ここから本文です。
平成28年度第5回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】
議題1 地方分権改革ビジョンの改訂について
資料名 |
PDFファイル |
その他のファイル |
---|---|---|
資料1 大阪発“地方分権改革”ビジョン【改訂版】(案) | 大阪発“地方分権改革”ビジョン【改訂版】(案)(PDF:1,813KB) | |
参考資料 大阪発“地方分権改革”ビジョン(平成21年3月策定)【要約版】 | 大阪発“地方分権改革”ビジョン(平成21年3月策定)【要約版】(PDF:157KB) | 大阪発“地方分権改革”ビジョン(平成21年3月策定)【要約版】(PPT:344KB) |
※資料に基づいて分権改革ビジョンプロジェクトチームから説明
【財務部長】
- 現行ビジョン策定から8年間に、地方自治制度の変更があるので、現状をおさえたい。
- 資料13ページ、「基礎自治機能の充実」の中で、「特例市並み以上(+α)」の権限移譲、計2455事務という記載がある。市町村課長の進捗状況についての評価はいかがか。
【分権改革ビジョンプロジェクトチーム】
「特例市並み」権限で提示したもののうちの9割近くが移譲済みであり、かなり行きつくところまで行っているという認識。
【財務部長】
- 同じ13ページの下の方に中核市に移行した市が高槻・東大阪・豊中・枚方とある。
- 特例市が中核市に一本化されるが、特例市から中核市を目指しているのは、岸和田が断念したので、吹田・茨木・寝屋川・八尾ということでいいのか。
【分権改革ビジョンプロジェクトチーム】
八尾・寝屋川は具体的な移行年次を目標に進めておられる。吹田も市や議会で検討されているが、茨木は特段の動きはないとみている。
【財務部長】
将来的に中核市を目指すということでの確認だが、現時点で中核市の要件はどうなっているのか。
【分権改革ビジョンプロジェクトチーム】
人口20万人以上という要件のみ。
【財務部長】
今回新たな方向性としては、資料16ページで中核市並みを目指すということだが、そこに向かって府として主体的な、アクションや支援を考えておられるのであれば、お聞かせいただきたい。
【分権改革ビジョンプロジェクトチーム】
- 現時点では、中核市並みの基礎自治機能を確立できる具体的な促進方策を持ち合わせていない。
- 現在の権限移譲の取組みやこれまでの課題等も検証しながら、今後のあり方を検討・研究していきたいと考えている。
【総務部長】
- 前回のビジョンで平成30年(2018年)が目標になっていて、その目標年次が近づいてきたということもあり、今回のビジョンの変更案では2020年、2030年、さらには道州制導入時という大きく3つのスケジュール感を明確にしたというのが最大の打ち出しと理解している。
- そのなかで、基礎自治機能のほうは、連携や場合によっては合併という手法で中核市を目指していくとの方向性が比較的明確になっていると思う。
- もう一つの道州制のほうだが、8ページの一番下のところに「2020年頃に道州制の姿と実現に向けた手法を改めて整理」と書いてあり、数年後にはもう1回何か打ち出しをするというイメージのようにも読める。
- 例えば14ページの関西広域連合の評価を読むと、権限移譲が進んでいないとか結構辛口の評価なので、そのあたりの実態を踏まえたときに、現時点ではイメージがはっきりしないこともあると思うが、数年後にどういう方向性なり姿を出せるのかということについて、ご説明いただきたい。
【分権改革ビジョンプロジェクトチーム】
- 関西広域連合の動きには、手詰まり感が出てきている。
- 道州制の検討は、今までにやっておくべきという話かもしれないが、やはり大阪が今まで改革に取り組んできたということが非常に大きいと思うので、大阪への権限移譲などの大阪の広域機能を強化していくという流れがまずある。
- その上で、次の道州制がどういうものかというのは、今のビジョンでは関西広域連合ができれば関西州になると書いていたが、関西州なのか大阪エリアなのかいろいろあると思うが、大阪から見たときにどういう関西州の姿がいいのかということを考えていかないといけない。
