印刷

更新日:2019年9月19日

ページID:25482

ここから本文です。

令和元年8月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

※印刷用は会議録(PDF:321KB)をご参照ください。

1 会議開催の日時

令和元年8月29日(木曜日)午前10時00分開会

午後0時20分閉会

2 会議の場所

大阪府公館大サロン

3 会議に出席した者

  • 教育長
    酒井 隆行
  • 委員
    竹若 洋三
  • 委員
    井上 貴弘
  • 委員
    岩下 由利子
  • 委員
    良原 惠子
  • 委員
    岡部 美香
  • 教育監
    向畦地 昭雄
  • 教育次長
    水守 勝裕
  • 教育センター所長
    山上 浩一
  • 教育総務企画課長
    仲谷 元伸
  • 教育振興室長
    村田 純子
  • 高等学校課長
    大久保 宣明
  • 高校再編整備課長
    大武 基
  • 支援教育課長
    黒田 一人
  • 保健体育課長
    田中 実
  • 市町村教育室長
    坂本 俊哉
  • 小中学校課長
    桝田 千佳
  • 地域教育振興課長
    北川 辰弥
  • 教職員室長
    田村 真二
  • 教職員企画課長
    柳生 国良
  • 教職員人事課長
    伊庭 亨
  • 施設財務課長
    佐々木 浩之

4 会議に付した案件等

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    岡部委員を指定した。
  • (2)6月20日の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)報告事項の審議等

議題1 平成30年度教育行政に係る点検及び評価結果の報告について

議題の趣旨説明(教育総務企画課長)

大阪府教育振興基本計画(教育委員会の権限に属する事項のみ)の進捗状況に関する点検及び評価の結果並びに教育に関する事務の管理及び執行の状況に関する点検及び評価の結果の報告について決定し、教育行政に係る点検及び評価報告書を令和元年9月定例府議会に提出することを決定する件である。

