなご意見を伺いながら検討していきたい。
また、リーフレットの内容についても、できるだけわかりやすい内容を検討中である。リーフレットは、子どもに対するものとして、18歳ぐらいまでのそれぞれのステージに応じたものと大人に対するものを同時に検討しているが、なかなか成案がまとまらないのは、とりわけ小さい子どもにどのような内容にすればわかってもらえるかということで検討を重ねている状況であり、ご理解いただきたい。作成にあたっては、できるだけ委員のご意見もお伺いしたいと考えており、その際にはご示唆をいただきたい。
【委員】
他の自治体で子ども関係の計画を作った時に、説明するボランティアを市民に要請していた。役所ですべて説明していくのはコストの掛かる話であり、また、届ければそれで理解できるかというと難しい話である。
リーフレット作成の後、例えば府民に対する研修を行い、同じような説明を府民に行っていただくといった仕掛けを作るなど、広報について広く考えていただきたい。
【委員】
子ども条例で子どもの尊厳を守るという言葉を使っているのは非常によい。大阪では児童虐待が多い状況であるが、隠されたいろいろな問題についても行き届くような子どもの尊厳を守る施策を考えるということは非常によいと思っている。児童虐待により里親に託されていたり児童養護施設に入所している子どもに対する施策が
どうなっているか、非常に気になるところであり、こうした子どもの尊厳を守る施策に力を入れていただきたい。
また、今、様々な家族のパターンが存在していると思うが、例えば一人親の家庭や養子を育てている家族、里親の家族などの子どもに対する施策にも力を入れていただきたい。
【委員】
子どもに対する参加の機会の提供について、高校生を対象にしたシンポジウムと小学校5、6年生を対象とした子ども議会ということであるが、今一番中学生が問題になっており、中学生に対する参加の機会の提供が必要である。各市町村で子どもがいろいろな社会体験をできる場もあるが、中学生が参加する機会が少ないので、府においても中学生が参加できるような機会を考えていただきたい。
5 こども・未来プランの取組状況
- (1)概要
- (2)最近の主な取組み
- 大阪府食育推進計画
- 「こころの再生」府民運動
- 少子化に関するデータ・資料集
【事務局等】(資料6から10について説明)
<意見等>
【委員】
少子化に関して、我々の時代は子どもを産む理由を深刻に考えたこともなく、お金がないから産むか産まないかということも考えていないし、経済力がなくても子どもは産んでいた。今の人たちが子どもを産まない様々な理由を挙げられているが、これをすれば少子化対策ができるというものは何もない。子どもを増やすことが本当に社会にとって大事な事なのかということに立ち返らない限りは、いろいろな分析をしても何の意味もないのではないか。こうしたことが、少子化対策が常に空振りに終わっている理由ではないかと思っている。
また、家庭で行われる養育という事も忘れてはならない。保育は社会的にも多くの人が子どもを支援するというものであるが、家庭の中で子どもを育てることは基本的なことであり、家庭の知育・徳育・体育という養育の中で、保護者のわがままで子どもの基本的な尊厳がある意味で守られていないところがあるのではないか。
保育施策は必要であるが、家庭の中で行われている基本的な養育についてもあえて踏み込んだプランや実際的な啓発ということを加えていければと思う。
【委員】
少子化対策について、子どもを産むこと、産ませることに傾いて考えることはおかしい。時代が変化していく中で、そこで生きている人たちの意識が形作られ、その中で必要な制度や施策が出てくるということである。
今、生きている人たちが、心豊かに生きていけるかということがまず基本で、そのためには、どのような制度や施策が必要かという議論をもう少しする必要がある。
次に、こども・未来プランの見直しに関して、子ども条例ができ、こども・未来プランの中で様々な取組みを進めていく中で、子どもの側に立って考えたときに欠けていると思うのが、子ども自らが育つ力、子育ちをどう応援していくかという視点である。その1つとして、子どもの遊びについて見直さないといけない。昔はもっと遊べる場所や時間もあり、仲間も十分確保できていたが、今そういったことが失われていく中で、子どもが社会性を身につける、あるいは主体的に生きる力を育む、人への思いやりを身につけるといったことは、遊びの中で育っていくと考えており、こうしたことをこれからの子育ちを考えていくときに重要な視点として考える必要があるのではないか。
【委員】
人口減少社会の分析があるが、人口は日本だけで考えれば減っているが地球規模で考えれば増えているところもたくさんあり、ヨーロッパではかなりの外国人の移動がある。例えば、ドイツでは経済成長時には外国人労働者に頼っていたが、経済の停滞期に入って外国から入ってきた人たちの家族、子どもに対する手当をどうするのかが大きな問題となっている。ここで分析されている将来像というものが外国人をどの程度勘案しているのか。これから労働力として外国人に頼らないといけないかもしれない。そうするとその家族についても地域を含めてどう考えていくのかというのが加味されないといけないのではないかと危惧している。そのあたりどの程度想定されているのか説明していただきたい。
【委員】
労働力の導入に関して、今まで日本では生産にかかる部分だけだったので、国内に導入することなく海外に工場が進出できた。しかし、福祉サービスのような人的サービスになるとそれができない。分析の検討過程でそのあたり特に話題になったとか、こういう考え方をしたということはないか。
【事務局】
データ資料集の中に、労働力に関して有識者の意見をまとめているが、その中に外国人労働力の導入が不可欠という早稲田大学の野口教授の意見を記載させていただいている。この件に関しては、我々も議論したが、様々な意見があり、一朝一夕に結論がでるような話ではなく、難しいということで、まとめの中で、
それも含めて縮小、廃止しなければならないものや逆に拡張、拡大を行うべきものなどについて適切に対応していく必要があるとしている。今後、大阪府として、人口減少社会における大きな問題であると捉えて詳細を考えていくことになるが、現時点としてはそのような議論の結果であったということである。
【委員】
ある町での「社会を明るくする運動」の大会で、中学1年生の生徒が、保護司、民生児童委員、青少年指導委員や自治会の人などたくさんの大人の前で若干緊張しながら舞台の上で自分の作文を読んでいたが、こういうことはとても大事である。子どもが受身になるのではなく、主体的にこういう経験を踏むことによって、子どもは成長していく。その生徒はこのことを一生覚えていると思うが、そういった貴重な体験を多くの子どもに与えることが重要である。子どもにもっと多くの活動の場所を与えるという観点を強めないと、子どものために様々な施策を実施しても、子どもは成長していかない。子どもを強く鍛えるような子育ちのチャンス、場面、
経験を踏ませるというのを強調していく必要があるのではないか。
もう一点は、子育てに自信が無さすぎて、孤立して不安いっぱいでどうしてよいかわからないまま、子どもに乱暴するといった保護者や学校の担任の先生を呼び捨てにするといった保護者がいる。保護者はもう少し自信を持ち、しっかりしないといけない。保護者が子どもをしっかり育てるための自信やハウ・ツーといったことを
きちんと行っていくことが重要であり、子どもの子育ちと保護者が自信をもってしっかりしてもらえる方策というのがポイントではないか。