- 数年後に大阪ではその時点でどれぐらい改革や、国からの権限移譲が進み、経済的にもどれぐらい発展しているのか、その状況も見て、将来の姿を考えることとしている。
【総務部長】
- 確かに、現ビジョンで広域に関しては、関西広域連合をつくるというので終わっている。
- その後8年経って、広域連合ができてそれなりに活動しているが、実際の権限移譲などについてはまだまだ不十分だと。関西広域連合オンリーではなく、府独自の道州制へのアプローチについても、合わせて考えていくというイメージでいいのか。
【分権改革ビジョンプロジェクトチーム】
今まで関西広域連合、関西州だけだったけれども、もう少し大阪の取組みを活かして、そこから発展させて道州みたいな道もあるだろうから、そういうことも含めて進めながら、最終形をどうするのかということも考えていこうと思っている。
【植田副知事】
- 前の民主党政権の前の安倍政権のときの平成21年3月に前回の最初のビジョンができて、8年経った。
- 相当期間が経っているなかで、この間の大きな変化を2つ挙げるとすると、1つは今話題になった広域連合。実際にできて、6年間活動してきているなかで、当時考えていた道州制にむけての道筋を整理して、実態と制度面の両方を考えていかないといけない。
- もう1つの大きな変化というのが、国のほうで、10年余り平成の大合併ということでやってきた市町村合併が、平成22年に1つの区切りを迎えたこと。
- そういう大きな変化があるなかでどう考えていくのか。国の方で、合併は一区切りとしているけれども、それで終わりではなく、当然合併も進められるところは進めた方がいい。合併をしないところは広域連携により、市町村間で共同で体制強化していくという視点が必要。特例市の制度がなくなり、中核市の人口要件が下がった中でどう権限強化していくかというのも1つの方法だろうし、それに限らず、市町村間の連携協約の仕組みができたり、いろんな制度ができてきているので、そういう仕組みをどんどん使っていくべき。最後に中核市を目指すというのは1つの考え方だが、岸和田市の例のように、結局断念することもありうるわけだから、これでもう目標がなくなったということではなく、できるだけ、広域連携とかいろんなメニューを使いながら、体制強化していくということを考えておいたほうがいいのではないか。
【分権改革ビジョンプロジェクトチーム】
基本的に、道州制導入時には中核市を目指すという理想形を掲げているが、まずは中核市あるいは水平連携で中核市並みの行政サービスを充実させていく。そうした考え方で整理していくつもり。
【新井副知事】
- いま植田副知事が言われたことが答えだと思うが、市町村合併にしろ、道州制にしろ、はっきり言って他人頼みの話なので、その中で府がどんな役割を果たすのかというのが重要。結論として多方面に議論を喚起していきたいということで終わっているが、府として何をしていくのかはもう少しはっきりしていくほうがいいのではないかと思う。自助努力でやる分は書いてあるが、それ以外に果たしてどんな役割を果たすのかというのがもうひとつ見えない。
- ビジョンについても、位置づけをはっきりさせた方がいいのではないか。他に副首都ビジョンもあるが。そのビジョンが何なのかという絵姿を示して、いろんな関係の議論を喚起するというだけの話なのか、行政計画までいかなくても、ある程度の道筋を示しながら、府としての役割をはっきり果たしていくというあたりもあるが、どうもはっきりしない。いろんな情勢変化があったから作り直すということだけではなく、これを作ることでどうしようとしているのかを、はっきりしたほうがいいというのが感想。
- それと、副首都ビジョンでは機能面や経済面というのは府と大阪市、あるいは府内市町村含めて自らやることが書いてある。制度面での副首都ビジョンとの関係はどういうものか。
- 制度面の部分で副首都ビジョンに書かれていない部分は、基礎自治体の機能強化とか広域連携、広域連合も含めて、分権ビジョンのほうに盛りこんでいるという整理でいいのか。
【政策企画部長】