質疑応答

  • (井上委員)審議会の方々のご意見は、概要版13ページ・本編191ページにあるが、概要版には載っていないかもしれないが、例えば191ページの3つ目に「小学校での英語教育の中心になる教員の育成を行うとともに…校内研修を実施している小学校の割合も100%を実現することが必要」と書いてある。100%達成することを目標にしている中で、必要というのはかなり明らかなことかと思う。もう一つは191ページの三つ目だが、「小中連携による「学びに向かう力」の育成」については、家庭教育の果たす役割が大きく、学校と家庭が連携して取り組む必要がある、」と書いてある。ここに「必要だ」ということだけを言っていただくのではなくて、できればその審議会の方々は学校教育を専攻しておられる方が入っておられるのだったら、どうしたら良いかということを言っていただいた方がいいと思うが、今後何かお願いできないのか。
  • (教育総務企画課長)審議会につきましては、我々が行ってきたことのご説明と自己評価をご説明させていただき、それに意見をいただくというような形になっているが、来年度は、もう少し審議会の方で議論をしていただくような形の仕組みに変えるように検討していきたいと思っている。委員のご意見を踏まえまして、ぜひそういう形で取り組んでいきたい。
  • (教育長)具体的にはどうするのか。
  • (教育総務企画課長)まず、事前に内容をご説明した上で先に意見をいただき、その意見を審議会の場でいろいろと議論いただくという形に変更しようと考えている。
  • (教育長)意見交換の時間をしっかりと取るという理解でよいか。
  • (教育総務企画課長)はい。
  • (井上委員)個人的な意見として聞いていただきたいのだが、今後、特に191ページ5番目は「小学校で英語教育の中心になる教員の育成を行うともに…校内研修を実施している小学校の割合も100%を実現することが必要」とある。もともと100%を目標に掲げてあって、「必要」ということを書かれても、「いやそれは分かっていますよ」と思ってしまう。
    役所のPdcaサイクルとか民間企業のPdcaサイクルの中で答えとして一番よくあるのは、「できてないから頑張ってやります」みたいなことが書いてあるものなのだが、じゃあどうするのかというのが一番大事と思う。100%実現するという目標でやってできていないのを、「必要だからやってね」というのは、それはわかって今やっていますよということになる。教育の専門の方々が、あえてここを指摘されるのだったら、できれば「こうやって実現してはいいのではないか」というようななことを言っていただかないと、ここに記載する意味もあまりないのかなと思う。できれば、「出来てないからやってください」のような問答みたいな答えはもう止めていただいて、「そういうことなのだったら、こうやってやった方がいいのではないか」みたいなことを議論していただいて、記載していただくと、ここにいる我々自身も専門の先生方からいただいたご助言によって、来年以降改善していくことができるかなと思う。この答えの部分の答え方についても改善をお願いしていただけないかなと思う。
  • (教育長)個々のテーマの課題の設定の仕方であるとか、論点の設定の仕方にもよるかと思うが、進行上留意してやっていきたい。
  • (岩下委員)基本方針1が主になるのだが、全体的に数値が上回っていると書かれており、少しまたさらに先に行ける兆しが見えてきたと感じた。ただ、先ほども出た国語力が低下気味ということで、言葉の力の大切さということで、新学習要領に変わって「主体的、対話的、深い学び」ということで「学習の中で自分の意見をしっかり話し相手の意見を聞きながら、また読んで書く。子どもたちがコミュニケーションを取りながら授業をしていくように」という形で、改善されてきていると思う。私は、この中で、相手のことを聞いてあげるということがすごく必要だと思う。これは授業をされている先生、学校関係者、携わっている方への要望のような形になる。私事だが、私はトランポリンの指導をしており、今月の初めにインターハイがあり高校から競技を始めた生徒で、チームでやる「シンクロ」という競技で、インターハイで銅メダルを取った。これは私の指導の中で本当に快挙である。10年ぐらい前からジュニアから教えている選手がおらず、高校から始める選手を教えている。2年目でインターハイに出場させ、また3年目での団体入賞は達成できていたが、メダルは本当に難しい。今回の選手は、サッカーをやっており元々運動能力が高かったが、私も指導の中で、例えば言葉のかけ方も、日本語には本当に表現がたくさんあるので少し間違えたら本当に落ち込んでしまう。ただ良い言葉を見つけて発すると、本当にその子の能力は短期間でも伸びるので、褒める指導してきた。それに加えて、ここ2年ぐらい前から「話を聞いてあげる」ということをしてきた。褒めると私が一方的に言ってしまうので、聞いてあげると逆に今までその子がこんなこと考えていたのかということが分かり、また表現力がついたり、想像力が高まったりということが実感としてわかった。特に、今は共働きの家庭も多く、なかなか親との会話は一方的になり、会話は少なくなり、また、Youtubeなどですぐに映像を見られる状況にある。想像力や発想力の育成のためにも、私は、新学習指導要領が「自分の意見をしっかり話し、相手の意見を聞きながら」と示す中で、「聞きながら」というところを重視し、自然にコミュニケーション力がつくよう、授業で指導していただきたい。例えば読書は、感想を書かせる以外に、「どうだった」と聞き、子供が興味を持ち、またそれが褒められれば、先生にもっと褒めてもらいたい、友達にこの話を聞いてもらいたいという思いとともに、国語力が高まっていくのではないか。また、国語だけではなく例えばいじめ、貧困、暴力、不登校などの問題にも広がっていくと思う。よって、現場の先生には聞いてあげる授業を重視して頂き、また例えば雑談でもいいから「今日どうだった」とか聞いてあげるということをもう少し力を入れていただいたら、もっと変わっていけるのではないかと思い意見させていただいた。
  • (教育長)ありがとうございます。
