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2.2 手引き作成の着眼点
第2章 手引き作成の基本的考え方
2.2 手引き作成の着眼点
(1)建築物の環境負荷抑制の重視
建築物の環境配慮制度では、建築物による環境への負荷抑制に関する事項のほか、建築物の室内環境や、生物環境の保全や創出、まちなみや景観の形成に関する事項など、幅広い環境分野での取り組みについて、CASBEE-新築(簡易版)というツールを用いて総合的に評価することとしている。
この手引きでは、CASBEE-新築(簡易版)の評価項目の中でも、建築物の環境負荷抑制に関する事項を重視し、特に地球温暖化・ヒートアイランド対策の観点から、建築物の環境配慮制度における大阪府の重点評価項目((1.)省エネルギー対策、(2.)緑化、(3.)建築物表面等の高温化抑制)に、(4.)資源の有効利用を加えた4つの項目を「手引きの重点項目」とした。
(2)大阪府の施策、特性の反映
大阪府地球温暖化対策地域推進計画では、建築物に関連する重点対策として、条例による建築物の環境配慮や緑化の促進のほか、既存建築物へのESCO事業の導入促進、新エネルギーとして太陽光発電の普及促進、リサイクルの推進等を掲げている。この手引きは、このような大阪府の施策や、気候、市街地の状況や特色といった、大阪府の特性を踏まえた環境配慮技術の掲載や建築事例の紹介に努めた。
(3)多様な用途・規模への活用
建築物の環境配慮は、新増改築される大規模な建築物への取り組みだけでなく、中小規模のものや既存の建築物に対しても重要である。
このため、手引きでは、建築物の環境配慮制度の届出の対象となる特定建築物(5,000平方メートルを超える建築物)はもとより、届出の対象にはならない中小規模の建築物や既存建築物についても、省エネルギー対策等の環境配慮に活用できるように、中小規模の建築物における環境配慮の取り組み事例や大阪府ESCO事業の事例等を掲載した。
また、様々な用途の建築物の参考となるよう、多様な用途の建築事例の紹介に努めた。
(4)運用・管理を含む先進的な技術の紹介
近年、建築物の環境配慮技術は、より高効率の性能を目指して技術開発が進んでいる。また、同様の手法でありながら企業によって多種多様なシステムが提案されている。
この手引きでは、できるだけ最新の技術を紹介しながら、類似のシステムは横並びで掲載して比較できるようにした。
一方、省エネルギーや温室効果ガス削減の実効性を高める上で、運用・管理のあり方は極めて重要であり、エネルギー管理を着実に実施し、その成果を有効に活用していくための技術や支援するしくみ等についても、重点的に取りまとめた。