- このビジョンは2つの目的がある。
- 1つは最後に書いてある、議論を喚起するということ。今停滞している合併であるとか、道州制に対して、一定のインパクトというかカンフル剤的な役割を担いたいという思い。
- もう1つは、前回のビジョンや副首都ビジョンもそうだが、あくまで指針といったもの。行政計画までいかないが、書きっぱなしにするということではなくて、大きな方向に向かって、仕事を積み重ねていくということ。
- 特に、基礎自治体であれば、まず中核市並みというのを目指して、特例市という前段階の権限をしっかり市町村に担ってもらおうということで取組みをやってきたし、今度はその一歩先を見通して、どういうやり方でやるのか。その場合は単に市町村だけではなくて、当然国も巻き込んだ議論というかサポート策をしっかり考えないといけない。ましてや道州制に至っては、国では議論はされているが、中身自体は見えてこないという状態のなかで、大阪自体はまず広域機能を府と大阪市で、できるだけ連携とか一体化してやっていこうという動きはある。こういうことを使って、できるだけ道州制に近づくような広域機能をもう一度模索していこうと。
- そういう意味で分権改革ビジョンが作られて、特に地域主権課や市町村課の仕事のなかで、積み重ねていくのだろうと。そういう意味での指針的な役割をビジョンは担っているということで作っている。
- 副首都ビジョンとの関係は、副首都ビジョンはあくまでも府と大阪市で副首都推進本部の下で一体的に取り組んでいくということだろうが、この分権ビジョンは、より府が積極的に関わらないといけない部分。道州制にしても市町村合併にしても他人頼みだという議論はあるかもしれないが、府としては、やはりしっかり旗振りをする、あるいはサポートする、議論を喚起してもらう手だてを講じるということは必要だと思うので、そういう視点でこの中身というのは府が特に強調してやらないといけない部分を整理したとご理解いただきたい。
【新井副知事】
ビジョン自体が道州制にしろ、基礎自治体の充実にしろ、これ自体がトリガーになるのか。本当はもう少しそれぞれについてトリガーになるような仕組みなりを、落とし込めたらいいと思うが、そういうことは今後議論していくということか。
【政策企画部長】
そこが薄いというのは事実。今のところで具体的な取組みが何かあるのかというのは、まだ積み重ねられていない。ただ、これを作ることによって意識をしながら仕事をしていくということで理解していただきたい。
【総務部長】
- それに絡めていうと、基礎自治機能の府の積極的コーディネートというところは、これよりもさらに細かないろんな手法やメニューがある訳でなく、協議の場であったり、働きかけであったり、実はほぼ全部ここに書ききっている。
- 分権ビジョンを作り、これからも考えていくというところがあるので、そういう意味ではさきほど話があったように、指針でもあり、かつ行動プログラムでもあり、そういう両方が入っているものだと思っている。
【新井副知事】
そういう意味では、市町村の意見を聞いてくれていると思う。これからも市町村の意見をよく聞いて、主体的に取り組んでいただけるのではないかと思っている。
【地域改革ビジョンプロジェクトチーム】
わかりました。
【政策企画部長】
知事から何かございますか。
【知事】
- 地方分権の改革ビジョンは、この方向性でいいと思うが、これも至難の業。
- 権限を持っている側から権限をとる。権限だけではなく、それに伴う財源も移してもらわないと実際には実現できない。
- 市町村間の積極的コーディネートは、ごみの問題とか、いろいろ(府に)間に入ってほしいという話がある。そういうのは具体的に我々が間に入って、しっかり取り持っていく。それをすることによって、果実と負担はそれぞれの自治体にきちっと説明をして納得してもらう。府でできる具体案については全庁挙げて実現したい。今の時点では地方分権というのはここまでかなと思っている。
【政策企画部長】
では、この改訂案で、今後パブリックコメントをしたうえで、3月の改訂にむけて調整するということで確認させていただきたいので、よろしくお願いしたい。