  • (岡部委員)国語力に関係することについて続けて質問させていただく。基本方針1で、言葉の力とあるが抽象的なのでもう少し具体的にお聞かせいただきたい。岩下先生もおっしゃったように、「読む」、「書く」、「話す」、「聞く」という四つの領域があると言われるが、言葉の力の点数が下がったという場合に、その四つの領域のどのポイントが下がったのか。読む・聞くは、外国語でもそうだが、どちらかというとまだ先にできる方だが、「聞いて話す」、「読んで書く」というように書く・話すことは、もっと高度な力が求められる。どこがポイントかによってはおそらく指導の仕方は変わらざるを得ないと思う。言葉の力を高める取り組みという場合に、どこが具体的に弱いポイントで、どのような取り組みをしていこうと考えているのかお聞かせていただきたい。
  • (小中学校課長)後ほど詳しく全国調査の結果報告の際にもお伝えするが、資料の最後に、全国調査の結果概要としてA3版の資料を付けている。国語については、どの領域かというのをそこに記載している。言葉の力は、岩下委員からの御指摘のように、言葉は多様なコミュニケーションから想像力、情緒等も広がっていくものという認識ではあるが、その基礎となるところをしっかりやっていこうと、学校現場にキーワードとして投げているものとして記載している。資料は後ほど詳しくは説明する、A3の資料の各教科の状況の右側をご覧ください。例えば、小学校国語では「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」、それから「言葉等の知識や理解」という領域ごとの平均正答率でみると、明らかに「言葉等の知識や理解」が半分以下である。どのような問題かは後ほど説明させていただくが、裏面でも、先ほどの岩下先生のご指摘にもあったように、授業の中では主体的対話的深い学びということで、「自分の考えを述べる」、「相手の言葉を聞く」ということはすごく進んできている。しかし、その基礎の基礎となる知識や理解、端的に申しますと、文法事項として何を言っているのか、主語と述語がずれるなど基本なところが大阪の子供は弱いと全国学テの結果から出てきているので、それをどのようにして学力をつけていくのかという問題がある。それは語彙力でもあり、日常の会話の中で、また、遊びの中でも会話が減ってきており、家庭の中でも会話は減ってきている。その状況の中で国語の力を基礎から付けるには、意識的にこどもたちが言葉について考えたり、学ぶ機会が必要だと考えている。テストの結果から見て国語の課題がなかなか改善しないのは、「言葉等の知識や理解」が原因というのが、小中とも共通しているところ。多くの子どもが日本語を母語としている中で、自然に知っているだろうという前提で授業するのではなく、やはり言葉や語彙を意識的に獲得していくことをやっていきたいということを、「言葉の力」というキーワードを投げながら、常に学校現場に呼び掛けているところ。また詳しく「どんなところが」というのは後ほど説明させていただく。
  • (岡部委員)ありがとうございます。また後ほどの説明を伺った上で、さらに質問をさせていただきたい。では、算数理科について質問させていただきたい。本編に関しては、理科教育に関しての充実が多く謳われていたかと思うが、理科の元になるのは数学、特に数学の論理力と考える。学習状況調査結果を拝見すると、小学校の算数と、特に中学校の数学の関数のところ、論理的にものを考えるというところがなかなか弱くなっている。これは国語力とも関係してくると思うが、対策はどのようなっているのか。また、これも、後でお答えいただけるのなら、まとめていただければと思う。
  • (岩下委員)防災力の向上についてだが、地域と連携した自然災害を想定した防災訓練について、学校の中で、訓練はされていると思うが、今後、地域と連携した訓練が私は必要と思う。一つは、地域と連携して、例えば消防署の人などを呼んで、訓練しているところがあるのか。近年、自然災害は非常に多くなっており、想定外のことが起きているので、学校だけでは対応が難しいところがある。そこで、例えば、消防署や地域の消防団など地域の人を巻き込んで防災訓練がまだ実行されていないのなら、実行していただきたいと思うがいかがか。学校だけでしか、実行していないか。
  • (保健体育課長)これまで学校での避難訓練は100パーセント実施されているが、ご指摘のように、様々な自然災害が多発している。その場合、学校だけでやっていくというのは難しいところがあり、何より住民の方々が避難所として学校に詰めかける可能性もある。そうした場合に、子供たちを守る、あるいは地域の方々と一緒に学校運営していくということになると、地域の方々の力が当然必要となる。これまでも、国の事業も活用しながら、地域と学校が連携した避難訓練を行っており、今年度も行っていく予定である。それぞれ学校だけでやるのではなく、自治会あるいは警察、消防、そういったところでの取り組みが進められている。その中で様々な良い事例が生まれてきている。自己評価でも書いているが、なかなか割合的には少ないところがあるが、この点は良い事例を積極的に市町村に、今年度、個別に働きかけていきたいと思っている。
  • (岩下委員)大阪府内ではどれくらいの割合で地域との連携の訓練を行っているか。
  • (保健体育課長)小学校では約半分ぐらいが連携されている。ただ、中学校になると16%ぐらいとなる。中学校での意識をもう少しつけていただきたいため、市町村にも話をしている。
  • (岩下委員)ありがとうございました。
  • (竹若委員)何点かお聞きしたい。本編15ページの具体的な取り組みの6番の「グローバル人材の育成」というところで、英語で授業を行っている中学校の英語担当教員の割合のところの進捗状況が×印になっているが、これはどういう意味か。
  • (小中学校課長)100%を目指すというところがまだ95.4%だったためである。△にしたかったが、ルールに基づくと目標達成してないため、×印ということである。95.4%までいったというのは非常に現場の先生が頑張っているので、気持ちとしては◎なのだが、目標は100%だろうということで厳しくつけている。
  • (竹若委員)かなり厳しいと判断だと思う。今、課長が仰っているように、私は95%まで行けば、進捗状況としてもう少し良い評価をつけてもいいのではないかと思っているので、後日検討いただけるならば検討いただきたい。先ほどの小学校教員の英語による研修だが、これも95%ほど達成している。井上委員のお話でもあったが、目標が100だと、それに至らないわけだから、当然、事務局の方で、府教育庁として100に近づけるための方策をお考えだろうと思うが、いかがか。
  • (小中学校課長)小学校教員については、各学校での研修については、まずは学校の中でリーダー的な教員を育成し、その先生から具体的に研修ができるようにしている。それから各市町村でも各学校の先生を集めて、いろいろな方向性から研修計画を立てている。ただ、小学校の外国語活動はやってきたのだが、「英語」ということで、「書く」、「読む」が部分的に入れられていくのだが、それをどのように入れていけばいいのかというのを、まず校長先生にそのイメージを持っていただくために、模擬授業を中学校の先生に舞台の上でやっていただくという研修も今後計画している。来年から本格実施するので、研修は先生から、それからこちらからもやりつつも、校長先生や学校管理職の先生にもイメージを持っていただいて、日々の指導にも生かしていただけるようにと考えている。
  • (竹若委員)先日、文部科学省の英語教育担当の課長とお話する機会があり、小学校の英語教育についていろいろと意見交換した。日本の小学校の先生は優秀だと2人で認識は一致したが、学習指導要領に基づいて研修をしていくのは当然のことであるが、よく言えば、始まったばかりなので、特に大阪は英語教育を売りにしていこうということで、小中高と一連の流れの中に英語力をまとめていっているわけだから、その辺りも、高校中学の学習指導要領との関連を意識づけて、今の間に、小学校の英語担当教員のレベルアップをどう図るのか。100%に近づけるのは大事だが、中身についても、当然、教育センターともタイアップしてお考えいただいて研修に努めていただきたい。
  • それから、概要の9ページの「(1)「学校経営計画中」の年度重点目標の実現度」のところで、残念ながら平成30年度は72.9%に下がっている。非常に残念だが、実は先般ある教頭と話をする機会があり、「あなたの学校では、年度初めに府教育庁から出す府立学校長に対する指示事項を年度初めの職員会議でどの程度活用していますか」と質問したら、10分程度という回答であった。10分という長さでどう指示事項を諮るのか分からないが、井上委員も常時仰っている、どれだけ府教育庁から出す指示事項を大阪府の教職員一人一人にどう周知できるかは一番大きなことだと思う。年度初めの職員会議での10分程度というのはどう判断するかは別として、やはり、校長の研修会等のときにあわせて周知いただけたらと思う。これはお願いですので、よろしくお願いしたい。
  • それから最後の13ページの審議委員の意見の中に、「いじめ対策」という言葉があるが、しっくりこない。学校教育は、いじめを起こさないことを最大の目標にすべきであって、この頃はいじめが起こった後の対策にばかり重点が置かれているように感じる。最近の大阪府内だけではなく全国を見ても、いじめによる自殺が相次いでいる中で対策が必要なことは分かるが、その中でこの文言の「いじめの認知件数を問題とするのではなく、重大事態に至らないようにすることを中心に」とあるが、これはどういう考えてこの表現はできたのか。
  • (小中学校課長)いじめについて、委員がおっしゃるようにまず、いじめを生まない学校づくり、全ての子がそこに居場所があって学校が楽しいということがまず基本だと思っている。ただ、その中でも、人間がたくさんいる中でいじめが起こり得るのだという感覚で、いじめに、些細な子供の変化から早いうちに気がついて、それが深刻化しないようにという意味でこのご意見を捉えている。重大事態というのは、不登校状態になるとかそれから怪我をするなどを重大事態というが、そのように深刻化しないように些細なうちから見つけて、子供たちのよりよい学校生活という、いじめを生まないところに繋がっていくようにしていきなさいという意味で受けとめている。
  • (竹若委員)そういうことだろうと思うが、先ほど申し上げたいじめということに関わって一番基本的な「いじめを生まない」「いじめを生む子供を育成しない」、それが、学校教育全般に関わって、教育活動を通して、人材育成する必要があるだろうと思う。この間も良原委員には大変ご苦労を掛けたが、いじめ対策ということで小中高、支援学校の校長1300人を集めて、文部科学省の児童生徒課長の講演・良原委員の講演があった。その1300人が集まった中での講演でしたから、良原委員、大変ご苦労様で、ありがとうございました。その中で児童生徒課長は「対策」のことばかりであった。それは「いじめ対策」というテーマであったので仕方がないと思うが、今後、研修会を通して、学校教育本来の果たすべき役割というものにウェイトを置いた研修会であってほしい。特に若い教員が多くなってきている中で、やはり教員による感性の差は非常に大きいだろうと思う。その点もこれから研修の中で謳っていただけるようにお願いしたい。
  • (教育総務企画課長)竹若委員のご質問に少し補足をさせていただきたい。本編の方の10ページ「点検及び評価調書(凡例)」の下の方のところに※3と書いてあるが、点検評価の報告書自体が令和4年度までとなっており、令和4年度を目標としているもの、それ以外に年度ごとに目標を定めているもの、あるいは平成30年度の目標として定めているもの、令和元年度以降を目標として定めているものということで分けている。先ほどの15ページの「英語で授業を行っている中学校の英語担当の教員の割合」は平成30年度に100%として目標年次を早めに設定していたため、その時点という意味で×ということにさせていただいた。それ以降に、目標年次があるものについてはまだ途中経過ということで達していなくても△、〇という形を取らせていただいているので、ご理解いただければと思う。
  • 先ほどおっしゃっていただいた概要版の「いじめ対策」のところについては、記載内容も「対策」というよりは「早期の発見」というようなこともあるため「いじめ問題」と変えさせていただこうと思う。
  • (岩下委員)対策のところで私の意見を言わせていただきたい。人間同士なので、いじめはなくならない。私たちが大人になっても、その方がいじめと感じたらいじめである。だから、いじめが起きてはいけないと蓋をするのではなくて、いじめがあって当たり前という逆の発想で、対策でなく、対応するべき。そのときに、その子どもたちが将来、人間的に成長できるような対応や指導を考えていただきたい。また、国語の力、言葉の力が身につけば、教師も、生徒も理解度が本当に上がると思う。小学生の時などにきちんと対応してあげれば、大人になれば知識もつくだろうし、どういうふうに対応していたら人とうまく付き合えるか、コミュニケーションが大事なのか、自分の態度を直したらいいのか、いう対策に繋がるのではないかと思う。

「会議に付した案件等」トップへ

議題2 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく令和元年度実施対象校(案)について

議題の趣旨説明(高等学校課長)

標記について、方針を示し周知を行うことを決定する件である。その上で、様々な意見を踏まえ、11月の教育委員会会議で最終決定する。

1令和元年度の方針

令和元年度は、工科高校及び国際関係学科における改編に着手する。

2実施対象校
改編する工科高校
  • 茨木工科高校
  • 西野田工科高校
  • 城東工科高校
国際関係学科の改編

<国際文化科への改編>

  • 旭高校
  • 枚方高校
  • 花園高校
  • 長野高校
  • 佐野高校
  • 千里高校
  • 住吉高校
  • 泉北高校

<グローバル科への改編>

  • 箕面高校
  • 和泉高校

質疑応答

  • (岡部委員)国際関係学科の改編について、意見とお願いを申し上げたい。国際文化科で第二外国語の授業が設置され、これについては高く評価させていただきたい。英語は当たり前の世界になってきて、英語以外にどの外国語が喋れるかっていうことがこれからのグローバル化の時代に、実際にビジネスや学術の部分で豊かな関係を作っていくと思う。何か新しいことを提案しようとか、何か新しい文化を作ろうというときに英語だけではもう対応できない、英語はできて当たり前の世界になってしまっているので、そういう意味ではこれからの国際関係を開いていこう、国際文化を作っていこうと推進していく高校が、第二外国語の授業を設けているというのは非常に高く評価されることだと思う。それにプラスして、Glhs(グローバルリーダーズハイスクール)、スーパーグローバルハイスクールなどを拝見させていただいて感じたことだが、そこに来ていらっしゃる外部の評価の先生方や、京大の先生方からも指摘されたことで、私自身も感じたことだが、国際関係に関しての社会常識を高校生があまり把握してないところが大きな課題だと思う。例えば、ボランティアについて、第三諸国に対して、どれほどボランティアしたらいいかを議論するのですが、ボランティアをするということ自体がその国の開発を止めているという部分が十分にあるというところなどが分かっていない。海外の高校生や大学生がそういったことをわかって議論しているという舞台に、いくら外国語ができたとしても、彼らが同じ議論ができる状況として乗っていけないという部分が出てくる。せっかく外国語という力がついてきたところで議論の土台を国際レベルに持っていかないと非常にもったいない。今それが起き始める兆しがないわけではないというふうに見たので、ぜひこの国際文化科や国際関係学科では言語をより豊かにするとともに、あるいは外国の文化に対して興味を持つとともに、実際に国際的に起きている問題、自分たちが引き起こしてしまいかねない問題、そういう政治問題、特に政治問題がすごく弱いと思ったので、そういったところに関する国際レベルの教養を身につけていけるようにお願いできればと思う。
  • (高等再編整備課長)まさに先生がおっしゃっていただいている通り、国際文化科の特徴として、確かに第二外国語という言語を学ぶことも大切ではあるが、それとともに非常に重要なことは、他文化を理解すること、あるいは他の国を理解することも非常に重要だと思っているので、この二つを両輪とし、今後の展開を考えていきたい。
  • (岡部委員)まさにおっしゃる通りで、お願いできればと思うが、他文化理解というと日本の学校は食事や着物であるとか、仲良くなるのに抵触しないところを理解する部分は積極的なのだが、実際の外国の人たちと接して、何が一番ネックになってくるかというと、そこの国と自分の国がどんな政治問題を起こしているとか、社会問題という点で日本のエネルギー開発がそこの土地の森林をどれだけ駄目にしているかとか、そういった状況が実際は一番大きく響いてくる。そういうところが分かってない状態で、こんな食事おいしいねとか話せたとしても、それは、小学校・中学校レベルのコミュニケーションだったら仲良くできると思うが、高校生以上大学生・社会人になったときに、そういうレベルのコミュニケーションしかできないというのであれば、どこに出て行ってもビジネスや学術の話はできなくなってしまう。そういった面の政治・国際問題に関する教養を高めていっていただければというふうに願っている。
  • (教育長)大変重要なご指摘だと思う。ありがとうございます。
  • (井上委員)2-4ページの茨木工科高校の「今後・・・」のところだが、一つ目の質問は「今後、Iot技術に対応できる取り組みを一層発展させる」というところの取り組みの中身は、例えば、どんな授業を充実させるとかどんなプロジェクトをするか。どのようなものを予定されているのか。二つ目は、西野田工科高校では「今後、防災やユニバーサルデザインなど次世代の住環境を考える取り組みを一層発展させる」ということで、同様の質問なのだが、どんな授業やプロジェクトを進めるというカリキュラムが予定されているのか教えていただきたい。三つ目が、2-5ページの国際文化科だが、学校によって設定されている言語の授業の数が違うのでここの理由何かあるのかを教えていただきたい。6言語というのはどういった外国語が予定されているのか教えていただきたい。
  • (高校再編整備課長)まず、茨木工科のIotの取り組みについてだが、茨木工科では、例えば人工衛星を飛ばす取り組みを実はクラブ活動等もやっており、そこで人工衛星との間での高度の測定や気圧の観測のデータをやりとりするための通信技術への取り組みが必須となっており、Iot技術を今後やっていくに当たって、この通信技術が非常に重要になってくると考えておりますので、機械あるいは電気、こちらの学科の中でこういった通信技術に関する取り組みを充実させていこうと考えているところ。西野田工科については、府立で唯一土木工学や建築の取り組みをやっている学校であり、これまでにも、例えば防災や環境に関するビオトープ等の取り組みを行っているので、それを引き続き発展させるような形で今後の住環境の取り組みを充実させていきたい。3点目の各高校の国際文化科の言語数の違いは、生徒の実態等々に合わせ学校で開講できる授業を色々と選定した結果、現在の形として4言語から6言語までのばらつきが出てきている。6言語については、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、イタリア語、スペイン語である。
  • (井上委員)Iot技術は僕が理解するところでは、当然、広義の通信技術、遠隔地とやりとりをするものも広くは含まれると思うが、一般的には、Iotは、全ての通信できるものにデバイスが入っていて、ネットワーク技術に関する勉強ということで、かなり主要な科目として上がってくると思うが、そういったものも含まれているということでよいか。
  • (高校再編整備課長)この点についても、今後、学校と調整しながら、どういった形で、Iot技術に対応した授業の組み立てができるのか検討してまいりたい。
  • (井上委員)Iot技術は、世の中でも、大学でも、社会人でも、文系の人でも勉強しましょうという感じになって来ている。そのときに人工衛星の打ち上げと、このIotは広い「通信」という意味では繋がってくると思うが、一般論で言うIot技術とは少し遠いという印象を受けたので、Iot技術に対応できる取り組みをもう少し、今度、分かれば教えていただきたい。

「会議に付した案件等」トップへ

議題3 府立高等学校における令和2年度使用教科用図書の採択について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】標記について、府立高等学校が選定した教科用図書をすべて採択する件である。

質疑応答

なし

「会議に付した案件等」トップへ

議題4 府立中学校における令和2年度使用教科用図書の採択について

議題の趣旨説明(高等学校課長)

標記について、府立富田林中学校が選定した教科用図書をすべて採択する件である。

【質疑応答】

なし

「会議に付した案件等」トップへ

議題5 府立支援学校における令和2年度使用教科用図書の採択について

議題の趣旨説明(支援教育課長)

標記について、府立支援学校が選定した教科用図書をすべて採択する件である。

質疑応答

なし

「会議に付した案件等」トップへ

報告事項1 府立高等学校における進路保障機能の充実について

報告の趣旨説明(高校再編整備課長

標記について、報告し、教育委員会に意見を求める件である。

質疑応答

  • (岡部委員)大武課長から説明があったように、特に卒業後の定着段階を手厚くというのは、先ほどの評価報告書の基本方針で就職率は、評価の一定の基準になっているが、就職させればいいというだけではないのだという方向性を大阪府教育庁が打ち出すことは、とても大事なこと。押し込んだはいいが、3年たったらもういないというような状況を作らないように、その後のフォローや、その後もし職場を離れた後もどこにつないでいくかということを見越した職業教育をしていくということを大阪府が責任を持てる体制を作っていくのはとても大事なことだと思っているが、それを踏まえてお願いが二点ある。一点目が、先ほどの表の上の部分で、キャリア教育コーディネーターがスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーと、専門人材とも連携をとっていくということなのだが、もちろんこの三者、Ssw(スクールソーシャルワーカー)、Sc(スクールカウンセラー)の入っている学校はこの体制を整えていただければと思うが、全ての学校に入るわけではないと考えるのであれば、この人たちがいない学校の組織をどう作っていくか。進路保障機能の充実というのが、エンパワメントスクールを中心にして府内の全ての高校に広がるような見通しを持っておられると伺っているので、専門人材を入れることができないところをどう組織立てをしていくかということも見越しながら、外の窓口との繋がりを作っていただければというのが一点お願いである。
    次のお願いが、基本方針の9や2の中退とも関わるが、高校になると、あるいは中高一貫の富田林では、地域を離れてしまう生徒が増えてくる。その場合に、自分が学校を離れてしまったらどこの自治体に相談すればいいのかというのがなかなか難しい問題になってくると思うので、福祉と教育が自治体という点でずれてしまう部分に関して、学校がどこまでできるのか、あるいはもうここは学校を超えてしまうから、福祉部と連携を取るというところに関して、まだ整理が十分についてないところだと思いますので、引き続き連携をとっていただけるように進めていただきたい。
  • (高校再編整備課長)まず一点目は、今後の展開ということだが、まずこの事業についても、現在、検討を始めた、まさにこれから取り組んでいこうということところであるので、まずは、モデル的にスタートしていこうか考えている。その上で、そのモデルをどのように広げていけるのかということである。確かに人材が配置されているエンパワメントスクール、その他いろいろ配置されている学校もあるので、そういった学校に展開するというのは一定、対応できる部分もあろうかとは思う。それ以外の学校への展開方法については、このモデル事業の取り組みを通じて、今後展開方法を検討してまいりたい。2点目の地域との繋がりをいかに作っていくのかという点だが、これについては、卒業後の定着段階の確認支援のフェーズだが、これは全てこの専門人材が対応するというものではなく、いずれ、卒業生、あるいはそういった方も地域に帰ってくるので、定着段階のフェーズのところで地域との繋がりをきちんとつないでいけるように、単に個々に対応するのではなく、このフェーズを生かして地域へ繋ぐ、地域へのソフトランディングをしていくような制度設計をしてまいりたい。
  • (岡部委員)一点、今後、将来的にご検討していただければと思うのだが、ソーシャルワーカー、キャリア教育コーディネーターを全校に配置できないとしても、拠点校に配置はできていくと思う。拠点校と拠点以外の学校をつなぐとき、専門人材の謝金が、そこに体を持って行って初めて出るという謝金形態となっていると思う。例えば、スカイプやそういうIctを使って、Ictで面接したことに対しても出せるような謝金形態を作ると、少し幅が広がってくるということもあるかと思う。今、Ictを広げていくところについて、全国的に文科省も音頭を取っているところだと思うので、単に教科学習だけではなく、そういった福祉対策にもIctが活用できるよう検討していただければと思う。
  • (高等学校課長)先ほどの中退生徒への対応というところで補足させていただく。どんな学校にでもやむを得ず高校中退する生徒が出てまいるので、そういった場合は生徒それぞれの状況に応じて、例えば、転学の相談や高卒認定試験など、他校等での就学に繋いでいくということもある。一方で就労への繋ぎであれば、これも配置されている学校においてということになるが、過去の例でいえば、例えば学校とスクールソーシャルワーカーが連携して、福祉機関に繋いだり、就労希望する生徒にハローワークへ学校が繋ぐということはやっている。例えば、過去の事例で言えば、中退した後にひきこもりになってしまうリスクが非常に高い、そういう生徒がいた事例について、生徒の保護者に対して、これは地域によって名称が異なるそうだが、ひきこもり地域支援センターという機関があるので、そのようなセンターを紹介しながら社会生活との縁が途切れないように、指導を継続していった例があるというのは聞いている。ただ、今もご指摘があった通り、Ssw(スクールソーシャルワーカー)などの外部人材が十分に活用できる学校においては、という前提がどうしてもついてまわるので、ご指摘の通り、そういう配置がなされていない学校においても、必要なときには人材が活用できるよう今後、拡充に向けて高等学校課でも検討したい。
  • (良原委員)進路保障機能の充実ということについては、1年生・2年生・3年生それから卒業生というふうに時間軸を設けて考えられたというところが、私はこのロードマップにおいて素晴らしい視点と思っている。すでに、例えばエンパワメントスクールで言えば、もちろん全校ではないのですけれども、キャリア教育コーディネーターがすでにいて、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーもいるというように、ある程度専門人材はおられて、支援体制がある程度できている。体制ができているだけではなくて、これをどう機動・機能させていくかという機動力のもとになれば良いと感じている。基本方針4でも、例えば、不登校や中退防止の問題や暴力いじめ問題について、支援体制の構築ということが言われているが、体制を作っても機能しなければ意味がないと思っているので、ロードマップを作って機動させていくということが、進路保障の問題だけではなく、色々なところで色々な支援体制が作られるヒントになったり、きっかけに繋がっていけばと期待しているし、それをまた一緒に頑張らせていただきたいと思っているので、よろしくお願いしたい。
  • (井上委員)一つ意見と一つ質問がある。上の右の箱で書いているキャリア教育コーディネーターの役割は、担当教員とスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの連携を取り持つハブのような存在になる非常に重要な役割と考えているが、その中で業務例に色々な面接や受験指導などが書いてある。当然、就職する生徒のやりたいこと、興味があること、そういったことを見つけてあげるとか、向き不向きなどそういうことも非常に大事だと思うが、僕はこの下の箱の専門人材研修というところで、キャリア教育コーディネーターの方に、マクロで世の中がどう動いているか、この産業セクターはこれから伸びる、ここはやっぱりどうしても小さくなっていくという、そういった知識を前提として持った上で、こういった会社がいいのではないかということや、向いていますよということを指導してもらいたい。おそらく先生も生徒もこの人にものすごく信頼関係を持って相談して決めていくと思うので、その方にそういった大きな流れをしっかりと分かってもらう、もしくは継続して掴んでいくようなことをやってくださいというのをお願いしていただきたい。もう一つ質問は、一番下の右端の「進路相談(卒業後の相談窓口)」と書いてあるが、これはどういう窓口を想定されているか。
  • (高校再編整備課長)まず一点目のキャリア教育コーディネーターの産業界に関する知識の強化の点については、キャリアコンサルタントという国家資格をお持ちで、労働市場の知識やそういったことに関する資格を取る際に講習を受けているということ、これが5年ごとの更新ということで一定の知識があるのは確かである。ただ、やはり、先生がおっしゃっている通り、それを常にリバイスしていかなければならないと考えているので、私どもの持っているツールとして、商工労働部等々と連携し、彼らの研修内容や知識を還元できるようなそんな仕組みを考えていくことができればと考えている。二点目の卒業後の相談窓口とは、一定このキャリア教育コーディネーター、スクールソーシャルワーカー等々の相談に乗る人材が校内にいる状態になるので、卒業する際には、いつでも困ったことがあったら相談に来てくださいねという周知をきちんとして、受け入れ体制を整えていくイメージである。
  • (井上委員)すると、卒業した母校に連絡して相談したいというとき、行って相談するという前提になっているのか。
  • (高校再編整備課長)イメージとしては、色んなチャンネルを作っておかなければならないと考えており、先ほど岡部委員のお話でもあったが、きちんと地域へソフトランディングさせる、地域の労働資源、福祉へつないでいくというチャンネルを作るのも一つであり、なかなかそこで相談しづらいということがあったときに相談できるような一つのチャンネルとして、学校にもこういった人材を置いておくというイメージである。
  • (井上委員)岡部委員がおっしゃったように、生徒も対面でするのが一番良いと思う。ただ、中には対面より、忙しいからとテレビ会議がいいという生徒もいると思う。また、逆にキャリア教育コーディネーター、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの方が学校にも居なくても面談できるような仕組みがあれば、移動の時間も削減でき、さっきおっしゃった報酬の支払いでは何かしら仕組みが要ると思うが、そういったことができれば、気軽にとにかく何か困ったことがあったら連絡できるということにしておかないと、わざわざ学校に行くのがしんどいと思うと「もういいや」となって、それで結局状況が悪化していくという、そのようなことを避けないといけないないと思う。さっきおっしゃった通り、対応窓口をご用意されることを是非とも進めていただきたい。
  • (教育監)各学校とも、就職希望者に対してはかなり早くから、本当に一人一人と話し合いを、相談をしながら、「どこが向いているか」とか、あるいは「どんな職種がいいのか」というのを丁寧にやっているが、残念ながら御指摘のように離職という問題もあり、それが職種のミスマッチなのか、企業のミスマッチなのか、あるいは対人関係で悩むという子たちもいる。今回、モデル事業を通し、どんな取り組みをしていけば、マッチング、広い意味でのマッチングを、進めることができたか、この子たちを支援できたかというのを積み重ねて、何とか全府立高校に広めていけるように取り組んでいきたいと思うので、どうぞよろしくお願いしたい。
  • (教育長)このテーマにつきましては、教育委員の先生方にもご指導賜りまして、何とか形になってきたものと思う。私自身の問題意識は、就職希望、進路希望という前提段階で止まってしまっている生徒、この資料でいいますと、具体的な進路が決まらないまま卒業する生徒が、結構な数いるというところである。加えて、知的あるいは発達の様々な特性を抱えた生徒、自己肯定感が低いままの生徒、そういう生徒に対して、少し踏み込んだ言葉遣いかもしれないが、「進路保障」という思い切った言葉を使いつつ、キャリア教育に取り組んでいきたいという思いである。次年度に向けて、モデル的な予算要求ということになると思うので、そのあたりまできちっと議論させていただきながら進めてまいりたい。

「会議に付した案件等」トップへ

報告事項2 平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査の結果について

報告の趣旨説明(小中学校課長)

標記について、報告する件である。

質疑応答

  • (岡部委員)今、詳しく説明していただいて何がポイントなのかということがよく分かった。常日ごろ私自身も学生を見ていて感じていることだが、文脈の中で理解ができないという、しかも動いている文脈の中で理解ができないというところが一番大きい。関数でも、Xが動いた場合Yが変わることが分からない。いつも同じ答えを求める形で止まってくれていれば、出せる答えはいつでもあるのだけれども、状況が少し動くと、状況が少し変わると、その変わったことに合わせて自分の知っていることをアレンジできないというところが非常に弱いことが改めて数字として出てきたというのがよく分かる。これに関しては論理的な理解は確かにそうなのだが、止まっている文脈、文章の中で読むということを繰り返していってもなかなかそこは対応できないと思われる。もちろん、その理解も上げていかなければならないと思うが、これが一つの方法だけでなく、別に色々な方法があると思うので、分かっていることを、いかに新しい状況の中でどれだけ使うかということが、どこで訓練されるかだと思う。Pisaの学力低下が叫ばれ、最初のPisa2000の中で一番弱かったのが、オゾン層のできていく過程について、オゾン層の化学式はできるのに、学校に通ったことのないおじさんに、漫画をもとにオゾン層ができていくところを説明してください、と言ったとたんに出来なくなった。自分の知っていることなのに、自分が知っているテストで学校の先生に答えるのだったら答えられることを、一般的なHやOという用語を使ったらいけないと言われた途端に説明できなくなるというその力だと思う。やはり、同じ言語を喋っている人に対しても、違う文化背景を持っていたら喋れないということになっていくし、もちろん違う言語で違う文化の人と話すときには全然話せないということになってしまう。英語を勉強した・スペイン語を勉強したと言っても、その勉強したスペイン語等をどう使うかというところが、日本語ですら、そこができてなければ外国語でもできないということになっていくと思う。分かったというところで止まるのではなく、自分が理解したことをどう使うかということを、いろんな場面でしていく、そのために総合的な学習の時間や特別活動というのはあったはずなので、あるいは高校だったら、インターンシップが入ってくると思う。文化祭・インターンシップなどで、学校の中の人ではない人たちと話すときに、どう学校の知識を使っていくかという取り組みをぜひたくさん取り入れていただければと思う。もう一つ、学校図書館の取り組みもぜひ進めていただきたい。この間、各紙に出ていましたが、文学が選択になり必修ではなくなった。書いていないことを読んでいくというのが論理的にものを考えるっていうことで、話すときでも「おはよう」という言葉から、この子は今日元気だとか、友達が何か悩んでいるようだ、というのを読み取っていくのがコミュニケーション力で、「悩んでいるんだ」とか「困っているんだ」と言われなければそれがわからないというようでは、コミュニケーション力がないということに等しいということになる。そういった、書かれてないことを読んでいく力は、本を読むということと、読んだ本とか見た映画に関して、単に感想を先生に提出するのではなく、それを同級生同士、あるいは、そのことについてもう少し自分より小さい人たちに説明する、また自分が受け取ったものをどう社会の中で豊かに活用していくのかという、そういう場面があるというのが大事だと思う。書いてないものを読み取れと言っても、書いてないものをそのまま読み取ることなんて誰もできないので、読み取っている人がどんなふうに読み取っているかというのをその場で一緒にいて、「そんなふうに読み取ることができるのか」、「そんなふうに受け取ることができるのか」と実践の中で、経験で学んでいくしかないことだと思うので、コミュニケーションの場をぜひ取り入れていただければと思う。そこがポイントではないかと思って結果を聞かせていただいた。
  • (小中学校課長)学校で、まず知識をどう入れるかというのが問題だが、それをしっかり活用する場を設けていくように総合的な学習の時間でありますとか、その他いろいろな特別活動の時間とかにつながっていくという意識はすごく大事だと思う。子どもたちが、「勉強したことが社会で生きていくんだ」ということを学校の中でも体験していく、そういう活動を増やすことはすごく大事な視点だと思うので、今後の指導に生かさせていただきたい。国語力の中で、論理的ということについて、文学もこれまでの読ませ方は細切りにして、どんな気持ちだったのか、というような授業が多かったが、そうではなく、ざっくり読んで、英語とも共通するが、同じ物語でも、それぞれ感じることや気になることが違うので、それぞれの感性でこう読んでいる、というようなことを感じるのが、色々な面で必要になってくると思う。文学的な文章をどう展開するのか、それは学校図書館との連動で、最後は、1人で本を読んで、そこから自分で学んで自分の中で対話して、というところが大事だと思うので、そこに繋がっていくような文学の指導、逆に全ての教科に繋がっていくような論理的な理解や表現をきっちり国語の時間に入れていくというように、国語の授業改善についても、教育センターと連携しながら進めていきたい。
  • (井上委員)二つ教えていただきたい。中学校の英語の「聞くこと」「読むこと」「書くこと」は、全国の平均と比べてどうなのか。もう一つ、小学校・中学校は、科目別で違うと思うが、平均は上回ったことは分かるが、散らばり具合というか、かなり平均に寄っているのか、それともすごくできている子とできていない子の散らばり具合が全国より大きいのか、その2点を教えていただきたい。
  • (小中学校課長)散らばり具合については、別途資料があるため、またお示しする。中学校については、まず「聞くこと」は全国が67.9、「読むこと」が全国は55.8、「書くこと」が45.8であり、「書くこと」の正答率が非常に低い。最後の方に難しい問題があり、難しい問題は割と大阪の子は踏ん張ってやっている。ただ、概ねたくさんの子ができているところについては課題が出てくるという二極化というところもあるのかとは感じているところである。正答率が低い方ができるという状況が、英語は、昔から割とそういうところがある。
  • (井上委員)何十年も前だが、アメリカの大学院に留学したとき、一番難しいのは実は、「書くこと」だと言われていた。そういったところを一番頑張っているというのは素晴らしいと思う。これは、なぜこのような結果が出ているのかというのを知りたい。また、この前、ある会社の教育のプログラム、つまりタブレットで個々人のその能力に応じて課題を出していくというプレゼンを聞いたのでだが、それは理屈からいうと、例えば漢字が苦手の子だと、漢字の問題をどんどんやりましょう。論説文が苦手な子は論説文やりましょうというもの。集団の授業で先生が教えるとなると、どうしてもその全体的な傾向でここが弱いとなるとやっぱり全体的に強くしましょうという、そんなことも致し方ないと思うが、実は、個々人のレベルに落としていくと、例えば漢字ができる子にも20%増しで課題を出すようなその子にとってプラスにならないということがあると思う。先ほどIctの活用とおっしゃっていたので、まだ先になると思うが、制度で一人一人そういったタブレットが配付されるということであったり、またそういった裏側で動いているプログラムは、おそらく人工知能の精度の高まりも要ると思うが、何かそういったことも研究をしていくと、全体的な傾向は当然だとしても、個々人でも対策をやるということで全体的に底上げしていくことを研究していくというのも一つの手ではないかと思った。
  • (小中学校課長)その通りでありまして、府の傾向であるので、個別は全然違うというところがある。国のテストは決められたデータを見ているだけだが、例えば中学校のチャレンジテストであれば、こちらでどのような点で分析していくのか、また個別の子供にどんなところが要るのか、できれば教材まで民間業者と連携するなどして、先生方に提供して支援になっていけばいい。それはまた働き方改革も繋がり、子供にとってもいいものになるというようなことを今後も研究していきたいと考えているので、またご指導いただきたい。
  • (竹若委員)報告を聞かせていただき、個人的には大阪の子どもたちの学力が向上してきたという感じを持っている。平成19年に学力テストが始まったときにはもう大阪は最悪であった。当時の学校の現状は、国が勝手にするテストだから君たちには関係ないという雰囲気に流れたことも事実である。当時の児童生徒は、直接自分の成績に関係ない、分からなければ書かなくていい、だから無解答率が抜群に多かったのが現状だったと思う。そういうことから考えると非常に学校現場も先生方も意識も変わり、今までの努力が報われてきたのではないかと思う。中学校のチャレンジテストも然りであり、それがだんだんと中学校の学力向上にも繋がったのではないかと思う。再三お願いしている学力向上支援チームのことだが、府の教育庁が打ち出している国語力の向上方策、算数・数学の向上方策等、これらについては、きっちり出していただいているわけである。先日、校長を退職されて教育センターで学力向上の支援チームとして各学校現場をみておられる方と話をする機会があった。その方が言われるには、学校は変わってきた、一生懸命やっている、という評価だった。ただ、「何を一生懸命されているの」と聞いたら、言葉が途切れ途切れになる。「具体的に事例を言ってみてください」と言ったら、出てこない。でもそこに、再三申し上げているように、学力向上支援員を学校につけているわけだから、その方たちが、府教育庁が出す向上策そのものの具体的な事例をポケットにたくさん持っていただけたら、学校はもっと生き生きしてくるのではないかと感じた。確かに、個々それぞれ支援員の方の考え方もあるし、一概にこれだということを言えないのが学力向上かもしれない。しかし、例えば、秋田に行ったときに、ある小学校では1年生から6年生まで教室の廊下に短歌の短冊が貼ってある。それは発達段階に応じた表現なのだが、それを毎週貼り替えている。一つの事例だが、子どもたちにすれば自分の思っていることを言葉に出して、そしてまとめて書く。たった一つのことだが、こういったところに学校を挙げた取り組みが効果としてあらわれるのかなという事例である。そこでお願いなのだが、府教育庁として、市町村でも非常に私はバラバラで、差があると思う。私自身も、勤めているとき、自分の市の学力の低さにずいぶんと悩んだ。しかし、その市町村単位の評価をここで出せというのではなく、苦しんでいる市町村があると思うので、そういった市町村の教育委員会を支援していく、まさにその通りだと思う。先ほど申し上げたように、府教育庁が出す方針の具体事例を支援員の方にたくさん持っていただいて支援に当たっていただきたい。これが切なる願いである。支援員の方に不信を持つわけではないが、どうも聞いてみると、自分の経験だけで今までやってきたことが、良きか悪しか分からないが、それで指導いただいているニュアンスもあったように思う。今一度、これから先、支援員を集めて、情報交換するなりして、具体策をぜひ持っていただけたらと思っている。大変なことであるが、それを一つクリアすることが、市町村なり学校現場で大変効果があることだと思うので、よろしくお願いしたい。
  • (教育長)前向きなご指摘として受け止めさせていただく。

「会議に付した案件等」トップへ

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?